三瓶山(島根県) 2006,1,5

師走寒波の波状攻撃で、私の生まれ故郷である山陰の山々もドカ雪に見舞われていた。正月とはいえ、何かと頼まれ仕事があってタイミングが悪かったが、帰省中のラストチャンスを突いて、三瓶山に行って来た。

5日は早朝から激しく雪が降っており、平地も一面白くなっていたが、ともかく行ける所まで行ってみようと、山陰海岸の国道9号を走った。1時間弱で三瓶西の原に着く。雪は横殴りに降ってはいるが、朝8時の太陽が雪雲の向こうにうっすらと見えていたので、これなら行けるかも、という気になって出発した。西の原は積雪60cmぐらいである。

雪が積もっていない時の西の原なら10分で突っ切るのだが、どこが道だかわからない雪原は足がはまって歩きにくい。トレースがなんとなくあるのだが、これも新雪でわかりにくい。
小三瓶分岐の休憩舎まで行くのにもう汗をかいてしまった。

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(この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号:平16総複、第286号) なお、地図の彩色等はカシミール3Dを借用しました。)
五合目ぐらいまでの樹林帯はトレースがあったので楽だった。新雪が10cmぐらいのっていたが、まあないも同然だ。ところが樹林を抜けると風雪が強く、トレースを消してしまっている。
仕方がないからアイゼンを装着。
時々こんなふうに雪が小止みになった。
さっき登ってきた西の原が見える。これぐらいの視界なら今日は頂上まで行けそうな気分になった。
尾根に出ると左からの風が強い。そんなに痩せた尾根ではないので安心して登れるが、天気はまた悪くなってしまった。風下の積雪は1mはあるだろう。写真はいま登ってきた尾根を見下ろしている。
山頂部は広い平坦地になっていて、目標物が見えにくい日だった。雪の上に標識が出ているおかげでなんとか頂上に導かれた。
風雪がザックの中やカメラバックの中に入り込むので写真を撮るのも一苦労である。
山頂に着いた。時計を見ると、車から2時間40分も経っている。普通なら1時間30分で着くのだが。
ポールの影でカメラを取出して、さっと構えて撮った。連続してもう数枚撮ったのが次のカット。
方角板だが、ゆっくり見ている暇はない。
後ろには三角点も見えている。
標高は1126mしかないが、日本海からの季節風をまともに受けているので、伊那谷の1000mの山とはわけがちがう。
避難小屋がうっすらと見えるが、今日はあそこまで行くのをやめる。避難しても、この風雪ではトレースが消えてしまって余計に遭難してしまいそうだから。
山頂にいた時間はほんの5分だ。すぐに引き返したのに、一部トレースが不明であせった。1分ほどさまよったら見つかった。この間に2度股までもぐった。
無事に尾根にたどり着いて一安心。
下ってきた自分のルートを見上げてみる。
足跡が蛇行しているのは、少しでもアイゼンが効きやすいところを選んでいるから。
この雪の下には夏道が隠れているが、そこがへこんでいるため、つっこむと股までもぐりこんでしまう。まるでヒドゥンクレバスだ。
これから下るルートを見る。
トレースは登ってきた自分のもの。
樹林帯まではあともう少しだ。
天気も回復してきてまた西の原が見えてきた。
山頂で晴れていればもっと写真が撮れたのに。でもなんとかこれで無事に帰れそう。
西の原に下りてきた。
雪に足をとられながらほとんど引きずって歩いている。ぶざまな足跡だ。
正月中ごろごろしてばかりだったので、いきなりの雪中山行は足にきた。
三瓶の麓にも志学温泉といういい温泉があるが、この日は夕方から家族で玉造温泉に行く予定があったので早々に帰った。

三瓶山としては厳冬期といってもいい悪条件で登頂できたのは幸運だった。
2006年のさいさきのいいスタートが切れたと思う。



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