大西山(伊那山脈)  2005,11,5

ルートマップは「大西山」を参照のこと

ジャーナリストのHさんが、まだ登っていない故郷の山を歩きたいと言われるので、道案内を頼むと念丈倶楽部事務局さんから電話があったとき、私は年甲斐もなくワーイワーイと小躍りしてお引き受けした。

この山は一番道のいい大鹿ルート、2番目にいい松川ルート、笹漕ぎを強いられる豊丘ルートの3本があるが、一番短くて紅葉のきれいな松川ルートで登ったらずばり正解だった。


松川町の福与から大鹿村にぬける峠越えの道を柄山まで登ると、大きな左カーブの右側に狭いトンネルが見える。

そのトンネルをくぐって坂を下り、突き当たりを左折すると間沢川沿いの林道に入る。あとは林道の終点まで行けば、そこが今日の登山口だ。

今日は間沢川の本流をひたすら登るコースなので、支流に紛れ込まないように注意しよう。


広葉樹の広い河原に入ると、すぐに2、3回小さな沢を渡るが、朽ちた木橋は避けて石の上を行ったほうがいいだろう。
踏み跡はしっかりしているし、テープがべたべたつるしてあるので、迷う心配はない。
枯れ葉の敷きつめられた広い道を、おしゃべりしながらゆっくりゆっくり登る。

道は初めは左岸についており、やがて右岸に渡ってすぐ急斜面を少し登る。今度は少し高いところから右下の川の流れと紅葉を眺めながらひたすら登っていく。


本流には時々滝があるので、直登はやめて右岸を大きく巻こう。ちゃんとテープが巻き道に導いていくので心配はない。あまりにも本流から離れるのでここでいいのかと心配する支沢もあるが大丈夫だ。

写真は沢の真ん中にあったカツラの大木。(たぶんカツラだと思う。)
ポールは2mあるので直径は1.6mぐらいはある。見上げても上はわからないぐらい高い。こんな大木が点々と出てくるのだ。


登山口から歩くこと2時間前後で源流にたどりつく。沢からちょうど水が消えたところあたりから90度左に折れて、暗い林を登るとすぐに昔の作業場跡が出てくる。一升瓶が散乱しているが気にせず右斜めに谷をつめるとまもなく尾根だ。

写真は尾根が見えてきた最後の笹原。
明るいカラマツ林から木漏れ日がさしこんでいる。



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尾根に出るとしっかりした登山道がついている。これは大鹿村から登ってきた道だ。
急な坂を一回登りきると、明るい平坦地に出て、三角点を確認する。でもここは大西山ではない。

さらに足を進め、急な坂をあえぎながらもう2回登ると、展望台。ここにも三角点らしきものがあるが、やはりにせものピークだ。でも昼食はここでとった方がいい。


その展望台はこんな感じ。
Sさんお手製の豚汁を暖めて、のんびりとお昼を食べる。

山の話、本の話、イラクのこと、アメリカのこと、NHKのこと、いろんな話しに耳を傾ける。こんな山のうえでも貴重な勉強をした。

小一時間もここで過ごして、空身で大西山に向かう。


大西山の三角点周りは展望がきかない。
結構な遠方からもこの大西山に登っているようだ。伊那谷の方々の山で見かけるお馴染みのプレートも架かっている。

周りはスズタケが枯れていた。鹿による食害かそれとももっと違う理由か。

ときどき弱い西風が吹くと、カラマツの葉が金色に光って一斉に降ってくる。なぜだかいつもこの瞬間に晩秋を感じるのは私だけか。

私たちのコースタイムはゆっくりすぎてあてにならないが、登りは2時間30分、下りは2時間少しだった。春や夏でも、沢沿いのルートなので涼しいが、花はあまり期待できそうにない。秋は紅葉が楽しめる。冬は雪で滝の巻き道が消えるのでやめた方がいい。落ちれば川まで20mはある。


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