二児山 (南アルプス前衛) 2005,11,13 | |||
伊那市あたりから南東の方向を見ると、きれいな双耳峰の山が見える。 標高もけっこうある山なので、山に興味がある人ならきっと、「あの山はなんていうの?」と尋ねるだろう。それが二児山である。 大鹿村と長谷村とを分かつこの尾根は、北は分杭峠から南は塩見岳登山でおなじみの本谷山まで続く長い尾根である。この尾根上には二等三角点が二つあるが、その一つが二児山で、もう一つは分杭峠に近い奥上野である。山の位置からして、南アルプス前衛の山といってよい。 今日は晩秋の二児山に遊んでみた。帰りは黒河山まで足を伸ばして運動不足の解消にもなった。 |
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二児山のルートマップはこちら |
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この日、登ったルートは西尾根コースである。 写真のほぼ中央に白い橋が架かっているが、そのたもとに車を置いて、目の前に見える堰堤を左岸から乗り越える。そこからすぐ左の小さな沢をひたすら登れば、ワンピッチ50分で、ごらんのような展望となる。 尾根には道はないが、草も雑木もないので、初心者でも十分登れる。シカの道がなんとなくあるので、私はそれを利用した。 |
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なぎの頭からは気持ちのよい笹原の斜面だった。ここからはシラビソやコメツガなどの針葉樹が増えてくるが、やはり同じようなシカ道があるのでそれをたどっていくと、比較的簡単に登れてしまう。 前回登ったときもそうだったが、この山はシカが大変多い。今日も、シカの親子づれを見かけたし、キューンと鳴く声もきいた。 |
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2140m付近の平坦地。 この日初めて、赤テープを見た。 尾根にはなんとなく踏み跡がついていて、まっすぐに歩けるようになっている。地面にはうっすらと雪がのっているが、これは2,3日前のものだろう。 北川牧場から登ったという人は、おそらくこのあたりに出てくると思われる。 |
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西尾根をさらに登ると、展望のいい岩峰に着いた。 試しに岩にとりついてみると、意外に簡単に登れる。よほどの初心者か、高所恐怖症の人でないかぎり、大丈夫だと思う。 写真の右のポッコリ山が西尾根で、いまそこを登ってきたことになる。この写真は重力異常で斜めになっているように見えるが、これで正常である。 |
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ここが西峰の展望地。 岩の向こうは絶壁なので注意しよう。そのかわり、伊那谷とその向こうの中央アルプスの眺めは一級品である。 でも、この日は天気がいいのに地上は空気が霞んでいて山並みが見えなかった。残念である。 ここで、早めのランチにする。眼下に広がる北川牧場や黒川牧場を眺めて、セブンのむすびをほおばった。 |
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(画像クリックで拡大) |
伊那谷方面の展望 下に見えるのが北川牧場で、ここからまっすぐ登ったという記録もネットにはある。 鹿塩川の流れる谷を隔てて、向こうの平坦な尾根は伊那山脈である。三角点の笹尾というピークが見えている。 そのさらに向こうが伊那谷となる。中央アルプスは霞んで見えない。 |
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西峰から東峰に行くまでがちょっと曲者である。それは密生した樹林帯の中を、テープだけを頼りにしなければならないから。 鞍部まで下る時はテープがみあたらないことがあるが、登りはたくさん付いているのでまず迷わないだろう。前回登ったときよりも格段に道が良くなっているのには驚いた。 東峰山頂には御料局の石柱がごろんと転がっている。展望は4方ともダメである。 |
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いま登ってきた道を振り返ったところ。 樹林の向こうに西峰が見えるだろうか。遠いようだが実際はそうでもないから、黒河尾根から来た人は、ぜひ西峰にも行ってもらいたい。 この写真は西峰に向かう道だが、このすぐ左側に同じような道が黒河尾根に続いている。そっちもテープべたべたである。 |
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黒川牧場への出入口。 二児山から小一時間歩いてくると、樹林が切れて右手が明るくなる。そこが牧場との通路になっていて、有刺鉄線に細いテープがぶら下がっている。 ここから黒河山までピストンをして、あとは牧場の笹原を倒木に注意しながらまっすぐ下った。林道に出てしまえば、15分ほどでもとの車に着く。 |
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黒河山のルートマップはこちら |
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以前に登ったときは、9合目から上はとんでもないブッシュで歩きにくかったが、今回ははっきりと伐採した道ができていた。だれがつけたか知らないが、楽しみが減った気がしてならない。せっかくのマニアックな山がポピュラーな山になってしまった感じだ。 しかし、西尾根はテープはまだないし、北川牧場からならどこからつめても人は歩いてはいないことだろう。そういうバリエーションルートを探せば、まだまだ遊べる静かな山には違いない。 |
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