vyamaの不思議な夢物語ページ

このページは私が寝ている間に見た夢を書いたページです。夢なのでところどころつじつまが合わなかったりするところもあるでしょう。で、自分で考えても、あまりにもつじつまが合わないところは実は作ってます。(笑)そういう意味では私のオリジナルなのかな。ま、どこかに似たような作品があるんでしょうが、私が好きではない不気味系の物語ですから多分読んだことはないと思います。

若い商人の物語

昔々の日本の話。人里離れた所に、いかにもお金持ち風の立派な家に住んでいる若くて美しい娘が侍女の女性数人と暮らしていました。そこに訪れた若い柴田恭平似のイケ面かけだし男性商人。でも最初の商売は大失敗だったのでした。娘はこう言います。「私としばらく一緒に暮らせばいいことがありますよ。大儲けしたら一緒に暮らしましょう。」

商人はしばらく一緒にいた後、再び商売のため街に出て行きました。そこでは元いた土地と大違い。初対面なのに、誰もがその商人の言うことを信じて、どんどん物を買ってくれます。ウハウハです。どんなモノでも売れると思った商人は悪気を出して粗悪品を売り出しました。しばらくしてから商人からものを買う人はいなくなりました。結局商人は無一文になりました。

意気消沈した商人は先ほどのお金持ちの娘の所に行きました。娘は「しばらく休んで、別の街に行けばいいことがあるかも知れませんよ。」前の街とは違って、その街ではいろんな同業者が商人の言うことを信じてどんどんお金を貸してくれました。やっぱりウハウハ。でも商人には貸したお金に見合った分の商売が出来なかったので、お金を返してくれという人が出てきます。しばらくして結局商人はやはり無一文になりました。

ゲンを担いで商人は先ほどのお金持ちの娘の所に行きました。娘はやはり「しばらく休んで、もっと別の街に行けばいいことがあるかも知れませんよ。」今度の街では一緒に商売をしてくれる友達がすぐに集まりました。前の街とは違って、仲間はお金を持っていません。だから、お金の工面には本当に苦労しました。が、仲間は商人をリーダーとしてわずかな給料でも懸命に働いてくれます。そんな仲間のおかげで次第に商売も軌道に乗っていきした。商人も最初は皆と同じように働いていましたが、でも「仲間が働いているから、自分は怠けてもいいや」と、だんだん怠けるようになっていきました。

そんなある日。番頭さんが「同じ仲間だったのに、いつの間にかあなただけ怠けている。」と言い出しました。仲間のみんなはずっと一生懸命だったのに、その商人だけは怠けていることをみんな知っていたのです。結局商人はそのお店から追い出されてしまいました。

「やはりあの娘のところには運をつかむ何かがある」と商人は先ほどのお金持ちの娘の所に行きました。娘はやはり「しばらく休んで、もっと別の街に行けばいいことがあるかも知れませんよ。」今度の街ではすぐに素晴らしい刀を研いでいる刀工に出会いました。せっかくの素晴らしい刀を作っているのに、無愛想なこの刀工はお客にもっと素晴らしい刀を作れるはずと思い、恥ずかしがって誰にも刀をおおっぴらには見せませんでした。でも、それは他のどんな刀工が真似しようとしても出来ないほど立派な出来栄えだったのです。商人は何とか刀工を説得して出来上がった刀を売る役になりました。商人が刀を売るのがうまいと聞いて、そんな腕のいい職人たちが集まってきました。

ところが売り出した途端、刀の評判が急上昇。しばらくはそれまで作っておいた刀を売っていればよかったのですが、しまいには刀作りが注文に全く追いつかなくなりました。注文が滞り、商人の評判はがた落ちです。ほうほうのていで、やはり娘のところに逃げ出しました。

結局商人はすごすごと例のお金持ちの娘の所に戻ることにしました。娘は今度「しばらく休んでいればいいことがありますよ。」それに甘えて商人はお金持ちの娘の家にしばらく泊まることにしました。

そんなある日。使用人たちが叫ぶ声が聞こえます。何かと思って声のするほうに走りよると双頭の緑の蛇が周りを威嚇しています。周りには例の娘と侍女が震えて立っています。商人が蛇を捕まえようとした瞬間。崩れ落ちる娘、駆け寄る侍女。商人は必死になって蛇を追い払いました。しかし蛇は娘に噛み付いてしまったようです。

そしてその時。娘の輪郭がどんどん人の形を留めなくなっていきます。べろが長く伸び、横幅が広くなり、頭と胴体の境目がなくなって。まるで映画ゴーストバスターズに出てくるゴーストのようです。侍女たちは「あらあら」と言っていますがまるで慌てた様子はありません。そうこうしているうちに娘の姿形はどんどん変わっていきます。本物の化け物です。

その時商人は悟ったのです。この娘はもともと化け物で人間の姿に化けていた。侍女たちもその化け物の手下だと。慌ててその屋敷から逃げ出します。が、今までの強運を考えれると、この化け物を退治すれば一躍英雄。一攫千金です。武器を調えて勇躍商人は化け物退治に屋敷に乗り込みました。…しかし、その後その商人を見かけた人は誰もいませんでした。またその屋敷でその商人を見かけることもありませんでした。

後日。侍女たちが笑いながらしゃべっています。

「この前の商人は間抜けだったよね」
「人から信頼されたのはこの魔法の笛の音色を聞いたせい」
「お金が集まったのはこの魔法のどらの音を聞いていたせい」
「人が集まったのはこの魔法の太鼓を聞いていたせい」
「職人が集まったのはこの刀の魔力を使ったせい」
「どれも魔力が切れる前にここに戻れば良かったんだけどね。」
「最後はこの弓の魔力で殺されちゃったね。」
「最後にどんないいことがあったのかな。」
「お嬢様が若い男の肉を食べられたって所かな。」
fin

全体が「奇妙な物語」の調子の夢だったのが印象的。最初から最後までほとんど自分の出番がない夢。唯一、蛇が追い出しされた所で、瀕死の蛇に噛まれた位。(笑) 2010/10/05


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