「どつぼ」の記録・その4


テストコードでどつぼ

97/09/06

プログラムを書く場合、全体を幾つかの単純な機能に分割して開発します。そのような切り分けを、Cだと関数といったり、C++だとメンバー関数といったり、ベーシックだとメソッドとかサブルーチンと言ったりします。簡単なプログラムだったらいざしらず、ちょっとしたプログラムだったら、この機能を使わないことは普通考えられませんから、よくご存じでしょう。このような機能分解をした場合、サブルーチンごとに機能テストをする事が可能になります。それぞれの機能を単機能にすると、テストするのも簡単になります。

プログラムのdebugをする場合、普通は開発環境でdebuggerを使いますが、まれにdebuggerを使えない状況があります。そんな時にはプログラムのあちこちに「ここまで来た」とか「ここではこの変数はこんな値になっている」ということを表示させるコードを埋めこんで実行させてみて、どこまでうまくいっているか確かめます。これをスタブといいます。

今回私がはまったのもそのケースで、私の開発環境ではうまくいくのですが、あるマシンでは全然駄目というパターンでした。debuggerをインストールできればいいんですが、HDが340Mしかないマシンでしか再現しないbugだったのでdebuggerを入れる事が出来ません。(^_^;問題が起こっているのがある関数hogehoge()の挙動が変だという事まで特定できたので、今度はその関数のテストです。

その関数を見ると、


function hogehoge() as long

	...

	i = foo1()

	if i = ERROR_CODE then

		exit function

	endif

	...

	j = hoo2()

	if j = ERROR_CODE then

		exit function

	endif

	...

	foo3(i,j)

	...

end function

となっています。とりあえず、プログラムが起動されたらすぐにhogehoge()を呼び出して終るというように一時的にプログラムを修正して、hogehoge()を以下のように修正します。

function hogehoge()

	...

	i = foo1()

	msgbox "called foo1"

	if i = ERROR_CODE then

		exit function

	endif

	...

	j = foo2()

	msgbox "called foo2"

	if j = ERROR_CODE then

		exit function

	endif

	...

	foo3(i,j)

	msgbox "called foo3"

	...

end function

実際にはmsgboxの部分は挙動が怪しげな変数を表示させるようにしておきました。で、実行…。あれ?何も表示されない。おかしいなぁ。じゃあ、


function hogehoge()

	...

	msgbox "calling foo1"

	i = foo1()

	msgbox "called foo1"

	...

end function

なら何か言ってくるだろう…。

あれれ、これでも何にも表示されない。うむむ、これは処理系のbugか?だとしたら原因追求不可能じゃないか。困ったなぁ。そこはVisual Basicで書いていたけどそこの部分だけはDLLでやらないと駄目かも知れない。目をさらのようにして読んで見ても、hogehoge()を呼び出す限り、なにかメッセージが表示されるようにプログラムが書いてあります。どう見てもこれでメッセージが表示されるはずはなのに…一体どうしてなんだ?ここにbugがあるのは間違いないのに…

賢明な読者だったら気がつくでしょう。実はhogehoge()を呼び出すテストプログラムが間違っていました。テストプログラムはhogehoge()を呼んでいなかったのです。(^_^; そのテストコードを


function main()

	Initialize()

	hogehoge()

end function

と書いたつもりが何を血迷ったか、

function main()

	Initialize()

	foo1()

end function

と書いてしまっていたのです。こんなのテスト結果を見たらすぐに分かりそうなものなのに、我ながら鈍いですね。(^_^;hogehoge()を呼んでいないんだから、hogehoge()にいくらメッセージを表示するようなコードを入れても無駄です。そのテストコードは実はたった数行。まさかそこで間違えるとは思わなかったので、完全に盲点になっていました。そのテストコードを書いたのは自分自身なので、本当に自己嫌悪の世界です。テストコードを修正したら、スタブもちゃんと動いて、あっという間に原因が分かりました。やれやれ。

教訓。「テストで動かなかったら、テストコードも疑え。」間違いはどこで起きるか分かりません。で、そのテストコードの妥当性を証明するために、またテストコードを書かなくちゃいけなくなって、更にそのテストコードが正しい事を証明するには…っていつまでたってもきりがないですね。(^_^;まあ、考えて見ればその場凌ぎのテストコードが一番考えなしで作ったコードなんで色々問題があるのは当たり前。テストではまる事があったら思い出して見て下さい。(^_^;


OEM製造業者のなげき

97/09/05

OEMという言葉をご存じでしょうか?詳しくは私も知らないのですが、「相手先ブランドによる販売」をOEMと呼びます。要するに実はA社で作った製品なんだけど、マーケッティング戦略や開発コスト削減のために、B社の製品の中にA社の製品を入れたり、B社の作った製品として世の中に発表したりすることをいいます。(サンプル版などを入れる場合にはOEM提供とは言いません。)

OEM提供といっても、OEM提供先が何社もあると、提供先によって色々細かい注文がつくので、そのための修正・機能追加(時には大手術になる)をします。プログラミングが分かっている会社相手だと作業も「あうんの呼吸」で進みますが、そうじゃない所は結構大変な目に遭うことがあります。そこで「どんなとんでもない事を言われたか」を紹介して見ます。

まず、A社(仮名)。β版を送って、「基本的な操作の流れが、これでいいかCheckしてくれ、変な所があったら連絡してくれ」と頼んだら、2weekほど、全然連絡がない。じゃあ、これでいいんだな、ということでdebug and testに専念していたら、納期の2日前になっていきなり「ここを変えてくれ」。泣く子とお客様には勝てません。泣く泣くプログラム変更。それまでやったテストは全部やり直しです。まあ、お客があっての商売だから仕方がないよね、と思いながら、簡単な動作チェックの後、顧客にプログラムを送って、「まあこんなもんでいいんじゃない」の返事をもらいました。プログラムにはbugが付き物ですから、当然納期ぎりぎりまでテストをしましたが、特に問題もなく、OEM提供先に送付しました。やれやれ、一仕事片付いた、です。

ところが話はそれで終りませんでした。納入してから1weekほどたった頃、突然「ここを直して欲しい」という連絡が入りました。あと2日で直さないと、大変にまずい事になるということ。をいをい、話が違うじゃんか。(T_T)仕方がない、直しましたよ。納入はこちらの会社と相手先の会社が地理的に離れているので宅急便を使っていたのですが、その宅急便の締め切り6hour前で、やっと修正完了。早速Testを開始すると共に、プログラムの修正部分を送って、納付先にも仕様の確認をしてもらいます。ちなみにこの作業、相手は納入前に動作仕様を確認しているハズなので、本来発生するはずのない仕事です。つまり「相手が動作仕様の確認を怠った」ためにこっちが余計な仕事をさせられる事になった訳です。

宅急便の締め切り30min前、十分とはいえないまでも修正部分に関する一通りのテストが終わり、ぎりぎり間に合いそうです。やれやれ、と思っていたら電話がかかってきました。「この部分の仕様を変更してもらえませんか?」聞いた瞬間に、もう、頭、真っ白。これからプログラム変更をして、テストをして…一体どれくらいかかるんだろう?「出来る訳ないじゃないか!」と言いたいのをぐっと堪えて、取り敢えず気持ちを押さえるために「ちょっとお待ち下さい」といって、電話を保留状態にします。2〜3回深呼吸をしてから、同僚に相談すると、「無理」との回答。もう一度深呼吸をして、その旨を相手に伝えます。意外とあっさり「そうですか」との返事。やれやれ。

締め切り15min前。こっちはマスターを作成し終わって、もう梱包という所です。そしたら先方から電話が入って、「すいませんが、コード変更やテストの手間なしに、プログラムの動作を変える方法がありませんか?」これを聞いた瞬間、「しばらくお待ち下さい」といいました。で、電話を保留状態にした後、思いっきり笑いました。(^_^;同じチームのYさんに「向こうがこんなことを言ってきた」といったらYさんも笑いだしました。設計段階で予期していなかった動作を、プログラムの修正を加えないで出来ると考えられるというのがすごいと思います。そんな仕様追加がテストも無しに、簡単に出来るんだったら保守プログラマーの活躍の余地は相当狭まるでしょう。で、世の中、そうなっているという認識なんでしょうか?(^_^;

しばらくげらげら笑った後、「申し訳ありませんが、納期を遅らせるか、このまま出だすかのどちらかしかありません。」と答えておきました。向こうは不承不承でしたが、とにかくそれで押し切りました。簡単なテストだけで1hour程度かかるのに、納入15min前になってプログラム変更をして、テストをして、マスターを納入するなんて私には出来ません。向こうはプログラマーを魔術師だとでも思っているのでしょうか?(^_^;ちなみに私の経験上、プログラミングをしたことのない人、コンピュータの知識があまりない人ほど、無理な注文を言ってくる傾向が強いようです。

B社もすごかった。そのソフトはサーバーと直接やり取りをするクライアント側のプログラムの開発(といってもHTTPプロトコルの応用)だったのですが、納入直前になってもサーバー側の挙動がふらふらしている、というかサーバーが送ってくるData Formatがころころ変わったんです。もちろん、そのData Formatに関してはあらかじめ打ち合わせ済みでこっちはその打ち合わせた仕様通り受け取ったり送ったりしているのだけれど、どうにもそれではサーバーが仕様通りに反応してくれません。

仕方がないので、こっちの納入までには一通りサーバーの動作が安定するだろうという淡い期待で、簡単なダミーサーバーとやり取りしたり、サーバーにアクセスする部分をダミーデータを読むように変更してこっちのdebugを進めていきました。

ところが、このクライアントプログラムが相手にするサーバーですが、ついに納期が迫っても(実は納期が過ぎても)打ち合わせた仕様通り動きませんでした。(^_^;おまけに納期数時間前になってから「プロトコルのここを変更してくれ」とかいう始末。これには正直あきれました。変更はしましたがこんなのサーバーがまともに動いていない状況ではテストをしていない状態での出荷です。「クライアント側のプログラムを変更してくれ」と言う前に一度でもいいからサーバー側が、こちらと打ち合わせた動作をするようにして欲しいと思いました。

実はこの会社の場合、後日談があって、納期直前の「無理な」変更を何とかクリアーして納入したにも関らず、後から後から、サーバーとの通信プロトコルに関する変更の要請が来ました。もう、その会社のスタッフってクライアント-サーバーモデルの基本が分かっていないとしかいいようがありません。(^_^;製品がユーザーの手に出た今でも時々修正要望が来ますが、もう笑っちゃいながら修正しています。どんな笑いかは分かりますよね。

どうやらプログラミングを知らない人に取ってはプログラマーは未だに「マジシャン」とか「魔法使い」と同じような人種のようです。そのうち異端審問とかで血祭りに上げられたりして。(^_^;


プレゼンテーションは難しい

97/07/19

部内で全員発表会という催しがありました。これは、部内の全員が日頃暖めている企画だとか、業務改善案などを発表しあう場です。実際には時間やら業務の関係で、部内の全員が発表する訳ではありませんが、発表したい人とか、今回は発表する人が足りないから是非発表してくれと幹事から指名された(不幸な)人が発表をします。その発表を同じ部内の人が、実現性、発表の態度、独自性などから採点して、最高得点の人には金一封が与えられます。まあ、おおざっぱに言えば関係のない人も混ざってやる企画会議です。 普通の企画会議と違うのは、自分が抱えている製品とは全然関係のない事でもOK。具体性がなくてもいい。ウケ狙いでもOK。反則技、バトルロイヤルなんでもアリの企画会議だという事です。実限度が高いような発表だと厳しい突っ込みも出ますが、ノリとしては「夢を語る場」のほうが正確かも知れません。

諸々の事情があって、今までその場では発表した事がなかったのですが、今回初めて発表する事になりました。目的はただ一つ。「ウケ狙い」(^_^;この発表会にエントリーする発表者には1〜3日程度、発表の準備の期間が会社から与えられます。要するに「発表のための準備をしている」と言い訳できるなら、その準備期間中はどんなにデタラメな事を業務時間にやっていてもいいわけです。(^_^;もっともその期間中は本当に発表準備に全力を出さないと間に合いませんけどね。(チェッ)

さて、発表前日。他の業務との関りで、資料が全然出来ていません。おまけに急ぎの仕事が入ってくる。げ〜、資料を作っている時間がないよ〜。(^_^;とりあえず急ぎの仕事を片付けて、大急ぎで資料の作成。もう、色々調べている時間的余裕はないので、今までに持っている知識で発表資料をつくるしかない。一応、発表するテーマは「ネットニュースリーダー」に決めていたので、アウトライン編集をフル活用して、発表のおおまかな流れを決定。で、やっとおおざっぱな流れが決まったのが前日20時くらい。

発表にはPowerPointを使うという事になっていました。Lotusのフリーランスでも良かったのですが、どちらも今まで使ったことがないという意味では、不慣れな事は一緒だし、周りが使っていたからという理由でPowerPointを使ったスライドを作る事にしました。比較のために、次回はフリーランスを使うかも知れません。PowerPointがいいから選んだ訳じゃないので、念のため。

2時間後、はまっていました。(^_^;大筋が決まっていればまあ、ちょこちょこっとスライドを作って終わり(実際ひな型だけでも結構なものが作れる)かな、と思ったのですが、「スライドのここがいまいち」とか考え出して、もう泥沼。使い方が良く分からなくて冴子先生にはお世話になりっぱなし。ありがちな話ですよね。(^_^;スライドを作り終わったのが翌日2時くらい。

家に帰ってから「あそこではあんなギャグを入れよう」とか考えていたら、あっという間に夜が明けている。夜が空ける前に発表で言う事を一通りメモするはずだったのに、それも出来ていない。(^_^;おまけにろくに寝ていない状態で会社に行ったら顧客からのクレーム。もう、頭は脳死状態。こんな状態で発表なんかできるの?(^_^;

発表20分前。心臓が口から飛び出そうです。私の発表の順番は2番目。でも最初の人が発表している時なんかろくに聞いていません。顔を洗いに行ったり、トイレに行ったりして何とか気を静めようとするんですが、全然落ち着かない。そう、私は大勢の前で発表するのは苦手なのです。発表用のメモもないし、ああ、とんでもない事を口走りそうな気がするぅ。(^_^;

いよいよ、私の発表。発表用メモなし、スライドに合わせたアドリブで全部を切り抜けようとする無謀さに加え、緊張は最高潮。とりあえず前日考えたとっておきのギャグから始めましょう。「ええ、毎度の馬鹿馬鹿しいお話を…」(シ〜〜〜ン)い、いか〜ん。いきなりすべっているぅ。(^_^;

もう、そこからはパニックです。ここではこんなギャグを入れるつもりだったのに、という所もスライドの説明だけなっちゃって、全然ウケません。入れるはずのギャグを入れていないんだから、ウケないのは当然ですが。ああ、こんなはずじゃなかったのにぃ。もっとも予定したギャグを入れて受けたかというとはなはだ疑問なのですが。かえって凍り付かせるような事になったりして。(^_^;

質疑応答も、パニック状態。質問者の意図を把握できる余裕なんてあるはずもなく、もう無茶苦茶。(^_^;

発表が終って、ほっと一息です。やっぱり人前で何か自分の考えている事を伝えるというのは難しいですね。ましてや人が目の前にたくさんいると、言いたい事の半分も言えないというのが良く分かりました。ま、今回のプレゼンテーションを聞いてもらった人には「あいつのは練習だ」と思ってあきらめてもらいましょう。(^_^;

おい、OEMの話はどうなったんだ?(^_^;はいはい、次回やりますって。


ネズミ講のお勧め

97/07/17

いっときますけど、別に私がネズミ講を勧めるという話じゃありません。笑える話でもありません。お笑いを期待した人、ごめんなさいね。でもこんな話にはまって、どつぼにはまる人もいるかも知れませんから、タイトルからはあまり外れていないのではないかと。(すごいこじつけ(^_^;)

基本的にネズミ講をやる人って言うのは悪意があってやっていると思うし、さもなければひっかかる方もあまりにも人がいいというか、知恵が回らないのかな、とも思います。単純に考えて破綻するのが目に見えているのに何故そんなことにお金をつぎ込むんだろうか?私にはよく分かりません。

じゃあどんな話というと、何の間違いかそんなネズミ講まがいのお勧めメールが私の所に届いたのです。私はこんなメールを出す人間の言うことは全然信用しません。まあ、犯罪行為なんだし、結構無差別に送っているみたいだから公開してもいいでしょう。DMだといっているんだしね。まあ、世の中にはこんなバカな奴もいると思って読んでみて下さい。URLも書いてあります。私はこの記事を書くために行ってみましたが、はっきりいって時間の無駄ですから行かないほうがいいでしょう。

From: "M'z TRADING" <mlmp@nmp.office.ne.jp>
Date: Thu, 17 Jul 1997 11:16:38 +0900
Subject: DM
DMです。DM自体がご迷惑に感じるかもしれませんので、
その際は捨てて下さい。
このMAIL以降二度と出しませんので、苦情のMAILも必要ありません。
(複数件どこかのホームページにアドレスを登録されている
場合は重複するかもしれませんのでご了承ください。
二重配信の可能性もありますのでご了承ください。)
裏ビジネス・ねずみ・違法などではありません。
単なるビジネスプログラムです。
いわゆる『まとも』なやつです。
詳しい事は、ここに記してあります。
http://www.geocities.com/Tokyo/Flats/2644/
宜しくお願いいたします。
まあ、この手のDMはいかがわしいに決まっています。で、「詳しい事」が書いてあるURLをみてみたらやっぱりネズミ講まがい。(^_^;ネズミ講まがいじゃなかったらマルチ商法まがいだな。似たような手法がfjであったけど、それのバリエーションです。そのURLには何人かの名前が書いてありました。すかさず記録。もちろん、その人が私の目の前にあらわれたらそれを突きつけて、お付き合いをお断りするためです。似たようなことはWWW上では色々な所にあるみたいですね。全く何を考えているんだか。

こんなメールに載せられてほいほいとメールを出したりしたらそれこそいいカモになってしまうかも知れません。もちろん、こんなシステムに参加するのは言語道断です。こんなメールは無視するに限りますが、私はこの記事を書くために少し調べて見ました。(^_^;

メールの配送経路を調べてみると、どうやら国内の某プロバイダーのサーバーから出されたもののようです。もっとも国内のサーバーから出されたといっても外国からそのサーバーにアクセスしているかも知れない。ドメインから見るとサーバーはアメリカにあるみたいだけど、実体が日本にあって、レンタルサーバーを使っているのはよくある話だから大した情報は得られない。ふむむ。これは、そのURLに書いてある人間を洗ってみる必要があるかもしれない。まあ、そこまでは面倒臭くてやらないですが。

この手の情報を探しているうちにNIFTY-SERVEのあるフォーラムが静岡県警と繋がりがあるという情報を耳にしました。なんでもその手の情報を募集していて、静岡県警で手に負えない時(管轄外などの時)には、静岡県警からしかるべき所に連絡を取ってくれるという話です。どこだったか忘れたのですが、あとでもう一度調べてみようと思います。これで告発できるかもしれないな。配送経路もばっちり分かっているから、配布元のプロバイダーにID削除を依頼できるかも。まあ、別に私の目の前から消えてくれるんだったら、「私は」いいんですけどね。

くれぐれもいっておきますが、この手の勧誘は単純な算数が出来れば破綻する事が分かるシステムです。参加して自分の金をどぶに捨てるのは止めませんけど他の人を勧誘するのは止めて下さい

不思議なのが何故、私のメールアドレスが分かったかです。実はこのメールは会社で使っているアドレスに届いたのですが、どうやってこのアドレスを入手したのかがよく分かりません。このアドレスは、WWWを散歩している時も分からないように注意はしていたのですが、甘かったようですかね。もっともこのメールアドレスは500人以上に教えているはずなので、そのうちの誰かがこんなメールを誰かに教えたのかも知れません。まあ、実に不愉快なメールですが、こんなメールが届く事もあるんですね。NIFTYではあったんですが、Internetでのメールは初めてでした。まあ、金額的な被害はゼロだし、このページのネタになってもらったという事で感謝しなくちゃいけないのかな。(^_^;;

追記

翌日、また同じ差出人からメールが届きました。以下がその全文です。

From: "M'z TRADING" <mlmp@nmp.office.ne.jp>
Date: Thu, 17 Jul 1997 23:53:01 +0900
Subject: DM補足
たびたび申し訳ありません。
前回記したURLで見れない方は、
http://www.geocities.com/Tokyo/Flats/2644/index.html
で開いてみて下さい。
重ねてお詫び申し上げます。
「このMAIL以降二度と出しません」と書いてきたのに、その舌の根も乾かないうちにメールを出して来ました。救い難いですね。

追加情報。「あきれたページ」にも「私が有名な関です」という詐欺まがいのページが紹介されています。こういったページって実は沢山あるんでしょうね。ご用心、ご用心。


ハードウェアバンドルの謎

97/07/17

私の勤めているソフトハウスは主にパソコンショップなどで売っているようなソフトウェア、いわゆるパッケージソフトの開発をしています。これを読んでいる人の中には、知らず知らずのうちに私の書いたプログラム(といってもごく一部)を使っている人がいるかも知れません。あるアンケートの結果では、あのソフトを使っている人がかなり多かったし、私の作ったコードが入っている可能性もあるからなぁ。(^_^;もっとも、某大手ソフトハウスが作ったということになっていて、私の会社の名前は出ていませんから、絶対に気がつかないでしょうが、まぁ想像して見て下さい。ほ〜ら、だんだんあなたは不安になっていくぅ。(^_^;

パッケージソフトのソフトハウスの場合、お店で買ってもらっての売り上げが主な収入源です。ところがお店で売るはずのソフトをハードウェアにくっつけて(バンドルする)いることがあります。例えば、モデムを買ってくるとFAXソフトがついて来たり、スキャナーを買ってくると文字認識ソフトがくっついて来たりします。本体を買ったりするとそれこそ山のようにソフトウェアがバンドルされていることも珍しくありません。どうしてこんなにたくさんソフトを付けられるのでしょうか?

お店でソフトを買う場合を考えて見ます。お店でソフトを一本売ると、大体定価の半分くらいがソフトハウスに入り、残りの半分が問屋さん(ソフトバンクとか)と実際に販売したお店の取り分になります。よくDMなどによるバージョンアップの直取り引きでは、お店で買うよりも安く設定されている場合がありますよね。そのからくりはこうです。ソフトハウスにして見れば、案内・梱包・運賃などがかかるにしても、半分よりちょっと多めの値段で売れば、お店で一本売る時と売り上げは変わらない。それどころか、自分の懐を傷めないで「優待販売」とか言って販売促進にも使える。もっとも問屋と販売店はたまったものではありませんけど。(^_^;だからマイクロソフトがVC++とかVJ++を定価で直取り引きするというDMが来た時には「がめついなぁ」と思ったものです。(近くにソフトを取り寄せてもらえるお店がない場合には仕方がないかも知れませんが。)

もちろん、ソフトハウスにどれくらいの部分が入ってくるかは、売れそうか、話題性があるか、出来に自信があるか、問屋との力関係はどうか(^_^;により、かなり変わってきます。私の会社の場合、大体50%〜60%位がソフトハウスの取り分になるみたいです。実際にはもうちょっと複雑な仕組みで動いていますが、おおざっぱに言えばこんな仕組みで動いています。

一方、ソフトウェアのバンドルの場合、通常は、ソフトハウスが1本いくらで何万本コピーライセンスを売るとか、期間限定でコピーフリーの権利を売るなどします。この時の1本当たりの値段ってどれくらいだと思いますか?まあ、定価4000円弱のソフトウェアがあったとすると、お店で一本売るとソフトハウスは2000円の売り上げですよね。これがライセンスだとどれくらい安くなるか。1500円?全然駄目。1000円?甘い甘い。500円?まだまだ。以前私が経験した場合には、なんと一本100円で取り引きが成立したのでした。もっとも私が交渉した訳じゃありませんが。

そんな馬鹿な、と思うかも知れませんがバンドルした時の値段なんてのはその程度です。中小のソフトハウスから見ると、一つソフトウェアを作って1万本も売るのは大変なのですが、売れ筋のハードウェアにバンドルしたら、それだけで1000万単位の売り上げになります。店頭販売の場合にはパッケージ、配送、在庫、必要経費、人件費など、諸々の経費がかかり、2000円の売り上げがあっても利益になるのは高が知れていますし、そもそもパッケージが売れなければ利益が出ません。この点、バンドルだと売り上げのほとんどが利益になり、製品を納入した段階で確実に利益が見込めます。また、たくさんの人に使ってもらうことで、自社製品の認知度アップ、バージョンアップをした時などの売り上げ増加、自社製品へのユーザーの囲いこみが見込めます。

ハードウェアメーカーから見ると、ほんのちょっとのコストで、大して手間もかからず、製品に大きな魅力付けが出来るので、たくさん製品をバンドルしたいはずです。ハードウェアを買うといっぱいソフトウェアがバンドルされるというのは、実はこういった事情があるんですね。

もちろん、一本当たりの値段というのは製品によって変わってきます。売れ筋のソフトウェアや高額製品だと100円なんて事はないでしょうが。ですから初めてコンピュータを買う人は使いそうなソフトをバンドルしているものを買ったほうが安上がりになるはずです。もっともソフトがバンドルされているという条件よりも、まともに動くコンピュータを選ぶというのが大前提ですけど。(^_^;(危ないのはあれあれあれだ(^_^;)そういえば、「安い部品しか使わないメーカ製よりもショップブランドのほうがなんぼかマシ」と言っていた人もいました。

実は、この話は次に続く話の前振りです。失敗したのはバンドルじゃなくて良く似ているOEM供給での話なのですが、それについては次に取り上げる事にします。とはいえ、WinExpoの記事も,北朝鮮の記事も、雑誌批評の記事も、やるといっておきながらやっていないからなぁ。どれだけやる気があるかは本人も分からなかったりする。(^_^;


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