マリーゴールド(万寿菊 Tagetes erecta)
キク科 タゲテス属
メキシコ原産の一年草、園芸品種として世界中で栽培される。
大型のアフリカンマリーゴールド、小型で紅色などのバリエーションに富んだフレンチマリーゴールド(孔雀草Tagetes patula)など、この属の植物はアメリカの温暖地に約30種分布している。

マリーゴールドは太陽の花である。
黄、オレンジ、赤が次から次へと咲き誇るマリーゴールドの花壇は、あまりにも鮮やかで目を離してもまぶたに残像が残るような気がする。
そして、その花を使って染め上がった色もまた、元気いっぱいの強い黄色である。
この飛び跳ねるような花の色をシルクに染めると本当に輝くばかりの黄金色で、従来の”やさしい”とか”落ちついた”とかいう草木染めのイメージとはまったく違う。
この色を使いこなすには苦労するが、やはり元気の良い色は元気の良い人に着せてやるべきで、元気の良い子供のマフラーなどに使ってあげるべきなのだと思う。現在構想中。
マリーゴールドは、普通の植物では染まりにくい木綿や麻にも良く入る、すぐれものである。
すぐれものといえば、線虫予防のコンパニオンプランツとしても有名で、そばにマリーゴールドを植えれば、蕪や大根も大丈夫という話を聞き、やってみたけれど、やはり食われるものは食われることになっているらしい。
農協のチラシを見てみると、マリーゴールドを畑一面に播き、大きくなったところをトラクターで鋤き込んでいた。
やっぱりそれくらいしないとダメなのか・・・と落胆して、以来夏には蕪と大根は作らないことにした。
〈この間テレビを見ていたら、確か三浦半島の大根農家が丘の斜面一帯にマリーゴールドを咲かせていて、その根から虫を殺す成分が出る、と言っていた。従来ならば土壌消毒剤を撒いて済ませているのを、この農家は無農薬栽培をしているのだろうか?しかしレポーターは、「この花を潰してしまうのは可哀相」とかのたまって、詳しいことはわからなかった。それはさておき、それは本当に黄色い丘で、あれだけの花が咲いていたらそこら中のものを真黄色に染めてもまだ足りないと、感慨もひとしおである。)

しかし、やはりその色とともに、防虫効果も少しはあるマリーゴールドはやっぱり太陽の花である。