自慢ではないが何せ北相木村は標高1000メートルの高冷地なので下界から比べるとやっぱり寒かった。
だから当然春の芽吹きは遅く、駆け足のごとくに過ぎていく春夏秋を経て、気がつくと染料になる草木はすでに枯れ果てており、後悔先にたたずで次にその植物に出会えるのはまた来年だったりする。
だから、この季節は気合の入れ時のはずなのであります。

ハルジオン   Erigeron philadelphicus
 キク科 ムカシヨモギ属
 北アメリカ原産。花虻などで受粉、結実する。
ヒメジョオンに比べ、広がり方が遅いが、多年草なので一度入ると消えない。高さ30〜80cm、茎は中空で、軟毛が多い。根生葉は幅が狭く花時まで残る茎上の葉は基部で茎を抱く。
ヒメジョオン Erigeron annuus 
 キク科 ムカシヨモギ属 
 北アメリカ原産の1年草。単為生殖をするので繁殖力が非常に強い。
高さ50〜130cm、茎は白い髄に満たされ、毛はまばら.根生葉は円形に近く、花時には枯れている.茎上の葉は基部が狭く、茎を抱かない

というわけで、今日は気合を入れてハルジオンを染めてみた。
ハルジオン、ヒメジオンといえば、例の”貧乏草”のことで、子供のころは理由もなく蔑視し迫害していた。
調べてみると柳葉姫菊と呼ばれて珍重された時代もあったらしいが、帰化植物としての繁殖力はかなり強く、高原へも侵入し始めていて、自然保護上の問題が大きいらしい。
そういうわけなら、こちらも気兼ねせずにバサバサ刈って、グツグツ煮て、どんどん染められるというものよ。などと言いながら除草のつもりで家の周りのハルジオンを集めていたらあっという間にバケツに山盛り取れてしまった。恐るべし貧乏草。
山菜の本には、「山ほうれん草といわれて美味」と書いてあったので茹でて食べてみた。菊科特有の香りがあり、野菜に近い食感で、食べやすい。