お経とは、仏教徒のための教えをを説いた「経典」のこと。キリスト教の「聖書」、イスラム教の「コーラン」に当たる。 |
言語 ・・・ |
小乗仏教はパーリ語、大乗仏教はサンスクリット語。日本へは、中国から中国語で伝わる。そのため、漢字で 書かれている。 |
伝達 ・・・ |
インドの経典が、中国を経て、朝鮮から日本に伝得られた。 |
訳者 ・・・ |
玄奘三蔵がインドより持ち帰り中国語に翻訳したのが有名。 |
作者 ・・・ |
小乗仏教の経典は、釈迦入滅後十大弟子と500人の弟子により口伝されたものを、数百年後に文章化。 |
|
大乗仏教は、後世の仏教徒たちが、これが釈迦の真の教えであるとし、創作したもの。 |
種類 ・・・ |
俗に八万四千といわれているが、正確には不明。 |
内容別 |
「教」・「律」・「論」の3種類。全部あわせて三蔵経とか大蔵経、又は、一切経という。 |
|
「教」 |
釈迦の教え。これが本来の意味の「お経」 |
|
「律」 |
僧が守るべき社会生活上の掟。 |
|
「論」 |
後世の仏教学者によるお経の内容の注釈。 |
教義別 |
「小乗仏教」 |
小乗経典(釈迦が弟子達に説いた教え) |
|
「大乗仏教」 |
大乗経典(釈迦の教えを信者達に説くための経典) --- 般若心経等がこれに当たる。 |
|
「密教」 |
密教経典(密教の奥儀を説く。基本的には大乗経典に属す) |
|
|
|
その他 |
|
浄土三部経
|
「仏説無量寿経」二巻、 「仏説観無量寿経」一巻、 「仏説阿弥陀経」一巻の 計三典の総称。
浄土教の根本聖典。 |
|
般若心経 (はんにゃしんぎょう) |
大般若経(全600巻)のエッセンスを簡潔にまとめたもの。 |
智慧で彼岸(悟りの世界)へ渡ることを説いた経典。 |
ちなみにこの世は、此岸(しがん)という。 |
|
ぶつせつまかはんにやはらみつたしんぎよう
仏説摩訶般若波羅蜜多心経 |
とうさんぞうほうしげんじょう
唐三蔵法師玄奘 訳 |
|
|
かんじざいぼさつ 観自在菩薩 |
ぎょうじんはんにゃはらみったじ 行深般若波羅蜜多時 |
しょうけんごうんかいくう 照見五蘊皆空 |
どいっさいくやく 度一切苦厄 |
しゃりし 舎利子 |
しきふいくう 色不異空 |
くうふいしき 空不異色 |
しきそくぜくう 色即是空 |
くうそくぜしき 空即是色 |
じゅそうぎょうしき 受想行識 |
やくぶにょぜ 亦復如是 |
しゃりし 舎利子 |
ぜしょほうくうそ 是諸法空想 |
ふしょうふめつ 不生不滅 |
ふくふじょう 不垢不浄 |
ふぞうふげん 不増不減 |
ぜこくうちゅう 是故空中 |
むしきむじゅそうぎょうしき 無色無受想行識 |
むげんにびぜつしんい 無眼耳鼻舌身意 |
むしきしょうこうみそくほう 無色声香味触法 |
むげんかい 無眼界 |
ないしむいしきかい 乃至無意識界 |
むむみょう 無無明 |
やくむむみょうじん 亦無無明尽 |
ないしむろうし 乃至無老死 |
やくむろうしじん 亦無老死尽 |
むくしゅうめつどう 無苦集滅道 |
むちやくむとく 無知亦無得 |
いむしょとくこ 以無所得故 |
ぼだいさった 菩提薩埵 |
えはんにゃはらみつたこ 依般若波羅蜜多故 |
しんむけいげ 心無圭礙 |
むけいげこ
無圭礙故 |
むうくふ
無有恐怖 |
おんりいっさいてんどうむそう 遠離一切顛倒夢想 |
くきょうねはん 究竟涅槃 |
さんぜしょぶつ 三世諸仏 |
えはんにゃはらみつたこ 依般若波羅蜜多故 |
とくあのくたらさんみゃくさんぼだい 得阿耨多羅三藐三菩提 |
こちはんにゃはらみつた 故知般若波羅蜜多 |
ぜだいじんしゅ 是大神呪 |
ぜだいみょうしゅ 是大明呪 |
ぜむじょうしゅ 是無上呪 |
ぜむとうどうしゅ 是無等等呪 |
のうじょいっさいく 能除一切苦 |
しんじつふこ 真実不虚 |
こせつはんにゃはらみつたしゅ 故説般若波羅蜜多呪 |
そくせつしゅわつ 即説呪曰 |
ぎゃてい 羯諦 |
ぎゃてい 羯諦 |
はらぎゃてい 波羅羯諦 |
はらそうぎゃてい 波羅僧羯諦 |
ぼうじそわか 菩提薩婆訶 |
はんにゃしんぎょう 般若心経 |
|
法華経 (ほけきょう) |
大乗経典のひとつ。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳では全八巻二八品からなる。 |
① 一条妙法 ・・・ |
万人を平等に成仏させる教え。 |
② 久遠本仏 ・・・
|
釈迦の永遠の生命について説く。
なおこの場合の釈迦は、歴史上の釈迦ではない。 |
③ 菩薩行道 ・・・ |
現実社会での実践について説く。 |
の三つからなる、最澄の天台宗、日蓮の日蓮宗の教え。 |
下記は法華経の中の「自我偈」で釈迦の永遠の仏格を説いたもの。 |
「如来寿量品」のなかでも特に重要な部分と言われている。 |
みょうほうれんげきょうにょらいじゅりょうほんげ じがげ
妙法蓮華教如来寿量品偈 (自我偈) |
じがとくぶつらい
自我得仏来 |
しょきょうしょこつしゅ
所経諸劫数 |
むりょうひゃくせんまん
無量百千万 |
おくさいあそうぎ
億載阿僧祇 |
じょうせっぽうきょうけ
常説法教化 |
むしゅおくしゅじょう
無数億衆生 |
りょうにゅうおぶつどう
令入於仏道 |
にらいむりょうこう
爾来無量劫 |
いどしゅじょうこ
為度衆生故 |
ほうべんげんねはん
方便現涅槃 |
にじつふめつど
而実不滅度 |
じょうじゅうしせっぽう
常住此説法 |
がじょうじゅうおし
我常住於此 |
いしょじんづうりき
以諸神通力 |
りょうてんどうしゅじょう
令顛倒衆生 |
すいごんにふけん
雖近而不見 |
しゅけんがめつど
衆見我滅度 |
こうくようしゃり
広供養舎利 |
げんかいえれんぼ
減皆懐恋慕 |
>にしょうかつごうしん
而生渇仰心 |
しゅじょうきしんぷく
衆生既信伏 |
しちじきいにゅうなん
質直意柔軟 |
いっしんよくけんぶつ
一身欲見仏 |
ふじしゃくしんみょう
不自惜身命 |
じがぎゅうしゅそう
時我及衆僧 |
くしゅつりょうじゅせん
倶出霊鷲山 |
がじごしゅじょう
我時語衆生 |
じょうざいしふめつ
常在此不滅 |
いほうべんりきこ
以方便力故 |
げんうめづふめつ
現有滅不滅 |
よこくうしゅじょう
余国有衆生 |
くぎょうしんぎょうしゃ
恭敬信楽者 |
がぶおひちゅう
我復於彼中 |
いせつむじょうほう
為説無上法 |
にょとうふもんし
汝等不聞此 |
たんにがめつど
但謂我滅度 |
がけんしょしゅじょう
我見諸衆生 |
もつざいおくかい
没在於苦海 |
こふいげんしん
故不為現身 |
りょうごしょうかつごう
令其生渇仰 |
いんごしんれんぼ
因其心恋慕 |
ないしゅついせっぽう
乃出為説法 |
じんつうりきにょぜ
神通力如是 |
おあそうぎこう
於阿僧祇劫 |
じょうざいりょうじゅせん
常在霊鷲山 |
ぎゅうよしょじゅしょ
及余諸住処 |
しゅじょうけんこうじん
衆生見劫尽 |
だいかしょしょうじ
大火所焼時 |
がしどあんのん
我此土安穏 |
てんにんじょうじゅうまん
天人常充満 |
おんりんしょどうかく
園林諸堂閣 |
しゅじゅほうしょうごん
種種宝荘厳 |
ほうじゅたけか
宝樹多華果 |
しゅじょうしょゆうらく
衆生所遊楽 |
しょてんぎゃくてんく
諸天撃天鼓 |
じょうさしゅぎがく
常作衆伎樂 |
うまんだらけ
雨曼荼羅華 |
さんぶつぎゅうだいしゅう
散仏及大衆 |
がじょうどふき
我浄土不毀 |
にしゆけんしょうじん
而衆見焼尽 |
うふしょくのう
憂怖諸苦悩 |
にょぜしつじゅうまん
如是悉充満 |
ぜしょざいしゅじょう
是諸罪衆生 |
いあくごういんねん
以悪業因縁 |
かあそうぎこう
過阿僧祇劫 |
ふもんさんぽうみょう
不聞三宝名 |
しょうしゅくどく
諸有修功徳 |
にゅうわしちじきしゃ
柔和質直者 |
そくかいけんがしん
則皆見我身 |
ざいしにせっぽう
在此而説法 |
わくじいししゅ
惑時為此衆 |
せつぶつじゅむりょう
説仏寿無量 |
くないけんぶつしゃ
久及見仏者 |
いせつぶつなんち
為説仏難値 |
がちりきにょぜ
我智力如是 |
えこうしょうむりょう
慧光照無量 |
じゅみょうむしゅこう
寿命無数劫 |
くしゅごうしょとく
久修業所得 |
にょとううちしゃ
汝等有智者 |
もつとししょうぎ
勿於此生疑 |
とうだんりょうようじん
当断令永尽 |
ぶつごじるふこ
仏語実不虚 |
にょいぜんほうべん
如医善方便 |
いじおうしこ
為治狂子故 |
じつざいにごんし
実在而言死 |
むのうせつこもう
無能説虚妄 |
がやくいせぶ
我亦為世父 |
くしょくげんしゃ
救諸苦患者 |
いぼんぶてんどう
為凡夫顛倒 |
じつざいにごんめつ
実在而言滅 |
いじょうけんがこ
以常見我故 |
にしょうきょうししん
而生驕恣心 |
ほういつじゃくごよく
放逸著五欲 |
だおあくどうちゅう
堕於悪道中 |
がじょうちしゅじょう
我常知衆生 |
ぎょうどうふぎょうどう
行道不行道 |
ずいおうしょかど
隋応所可度 |
いせつしゅじゅほう
為説種種法 |
まいじさぜねん
毎自作是念 |
いがりょうしゅじょう
以何令衆生 |
とくにゅうむじょうどう
得入無上道 |
そくじょうじゅぶつしん
速成就仏身 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
観音経 (かんのんきょう) |
「法華経」の第25章の観世音菩薩普問品のこと。 |
「普門」とは、何処の門から入っても、観世音菩薩はいつでも何処でも救ってくださるの意味。 |
その内容は、観世音菩薩の功徳について述べたもの。 |
みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんほんげ
妙法蓮華教観世音菩薩普門品偈 |
せそんみょうそうぐ
世尊妙相具 |
がこんじゅうもんぴ
我今重問彼 |
ぶつしがいんねん
仏子何因縁 |
みょういかんぜおん
名為観世音 |
ぐそうみょうそうそん
具足妙相尊 |
げとうむじんに
偈答無尽意 |
にょちょうかんのんぎょう
汝聴観音行 |
ぜんのうしょほうじょ
善応諸方所 |
ぐぜいじんにょかい
弘誓深如海 |
りゃっこうふしぎ
歴劫不思議 |
じたせんおくぶつ
侍多千億仏 |
はつだいしょうじょうがん
発大清浄願 |
がいにょりゃくせつ
我為汝略説 |
もんみょうぎゅうけんしん
聞名及見身 |
しんねんふくうか
心念不空過 |
のうめつしょうく
能滅諸有苦 |
けしこうがいい
仮使典害意 |
すいらくだいかきょう
推落大火坑 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
かきょうへんじょうち
火坑変成池 |
わくひょうるこかい
或漂流巨海 |
りゅうぎょしょきなん
竜魚諸鬼難 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
はろうふのうもつ
波浪不能没 |
わくざいしゅみぶ
或在須弥峯 |
いにんしょすいだ
為人所推堕 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
にょにちこくうじゅう
如日虚空住 |
わくひあくにんじく
或被悪人逐 |
だらくこんごうせん
堕落金剛山 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
ふのうそんいちもう
不能損一毛 |
わくちおんぞくにょう
或値怨賊繞 |
かくしゆとうかがい
各執刀加害 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
げんそくきじしん
咸即起慈心 |
わくそうおうなんく
或遭王難苦 |
りんぎょうよくじゅしゅう
臨刑欲寿終 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
とうじんだんだんね
刀尋段段壊 |
わくしゅうきんかさ
或囚禁枷鎖 |
しゅそくひちゅうかい
手足被丑械 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
しゃくねんとくげだつ
釈然得解説 |
しゆそしょどくやく
呪詛諸毒薬 |
しょよくがいしんじゃ
所欲害身者 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
げんじゃくおほんにん
還著於本人 |
わくぐうあくらせつ
或遇悪羅刹 |
どくりゅうしょきとう
毒竜諸鬼等 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
じしつぶかんがい
時悉不敢害 |
にゃくあくじゅういにょう
若悪獣囲繞 |
りげそうかふ
利牙爪可怖 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
しっそうむへんぼう
疾走無辺方 |
がんじゃぎゅうぶくかつ
元蛇及蝮蠍 |
きどくえんかねん
気毒煙火然 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
じんじょうじえこ
尋声自回去 |
うんらいくせいでん
雲雷鼓掣電 |
ごうばくじゆだいう
降雹樹大雨 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
おうじとくしょうさん
応時得消散 |
しゅじょうひこんやく
衆生被困厄 |
むりょうくひつしん
無量苦逼身 |
かんのんみょうちりき
観音妙智力 |
のうくせけんく
能救世間苦 |
ぐそくじんづうりき
具足神通力 |
こうしゅちほうべん
広修智方便 |
じっぽうしょこくど
十方諸国土 |
むせつふげんしん
無刹不現身 |
しゅじゅしょあくしゅ
種種諸悪趣 |
じごくきちくしょう
地獄鬼畜生 |
しょうろうびょうしく
生老病死苦 |
いぜんしつりょうめつ
以漸悉令滅 |
しんかんしょうじょうかん
真観清浄観 |
こうだいちえかん
広大智慧観 |
ひかんぎゅうじかん
悲観及慈観 |
じょうがんじょうせんごう
常願常瞻仰 |
むくしょうじょうこう
無垢清浄光 |
えにちはしょあん
慧日破諸闇 |
のうぶくさいふうか
能伏災風火 |
ふみょうしょうせけん
普明照世間 |
ひたいかいらいしん
悲体戒雷震 |
じいみょうだいうん
慈意妙大雲 |
じゅかんろほうう
樹甘露法雨 |
めつじょぼんのうえん
滅除煩悩炎 |
じょうしょうきょうかんじょ
諍訟経官処 |
ふいぐんじんちゅう
怖畏軍陣中 |
ねんぴかんのんりき
念彼観音力 |
しゅおんしつたいさん
衆怨悉退散 |
みょうおんかんぜおん
妙音観世音 |
ぼんのんかいちょうおん
梵音海潮音 |
しょうひせけんのん
勝彼世間音 |
ぜこしゅじょうねん
是故須常念 |
ねんねんもつしょうぎ
念念勿生疑 |
かんぜおんじょうしょう
観世音浄聖 |
おくのうしやく
於苦悩死厄 |
のういさえこ
能為作依怙 |
ぐいっさいくどく
具一切功徳 |
じげんじしゅじょう
慈眼視衆生 |
ふくじゅかいむりょう
福聚海無量 |
ぜこおうちょうらい
是故応頂礼 |
|
以下略 |
|
|
|
|
|
華厳経 (けごんきょう) |
華厳宗の根本経典。大方仏とは、時間や空間を超えた宇宙の真理である、毘盧舎那仏(奈良の大仏も盧舎那仏のひとつ)のこと。 |
八つの会座からなりそれが三四品により構成されるが、なかでも、下記が有名。 |
① 十地品(じゅうじぼん) |
菩薩の修行の十段階を示したもの。 |
② 性起品(しょうきぼん) |
全てが仏性に光照らされ存在していると説く。 |
③ 入法界品(にゅうほうかいぼん)
|
善財童子が仏道をもとめて旅をする物語。
いずれも「信」こそが重要であり絶対の「信」を得るために修行すると説く。 |
だいほうこうぶつけごんきょうふげんぎょうがんさん
大方広仏華厳経普賢行願讃 |
がいこうだいしょうげしん
我以広大勝解心 |
じんしんいっさいさんぜぶつ
深信一切三世仏 |
しついふげんぎょうがんりき
悉以普賢行願力 |
ふへんくようしょにょらい
普遍供養諸如来 |
がしゃくしょぞうしょあくごう
我昔所造諸悪業 |
かいゆむしとんじんち
皆由無始貪慎癡 |
じゅうしんごいししょしょう
従身語意之所生 |
いっさいがこんかいさんげ
一切我今皆懺悔 |
がじょうずいじゅんしょしゅじょう
我常隋順諸衆生 |
じんおみらいいっさいごう
尽於未来一切劫 |
ごうしゅふげんこうだいぎょう
恒修普賢広大行 |
えんまんむじょうだいぼだい
円満無上大菩提 |
にゃくにんじゅしふげんがん
若人誦此普賢願 |
がせつしょうぶんにぜんごん
我説少分之善根 |
いちねんいっさいしつえんまん
一念一切悉円満 |
じょうじゅしゅじょうしょうじょうがん
成就衆生清浄願 |
にゃくにんふげんしゅしょうがん
若人普賢殊勝願 |
むへんしょうふくかいえこう
無辺勝福皆廻向 |
ふがんじんにゃくしょしゅじょう
普願沈溺諸衆生 |
そくおうむりょうこうぶつく
速往無量光仏宮 |
(一部分) |
|
阿弥陀経 (あみだきょう) |
正しくは、「仏説阿弥陀経」という。 |
「仏説無量寿経」「仏説観無量寿経」と合わせ、浄土三部経と呼ばれ、浄土教では最も重要な経典である。 |
「阿弥陀経」は釈迦が、極楽浄土がどんな所か、又どうすれば極楽浄土に往生出来るかを、延々と述べている。 |
ぶっせつあみだきょう
仏説阿弥陀経 |
にょぜがもん
如是我聞 |
いちじぶつざいしゃえこく
一時仏在舎衛国 |
ぎじゅぎつこどくおん
祇樹給孤独園 |
よだいびくしゅう
与大比丘衆 |
せんにひゃくこじゅにんく
千二百五十人倶 |
かいぜだいあらかん
皆是大阿羅漢 |
しゅしょちしき
衆所智識 |
ちょうろうしゃりほつ
長老舎利弗 |
まかもくけんれん
摩可目健連 |
まかかしょう
摩訶迦葉 |
まかかせんねん
摩訶迦旃延 |
まかくちら
摩訶倶希羅 |
りはた
離婆多 |
しゅうりはんだか
周利槃陀伽 |
なんだ
難陀 |
あだんだ
阿難陀 |
らごら
羅候羅 |
きょうぼんはだい
喬梵波提 |
びんずるはらだ
賓頭盧頗羅堕 |
かるだい
迦留陀夷 |
まかこうひんな
摩訶劫賓那 |
はくら
薄拘羅 |
あぬるだ
阿免楼駄 |
にょぜとう
如是等 |
しょだいでし
諸大弟子 |
びょうしょぼさつ
竝諸菩薩 |
まかさつ
摩訶薩 |
もんじゅしりほうおうじ
文殊師利法王子 |
あいつたぼさつ
阿逸多菩薩 |
けんだかだいぼさつ
乾陀訶提菩薩 |
じょうしょうじんぼさつ
常精進菩薩 |
よにょぜとう
与如是等 |
しょだいぼさつ
諸大菩薩 |
ぎゅうしゃくだいかんいんとう
及釈提桓因等 |
むりょうしょてんだいしゅく
無量諸天大衆倶 |
にじぶつごう
爾時仏告 |
ちょうりょうしゃりほつ
長老舎利弗 |
じゅうぜさいほう
従是西方 |
かじゅうまんおくぶつど
過十万億仏土 |
うせかい
有世界 |
にょうわつごくらく
名曰極楽 |
ごどうぶつ
其土有仏 |
ごうあみだ
号阿弥陀 |
こんげんざいせっぽう
今現在説法 |
しゃりほつ
舎利弗 |
彼土何故 |
みょういごくらく
名為極楽 |
ごこくしゅじょう
其国衆生 |
むうしゅく
無有衆苦 |
だんじゅしょらく
但受諸楽 |
こみょうごくらく
故名極楽 |
うしゃりほつ
又舎利弗 |
ごくらくこくど
極楽国土 |
しちじゅうらんじゅん
七重欄楯 |
しちじゅうらもう
七重羅網 |
しちじゅうごうじゅ
七重行樹 |
かいぜしほう
皆是四宝 |
しゅうそういにょう
周巾囲繞 |
ぜこひこく
是故彼国 |
みょうわつごくらく
名曰極楽 |
うしゃりほつ
又舎利弗 |
ごくらくこくど
極楽国土 |
うしっぽうち
有七宝池 |
はっくどくすい
八功徳水 |
じゅうまんごちゅう
充満其中 |
ちたいじゅんに
池底純以 |
こんしゃふじ
金沙布地 |
しへんかいどう
四辺皆道 |
こんごんるり
金銀瑠璃 |
はりごうじょう
玻黎合成 |
じょううろうかく
上有楼閣 |
やくいこんごんるり
亦以金銀瑠璃 |
はりしゃこ
玻黎車渠 |
しゃくしゅめのう
赤珠碼碯 |
にごんじきし
而厳飾之 |
ちちゅうれんげ
地中蓮華 |
だいにょしゃりん
大如車輪 |
しょうしきしょうこう
青色青光 |
おうしきおうこう
黄色黄光 |
しゃくしきしゃっこう
赤色赤光 |
びゃくしきびゃっこう
白色白光 |
みみょうこうけつ
微妙香潔 |
しゃりほつ
舎利弗 |
ごくらくこくど
極楽国土 |
じょうじゅにょぜ
成就如是 |
くどくしょうごん
功徳荘厳 |
うしゃりほつ
又舎利弗 |
ひぶつこくど
彼仏国土 |
じょうさてんがく
常作天楽 |
おうごんいじ
黄金為地 |
ちゅうやろくじ
昼夜六時 |
にうまんだらけ
而雨曼陀羅華 |
ごこくしゅじょう
其国衆生 |
じょういしょうたん
常以清旦 |
かくいえこく
各以衣戒 |
じょうしゅみょうけ
盛衆妙華 |
くようたほう
供養他方 |
じゅうまんおくぶつ
十万億仏 |
そくいじきじ
即以食時 |
げんとうほんごく
還到本国 |
ぼんじききょうぎょう
飯食経行 |
しゃりほつ
舎利弗 |
ごくらくこくど
極楽国土 |
じょうじゅにょぜ
成就如是 |
くどくしょうごん
功徳荘厳 |
ぶししゃりほつ
復次舎利弗 |
ひこくじょうう
彼国常有 |
しゅじゅきみょう
種種奇妙 |
ざつしきしちょう
雑色之鳥 |
びゃくこうくじゃく
白鵠孔雀 |
おうむしゃり
鸚鵡舎利 |
かりょうびんが
迦陵頻伽 |
ぐみょうしちょう
共命之鳥 |
ぜしょしゅちょう
是諸衆鳥 |
ちゅやろくじ
昼夜六時 |
すいわげおん
出和雅音 |
ごおんえんちょう
其音演暢 |
ごこんごりき
五根五力 |
しちぼだいぶん
七菩提分 |
はっしょうどうぶん
八聖道分 |
にょぜとうほう
如是等法 |
ごどしゅじょう
其土衆生 |
もんぜおんに
聞是音已 |
かいしつねんぶつ
皆悉念仏 |
ねんぽうねんそう
念法念僧 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
注)当て字一覧 (当て字にて代用した漢字) |
|
|
|
|
|
|
|
健+牛左 |
希+糸左 |
候+目左 |
喬+心偏左 |
免+少上 |
巾+一上 |
黎+王左 |
車+石左 |
渠+石左 |
戒+衣偏左 |
|
維摩経 (ゆいまきょう) |
初期の大乗経典の代表作。十四の章からなる。 |
維摩居士という富豪を主人公にして、大乗仏教の教えを説く。 |
維摩居士は、熱心な仏教の信者で、巧みな弁舌で、人々に仏の教えを説いて聞かせ、
信頼をえていた。が、実は菩薩の化身で、人々を導くために出現したという。 |
|
経集 (きょうしゅう) |
七十二の小さなお経が集められた、文字道理のお経集。 |
紀元前三世紀半ば以前のお経といわれ、最古のお経の中の一つ。 |
釈迦の言葉がより原形に近い言葉で表現されている。
|
「生まれを問うな。行いを問え。火はあらゆる薪から生じる。いやしい家に生まれた人でも、
聖者としてその心が正しく堅固であり、恥を知り慎み深い人ならば、高貴な人となる。」
|
という様に、誰にでもわかる言葉で語られている。 |
|
法句経 (ほっくきょう) |
テーマ別の二六章、四百二十三の詩から成り立っている、釈迦の教えの集大成。経集と同じ最古の経典。 |
釈迦が平易な言葉と分りやすい比喩をまじえ、覚りへの実践方法を説いたもの。例えば、
|
「諸々の悪をなさず、諸々の善を行い、自らの心を清める。是が諸仏の教えである。」 |
「戦で千度千人の敵に勝つより、一人の己に勝つ者こそ、真の戦士である。」 |
「鉄により生じた錆は、鉄により生じその鉄をさらに速く錆び付かせ使用出来ぬようにする。
同じく、人の悪い行いは、その人から生じてさらにその人を悪くする。」 |
|
涅槃経 (ねはんきょう) |
正式には、「大般(だいはつ)涅槃経」と言う。釈迦の入滅(大般涅槃)の意義を説く経典類の総称のこと。 |
小乗涅槃経と、大乗涅槃経の二つがある。 |
小乗涅槃経は、釈迦の最後の旅から入滅、遺体の荼毘、塔が建てられるまでを述べ、「すべてのものは無常
である。故に怠ることなく修行に勤めなくてはならない。」との小乗仏教の教えを説く。 |
他方大乗涅槃経でも、釈迦の入滅を中心に説くことは同じだが、釈迦の入滅は方便であり、何度も生まれ変
わり何時の時代でも常に人々を導いてくれる。全ての人々は皆仏性がある。よって速やかにその仏性に目覚
め、自己と仏とを一体化させよ、との大乗仏教の考えを説く。 |
|
開経偈 (かいきょうげ) |
お経を開いて読む前に唱えるお経。各宗派で広く用いられている。
かいきょうげ
開偈経 |
むじょうじんみみょうほう
無常甚深微妙法 |
ひゃくせんまんごうなんそうぐう
百千万劫難遭遇 |
がこんけんもんとくじゅじ
我今見聞得受持 |
がんげにょらいじんじつぎ
願解如来真実義 |
|
三帰依文 (さんきえもん) |
悟りを開かれた仏に帰依し、その教えを学ぶ努力をし、皆で彼岸へ渡るため心から三宝(仏・法・僧)に帰依しよう。と説く。
さんきえもん
三帰依文 |
じきえぶつ
自帰依仏 |
とうがんしゅじょう
當願衆生 |
たいげだいどう
体解大道 |
はつむじょうい
発無上意 |
じきえほう
自帰依法 |
とうがんしゅじょう
當願衆生 |
じんにょうきょうぞう
深入経蔵 |
ちえにょかい
智慧如海 |
じきえそう
自帰依僧 |
とうがんしゅじょう
當願衆生 |
とうりだいしゅう
統理大衆 |
いっさいむげ
一切無礙 |
|
四弘誓願文 (しぐぜいがんもん) |
仏道を目指す人の決意を述べたもの。 |
仏の道を目指すものは、日々これを唱え決意を新たに修行に励む。 |
なお、真言宗では末尾の一節が加わり、「五大願」という。 |
しぐぜいがんもん
四弘誓願文 |
しゅじょうむへんせいがんど
衆生無辺誓願度 |
ぼんのうむじんせいがんだん
煩悩無盡誓願断 |
ほうもんむりょうせいがんがく
法門無量誓願学 |
ぶつどうむじょうせいがんじょう
仏道無上誓願成 |
ふくちむへんぜいがんしゅう
(福智無辺誓願集) |
|
正信偈 (しょうしんげ) |
親鸞が著した「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」の中の「行の巻」の末尾にある、七言百二十句からなる漢詩。 |
前半は、阿弥陀仏の本願の人々をひとり残らず救うことを信じ、念仏を唱えることの素晴らしさを説く。 |
後半は、この教えを伝承した七人の高僧の功績を讃えている。 |
ちなみにその七名とは、 |
|
インドの |
龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ) |
天親菩薩(てんじんぼさつ) |
|
|
中国の |
曇鸞大師(どんらんだいし) |
道綽禅師(どうしゃくぜんじ) |
善導大師(ぜんどうだいし) |
|
日本の |
源信僧都(げんしんそうず) |
法然上人(ほうねんしょうにん) |
|
しょうしんねんぶつげ
正信念仏偈 |
きみょうむりょうじゅにょらい
帰命無量寿如来 |
なもふかしぎこう
南無不可思議光 |
ほうぞうぼさついんにじ
法蔵菩薩因位時 |
ざいせじざいおうぶつしょ
在世自在王仏所 |
とけんしょぶつじょうどいん
観見諸仏浄土因 |
こくどにんでんしぜんあく
国土人天之善悪 |
こんりゅうむじょうしゅしょうがん
建立無上殊勝願 |
ちょうはつけうだいぐぜい
超発希有大弘誓 |
ごこうしゆいししょうじゅ
五劫思惟之摂受 |
じゅうせいみょうしょうもんじっぽう
重誓名声聞十方 |
ふほうむりょうむへんこう
普放無量無辺光 |
むげむたいこうえんのう
無碍無対光炎王 |
じょうじょうがんぎちえこう
清浄歓喜智慧光 |
ふだんなんじむしょうこう
不断難思無称光 |
ちょうにちがっこうじょうじんせつ
超日月光照塵刹 |
いっさいぐんじょうむこうしょう
一切群生蒙光照 |
ほんがんみょうごうしょうじょうごう
本願名号正定業 |
ししんしんぎょうがんにいん
至心信楽願為因 |
じょうとうがくしょうだいねはん
成等覚証大涅槃 |
ひっしめつどがんじょうじゅ
必至滅度願成就 |
にょらいしょいこうしゅっせ
如来所以興出世 |
ゆいせつみだほんがんかい
唯説弥陀本願海 |
ごじょくあくじぐんじょうかい
五濁悪時群生海 |
おうしんにょらいにょじつごん
応信如来如実言 |
のうはついちねんきあいしん
能発一念喜愛心 |
ふだんぼんのうとくねはん
不断煩悩得涅槃 |
ぼんじょうぎゃくほうさいえにゅう
凡聖逆謗斉廻入 |
にょしゅしいにゅうかいいちみ
如衆水入海一味 |
せっしゅしんこうじょうしょうご
摂取心光常照護 |
いのうすいはむみょうあん
已能隹破無明闇 |
とんないしんぞうしうんむ
貪愛瞋憎之雲霧 |
じょうふしんじつしんじんてん
常覆真実信心天 |
ひにょにっこうふうんむ
譬如日光覆雲霧 |
うんむしげみょうむあん
雲霧之下明無闇 |
ぎゃくしんけんきょうだいきょうぎ
獲信見敬大慶喜 |
そくおうちょうぜつごあくしゅ
即横超截五悪趣 |
いっさいぜんまくぼんぶにん
一切善悪凡夫人 |
もんしんにょらいぐぜいがん
聞信如来弘誓願 |
ぶつごんこうだいしょうげしゃ
仏言広大勝解者 |
ぜにんみょうふんだりけ
是人名分陀利華 |
みだぶつほんがんねんぶつ
弥陀仏本願念仏 |
じゃけんきょうまんなくしゅじょう
邪見喬慢悪衆生 |
いっさいぜんまくぼんぶにん
一切善悪凡夫人 |
もんしんにょらいぐぜいがん>
聞信如来弘誓願 |
ぶつごんこうだいしょうげしゃ
仏言広大勝解者 |
ぜにんみょうふんだりけ
是人名分陀利華 |
みだぶつほんがんねんぶつ
弥陀仏本願念仏 |
じゃけんきょうまんなくしゅじょう
邪見喬慢悪衆生 |
しんぎょうじゅじじんになん
信楽受持甚以難 |
なんちゅうしなんむかし
難中之難無過斯 |
いんどさいてんろとんげ
印度西天之論家 |
ちゅうかじちいきしこうそう
中夏日域之高僧 |
けんだいしょうこうせしょうい
顕大聖典世正意 |
みょうにょらいほんぜいおうき
明如来本誓応機 |
しゃかにょらいりょうがせん
釈迦如来咢伽山 |
いしゅごうみょうなんてんじく
為衆告命南天竺 |
りゅうじゅだいじしゅつとせい
龍樹大士出於世 |
しつのうざいはうむけん
悉能摧破有無見 |
せんぜつだいじょうむじょうほう
宣説大乗無上法 |
しょうかんぎじしょうあんらく
証歓喜地生安楽 |
けんじなんぎょうろくろく>
顕示難行陸路苦 |
しんぎょういぎょうしいどうらく
信楽易行水道楽 |
おくねんみだぶつほんがん
憶念弥陀仏本願 |
じねんそくじにゅうひつじょう
自然即時入必定 |
ゆいのうじょうしょうにょらいごう
唯能常称如来号 |
おうほうだいひぐぜいおん
応報大悲弘誓恩 |
てんじんぼさつぞうろんせつ
天親菩薩造論説 |
きみょうむげこうにょらい
帰命無碍光如来 |
えしゅたらけんしんじつ
依修多羅顕真実 |
こうせんおうちょうだいせいがん
光闡横超大誓願 |
こうゆほんがんりきえこう
広由本願力廻向 |
いどぐんじょうしょういっしん
為度群生彰一心 |
きにゅうくどくだいほうかい
帰入功徳大宝海 |
ひつぎゃくにゅうだいえしゅしゅ
必獲入大会衆数 |
とくしれんげぞうせかい
得至蓮華蔵世界 |
そくしょうしんにょほつしょうじん
即証真如法性身 |
ゆうぼんのうりんげんじんづう
遊煩悩林現神通 |
にゅうしょうじおんじおうげ
入生死薗示応化 |
ほんしどんらんりょうてんし
本師曇鸞梁天子 |
じょうこうらんしょぼさつらい
常向鸞処菩薩礼 |
さんぞうるしじゅじょうきょう
三蔵流支授浄教 |
ぼんじょうせんぎょうきらくほう
梵焼仙経帰楽邦 |
てんじんぼさつろんちゅうげ
天親菩薩論註解 |
ほうどいんがけんせいがん
報土因果顕誓願 |
おうげんねこうゆたりき
往還廻向由他力 |
しょうじょうしいんゆいしんじん
正定之因唯信心 |
わくぜんぼんぷしんじんぽつ
惑染凡夫信心発 |
しょうちしょうじそくねはん
証知生死即涅槃 |
ひっしむりょうこうみょうど
必至無量光明土 |
しょうしゅじょうかいふけ
諸有衆生皆普化 |
どうしゃくけっしょうどうなんしょう
道綽決聖道難証 |
ゆいみょうじょうどかつうにゅう
唯明浄土可通入 |
まんぜんじりきへんごんしゅう
万善自力貶勤修 |
えんまんとくごうかんせんしょう>
円満徳号勧専称 |
さんぶさんしんけおんごん
三不三信誨慇懃 |
ぞうまつほうめつどうひいん
像末法滅同悲引 |
いっしょうぞうあくちぐぜい
一生造悪値弘誓 |
しあんにょうがいしょうみょうか
至安養界証妙果 |
ぜんどうどくみょうぶつしょうい
善導独明仏正意 |
こうあいじょうさんよぎゃくあく
矜哀定散与逆悪 |
こうみょうみょうごんけんいんねん
光明名号顕因縁 |
かいにゅうほんがんだいちかい
開入本願大智海 |
ぎょうじゃじょうじゅこんごうしん
行者正受金剛心 |
きょうきいちねんそうおうご
慶喜一念相応後 |
よいだいとうぎゃくさんにん
与韋提等獲三忍 |
そくしょうほっしょうしじょうらく
即証法性之常楽 |
げんしんこうかいいちだいきょう
源信広開一代教 |
へんきあんにょうかんいっさい
偏帰安養勧一切 |
せんぞうしゅうしんはんせんじん
専雑執心判浅深 |
ほうけにどしょうべんりゅう
報化二土正弁立 |
ごくじゅうあくにんゆいしょうぶつ
極重悪人唯称仏 |
がやくざいひせっしゅちゅう
我亦在彼摂取中 |
ぼんのうしょうげんすいふけん
煩悩障眼隹不見 |
だいひむけんじょうしょうが
大悲無倦常照我 |
ほんしげんくうみょうぶつきょう
本師源空明仏教 |
れんみんぜんまくぼんぶにん
憐愍善悪凡夫人 |
しんしゅうきょうしょうこうへんしゅう
真宗教証興片州 |
せんじゃくほんがんぐあくせ
選択本願弘悪世 |
げんらいしょうじりんでんげ
還来生死輪転家 |
けっちぎじょういしょし
決以疑情為所止 |
そくにゅうじゃくじょうむいらく
速入寂静無為楽 |
ひっちしんじんいのうにゅう
必以信心為能入 |
ぐきょうだいじしゅうしとう
弘経大士宗師等 |
じょうさいむへんごくじょくあく
拯済無辺極濁悪 |
どうぞくじしゅぐどうしん
道俗時衆共同心 |
ゆいかしんしこうそうせつ
唯可信斯高僧説 |
|
|
|
|
|
|
|
注)当て字一覧 |
|
|
|
|
|
|
隹+虫左 |
喬+心左 |
咢+木左 |
|
|
|
|
修証義 (しゅしょうぎ) |
曹洞宗開祖の道元が著した、「正法眼蔵」からの抜粋。 |
下記は、第1章の「総序」と第2章の「懺悔滅罪()」の一部分。人間に生まれた尊さ、仏の教えと出会えた
素晴らしさ、因果に対する道理を述べている。 |
以下、第3章「受戒入位()」 第4章「発願利生()」
第5章「行持報恩()」からなり、仏の道を正しく生きるための
導きが順をおって記されている。 |
|
修證義 |
第一章 総序 |
生を明らめ死を明きらむるは仏家一大事の因縁なり、生死()の中に仏あれば生死なし、
但()生死即ち涅槃と心得て、生死として厭()うべきもなく |
涅槃として欣()うべきもなし、是()時はじめて生死を離るる分あり、唯一大事因縁と
究尽()すべし。人身()得ること難し、仏法
値()うこと希なり、今我等宿善() |
の助くるに依りて、已()に受け難がたき人身を受けたるのみに非ず、遇()い難き仏法に
値()い奉()れり、生死の中の
善生最勝()の生()なるべし、最勝の |
善身を徒()らにして露命を無常の風に任()すること勿れ。無常憑()
み難し、知らず露命いかなる道の草にか落ちん、身已()に私に非ず、命は光陰に移 |
されて暫()くも停め難し、 紅顔いずくへか去りにし、尋()ねんとするに
蹤跡()なし、熟観()ずる所に往事の再び逢うべからざる多し、
無常忽()ちに到ると |
きは国王大臣親匿従僕妻子珍宝()たすくるなし、唯独()り
黄泉に趣くのみなり、己に随()い行くは只是れ善悪業等のみなり。今の世に因果を知らず |
業報()を明らめず、三世を知らず、善悪を弁()まえざる邪見の党侶()には群すべからず、
大凡()因果の道理歴然として私なし、造悪の者は堕ち修善の者 |
は陞()る、毫釐()も弋()わざるなり、若し因果
亡()じて虚しからんが如きは、諸仏の出世あるべからず、祖師の西来()あるべからず。善悪の法に
三時()あり、 |
一つには順現報受()、二つには順次生受()、三つには
順後次受()、これを三時という、仏祖の道を修習するには、其()最初より
斯()三時の業報()の理を |
効()い験()らむるなり、爾()あらざれば多く
錯()りて邪険に堕つるなり、但邪見に堕つるのみに非ず、悪道に堕ちて長時()の苦を受く。
当()に知るべし今生 |
の我身二つ無し、三つ無し、徒()らに邪見に堕ちて虚()く悪業を感得せん、
惜()からざらめや、
悪を造りながら悪に非ずと思い悪の報あるべからず |
と邪思惟()するに依りて、悪の報を感得せざるには非ず。
|
第二章 懺悔滅罪 |
仏祖憐れみの余り広大の慈文()を開き置けリ、是一切衆生を證入()せしめんが為なり、
人天()誰か入らざらん、彼の三時の悪業報()必ず感ずべし |
と雖()も、懺悔するが如きは重きを轉じて輕受()せしむ、
又滅罪清浄()ならしむるなり。然()あれば
誠心()を専らにして前仏に懺悔すべし、恁麼()するとき |
前仏懺悔の功徳力我を拯()いて清浄ならしむ、此功徳能く無礙()の浄信精進を生長せしむるなり、其
利益普()ねく情非情に蒙()ぶらしむ。其大旨()は、
|
願くは我れ設()い過去の悪業多く重なりて障道()の因縁ありとも、仏道に
因りて得道()せりし諸仏諸祖我を愍()みて
業累()を解脱せしめ、學道障り無か |
らしめ、其功徳法門普()ねく無盡法界()に充満
彌綸()せらん哀みを我に分布すべし仏祖の往昔()は吾等なり、吾等が當來は仏祖ならん。 |
我昔所造()諸悪業、皆由無始貪瞋癡()、
從身口意之所生一切我今皆()懺悔、是()の
如()く懺悔すれば必ず仏祖の冥助()あるなり、心念
身儀發露白仏()す |
べし、發露の力罪根をして鎖殞()せしむるなり。 以下略 |
|