南信州の村々を尋ねて 2001/6/27

秋葉街道遠山郷


 日本のチロルと言われる遠山郷、上村下栗地区、一度行きたく思っていたのですが、白馬から遠くなかなか行く機会がなかったのですが、6月に親父の法事があり、平日なので私一人で行くことになり、ちょうどよい機会なので少し遠回りではあるのですが、思い切っていってしまいました。

 その昔、火難防止のために人々が通った信仰の道・秋葉街道。諏訪および伊那地方から静岡県の秋葉神社に通じる道沿いの宿場を訪ねました。
 諏訪湖の近くの茅野市から国道152号線が静岡県まで途切れ途切れに続いています。茅野から高遠までが杖突街道、高遠から静岡県までが秋葉街道です。今回は写真の高遠町から国道152号線秋葉街道を南下しました。
 高遠町から152号を少し走ると長谷村に入ります、この国道で唯一の道の駅「南アルプスむら」です。
 道の駅はどこも結構立派で綺麗ですが、ここもなかなか設備も整い綺麗です。地元の特産品が並びローカル色が出ておりました。
 ここから南、大鹿村、上村、南信濃村、天龍村と信州らしさがよく出ている山里の狭い道が続きます。
 大鹿村へは長いこと分杭峠が改修の為通行止めだったのですが、工事が終り通れるようになり、1時間ほどで着きました。あまり車には出会いません・・・。
 塩の里という特産品直売所と展示場です。道の駅ではありませんが、それに近いものみたい。
 大鹿村は山塩が取れる不思議な里です。山の中で塩が取れるので大昔から荘園が発達したようです。明治時代には岩塩を発掘しようとしたことがあったのですが、結局発見されず、今の山塩の正体は謎のままになっているそうです。また大鹿歌舞伎も紹介されていました。歴史的になかなか面白いところです。
 ここから上村までが一番の難所の秋葉街道でした。
 大鹿村と上村の村境に地蔵峠があり(ここまでがすごい道、地蔵峠付近国道が途切れており村道でつながっている、要注意)その少し南に赤石岳の登山口しらびそ峠(写真)があります。眺めはいいですね南アルプスのスケールの大きさが見えます。(北アより雄大)このすぐ近くのしらびそ高原にハイランドしらびそという宿泊施設があるため道路はなかなか整備され走りやすいです。ここから南アルプスエコーラインを通り今回の目的のひとつ日本のチロル遠山郷下栗地区に下っていきます。
 上村下栗地区です、ここが信州で北信の秋山郷、南信の遠山郷といわれ、2大秘境のひとつです。
遠山川から上る急斜面に畑と民家がへばりついている光景はなかなか見事なもので日本のチロルとはよく言ったものです。
天龍村の霜月祭りの像です。この祭りは天龍村、上村、大鹿村と日を変え繰り広げられていきます。
お湯を献じ、自らも湯を浴びることによって新たな年の生命再生を願い、湯立神楽により、神も人も生まれ変わるという信仰を伝える祭りです。
この信州最南端の村で秋葉街道と別れ岐阜へ向かいました。

 すごい山道ばかりで白馬から信州を抜けるのに10時間ぐらいかかりました。でも車もあまり通らず、結構地元の人とも話し込み、すごくほのぼのとした山里で、来てよかったと中年のおっさんはしみじみと思いました。