室内楽曲


136. バッハ フルートソナタ全集
ランパル・ラクロワ ERATO フルートとチェンバロのためのソナタ3曲、フルートとクラヴィーアのためのソナタ1曲、フルートと通奏低音のためのソナタ3曲、無伴奏フルートソナタ1曲の計8曲が入っている。BWV1030-1035とBWV1013、BWV1020の8曲である。伴奏者にラクロワを得ての一番油の乗り切っていた頃のランパル。これ以上の演奏を望めようか。恐らく匹敵するのはニコレだけであろう。


73. ベートーベン 弦楽4重奏全集
ブダペスSQ SONY 1958〜1961の録音。ブタペストSQについては言うまでもなく今世紀最高のSQである。ブダペストという名前はついているもののメンバーは全員がロシア人である。ブダペストSQが残したものの中でも最高のものである。
バリリSQ Westminster ウィーンの味わいでベートーベンのSQを聞きたいとなったらこれに勝るものはないだろう。特に「ハープ」「セリオーソ」「ラズモフスキー」などが最高である。現代盤ならアルバンベルクSQ。


182. ベートーベン ピアノ3重奏曲第7番「大公」
カザルス・トリオ EMI MONOながら、これに勝る名演はいまだに出ていない。それは確かに致し方のないことなのかも知れない、ティボー、カザルス、コルトーといった人たちが、各々の楽器単独でもなかなか簡単に世に出てくるような人たちでは無い、その上にでの黄金トリオなのだから。不世出の名人達が各々この曲に真摯に向き合っての演奏。intimateなアンサンブル。ただただこの録音を残してくれただけでも感謝、感謝である。


40 ブラームス  クラリネット5重奏曲ロ短調
ウラッハ、ウィーン・コンツエルトハウスSQ Westminster モーツアルトとともにここでもウラッハは渋くいい味をを醸し出してくれる。そう言えばウィーンに行った時、地元の爺さんに喫茶店で簡単な賭ごとの相手をさせられてしまった。中央墓地のブラームスもそういえば首を傾げていたなあ。聞いていて何故かそんなことを思い出させてくれる演奏。
ライスター、ベルリンゾリスデン DG モーツアルトと同じ事が言えるがstereoなのでどうしてもこちらの方が聞く回数が多くなってしまう。懐が深い。


199. ドボルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
スメタナ EMI アメリカという題名はついていながら、我々にとっても出だしから非常に郷愁を誘う旋律で惹き付けられる。スメタナはまさに自らの言葉で極自然にインティメイトに語りかけてくれ心和むものがある。


75. ハイドン 弦楽四重奏「皇帝」
アマデウスSQ DG 戦後、室内楽の世界をリードし続けてきたアマデウスSQ。密度は高く、何よりも歌を感じさせてくれる。


209. ハイドン 弦楽四重奏曲「ひばり」
スメタナSQ EMI ハイドン58歳の曲ということであるが、なんという伸びやかさであることだろうか。パパハイドンであるからこそ58歳でこんな曲を作ることができたのであろう。実に若々しい。そんな趣を壮年期のスメタナSQが実にのびのび生き生きと歌っている。まさに自然における高い空の雲雀そのものの感がある。


39. モーツアルト  クラリネット5重奏曲イ長調
ライスター、ベルリンゾリスデン DG 何回も一番良く聴く盤ということでTOP。落ち着いて聴けると言うことだろうか。アンサンブルとも実に良く合っている。スタンダードな名演。
ウラッハ、ウィーン・コンツエルトハウスSQ Westminster 名盤の誉れ高いもの。古きよき時代のウィーンの典雅な香り満載。
ランスロ、バルヒェット4重奏団 ERATO フランス人の名手ランスロのクラリネット。ライスターの響きとは全く異なる。曲を聞くと言うよりもランスロを聞くという雰囲気にどうしてもなってしまう。


76. モーツアルト 弦楽四重奏「狩」
アマデウスSQ DG アマデウスとう名前はいうまでもなく尊敬するモーツアルトにちなんでつけられた。4人の内、3人はオーストリア生まれである。ウィーン的な趣。若さや、情熱を示してくれる。


239. モーツアルト フルート四重奏曲全曲
ランパル、スターン、シュナイダー、ローズ SONY ランパルほか各楽器の名手達が勢揃いして聞かせるこの演奏は最近のピリオド楽器を用いた演奏とは異なり、スケールの大きなそれでいて極めてintimateな、まさに競演となっている。今後このような演奏が聴かれることはまず無いと思われ、その意味においても非常に貴重な盤であろう。


74. シューベルト 弦楽四重奏「死と乙女」
アマデウスSQ DG 名曲だけにエントリーの数も多いがここではもっともロマンティックにかつ感傷的に演奏しているという観点から、アマデウスSQを選ぶ。


269. シューベルト ピアノ5重奏曲イ長調D.667「鱒」
パネンカ(p)、スメタナSQ DENON 驚いた驚いた、これほどの名盤が今はもう全く忘れ去られているのだ。室内楽の分野は録音がものをいうことが多いので新盤はどんどん話題になり、旧盤はどんどん忘れ去られていくのだろうか。少しこちらが古くなりすぎているところがあるかも知れないので、ブレンデル、クリーブランド当たりを聞いて比較しなければならないかも知れない。


296. チャイコフスキー ピアノ三重奏曲「ある偉大な芸術家の想い出のために」
スーク・トリオ<76> DENON こちらもDENONが総力を結集してというか、録音した名盤。それだけに非常に細やか、繊細な息遣いを感じさせる演奏・録音となっている。今でも古くなっていないことからもそれは判る。