当店で販売させていただいておりますお米の生産過程を写真付きで御案内致します。
11月〜3月初頭
田植えの準備 3月末〜5月
○ 3月中頃〜末頃にかけて苗間(芽の出た苗を田植えまで置く場所)の大凡の外郭・形を作り始めます。
○ 4月中旬、苗間に水を入れて苗箱を置く所と仕切を整えたら苗代の完成。
○ 4月初旬。苗箱に土を入れて種籾を蒔く(苗を作る)準備。
○ 4月中旬、土を入れた苗箱に種籾を蒔いて芽出し機に入れて発芽させます。
○ 4月中旬〜下旬、発芽した苗を箱に入れたまま苗代に置きます。
田植えまでここで水の調節をしたりビニールをかけたりして苗を育てます。
○ 4月下旬、施肥。代かき前に肥料を撒きます。
これ(一袋20kg)を背負って撒きました(用量は【肥料と農薬について】参照)。
○ 5月初旬、代かき。水を張った水田をトラクターで地均しします。
苗の生育状況。約半月でここまで育ちました。
このくらいになってくるとそろそろ田植えができます。
○ 5月初旬〜中旬、代かき後、雑草防除の為に田植え前の水田に農薬を撒布。
以下のものがウチで使用しているものです。容器を持って土手から振って撒きます。
雑草防除剤撒布は今回と田植え後の2回で終了となります。
過度の使用を控えた低農薬栽培です(用量は【肥料と農薬について】参照)。
田植え 5月中旬〜下旬
○ 田植えを行います。苗代から苗箱を引き上げ、苗箱に害虫予防の為の粒剤
(下の画像:ギャング粒剤。用量は【肥料と農薬】参照)を蒔いたら
苗箱から苗を取りだして田植え機にセットして植えます。
ウチの病害虫予防はこれを撒布するだけです。以降、病害虫防除剤を追加で使用する事はありません。
田植え機で植え終わったら植えこぼれや田植え機で植えられない隅の部分等を
手植えで植えてカバーします。以上で田植えはほぼ完了となります。
後は苗がしっかり根付いてくるまで監視をして
苗が枯れたところや浮いてしまったところがあったら植え接ぎをして様子を見ます。
6月中頃〜下旬
○ 苗の生育状態はこんな感じになってきます。
○ 蓼科高原からの湧き水で育つ稲
○ ウチのお米作りは、田植えの前後に少し農薬を使うだけです。
苗の伸びる季節になると雑草も共に伸びてくるので、
稲の成長を阻害するその雑草を田んぼに入って手で抜く作業が必要となります。
美味しく安全なお米を作る為に苦労は惜しみません。(´ー`)
黒い楕円で囲ってあるのが雑草です。
抜いた雑草↓
○ 植えた苗には殺虫剤や防虫剤も使用しないので虫も居ます。
自然な環境で育つ稲です。
○ 土手焼き
土手草が繁り易い季節になると定期的に様子を見て、
草を刈ってそれを焼きます。
草が生え過ぎると土手が弱くなったり、水漏れし易くなったりしてしまうからです。
又、草を焼く時に出る煙は稲に付く害虫を防いだりする効果もあります。
稲が分決(分裂)を止めて養分を穂の生成に向けるようにする為に
しばらく田んぼの水を抜きます。
水を抜く期間は天候次第ですが、凡そ2〜3週間くらいになります。
稲の緑色が薄くなり、水田の土がひび割れを始めるくらいまでが目安。
頃合いを見て水を入れ、再び草取りをします。
(夕方の撮影だったので写真が少し暗めになってしまいました…)
稲の色が薄くなり過ぎていたり、成長が鈍かったりする稲があった場合は、
その稲の周辺に追肥(肥料を足す)を行います。
使用量は生産に使用した肥料と農薬についてをご参照下さい(2005年、2004年未使用)。
田植え以降、病害虫予防剤等の農薬撒布は行わないので、
田んぼの中に虫が住んでいたり、天候次第では多少の病気(生産量減)も出ます。
円で囲んである部分が稲熱(イモチ)病の症状です。
雨が少ない年に発生し易い傾向があるようです。
稲熱病にかかった稲は稲穂が発育途上で落ちてしまったり、
中身が空の籾をつけ易くなってしまいます。
害虫を食べてくれる蜘蛛です(円内)↓。害虫駆除も自然の状態で。
稲穂を鳥から守る為にネットを張ります。
実るほどに頭を垂れる稲穂
稲刈りの準備を始めます。ぬかるんだ状態を緩和する為に
泥で埋まってしまっている田んぼの端の溝を掘り起こして水をきれいに抜きます。
○ 稲の生育状況
実りの秋、収穫の季節となりました。
稲を刈り倒し...
ウチで使用している古いバインダー↓
はぜ掛け用の棒を組みます。
そこに刈った稲を掛けていきます。
「はぜ20日」といって、凡そ15〜20日間天日で乾燥。
風と太陽によってゆっくり天然乾燥させたお米は、
粒割れも少なく食感も極上。
お米一粒一粒の水分量も変に損なわれないので、
コシヒカリ特有の粘りとお米の甘さがより一層引き立てられます。
美味しいお米の完成までもう少しっ!
落穂拾いも終り、稲刈り終了。
干した稲に鳥避け措置。
10月初旬・中旬〜下旬頃
お米が食べ頃になるまで調整が進んだのを見計らって、
稲から籾(実)を分離する作業を行います。
はぜ掛けからの一連の作業は手間が掛かり大変ですが、
コンバインで刈り入れ→乾燥機で乾燥するよりも断然味が良くなります。
ウチで使用しているハーベスターです↓
稲こきの終った箇所からはぜ掛けに使った棒を片付けていきます。
下の写真は稲こきの終った田んぼの様子です。
藁は裁断し、肥料として田んぼに撒きます。
醗酵を促す為、バチルス納豆菌を混ぜて耕します。
こうする事によって、より自然な状態で肥えた土が出来上がるのです。
又、有益な菌を増やす事は病気の予防にもなります。
稲こき後〜
お米を産地・産年・銘柄を表示して商品として販売する為には、
専門の業者さんに籾すり(籾から殻を取って玄米にする作業)
をしていただいて、それを農産物検査に出さなければなりません。
下の画像はそのそれぞれの証明印です。
左上の黒い楕円で囲った印が県米穀振興協会認定の籾摺技術者の印。
中央の青い楕円で囲った印が農産物検査によって押された
等級印(左)と検査員の検印(右)です。
上記一連の作業を経て皆様のご家庭に安心で高品質なお米を届けさせていただいています。
10月下旬〜11月初旬
田んぼの肥料にする目的で細かく切った藁を均等に撒き、
そこをトラクターで耕します。
来年の稲作に向けての準備です。
下の写真でトラクターを運転しているのはウチの父です。
田打ち後の田んぼです。
土作りに始まり、来年に向けての土作りに終る。
こうしてまた春を待ちます......▲(上にもどる)