THE POWER OF PEOPLE
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社会主義考180「人力社会主義」の自覚を新たに人民の力代表 常岡雅雄
「新しい時代」には—新しい心と頭脳を
「新しい社会主義」こそ時代は迫っている
「新しい帝国主義」が地球規模に急展開している
近代世界500年の二重構造の打破と
「全地球規模の弱者連帯の」を織る
この一年間の社会主義考を振返る
21世紀も13年をつんだ今年も、いよいよ締めくくりの「社会主義考」となった。
振返ってみれば、前世紀である20世紀は、19世紀から20世紀に転じて13年を積んだところの1914年には第一次世界大戦が勃発した。それから100年をへて13年を積んだ21世紀の世界は「新しい帝国主義」の様相をとっている。この「新しい帝国主義」世界にあって、私たち社会主義者は何をなすべきであろうか?
この2013年の一年間。社会主義者である、この私の「社会主義考」は、何を語ってきたであろうか?—何を主張してきたであろうか?—何を提起してきたであろうか?
要点のみでしかないが、この一年間の「社会主義考」の軌跡をふりかえってみたい。
地球社会主義—国家をなくす社会主義
まず、直近の11月1日号の巻頭言(社会主義考179)を振返ってみると、「人力社会主義の思いと覚悟」としたうえで、大見出しで、次のように語った。
▼「マイナス」から「新しい社会主義」の探求
国家をなくす地球社会主義の道
「自分自身」をつくり変え「横の人」とともに歩きつづける道と、「国家をなくす地球社会主義」について語って、
その結びで、その「国家をなくす社会主義」の「特徴」を次の五点ほどに概括した。
①「地球人としての人間性」
②「資本の価値観と支配構造の廃絶」
③「人間性と理性をつらぬくことのできる社会の探求」
④「徹底平等主義の社会の探求」
⑤「人間中心主義ではない生命主義の世界の探求」
「条文9条」にとどまらず「実体9条=真正9条」へ
「徹底平和主義の」を
「東アジア規模そして全地球規模」にる
(一)今年新春号の巻頭言(社会主義考169)では、「憲法9条の実体化と東アジア平和共同体」と方向づけしたうえで、大見出しで、次のように提起した。
憲法9条に実体をもたせ東アジアに人びとの平和のを
憲法9条こそ21世紀日本の心と道
そのうえで、
「普通の人びと」の「普通の生き方」に真正の「憲法9条」がある
「真正9条」の「日本列島での実現」をめざし「東アジアの人びと」と共に「徹底平和主義の」をるとこのように中見出ししたうえで
「徹底平和主義づくりの人々のを」「全地球規模」にると結んだ。
「自立自給」の「慎ましやかな日本」へ
(二)続く2月1日号の巻頭言(社会主義考170)では、時の「アルジェリア人質」事件に関連して「アルジェア人質事件が迫る日本の構造変革」と課題設定して、次のように「日本の思想的構造的な変革」を提起した。
侵略と支配と収奪によって成立する近代日本150年からの思想的構造的な変革が問われている
真正9条の徹底平和主義に立つ慎ましやかな国と生活へと大見出した。
そのうえで、(イ)中見出しで「収奪」の重みで「底なしの泥沼に沈みゆく資本主義日本」と、資本主義日本にたいする批判をおこない、
(ロ)思想的構造的な変革を遂げて「慎ましやか」で「清々しい国家と人間」へと云って、主体的な方向付けをおこない、
(ハ)日本に必要なものは日本でつくる—即ち「自立自給」の「慎ましやかな日本」の道をきりひらいていく覚悟をしようと結んだ。
「人力社会主義」
それは「新しい社会主義」
(三)3月1日号の巻頭言(社会主義考171)では、「新しい社会主義」の心と展望と、私たち「人民の力の社会主義」(「人力社会主義」)を「歴史的現在的な既存の社会主義」とは段階を画する「新しい社会主義」と性格規定したうえで、冒頭大見出しで、次のように方向づけした。
「労働と生活と学びの場」に「新しい社会」が芽生え成長する—生きる場の社会主義
このように「人力社会主義」を方向付けしたうえで、(イ)構造の大きな転形が世界規模で進んでいる—(ロ)この「転形期世界という時代」は新しい社会主義をこそ求めていると私たち「人力社会主義」の「時代的な存在の意味」をハッキリさせた。
(ハ)そのうえで、「社会の尾翼」としての人力社会主義と言い切って、私たち人力社会主義の心構えと社会的位置について語った。—「悪しき前衛主義」とは、はっきりと一線を画する「人力尾翼」論の覚悟を明確にしたのである。
脱「階級」と脱「資本主義」—「新しい社会」づくり
(四)続いて4月1日号巻頭言(社会主義考172)でも、新しい社会主義論の具体的意味を次のような大見出しをもって展開した。
資本主義の暴虐に抗して「新しい社会」づくりへ—人間主義の心をもって資本主義への根底的批判を—社会主義もまた「新しい社会主義」への転形期にある。
そして、次のように結んだ。
「脱階級と脱資本主義」の「新しい社会」を目指して—「生きる場」の人々と「人間主義の絆」を結びアジア太平洋から全地球規模に徹底平和のをる。
青(海)は環境の母
(五)5月1日号巻頭言(社会主義考173)では「新しい帝国主義」への時代という時代認識を明確にしたうえで、その「新しい帝国主義」時代において「あるべき人間的思想的政治的な立場と方向」を次のように語った。
国民主義でも国家主義でもなく人種主義でも宗教主義でもなく
—徹底平和主義=真正9条「日本と世界」の道に立って「生きる場」から人間主義のをる。
そのうえ、「新しい帝国主義」をもたらす人類世界の構造的な変化を大きく四点にわたって挙げながら、「緑と青」の視野と展望をもって悠々社会主義の構えで「新々飛躍」を遂げてゆこうと、私たち「人力社会主義に独自」の「新々飛躍」への決意を明らかにした。
45年前の6月1日は「人力誌創刊の日」
「人力社会主義」の芽生え
(六)六月一日は、この私たちの全国機関誌である、この「人民の力」誌の45年前(1968年6月1日)の創刊の日である。
その忘れられない6月1日号の巻頭言(社会主義考174)では、構造的に転形する世界—「新しい帝国主義」世界にあってと、時代認識をあらためて強調して「近代500年の人類世界の二重構造」について明確にした。
その「圧倒的な多数を占める底辺」である全世界の歴史的今日的な弱者を全地球規模の「変革主体」へ!と私たち人力社会主義の進むべき道を方向づけして、
その道が「1000年かかろうと悠々社会主義の精神」をもって「新しい」社会主義の思想と理論と実践の探求にむかうのだと、私たち人力社会主義の覚悟を表明した。
「無限の路」をどこまでも
限りなく歩みつづける「人力社会主義」
(七)続く7月1日号の巻頭言(社会主義考175)では、「無限路をゆく人民の力」と、私たち人力社会主義は「何処までも限りなく無限に進みつづけてゆくのだ」と、人力社会主義者の覚悟と究極方向を明確にした。
そのうえで、
①「新しい帝国主義」時代には人力社会主義は国家主義や民族主義や国民主義や人種主義という人間的思想的政治的な低次元を超克して「地球規模の人民の力へ」と「高く広く飛躍を遂げなければならない」
②「一人の悲劇もない世界」に向かってどこまでも歩きつづけるのだ
③その道を進むのが「新しい社会主義の道であり「人力社会主義の道」であると、私たち人民の力の限りない決意を明らかにした。
近代500年の「人類世界の二重構造」
地球規模の「弱者連帯の」をる
(八)続いて脱「国家」の道を説いた夏季合併号(8月1日、15日の合併号)巻頭言(社会主義考176)では、
①古色蒼然たる「大国主義と天皇主義」に惑わされない
②「米国隷従」主義の「日米同盟」論に誤魔化されないで
③狭くて浅くて野蛮な「国家・民族・人種・宗教」主義を超えて広く、深く、遠く、無限の「地球人の道」を進むと「人力=地球人」論を表明した。
④そのうえで、人力社会主義は全世界の「弱きもの」側に立って、「生きる場」から地球規模の「弱者連帯の」をると結んだ。
自分自身をこそ問う
「自分で自分を欺かない自分」になる
(九)9月1日号巻頭言(社会主義考177)では、
「激動する「新しい帝国主義」世界に「地球規模の人民連帯の」をってゆく—そのためには現実に惑わされず原理を見失わず自分を欺かず—いつも若々しくあろうと語り、
そして「自分を自分で欺かない自分」になるべきだと結んだ。
(一〇)この9月1日号巻頭言の「結び」を引き継いで、次の10月1日号巻頭言(社会主義考178)では、人力社会主義の同志一人ひとりが
①「新しい帝国主義」時代に「人らしく生きる」ためには、
②そして、「二重構造をとる近代世界」にあって地球規模の変革主体を人力社会主義として築きあげてゆくためには、
③何よりも先ず、「人力」同志一人ひとりの「人間的なあり方」として「自分で自分を欺かない自分」になることこそが「問われている」と、重ねて強調した。
「新しい帝国主義」世界に
「地球社会主義の道」を行く
2013年一年間の「社会主義考」を振返ってみた。あと一カ月もすれば年を越そうとしている。この2013年は、第一次世界戦争勃発の前年である1913年から100年(一世紀)になる。
この一世紀「20世紀」とは、
(1)それは、まさに欧米日「先発資本主義列強」の「帝国主義」としての「地球規模での侵略と支配と収奪と暴虐の世紀」であった。
(2)それに抗する世界の植民地諸国の民族解放と、労働者・人民の社会主義革命運動と「社会主義」世界体制構築の世紀であった。
(3)同時にそれはまた、先発資本主義列強と後発資本主義諸国との猛進する「近代化と都市化による全地球規模での無残な破壊の世紀」であった。
すなわち、1914年の第一次世界大戦勃発から今日(2013年)までの「100年間」(20世紀)とは、人類史上で最も強烈で最も広範囲の「全地球規模での帝国主義」と「戦争と革命と破壊の世紀」であったのである。
この「全地球規模での帝国主義と戦争と革命と破壊の世紀」であった20世紀から、次の21世紀に人類世界はいよいよ本格的に転じていくわけであるが、私たち「人力社会主義」がそこ(21世紀の世界)で採るべき方向と課題はどうあるべきであろうか?
この「人民の力」誌の巻頭言がこの2013年の一年間に「社会主義考」としておこなってきた「思考と模索」と「提示や主張」から離れては、それはありえないであろう。
そこで、あらためて繰り返すことになるが、2013年のこの一年間の「社会主義考」の要点を挙げてみよう。
(一)人類世界は「新しい帝国主義」世界として急激な渦をなし始めている。
(二)欧米日「旧帝国主義列強」に、新しく、中国をはじめとする「新しい大国」が加わって「新しい帝国主義世界」という構造的状況が急展開している。
(三)安倍政権がくりひろげる恥ずべき「地球規模での原発輸出」は、日本の「新しい帝国主義」政治そのものにほかならない。
安倍政治によって「日本は地球規模の原発帝国主義」にむかっているのである。
(四)「国民主義」や「国家主義」や「民族主義」にたつ「現存の社会主義運動と社会主義国家」はもはや「社会主義に値しない運動であり国家」であり、「資本主義や国家主義や民族主義の運動や国家」にほかならない。
(五)21世紀の社会主義運動は、「20世紀の社会主義」とは全く異なった「新しい社会主義」として自覚し探求してゆかなければならない。
私たち「人力社会主義」は、思想としても人柄としても路線や組織としても、この自覚した「新しい社会主義」として懸命に探求してゆく—それを特徴づけるならば、それは「地球社会主義」である。
その「地球社会主義の道」とは、私たち人民の力自身の「もう一つの新しい飛躍」=「新々飛躍」の「懸命の探求」なしにはありえない。
(2013年11月15日)