THE  POWER  OF  PEOPLE

 

社会主義考166万国の労働者に—領土問題はない常岡雅雄



「暴虐と戦争への道」は

「国家愛と領土愛」で敷き詰められている



▼日本国民よ、理性人間たれ—天皇制下の近代国家としてアジアの国家・民族に犯した「侵略と戦争と植民地支配」の非人間的な犯罪性の「自覚と反省」こそ日本国民に問われている


 私は、日本と韓国及び中国とのあいだの「焦眉の国家間問題」となっている「領土」問題、即ち「竹島と尖閣諸島」問題について、一カ月前の9月1日号の巻頭言=社会主義考165において、二年前の2010年10月1日号巻頭言=社会主義考142において時の政治焦点「尖閣諸島=釣魚島」問題に当たって語った提起「脱国家世界への全人類的道=類的正道に立って領土紛争地帯を超国家的な共同管理へを踏まえて「国民主義」を打ち砕く「民衆主義」を国民主義を削ぎ落とし絶対平和主義の9条国家へ超国家的で超民族的な人民連帯の前進へ国家主義的で民族主義的な狂信狂騒に幻惑されず、労働者・民衆こそが「全人類的な正道」を切り拓いてゆくべきである。「尖閣諸島=釣魚島」問題への唯一正しい対処の道はここにあると説いた。(以下全て敬称略)


いよいよ日本「国家主義」に狂騒する日本メディア


 手元の小さな机上に積んだ最近の日本メヂィア紙誌の幾つかを続いて取りあげてみよう。それらは日中間の「国家対決と戦争」を煽っている」としか思えない。愚劣と軽率と無責任の極みである。

(1)週刊文春9月27日号—尖閣に漁船1〇〇〇隻、史上最悪の反日デモ勃発—日中一触即発!と「総力特集」を行って、①時事通信北京特派員・城山英巳の決死の現地ルポ—「日本人は死ね!」腐った野菜を投げつけられた②ジャーナリスト・富坂聡の人民解放軍将校が宣戦布告「軍艦出撃で尖閣を奪う」③日本製品「不買運動」年間12兆円の損失に耐えられるか脱中国依存が日本の急務などと「反中国」日本ナショナリズムを煽っている。

(2)週刊新潮9月27日菊咲増大号—①反日教育のビッグバン—袋叩きにされる「日本人」現地報告▼3000人に大略奪された「青島イオン社長」命からがら▼「犬と日本人はお断り」の看板ある町で日本人サバイバル▼ユニクロ上海店舗「魚釣島は中国の領土」という張り紙の真実▼反日デモを煽ってほくそ笑む「中国共産党」本音と建前②実戦未経験「海上自衛隊」VS旧式装備「中国海軍」の尖閣局地戦③櫻井よしこ日本ルネッサンス拡大版—国防の危機!尖閣を護れ

(3)週刊現代10月6日号は(一)中国が攻めてくる—日本人よ、戦いますかぶち抜大特集として第1部—尖閣沖で火ぶたが切られる—そのとき、何が起きるのか第2部—実は人民解放軍より自衛隊の方が強い、だが・・・・第3部—「日本人を皆殺しにせよ」(本気です)中国 ニッポン撲滅キャンペーンの現場から第4部—「消えた習近平」その真相は胡錦濤に「軟禁」されていた第5部—「愚かな中国」に、我々はいま何をすべきか(二)「専守防衛」の名の下に何者にも侵されることのない強さとただひたすらな献身を求められる海上自衛隊 その鉄の組織の知られざる素顔をライフワークとして取材し続ける宮嶋氏が一冊の写真集にまとめあげた歴史的にも価値ある作品の中から独占特別公開と唱って「取材・撮影 宮嶋茂樹」「構成/伊藤明弘」による見開き9頁のカラーグラビア「フォトルポルタージュ」海上自衛隊発足60年目の真実 精強なる日本艦隊を披歴している。

(4)週刊ポスト10月5日号—笑止千万!騒ぐな、うろたえれば奴らの思うつぼだ—中国政府が煽動する反日デモの「白髪三千丈」と唱ってデモ隊にペットボトルを配る警官隊中国メディアも認めた「武力衝突なら中国が負ける」などの「中国現場取材」を掲載している。

(5)花田紀凱が「責任編集」する月刊『Will』—(一)既に一昨年(2010年)11月の略奪国家中国 守れ、尖閣諸島!「緊急増刊」号では安倍晋三「民主党政権ではわが領土は守れない櫻井よしこ「尖閣に自衛隊を常駐させよ」小林よしのり「もう日中戦争は始まっている」西尾幹二「米中に挟撃される日本」等を掲載し、(二)続いて12月超特大号では総力大特集—恫喝中国に屈するな!として中西輝政「日本は「大義の旗」を掲げよ高市早苗「問われたのは国家の意志」稲田朋美「ぶざまな外交的敗北」櫻井よしこ・潮匡人・田久保忠衛・山田吉彦「緊急シンポジウム」中国の侵略に屈した民主政権渡部昇一・小池百合子「美女対談」万死に値する恥ずべき政権などを掲載してきた。(三)更に、最新の今年10月超特大号では「ツケ上がるな韓国!」を「総力大特集」し渡部昇一「李明博の非礼を断罪す」下條正男「韓国こそ過去を猛省せよ」中嶋嶺雄「『日中国交正常化』は誤りだった」山際澄夫「中国不法漁船員を射殺したパラオなどを掲載している。

(6)晋遊舎ムック『歴史探訪シリーズ』—(平成24年9月24日、10月1日発行)日本の領土の歴史完全保存版特集—日本の支配域を侵した列強との闘い、全記録巻頭特集—尖閣、北方、竹島etc—領土問題の歴史と現状を学び直す巻頭グラビア—「国境の島を訪ねて」—報道写真家・山本皓一が激写!—これが「日本領土」真実の姿

(7)別冊宝島(2012年7月15日発行)—日本人が知らない領土の真実—今、日本の領土が盗まれている中国に狙われた島!尖閣諸島—豊かな漁場と地下資源尖閣諸島は日本の生命線だ領土拡大を図る中国の野望—尖閣諸島の次は文化侵略だ国境を守る日本の実力—海上自衛隊、海上保安庁

(8)SAPIO(国際情報誌)10月3・10日号新・大東亜共栄圏—中国抜きの〝アジア繁栄構想〟を提唱する—日本は旭日のASEAN10か国と直接結べ!

(9)歴史通—(一)2010年11月号—緊急特集—尖閣列島!ならず者国家の侵略がはじまった石原慎太郎「歴史に復讐される日本」特集「教育勅語」をとり戻そう(二)2011年3月号総力特集—「日中戦争」は侵略ではない

(10)別冊正論Extra18(2012年9月21日発行)—なぜこの脅威を見てこなかったのか—日中国交40年—汚辱と背信の系譜かくも深き禍根日本人を屈服させたのは誰か覚醒か亡国か評論家・石平「微笑みの尖閣『棚上げ論』に騙された愚」評論家・潮?人「尖閣を守る 日本を守る—対中抑止力を飛躍的に高める戦略」

(11)Newsweek(2012・9・26)—中国に異常あり—反日デモに隠れた中国の病根反日にすがる大国の病根とは

(12)米国のバネッタ国防長官尖閣に日米安保を適用と9月18日に中国・梁光烈国防長官に米国の立場を伝達した。(朝日新聞9月21日)

(13)「離島奪還」日米訓練—陸上自衛隊と米海兵隊は二十二日、米領グアムにおいて敵に奪われた離島を奪還するというシナリオで離島防衛のための共同訓練を展開した。(東京新聞9月23日)

(14)日本共産党は、9月21日に、「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」との志位委員長提言によって「領土問題は存在しない」という立場をあらため、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決をはかるという立場に立つべきと政府に申し入れた。続いて翌日(22日)のしんぶん赤旗は、第一面トップに大見出しで尖閣諸島—日本の領有の正当性を主張—志位委員長、中国大使と会談と、領土主義(即ち「国家主義」)の立場を大々的に打ち出した。


東アジア平和共同体づくりの道へ


(一)前掲の日本メディアの狂騒に見るように、今日の日本のブルジョア支配勢力や帝国主義者たちは「日中間の対決と戦争」に通じる「国家主義と領土主義」を軽率に煽っている。黙々と困苦のうちに日々を生きる「普通の人々」はこれらの卑劣で無責任な煽動を軽信して「対決と戦争の道」に誘い込まれたり陥ったりすることがあってはならない。

(二)「尖閣に日米安保を適用」などと言っている帝国アメリカに騙されてはならない。南北戦争以来の帝国アメリカの成立と発展(「太平洋侵略」)の「究極の果て」として「巨大な中国の壁」にぶつかった帝国アメリカは「尖閣に日米安保の適用」と称して「対中国」帝国主義政治に日本を利用しようとしているのである。「日米安保」という「隷米日本のくびき」を打ち払って「真の9条国家」=「非武装・戦争放棄を厳守する絶対平和主義国家」として毅然と全世界の前に立ち「絶対平和主義政治を堂々と全世界的に展開する」ことこそ「現下の日中韓領土」問題が日本に提起している課題にほかならない。

(三)「現下の日中韓問題」に当たって、日本の労働者・民衆や社会主義者は、(1)「領土問題」などという愚かな「国家主義」「国民主義」に陥って卑劣なブルジョア支配階級や帝国主義者に利用されることではなく、(2)「東アジアにおける諸国家・諸民族の平和=戦争放棄と協力協調」と「全世界の諸国家・諸民族の平和=戦争放棄と協力協調」のための「東アジア平和共同体(仮称)」の構築」にむかう「毅然たる姿勢」を確立し「堂々たる営為」を行うことである。

(2012年9月24日)