THE  POWER  OF  PEOPLE

 

「人民の力」第12回全国大会人力東海代表 井戸孝彦


地球人として生きる

地球人としての覚悟


 5月17日から19日にかけて人民の力第12回全国大会を長野市で開催する。地球規模で展開するグローバル社会のなかで「地球人として生きる」「地球人としての覚悟」の生き方を確認する大会になるであろう。

 すなわち、巨大で地球規模で激的変化の時代のなかに人類世界はふみこんだ。このなかでの自らの生き方を「国家びと」としてではなく「地球人として生きなければならない時代」に入ったことを確認しあいたい。


過剰生産と行き詰った帝国主義列強


 現代資本主義は、世界の、いや地球の隅々まで開発しつくし、過剰生産に喘いでいる。先進資本主義諸国は競って、新たな市場をめぐって過剰な市場争奪戦を余儀なくされている。これまで資本主義経済は景気浮揚策と生産拡大で市場を潤おし、資本主義社会体制を支えてきた。しかし、熾烈な市場争奪戦と過剰生産は、先進諸国内での貧冨の拡大、資本主義諸国間の格差など激化させ、これまでの資本主義社会構造が今や完全に行き詰まっている。先進諸国間の対立抗争は、激化し地球規模で拡大している。世界のいたるところで紛争が絶えない。資源領有権をめぐる国と国による対立、民族の違いによる対立、宗教の違いによる対立、文化の違いによる対立などなど、形は変わっても地球規模での対立抗争は絶えない。

 現代世界は、資本主義国による市場分割、領有権をめぐる帝国主義戦争を第一次、第二次世界大戦と、二度にわたり悲惨な戦争を経験してきた。現代では国際的にも帝国主義戦争が認められない世界のなかで、対立抗争は、かつてのような大規模な戦争までにはいたっていないが、世界のいたるところでの紛争・戦争が、絶えまなく起きている。

 「革命と戦争」の20世紀が終わって、21世紀になった今日でも平和は脅かされている。世界中で起きている紛争・戦争・テロによって多くの人々が戦火に巻き込まれ死んでいっている。

 戦争という暴力が暴力を生み、テロを生む。人類は20世紀を教訓としてきただろうか。そして今再び、行き詰った先進欧米日資本主義列強による熾烈な市場争奪戦と領有権争いが再び露骨化してきて、過ちを犯し続けている。


侵略戦争を正当化し

再び侵略国家を目指す安倍政権


 安倍政権は昨年の7月に閣議で「集団的自衛権の行使」決め、今年夏までに必要な法案を整備し、極東有事を想定した日米安保体制の枠を大きく超え、インド洋からホルムズ海峡までもその範囲を拡大した日米安保ガイドラインをこの4月に確認してきた。国内での安保法制整備では自衛隊の行動範囲を際限なく、世界の「どこへでもいつでも」行動できる法案を作ろうとしている。

 その性格は単にアメリカと一緒になって戦争する戦争法案ではなく、戦前の侵略戦争を正当化し再び日本の帝国主義侵略国家をも意図したものである。

 抑止力の強化による積極的平和主義は日本の軍事力を中国や北朝鮮を対極に飛躍的に強化するもので、軍事力競争をもたらし極東アジアの平和を脅かすものである。有志連合による中東での軍事作戦に人道支援を名目とした安倍政権の資金援助により「イスラム国」を敵に回し、日本もテロ標的国家になってしまった。

 安倍首相がいう日本の「普通の国」づくりとは、欧米列強・英・仏・独国のように帝国主義侵略国家づくりの道に他ならない。

 地球規模で展開する市場争奪、領有権争い、宗教戦争、民族紛争さまざまに人類がもたらす富と欲望と貧困、渇望と対立、抗争さまざま入り乱れて帝国主義戦争への危機、平和の危機、人類滅亡の危機が深まっている。


「地球人として生きる」とは


 我々「人民の力」は、迫る第12回全国大会で、この人類史的に「大きな時代的認識」とその「時代任務と覚悟」を「地球人として生きる覚悟」として確認する。

 この地球規模で展開する人類史のなかで「地球人として生きる」とはどういうことなのか。

 (一)戦争をくいとめ平和に生きること、(二)差別されず人としての尊厳をもって生きること、(三)自然と共存し共に生きること—そうした人間的に基礎的なこともできない現代社会、人類がもたらす地球規模ですすむ破滅へ道の—その悲劇的な道の変革である。地球人として共存し共に生きることできる社会を自らのたたかいによって創造し構築していく道である。

 地球規模ですすむ破滅への道の変革は容易ではない。

 しかし、人民の力はこの道が容易でなく苦しくとも「地球人として」「1000年人力として」生きる覚悟である。

 地球人として生きる覚悟とは、地球規模ですすむ破滅の道の変革創造である。それは「平和を創造する」こと。この世のなかから「人による人を殺すことをしない」こと。「人による人を差別しない」こと。国、民族、あらゆる違いを超え、お互いを認め合い「連帯して共存し共に生きる」ことのできる社会を創造し構築していくことである。


攻勢的な姿勢で新しい世界を創造する


 「新しい党と潮流の建設」をめざした「人民の力」結成以来、40余年の歴史のなかで、あらゆる困難をのりこえ、新たな領域の拡大など、紆余曲折のなかで確かな組織の形成をはかり、協力共同できる仲間に支えられてきた「人民の力」。遅々としてではあるが、確実に前進してきたと自負する。さらに今後作り上げた組織と支えてくれる仲間と共に人民の力は、地球規模で深刻化する危機に立ち向かって闘いつづけていく。

 自分の「生きる場」から、「労働する場」から、「国を越えて」運動をつくる気概をもって、守りの姿勢ではなく攻勢的な姿勢でのぞみ、地球人として生きて行く—その決意をかためる。

(5月4日)