母上、いつ私が元首になりたいといいましたか。
他の子供たちよりもずっと早く元服の儀式をして、感謝していたと思うのですか。
貴方に従った讒言でレピダが死んだ時、私が心傷めたとは思わないのですか。
私は母上の何なのですか。
私は貴方を喜ばせる使い捨ての道具に過ぎないのですか。




母親について

父親について

親戚について

家系について

帰路



母親について

諸悪の根源かもしれない女性。
何度か執政官をつとめ、民衆から大変慕われたゲルマニクスの娘として、紀元15年に生まれる。
12歳の時に結婚。21歳の時にネロを出産。
さまざまな記録から、どうも実兄に早くから肉体関係を強要され、売春も強要されながら育った挙句、皇帝になった実兄から反逆陰謀の共犯者という濡れ衣を着せられて、流刑となる。
そんなわけで、実兄が死ぬ紀元41年までは、それなりに不遇と苦労の人であった。
で、そんな環境が彼女の内面に何をもたらしたのか定かではないが、流刑が免除されてからは、唯一の息子を皇帝にすることに固執する。
それが母親の愛情だったのか野望だったのか、真実は不明。
とにかく、見事に「皇帝の妻」という地位についた後、十数年で「皇帝の母」となって権力をふるう。
なかなか良い躾をしたらしく、実の息子は、母親に逆らう術も心得ずにひたすら言う事を聞く性格に育っていた。
が、息子も20歳を超えるとだんだんと反抗することを覚え始める。(遅い反抗期だなぁ)
だんだんと自分の思うように行動しなくなった息子に対して、40歳を過ぎた彼女は「色仕掛け」で息子を操ろうとする。最初は上手く行く時もあったけど、息子はやっぱり若い女性の方へ気を移していってしまい、成功とは言えなかった。
そこで、今度はターゲットを義理の息子にしたところ、勘付いた息子に阻止されてしまい、母子の亀裂は修復不可能へ。
まあ、書くと長くなるのでここでは省くが、いろいろな人のいろいろな思惑が交錯した結果、紀元59年3月に暗殺される。
一説には頭を殴られたあと、ネロを育んだ下腹を刺されて殺されたという。



父親について

とりあえず、
 グナエウス・ドミティウス・アエノバルブスって人が父親…です。認知もしていますし。真相は、母親のみが知る……。
どういうわけか、悪評ばかり後世に残ってしまった人で、不敬罪・姦通罪・近親相姦罪・詐欺罪・横領罪・不正罪などなど枚挙に暇がありません。
きっといろいろと後から脚色されてしまったのでしょう。
もともと「戦いにおいては勇敢かつ残忍」とされる功績多い家系で、ついでに絶世の美女クレオパトラに惚れたアントニウスの娘から生まれたために、血筋としては、由緒正しい上流階級のお坊ちゃま。
で、
当時の皇帝に気に入られて、12歳のアグリッピナと結婚し、9年後に息子が生まれた…と。
ネロが3歳のときに、ピュルギという所で、水腫病によって死亡。

義理の父親はティベリウス・クラディウス・ドルスス帝。



親戚について

親戚の面々は皆さんスゴイです。
 母親は、英雄ユリウス・カエサルの血筋で、初代皇帝アウグストゥスの曾孫。ついでに、アントニウスの曾孫。
 父親は、英雄ユリウス・カエサルの血筋を受け継ぎながら、アントニウスの孫。
 どっちをみても、家系図には皇帝になった方々がいっぱい。ご両親は、名家同志の結婚だったんですねぇ。
 親等の近いところでは、伯父も義父もローマ皇帝です。




家系について
まだ執筆中

帰路