迷子の代償


「ん……やぁ、もう……」
ヒロインが呼吸を乱して切なげな声を漏らした。
「もう…なんだ? これはお仕置きだからな。そう簡単には終わらないぞ」
「だって……んゃ…ひっ……」
街中で道を間違えて迷子になり、挙句の果てに遺跡で眠っていたお仕置きだと言われ、ヒロインはシンに言われるままに右手足、左手足を縛られて刺激的な恰好で裸体を 曝していた。
そんな恰好でいることだけでも羞恥で全身が沸騰しそうなのに、シンは一度暗くしたはずの部屋の照明を、再び灯して指先と言葉で苛めてくる。
「乳首を弾かれるのがそんなに気持ちいいのか? 淫乱な奴だな」
「やぁ…ん」
硬くなった胸の突起を指先で撫で、抓み、捻り、弾きながら体のあちこちを揉んで執拗な愛撫をするのに、肝心の開かされている両足の中心には一切触れてこない。
「ふぁ……あぁ……」
もどかしくて、肌のあちこちへ刺激を与えられる度に、腰が勝手に揺らめく。
「随分と、物欲しそうだな。触ってもいないのに、涎を垂らして、だらしない奴だ。もっと、お仕置きが必要だな」
意地の悪い笑みでヒロインを見下ろしたシンが、声を漏らす唇を塞いで舌を絡め取る。
「…っっ」
指の間に硬くなった突起を挟み込んだままシンの掌が胸を揉みしだいた。
ヒロインが背を弓なりに反らせて震える。
触れてもらえない場所が、勝手に蜜を湛えて揺れる。
「ふ……はぁ、はぁ…あぁ…」
涙すら滲ませるヒロインに、ようやくシンは優しい声をかけた。
「欲しいか?」
ヒロインが恥ずかしそうに頷く。
「俺がイクまで、このまま解いてやらないぞ? …お仕置きだからな」
「…シンさんの好きに…して」
潤む瞳でそう答えたヒロインの唇へついばむようなキスを落としながら、シンが蜜の中へ硬くなった分身を送り込んだ。
「あぁっんっ…」
押し広げられて満たされる感覚に、甘い嬌声が部屋に響く。
潤った蜜の中をもどかしいほどにゆっくりと抽送するシンの熱に、ヒロインの襞が追い縋ってクチュクチュと音を立てた。
「…焦らされただけあって、随分と積極的に腰が動くな?」
「やぁ…わかんな……ぃ」
「縛られているのに、エロい身体だ」
貪るように揺れるヒロインの腰を捕らえたシンが、一際奥へ熱を突き立てた。
「あっ…ああんっ」
肌が触れ合う音と粘膜が擦れ合う音が部屋に響き始め、そのリズムが次第に早くなる。
ヒロインの甘く切ない声が、部屋に満ちていく。
「ひぁんっ……」
声を飲むように体を震わせてヒロインが達する都度、シンは動きを止めて首や胸に鬱血の痕を刻んだ。


ナギが朝食の仕込みをしようと部屋を出た直後、シンもコートを羽織って部屋から出てきた。
「…よう」
「……あぁ、おはよう」
舵場に行くにせよ、厨房に行くにせよ、甲板へ向かう廊下は一本道。
自然、連れ立って甲板に出る羽目になる。
「…ナギ」
「……ん?」
「今朝は起きない」
主語を省略したシンの言葉に、ナギは苦笑しつつもヒロインのことだと理解する。
多少のやっかみも含めて、答えた。
「……無理させすぎだろ」
「ふん」
扉を抜けて、シンは舵場へ向かう。
厨房へ向かいながら、ナギは、疲れきったヒロインにとって食べやすく、冷めてもおいしい朝食メニューに考えを巡らせた。


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