船首の風



「……お前には、おしおきが必要だな」
「?」
「さっきからお前、俺が目の前にいるのに、他の男共のことばかり考えているだろう?」
「だって、それは…」
 反論しかけたヒロインだったが、シンの瞳が覗き込むように間近に寄り、押し黙る。
「……」
 小さくついばむように額にキスをしたシンが、ククっと笑って離れた。
「なんだ、俺に覗きこまれただけで、その気になったのか? エロいやつだな」
「ち…違いますっ」
「耳まで赤いぞ。おしおきと聞いて、何を想像した?」
「な、何も…」
 心地よい風が吹く船首で、シンが愉しそうにヒロインを見下ろした。
「ほう…何も、か?」
 ヒロインの顎をくいっと上向かせたシンが、今度はしっかりと唇を重ねる。
「ん…」
 もう一方のシンの手が、ヒロインの背中を撫でて腰の隙間から衣服の中へ滑り込んだ。
「んんっ」
 予想外のシンの手の動きに、慌てて身を捩って逃れようとしたヒロインだったが、臀部を捕えたシンの手に抱き寄せられ、舌を絡めとられ、逃れられなくなった。
 その上、長い指先が臀部の谷間からヒロインの秘壷の入口を撫でてきたため、ビクリと身を震わせて反応する。
「濡れているようだが?」
 唇を離したシンが、からかいの口調で囁いた。
「やっ……」
 昼間の甲板、しかも船首という場所である。
 恥ずかしそうに逃げ出そうとするヒロインだったが、シンは逃がさないとばかりに抱き寄せ、服の中に忍ばせた指先を入口に差し込んだ。
「ぁ……」
 小さく声をあげて再びピクリと反応する身体を、中心の穴に潜り込んだシンの指先が更に弄る。
「指を入れた途端に、ずいぶん滑るようになったな…」
 耳元で囁かれて、ヒロインは嫌、と小さく呟きつつ、甘い吐息を漏らした。
「どうした? 指一本じゃ物足りないという顔をしているぞ」
「やぁ…。シンさん、こんなとこで……」
「ああ、おしおきだからな」
 フッと笑ったシンが、ヒロインの身体を後ろから抱き抱えるように支え、服の中に忍ばせた中指と薬指で秘壷の中を深く掻き混ぜる。
「あんっ……ふぅ……んっ…」
 ヒロインは漏れてしまう声を恥ずかしげに、両手で口を覆って声を抑えようとした。
 その様子を見たシンの親指が、掻き混ぜている秘壷の上にあった小さく硬い粒を撫で始める。
「ひゃあんっ……シンさ…やぁ、やあんっ……」
 ビクリと背中をのけぞらせ身を捩って刺激に反応するヒロインの潤んだ瞳が、熱をもって青空を映した。
「指だけでイキそうなのか? 淫乱なヤツだな」
 服の上からヒロインの身体を支えていたもう一方の手が、上着の胸元から入り込んで硬く上向きになっていた乳首を強く抓む。
「…っふあぁぁぁぁっ」
 ヒロインが身体を強張らせて声を漏らした。
「そんな声を出して、誘っているのか?」
 シンが衣服の中に差し込んでいた手を抜き取り、ヒロインの下衣をずらして濡れた秘部を外気に曝した。
「…ゃぁ……」
「気持ち良くしてやるから、我慢しろ」
 コートを着たままのシンが、ヒロインの腰を抱えて露わになった秘部をコートの中に隠すように後ろから分身を埋め込む。
「あぁっ……」
 甲板からも、見張り台からも、シンの背中しか見えない体位。
 目の前に広がる青い海の波に呑まれるような錯覚を感じながら、ヒロインは与えられる刺激と悦楽の波に流されていった。

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