魅惑の味



自然の恵みの酒で行う宴。
 足りなくなったつまみを持ってきたナギを見て、何か思い出したらしいヒロインが、駆け寄る。
「ナギひゃーん、あのねー。冷蔵庫にあっら…をね……」
 呂律の回らなくなったヒロインが、よろけるのを咄嗟に腕で支えたナギが、シンを見た。
 リュウガとソウシ、ナギが不在の状態で、結果的に船内に残ってまとめ役をしていたシンに、酔い始めたリュウガが絡んでいる。シンは今、動けないと即座に察する。
「…水、持ってきてやるから、ちょっとここで座って待ってろ」
 つまみを置いて厨房に戻ったナギは、グラスに水をくんで氷を一つ落とし、厨房の扉を開けて立ち止まった。
「あー。ナギひゃん、いたー」
「…おま…待ってろと…ほら、まず、水を飲め」
 グラスを受け取ったヒロインが、傾けて水を飲み始めた…のだが、酔っているせいか、グラスを傾け過ぎ、喉へみずをこぼしてしまう。
「お、おい……」
 慌てて、拭きとる布を取りに厨房へ引き返したナギの耳に、ひゃうんっ、という変な悲鳴が聞こえた。
「…ヒロイン?」
 ナギの目に、胸元をこぼした水で濡らしたヒロインが映る。
「氷、服のにゃか、入っちゃいましゅたー。…やだぁんっ」
 床に座り込んで、自分で胸元から服の中を覗き込むヒロインに、ナギが硬直する。
 ナギ自身も、何杯か酒を飲んでいる。
 まだ、酔うというほどではないものの…。この光景は、良くない。
「ナギひゃん…氷、取れましゅか?」
「は?」
 すっかり酔っているヒロインが、床に座り込んで自分の服の胸元を広げている姿に、ひどく誘われる気分のナギが、生唾を飲み込んだ。
「…ヒロイン、何してる?」
 駆け付けた、という表現が相応しそうなシンが、ヒロインの背後に立った。
「あ、シンひゃん。お水、もらったら、こぼしちゃって……氷つめたいのー」
 シンが、鋭いまなざしでナギを見た。
「どういうことだ?」
「氷水を渡してやったら、服の中にこぼしたらしい…」
 ナギの言葉に、シンが見せてみろ、と言ってためらいもなくヒロインの服の中へ手を差し込む。
「やあんっ、シンひゃ…そこ……ちが……」
「なんだ。水もまともに飲めないのか。下着までびしょぬれだな…」
 ヒロインの耳元で囁いて、差し込んだ手を動かすシンも、酔うまではまだいかなくとも、明らかに強い酒を何杯も飲んでいる。
「やぁん……シン…んの、いじわる……」
 酔いとはまた違う響きがヒロインの声に混じり始め、シンは不敵な笑みを浮かべた。
 逆に、ナギは目を背け、拳を握る。変な声に、酒の回りだした身体が反応し始めている。
「こんなに濡れていたら、着替えないといけないな。部屋へ戻るぞ」
「うふぅぅん…たてましぇん……」
 甘さのある声を発したヒロインを、シンが舌打ちして抱きかかえた。
「俺達は、抜ける」
 宴から早々に抜けて部屋へ去っていく二人を、ナギは黙って送り、変に熱を持つ身体に唇を噛んだ。


「ったく。飲み過ぎだ」
 ヒロインの服を脱がしながら、シンが叱るように言った。
「すいましぇん……」
 されるがまま、素直に濡れた服を脱いでいくヒロイン。
「しかも、勝手にナギについて行くところが、許し難いな」
ナギの方も、ついて来られたことに驚いていた様子だったが。
「すいましぇん……」
 服を全部脱いだヒロインが、ベッドにちょこん、と座る。
「あれ? きがえ……」
 きょろきょろと、周囲を見渡すヒロインに、シンが薄笑いを浮かべた。
「お前には、お仕置きが必要だろう?」
「…おしおき、でしゅか?」
「その酔いが覚めるまで抱いてやるから、覚悟しろよ?」
「?」
 シンが笑みを浮かべたまま、酔って何事も素直に言われるままのヒロインに命じた。
「ほら、ベッドに手をついて、這いつくばれ」
「えーと…これでいい、でしゅか?」
 言われるままに手をついたヒロインの割れ目を、シンの指先が撫でる。
「きゃうっ…」
 ビクン、と背中を反らした肩を空いた手で掴んで、シンが嗤った。
「なんだ。充分濡れているな。すぐに入りそうじゃないか?」
 秘壷に差し込まれた指が、クチュ、と音をたて、ヒロインは素直に嬌声をあげる。
「ナギからもらった氷で、こんなになったのか? 淫乱だな…」
 指の代わりに、もっと質量のあるものが侵入を始めたことを悟ったヒロインの襞が、ざわめいて蜜を増やす。
「あぁぁっん、シンさん…いぃ…」
 素直に気持ちよさを言葉にするヒロインに、シンの熱も増す。
そのまま、ベッドに座り込んだシンの上に座る形になったヒロインの両胸を、シンの指が包み込んだ。
 指の隙間に硬くなった突起を挟みこんで、その硬さを嬲りながら胸のふくらみを揉む。
「どうした? 勝手に腰が動き出したぞ?」
 貫いたまま、胸への愛撫だけで動かないシンの分身を誘うように、ヒロインが身体を揺らした。
「あの酒には催淫効果でもあったか?」
「やん……あんん……もっと…」
 刺激を求めてヒロインの腰が前後に揺れるが、シンは両手で胸を嬲り、首筋へのキスを移動させながらも、貫いた分身を動かそうとはしない。
「シンさ……」
 もどかしそうに嬌声の合間で名前を呼ぶヒロインに、シンは意地悪な笑みを浮かべて囁いた。
「おしおきだからな。自分で欲しいように動けよ?」
 酔って恥ずかしさまで意識が届かなくなっているヒロインが、応えるように腰をくねらせる。前後に揺らす。
 しばらくの間、ヒロイン自らがゆらゆらと続けた慣れない腰の動きは、登りつめるところまで行けず、けれど止まることもなく。
「シン…ん……シンしゃぁんっ……」
 切なげに繰り返し名前を呼ぶ度に、シンは愉しそうに首筋にキスを落とすだけで。
 登りつめきれない訴えに気づかないかのように、胸を嬲ってギリギリまで持ち上げるだけで。
「シンしゃ……たす…けてぇ……」
 甘い声で求めた助けに、ようやくシンの指先の動きが変化する。
「これで、イってみろ」
 挟んでこすられるだけだった胸の突起を、シンの指先が抓まんで押しつぶす。さらに、上向かせるように摘んで引っ張る。
「いっ………」
 強い刺激に、ヒロインの秘壷がきつく締まり、襞がざわめいて、埋め込まれたシンの分身が硬さと大きさを更に増した。
「胸だけじゃ足りないか? 仕方ないやつだな…」
仰け反ったヒロインの芯芽にも、シンの指先が伸びる。固くなって顔をのぞかせた小さな先端を小刻みにひっかき、つたない腰の揺れに合わせて押し込む。
シンの与えた刺激に、ビクン、とヒロインの腰が止まり、秘壺が痙攣した。
「ふっ…うぅぅぅっっっ…」
 ようやくのぼりつめたヒロインが、力を抜いて前に倒れ込む。その腰を捕らえたシンが、嗤った。
「さっきまでのお前が望んだとおり、動いてやる」
 後背位で腕を捕えて、シンの分身がようやく動き始める。
 休む間もなく始まった責め立てるような刺激に、蜜口の突き当りが何度も押され、ヒロインはひときわ高い嬌声をあげる。
「そんなにエロい声が出るってことは、まだまだ、お前、酔っているだろう?」
 愉しげなシンの言葉に、ヒロインは応えることもできずに嬌声を洩らし続けた。


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