君が見たい
「あ、あの…シンさん?」
ハヤテの裸体を見てしまって悲鳴をあげたヒロインを、シンは強引に部屋へ引きずり込んだ。
強引に連れ込まれて、ヒロインが手にしていたタオルや着替えが室内に散らばる。
「お前、ハヤテの裸を見て何考えた?」
「え? あの、別に…」
「別に?」
「はい。びっくりしただけで…」
シンの手が、ヒロインの顎を掴む。
「びっくりしただけで、お前がこんなエロい顔するわけないだろ」
「…えっ…エロぃって…」
「ハヤテの裸みて、エロいこと考えたんだろ?」
「ちっ、ち、違います。そんなこと、考えてませんっ」
「なら、どうしてこんなエロい顔してる?」
「………わ、わかりませんっ」
嘘のつけないヒロインの反応。
シンの脳裏に、複雑な表情をしていたリュウガの態度がよぎる。
「……おまえ、どうしてこんな時間にシャワーを浴びようとした?」
「そ、その。気分をリフレッシュしようと…」
「リフレッシュ?」
ヒロインの耳が、真っ赤に染まっていく。その反応を見たシンが、意地悪くニヤリとした。
「何を考えてた?」
「何って…」
「お前、エロいこと考えたんだろ?」
「…………」
「俺にどうされたいと思った?」
囁いて、キスをすれば、すんなりと応じてくるヒロインに、シンの方が驚く。
「言ってみろ…」
首筋についばむようなキスを繰り返すと、恥ずかしげなヒロインの口から、シンが思いもよらない言葉が出てきた。
「なに?」
「…その、だから、シンさんのあのときの顔、見たことないなって…気付いて…」
ヒロインは、自分が絶頂を迎えた時の顔は毎回のようにシンに見られているにもかかわらず、自分がシンの絶頂を迎えている顔を見たことがない、という事実に気づいたという。
「考えてみたら、そういう時って、天井とか、壁とか、シンさんの肩や髪くらいしか見てないって気づいたんです。それで…」
あまりにあからさまなヒロインの告白に、流石にシンの顔も赤くなる。
「お前、恥ずかしい奴だな…」
「だってっ…」
ほっぺたをふくらませて、拗ねたように視線を反らしたヒロインを見て、シンが笑いだした。
「ククク……おまえ、真昼間に、厨房の、しかもナギの横で、そんなこと考えてたのか」
「そんなことって…」
「俺が、お前の身体で気持ち良くなっている顔を見たいと考えてたんだろ?」
「べ、別に、そんな意味じゃ…」
「そういう意味なんだよ、お前が言ってることは」
「………」
シンが、乱れたヒロインの服装を整える。
「シンさん?」
「流石に、この時間じゃ、まだやることがあるからな。大人しく、夜まで我慢して待ってろ」
チュ、と軽く小さなキスをして、シンが立ち上がる。
「シャワーでもなんでもいいから、そのエロい顔なんとかしろ。他の奴らに、俺とエロいことしたくて仕方ないってバレバレだ」
「ええっ!」
「まあ…そういう理由なら、俺は構わないがな…ククク」
「やっ…嫌です」
シンは上機嫌な足取りで、部屋を出ていく。
「タオル…タオルはえっと…」
慌てたように、ヒロインは散らかった着替えをかき集めた。
「おい…ヒロインっ」
名前を呼ばれたヒロインが、欲情に霞んだ瞳でシンを見上げる。
「見てるんじゃなかったのか?」
クスクスと、シンが笑いながら胸の突起を嬲り、口づける。
「ん…はぅっ………」
仰け反ったヒロインの奥へに深く身を沈めたシンが、また名前を呼ぶ。
「ほら、目を閉じていたら見れないだろ。俺を見ろ…」
「やぁん……」
ヒロインが首を振って仰け反る。
「これじゃ、いつまで経っても、俺がイケないだろ」
「やぁ……あんっ……シンさん、意地悪ぅ」
抱えあげたヒロインの身体を深く貫いて、シンがまた嗤う。
「見たがったのはお前だろ?」
「んふぁ…あっ、…やぁ……あんっ……」
「見なくていいのか?」
「だってぇ…」
「ほら、こっち向け」
「無理ィ…あん…やん……シンさ……」
「後で文句言うなよ?」
「うん……っ…あっ、あっ…」
奥を穿つスピードが早まり、ヒロインの嬌声がひときわ高く上がる。
「あぁっ…くっ…いくぞ…」
結局、霞む瞳が天井を映す中で、ヒロインはシンの切なげな欲情に満ちた声を聞いたのだった。
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