妖精の米 YOUSEINOMAI 錦織なす/お米達 の画像

白米  6分つき米  玄米  ハープの詩


妖精の米となぜ呼ぶの=『コシヒカリ』というお米の品種を15年ほど前から自家採取を続けました。
(自分の水田で収穫した米を種として使うこと)
ほとんどの一般的な農家に種子として行き渡っているお米の種子は、
採種用の水田から選抜され同一化(遺伝的にも)されたお米。
そんな多様性の少ない種子にはできない、自然界からの影響(淘汰)を受けて、
「農園さくら」の谷オリジナルのコシヒカリになりました。
稲を栽培する方法はあくまでも自然に寄り添うこと、完全に無農薬ではありませんが、
多くの虫や鳥や生物達の力を借りて育ちます。
私が今のような栽培法を本格的に始めた15年程前から、水田に姿を見せてる
『豊年えび』
水の妖精
と名付ける彼らは頼りなくも美しく、しかし彼らが生きていること(環境)こそが大切。
妖精が守る自然から生みだされるお米、
妖精の米と呼びます。
 
5月中旬、田植え前の水田は水鏡、静かな朝を迎えます1〜2cmの豊年えび、5月頃から水田に姿を見せます全ての生き物が活動する夏の稲田


 
妖精の米・・・ものがたり・・・・・ある年の記録から

今年の春は、いつになくウグイスの鳴き声を多く聞きながらの、お米作りのスタート。冬の大雪が関係しているのかもしれない、自然は人間の予期しないところで生き物達と密接につながっている感じがする。昔からのことわざに「大雪は豊作の前兆」とあるが、期待したい。

『お米の種まき』お米(皮の着いたモミ)を網袋に入れ水に浸けることから始めます。
苗作りに使う種モミは、前もって風や水を利用した選別をします、充実した種をまく為です、私は風で軽いモミを飛ばし、次に水に浮いたモミを除きます。稲の場合土に播く前にモミから芽を少し出しておかないと、苗作りに失敗することが多い、芽が出るまでは約
710日程かかり、2日置き位に水を替えます、私はビニールハウスの中で暖かい水に浸けて時々上下を入れ替えます。農家の多くは水に浸ける前に、種子消毒液にモミを12時間程浸けます、私は残液の処理など問題があるので種子消毒は行なっていません、種子消毒に使う農薬は意外と強いもの(魚介類に毒性を有するもの多い)を使用しますが、他の農家の方はどう処理されているのでしょうか、河川や農地に廃棄されてなければと思いますが。

 4/6コシヒカリと黒米・赤米を数キロずつ水にしたしました、私は20年以上稲の苗作りをしていますが、必ず満足できる苗になるわけでないので、毎年緊張する時期です、種まきは2〜3回に分けて播きます、一番の理由は危険分散の為です、天候などに左右される農業で自然に逆らわない知恵は、分散し余裕を持たせることです、手間もかかり収量も落ちますが、意外と長い目で見れば安心でき気持ちが楽です。

 410緑米・もち米を水に浸けました、天気も良く水温が高めなので早目に芽が出そうです、5月には田植が始まる水田に立つと一面が緑の草です、所々に秋播いたレンゲが大きくなってもうすぐバイオレットピンクの花が咲き始めます、この風景を見て草が土を耕し、生物の多様性を豊かにしていると考えるのか、雑草がいっぱいで大変見苦しい、無くしてしまおうと除草剤を水田一面に散布するのか選択の時です。私は除草剤は嫌いです。

 414モミ播きです、田植機用の苗箱に手回し機械を使い播きます、今日は150箱に播きました、2時間ほどかけて妻と子供と私の3人で1箱ごと確認しながらの作業です、播きムラの無いように播かないと、田植後の手直しが必要になります、どの種類のお米も芽出しは順調のようです。この後ハウスのベット(私の所は木の板で通路と仕切り作物を植える所には土が盛ってあります)の上に平たく並べ水をかけ、かまぼこ状にトンネルを作り、ポリフィルムをかけて完成です。管理のめあすは昼間地温が40℃以上にならないようにトンネルを開閉し、表面が乾かない程度に潅水し夜間は保温に努めます、トンネルは朝早めに開け、夕方早目に閉めるのがコツです、野菜や花など育苗も同じことです。

 4/16早いもので播いて2日目の朝には、土の表面より緑がかった白い芽が見えます、今年の春の気候が順調な為と思われます、この後数日で太陽光を受けて若草色に変った稲の芽が2cm程の丈に出揃いました。

 4/20すでに3回に分けて種まきをしました、コシヒカリは出揃いましたが、古代米は6種類が発芽のしかた、色、生育にそれぞれ特徴がありますので、微妙にトンネルの開け方、潅水量を調整していきます、この時期は稲の苗から目が離せられません、もう一つ毎年この時期やってくる厄介な来客があります、スズメとネズミです、モヤシと同じでお米の発芽したもの(発芽玄米は体に良いらしい)大好物で、何箱も苗を抜かれます、今年はネズミ取りシートでヒメネズミ6匹も御用にしました、スズメは鳥避け風車を付けたので来なくなりました、でもお腹が減ると境界線を突破されそうなので、近くに餌場を作り余ったお米をあげます、共存関係といえるのかな。

 <ちょっといい話>何年か前の5月、イチゴ畑にハクビシン(ネコ科の野獣)が来るようになり、食べ頃のイチゴを食害されるようになり、始めは夜何が来るのかわからずにワナを仕掛けたところハクビシンが捕まりました、子どもと二人でハクビシンの悲しそうな目を見るうちに、逃がしてやることにして、5月には貴重なリンゴを与えると、野生のくせに人目も気にせずに食べました、よほど腹が減っていたのでしょう、ワナを緩めしばらくして見に行くともういませんでした、このことは敵に塩をやったことでしょうか、不思議なことにそれ以来イチゴ畑には、決して動物が食べに来ることは無くなりました。

 4/24今日コシヒカリ20箱を播きました、数回に分けた稲の種播きは終わりです。古代米の種子更新の種まきはもう少し続きます、自分で種子を維持確保するのには、手間と根気が必要です、でも種子が生命継続全ての基本で始まりですから。14日に播いた稲が連日の好天で5cm以上になりました、このままでは生育スピードが早いので、日中の温度を下げて成長を抑え気味にしてガッチリした苗にしないと、田植してから弱ってしまいます、風通しを良くしているので潅水は毎日行ないます、午前中に潅水して夕方ポリフィルムをかける時は葉が乾いているようにします、健康な苗を育てる為の基本管理です。今年はスズメが発芽したての苗を食べに来ません、風車の脅かしのせいか、外にエサ場を作ってあげたのが良かったのか、毎日エサ場に来ているのを見るとほっとします。

 58今日は雨、ここ数日曇天が多く日中も低温ぎみです、私の回りでは3割ほどの水田で田植をバタバタとしています、農家は周りの目を気にして作業を進めます、横並びの思想でしょうか、気温水温とか気候や苗の出来は二の次です、水温が低いのと苗が軟弱な為に、植えた苗がしおれて水に没しています。「農園さくら」は明日から田に肥料をまきはじめます、田植は5日後から始まり10日間はかかります、「豊年えび」との再会が楽しみです。

 510昨日に肥料をまいた田をトラクタで起します、私の起し法は出来るだけ荒く起すことです、その後水を田に入れ更にトラクタで土を細かく練り田を平らにします、これもできるだけ軽く練るだけにして稲の根を張りやすくします、この為か我が家の水田には、アオ藻がほとんど発生しません。

 514昨日から気温が上昇してきました、ようやく水田の水温地温が温かくなりました、稲の苗の根付きも良いでしょう、田植にはこんな気候がベストです。今日から田植のスタートです、まず1000u(10a=約300坪)の水田に「古代米」を植えます、黒米、赤米を田植機の速度を落としてていねいに植えます。苗の時期は一見しただけでは古代米の種類ごとの区別はつきづらく、育苗箱ごとに名付けをしてあります、植える時はこれを注意しながらの作業です、今年の稲は八種類植えるので、田のどの位置に植えるのか、収穫量も考えながら実る時期も考慮して、さらに葉や穂に色が付くので景観も考えながら植えていきます、秋が楽しみです。大昔の農村の秋風景は、稲穂が五色に風にゆれていたと歌にも詠まれていました、いつの日か農村に豊かな色彩の秋風景が見られたらと思います。

522今日で田植開始から9日目、田植は残り三枚の水田となりました、田植までの作業手順は、肥料を三種類まき、トラクタで適度に肥料と土が混ざるように二回続けて起します、次に水田に水路から土が見えなくなるまで水をたっぷり入れます、土と水がなじんだ所でトラクタで土と水をよく混ぜ合わせます、これを「代かき」と言い田植の良し悪しを決める作業になります、仕上げは出来るだけ田面を平均に仕上げます、但し、くれぐれも土をトロトロ状態にしてしまわない事です、稲苗の根が酸欠になり生育に良くありません。「代かき」が終わると、35日間を置き田の土が落ち着いたところで田植となります。これら作業を苗の状態を見ながら、ローテーションを考えて一人で行ないます、実際田植をするのは2日に一度半日くらいです、私の場合夏収穫のトマトの定植とその他野菜の苗作り、ハーブやそれら苗の潅水、鉢上げなどが平行して進みます、今年は8月の盆用の花アスターが育っています、1000株くらいは有りそうですが来月には定植したいので準備を進めます、ワタの苗が草に負けそうです、早急に手を打たなくては、ワタも6月には畑に植えたいです。今、毎日収穫している物にドライフラワー用の花があります、昨年10月に播いたので今盛りに咲いています、10種類程あるので咲いたものから収穫し、倉庫の二階に吊るし乾燥しています、気候が乾燥しているので、色よく乾燥できそうです、秋〜冬はドライのアレンジが楽しみです。

 529今日までに田植も、残り一枚の小さな田を残すだけとなりました。村の水田のほとんど田植が終わっていますが、どの水田の稲も濃い緑色をしています、「農園さくら」の田の稲は若草色です、この違いは化学肥料の多投にあります、私は有機物の肥料を使うので、微生物などが分解利用しないと植物が利用できない為に、初夏頃から秋までゆっくりと稲に吸収されます、このことは田植直後の稲の幼年期に多量の肥料を与えるよりも、稲が自分から肥料を求めて根を張り、粗食に耐える体を作ることが、病虫害に強い稲を作ると考えてのことです。「豊年えび」どの水田にもいます、例年よりも数が多いみたいです。
 

 
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