囲炉裏のはたに 縄なう父は
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私のおじいちゃん 佐藤市次郎のこと

子供の頃 夏休みなどに母の実家に泊まりがけで妹とお邪魔させて頂きました。 いとこも来ていて凄く賑やかでした。 昼間ウサギ取りの罠の仕掛け"くびっちょ"を仕掛けたり 鶏の解体を手伝ったりしたこともあります。

みんなで おじいちゃんの戦争での手柄話を固唾を飲んで拳を握りしめて聞かせて頂きました。 明治十七年 父 佐藤藤十と母すての二男として生まれ 明治三十七年二十歳の頃大国ロシアと戦ったことになります。

わたしたち子供は全員日露戦争の英雄だと思っていました。 ほんとかしら、また上田城の地下に住む大蜘蛛の話もみんな怖そうに聞いたものです。 猟では熊を何頭も捕ったとのこと、誇らしげに熊の敷皮がありました。

「朝日 夕日の当たるとこ 毒空木の木の下に小判千枚いけてある」で始まる武田信玄の埋蔵金のお話もとても楽しく聞かせて頂きました。 実際裏山の山頂付近を掘ってみたところ 山城のあとで瀬戸物のかけらしか出てきませんでした。以前は山神様の祠もあったそうな

猛毒のドクウツギ

そんなおじいちゃんも 私が二十歳の頃九十二歳でお亡くなりになりました。 老衰でした 今もおじいちゃんの物語は私が受け継いでいます。

 冬の夜

1.ともしび近く 衣(きぬ)縫う母は
  春の遊びの楽しさ語る
  居並ぶ子供は 指を折りつつ
  日数かぞえて 喜び勇む
  囲炉裏火(いろりび)はとろとろ
  外は吹雪

2.囲炉裏のはたに 縄なう父は
  過ぎしいくさの手柄を語る
  居並ぶ子供は ねむさ忘れて
  耳を傾け こぶしを握る
  囲炉裏火はとろとろ
  外は吹雪