猫も風邪にご用心
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寒い冬は猫の恋の季節です、でも今年は猫風邪が大流行野良猫なんかお外で大変でしょうね。獣医の土屋先生大忙し

第一章 ぶちおやじのこと

去年の夏、お隣山田さんの庭に、うちのぶちたろうをひとまわり大きくしたようなぶちのねこが玄関先にどっかりと座っていました。
どうやらイヌのくろくんの餌がお目当てのようで、キャットフードをやると喜んで食べています。
身なりはきれいで野良猫にもみえず、しばらくして当店にも出入りするようになってしまいうちの猫の餌を自分の物のように食べて出ていきます。
家には めりー とらこ ぶちたろう と三匹の猫がいて全員避妊手術をしてあります。
ですからうちの猫とはあまりトラブルを起こしません。
お外ではよく喧嘩をしていて怪我をしたり、させたりしています。
奥様はぶちちなんて呼んで、ときどきいいものを与えているようです。
そんなぶちちが恋に落ちます、お相手はうちのシャムネコめりーさん。
「めりーさま真珠の首飾りすてきですニャン、とか銀の耳飾りお似合いですニャン。」
なんて言い寄っているようですが、相手にしてもらえません。
暖かいうちは当店の車庫なんかで寝ていましたが、いよいよ寒くなってきたら図々しく家に入ってきて寝るようになりました。
「俺は寒いのは苦手なんだニャン。」
とらこはよけていておつきあいがないのですが、ぶちたろうとはすぐに仲良くなりつれてあるいたりしています。
ぶちちの苦手は他にもあって、一番の苦手はお風呂。
雨の後などもパトロールをかかさないために、つい泥だらけになり奥様にお風呂で丸洗いされてしまいます。
「ころされる俺を助けろニャン、風呂ニャンかに入れるんじゃねえニャン。」
など大騒ぎです、あとは疲れ果てて身繕いなんかしていますが 一回りでもとのもくあみです。
ついでにばあさんも苦手です、「こらぶちおやじ、いたずらするでない。」
などといわれ、しっぽを巻いています。
そんなぶちちの大好物はまたたびの粉末、ちゅうえい果といってまたたびあぶらむしの作る虫こぶを粉にした物に目がないのです。
「幸せだニャン。」なんて言ってほんの少しでも大喜び。

まただびをもらって大喜びのぶちち/こちらはバイオでお勉強


第二章 ぶちちの熱い冬

寒い冬は猫にとって恋の季節、とらこやめりーは避妊手術をしているので、ぶちちはお外でらぶらぶしています。
「みけちゃんかわいいニャン、たまさんつきあうニャン。」などいっておかしな声で一晩中とびまわっています。
1月になるとなんともぶちちにとって、気が狂いそうになる雌猫の香りが悩ましいのです。
そんなぶちちの縄張りに、ぶちの助やくろ助なんかが入ってきます。
ぶちち「縄張りを荒らすんじゃねえニャン。」
ぶちの助「この縄張りは俺がもらったニャンおまえこそどこかへいくニャン。」
ぶちち「若造 命が惜しかったら、すぐに立ち去るニャン。」
ぶちの助「年寄りの時代は終わった、死ぬのはおまえニャン。」
かくて仁義なき死闘が裏庭なんかで展開されたのです。
あまりの戦いにびっくりして、うちの猫たちもこわそうに観戦しています。
戦いは1週間ほど続いて、ぶちちは前左足と顔に大けがをして、それでも血を滴らせながらパトロールを続けています。
よく見るとぶちの助もびっこをしていて、あちこち血が付いています。
しかしこの戦いはあっけなく終わります、1月中旬急にぶちちの元気がなくなったのです。前後してぶちの助の姿もなくなりました。
ふたりとも風邪でとても戦える状態ではなくなってしまったのです。
ぐったりとしてソファーで寝たきりのぶちちは、パトロールに行かなくなりました。
そのうちにおかしなセキをして、鼻が乾いてすごく熱いのです。
目から涙が止まらず、朝になると目やにでひどい顔になっています。
そうですかぜをひいてしまったようです、下旬にはさらにひどくなってくしゃみを続けてしています。
きたないことに回りじゅうに鼻汁が飛び散ります。
ぶちたろうが心配してそばに寄っています。
2月に入ってようやくぶちちはよくなりパトロールをはじめたのですが、今度はぶちたろうがセキをして涙目になってしまいました、大変かぜがうつったのです。

パトロール中のぶちち


第三章 ぶちたろう

今年の猫風邪はたちの悪いインフルエンザで、多くの猫が 病気になって大変だったようです。祢津の和尚さんの所や 塚原君では風邪で猫が死んでしまったそうです。 猫にとって大切な鼻が全く利かなくなって、臭いがわかりません。 またたびやいか おさしみなんかも食べてみないとわからないのです。 しばらくしてとらことめりーもおかしなせきを始めてしまいました。 ぶちちが2週間ほどでだいぶよくなったので、大事をとって 安静にしていたのですがこちらはなかなかよくなりません。 目やにもひどく目が開けないほどになっています。 ぶちたろう「目薬はきらいだ、やめてくれ助けろニャン。」など大暴れ。 そんなある日のこと、ぶちたろうの恋猫のみけさんがお見舞い。 みけ「ぶちたろうさん風邪いかがニャン。」なんて言っています。 ぶちたろう「みけちゃんがきてくれたら、すっかりよくなったニャン。」 みけ「風邪がなおったらまた一緒にあそぼうニャン。」 ぶちたろう「もうすっかりなおったニャン。」 などなどでしっかり夜のパトロールにも出ていきます。 体力があってのことで、まだ風邪は完全に治っていません。 時々ぶり返すのか朝は目やにがひどくて、相変わらず目薬をさしています。 いたずらもあいかわらずひどくいつのまにか金魚の餌なんか、自分の専用の箱に くわえ込んでいます。

ダウンしてしまったぶちたろうと、お見舞いにきたみけくん

ぶちちとぶちたろうの違いは耳です、白いのがぶちたろう


第四章 ぶちたろうの恋

ぶちたろう「大変ニャン、みけさんにふられてしまったニャン。」
おやじさま「どうしたニャン、あんなに仲がよかったのにニャン。」
ぶちたろう「みけさんがぶちの助と、ラブラブしているニャン、ぼくがいったらみけさんに猫パンチされたニャン、玉なしのぶちは男らしくないっていってるニャン。」
おやじさま「ぶちの助やくろ助は男らしいニャン、ぶちだっていい猫ニャン。」
ぶちたろう「つらいニャン、またかぜがぶりかえしたニャン。」
おやじさま「ぶちたろう心配することはないニャン、おやじさまだって美人にさんざんふられたけれど、最後にはあんな美人の奥様と一緒になれたニャン。」
ぶちたろう「それは本心じゃないニャン。」
おやじさま「ぶちたろうめったなことをお言いでないニャン、奥様は猫語を知らない
と思っていると、いつぶちの助やくろ助に密告されるともかぎらないニャン。
猫というものはいつも用心していないといけないニャン。」
ぶちたろう「ぼくはどうしたらいいニャン。」
おやじさま「猫の恋の季節が終わったらまた仲直りするニャン。いやまてよここは一番
ぶちちにやつらを追い払ってもらうんだ、めりーに命令させるニャン。」
めりーさまの命令でぶちちは、ぶちの助、くろ助を追い払ってしまいました。
みけさん「ぶちちさんすてき、わたしとラブラブするニャン。」
ぶちち「めりーさんの許可がないとできないニャン。」
めりー「ぶちちの好きにするがよいニャン。」
ぶちたろう「ひえーやっぱりふられたニャン。」
おやじさま「次からは自分で追い払うニャン、もっとしっかりするニャン。」
ぶちたろう「奴らは強いニャン、とてもかなわないニャン。」

くろ助と好敵手のぶちの助