麻見光彦クラブハウス 次のページへ
人はみな自分だけの夢の世界を持っています。僕の見る夢の世界には
〔名探偵・浅見光彦〕がいて、ときどき軽井沢にやって来て、キヤリー嬢や
カミさんにお愛想を言ったり、僕に騙されて事件の取付に出かけたりしています。
もっとも、近頃は僕の言うことをきかないことが多い。大恩ある軽井沢のセンセを
何と心得ているのでしょうか。とはいえ浅見クンの卓抜した推理力には敬服さ
せられます。それにも増して彼の優しさには、強情でわがままな僕も、ついホロリとなります。
浅見光彦の世界の住人は僕だけではなく、ふと気がつくと、周囲には大勢の人びとがいて、浅見
クンを共有しているのに驚かされます。その人たちは僕よりはるかに、浅見クンについて知ってい
て、僕の書く「事件簿」の誤りをしばしば指摘されることがあります。浅見クンのことや、彼の旅
のこと、事件のこと、一期一会の「恋人」のことなど、いつまでも話通が尽きません。
〔浅見光彦倶楽部クラブハウス〕はそういう人びとのために創設しました。アサミスト同士にだけ
通じ合う会話や、愉快な雰囲気を楽しめる、まさに浅見光彦の世界そのものです。ここではもうあ
なたも事件簿の登場人物の一人。お客としてでなく、浅見家の一員のつもりで楽しんで下さい。
内田康夫
