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 ずいぶんとリゾートな公園に変貌した須砂渡だけれど、ほんの10年前は、必要なだけ手が加えられた、ありふれたほったらかしの自然の山だった。その須砂渡の入り口の道端に、古くから地元の常連で賑わっている小さな食堂があった。メニューは丼物、ラーメン、一品物各種。中でも『とりもつ』が人気。山仕事の衆が仕事帰りに賑やかく一杯やっているようなオーラを放ち、一見さんがぶらりと立ち寄れる雰囲気ではなかった、と思う。それが周辺の観光開発や前面道路の拡幅による立ち退きにより、でっかい山荘風の観光地食堂っぽく生まれ変わったのが4〜5年前、だったかや。
 分厚い板の階段を上り店に入ると、左手は厨房からカウンター、小上がりと続く。常連で賑わうこの辺りの空気は、二廻りくらい大きくなってはいるが、昔の店を彷彿させる。右手はなんだか落ち着きのない配置の椅子席、その奥に広い小上がり。店全体で40人は余裕で入るキャパがある。
 いつものように右手の椅子席に着く。お昼時で盛っているし各種メニューが豊富だから、オーダーしてからちょっと待つ。梅雨が明けて暑い日が続いているけれど、開けた窓から店内を通る山の風が気持ちいい。
 『ラーメン』500円。香辛料が香るわりあい澄んだスープと中細の縮れ麺。メンマとチャーシューとナルトがのせられたシンプルで小ぶりなラーメンだけれど、食べ終わったあとの満足感は高い。
 ラーメンもいいけれど、やっぱ『とりもつ』は外せないでしょうと、女房がオーダーした『とりもつ定食』700円に横から箸をのばしながら、昼間から『とりもつ』でキュッと一杯やりたくなるのでした。
 安曇野ラーメン讃歌は今回で終了いたします。ありがとうございました。

(建築士あづみNo.50/2005.08)

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