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国道147号線を南に向かい豊科の商店街を過ぎる辺りの左手に鮮やかな赤い提灯が目を引いた。注意してみると、国道に面した車2台分ほどの駐車スペースの奥の精肉店と並んだ扉の横に「肉屋さんのラーメン」の張り紙がある。開店したばかりのラーメン屋らしい。 店内に入ると、カウンター席が一列に廊下のように延びている。奥に進み、厨房の前の席に着いてメニューに目を落としていると、「お客さん、初めてですね」と店主が気さくに声をかけてくれた。「どんなラーメンが好きですか?」「コテコテなのが好きですね」と答えると、ウチのはこってりといっても普通のこってりとは違ってこってりじゃないこってりなのでうんとイイですよ、みたいな話。続いてそれぞれのメニューの特徴も説明してくれる。もともと肉屋だからという理由で具のいっぱい詰まった『ワンタン麺』750円がお勧めらしいが、先ずは普通の『ラーメン』600円をオーダー。「スープはあっさり、ややコテ、こってり、コテコテとできますが、どうします?」こってりぢゃないこってりの加減が4段階…、混乱していると、奥さんが指を折りながら楽しそうにこってりのグレードを復唱してくれる。超こってりもできるとのこと。「それじゃあ、…普通で」普通ってどこに属すんだろうと思っていると、「麺は堅めにする?柔らかめ?」「…普通で」聞かれるたびに考えなくちゃいけないのが面倒で静かに食わせてよって気もするけれど、ご夫婦で楽しそうにやっている様子が気持ちいい。
『ラーメン』には2種類のチャーシューとメンマと半玉子が載って、なかなかのコストパフォーマンス。優しそうな柔らかなスープと細い縮れ麺が、やたら家庭的で好感。腹ぺこだったので『替え玉』100円をおかわりしたら、一玉分の麺がチャーシューの細切れをまぶしたお椀で出てきた。予想外のボリュームにびっくりしていると、「メニューに書いちゃったから年内はこの値段でやります」という話し。
振り出しに戻ったドンブリを前に、こりゃあ食い過ぎだわと思いながらもやがてスープもすっかり飲み干して、今度替え玉をたのむときは半玉にしてもらうだな、と思うのでした。
(建築士あづみNo.49/2004.07)
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