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 豊科駅を降りて南の踏切を渡った先に、赤いテント製の庇に「味のサッポロラーメン」と描かれた店がある。そこはもう20年以上も昔、電車通学していた高校生の頃に綺麗なおかみさんとチャーハンが評判だった店。懐かしいドアをはーるかぶりにくぐってみると、小さなカウンター越しの厨房には今も美しく身繕いしたおかみさんがいた。
 濃い色の木目柄のデコラ張りのカウンターが時代をしのばせる。きれいに保たれている羽目板風のベニヤの壁も当時のままだろうか。「当店では高校生がタバコを吸うことを固く禁じています」と書かれた張り紙が目に止まる。今の高校生達も学校帰りにコーラを飲みながらタバコをふかしながらダベっているのだろうか、それともあまりにも品が無くなって閉め出されてしまったのだろうか、などと思っているうちに『塩バターラーメン』450円ができあがる。
 プルンとしたサッポロラーメンっぽい麺をすすりながら、隣の客が注文したチャーハンが調理される様子を眺めながら、ああ、今度はやっぱりチャーハンを食べに来なくっちゃと、思うのでした。

(建築士あづみNo.48/2004.04)

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