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農道を北に向かい穂高町の上原の信号を過ぎると右手に「ラーメン」の看板が見える。店の構えは立ち食いソバ屋風。正面の壁には「ABC」とだけ書かれた大きなプラスチック製の看板が取り付けられているが、通りに面した駐車場の脇には「白馬ラーメン」という行燈看板も出ている。去年(だったかや)ここで開業する前は、白馬でやっていた(らしい)。
店内は厨房を囲うようにL字型に配置された十数席のカウンターだけの簡単なつくりで、一人で奮闘する店主の姿が丸見え。暖簾をくぐる客を見ると、注文も聞かずに大きな中華鍋に人数分の麺を投げ入れるフライングが丸見え。遅れて店に入った別の客の麺も後から投げ入れ足して長箸でかき混ぜちゃう裏ワザも丸見え。ここはセットメニューで『カレー』もやっていて、いちど女房が「カレーだけ」って注文したら投げ入れてしまった麺を鍋から回収していたけれど…その先は見ちゃイケナイ気がして背中のテレビを見ていたので、その麺はその後どーなったのかは知らない。ウチはそれから警戒されていて、ラーメンを注文するまで麺が鍋に入らなくなってしまったけれど、女房も女房で「今日はカレーだけ」ってコトが多い。(このカレーが、なかなかけっこうイけるのです)
ラーメンは500円からで、岩のり、メンマ、キムチ、チャーシューなど、それぞれ醤油と味噌ベースで。つけ麺っていうのもやっているけれど、私はもっぱら『ネギラーメン』650円、ひとすじ。
わさっと載せられた細かく刻んだチャーシューと白髪ネギのトッピングを、背脂の浮いた豚骨醤油系のスープに沈め、やけどしそうに熱い麺をすすり終え、薄黄色く濁ったスープの底にこずんだ具のカケラをレンゲですくいしな、ついついスープを飲み干してしまうと、今日もまたやっぱり胃がもたれるのでした。
(建築士あづみNo.46/2003.09)
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