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2001.04.01UP

長生蘭は本州中部以南の暖地に自生するデンドロビウム(洋ラン)の仲間であるセッコクの園芸種。セッコクは古くは薬草として栽培されていたとのこと。1600年代の江戸時代初期に野生種であるセッコクの変形物を改良して観賞価値を高め栽培されるようになったのが長生蘭です。最近では古典植物と言う事で人気があります。以下簡単に育て方をまとめてみましたので参考にして下さい。

栽培法
セッコクの自生している場所は、冬は暖かく雨が少なく、春になり木々の芽が膨らみ、葉が開くと共に光線の受ける量も徐々に少なくなり、夏は繁った葉により光線は遮られ涼しくなっています。自生地の環境に出来るだけ近くして栽培をすれば良い訳です。植え替えは気温が15度以上になれば何時でもよく、真夏と冬場の植え替えは禁物です。素焼鉢に水苔で植え付けます。
 
富貴蘭(フウラン)も栽培方法、植え付け方共に長生蘭と全く同じですのでこのページを参考にして下さい。
鉢を置く場所
春から梅雨前までは半日ぐらい日の当たる木陰か軒下へ、梅雨期は雨がかからない様に屋根下へ、梅雨明けから初秋までは風通しが良く涼しい木陰や北側の軒下に、秋は出来るだけ日に当てますが晴天で日差しの強い時は寒冷紗で覆います。冬場は日当りの良い廊下や室内へと凍みないように部屋の中に入れ保護します。できれば雨の当たらない半日陰で管理をします。
潅水
新芽が膨らんできたら梅雨入りまでは充分に、梅雨期は控えめに、梅雨明けから9月中旬までは充分にやり、以降霜の降る前まで乾き具合を見ながら3〜4日に1回、冬期室内に取り込んでからは1週間に1回位の割合でやります。水苔をからからに乾かしてしまったら、バケツに水を入れ充分水を吸わせてから、元の管理に戻します。


富貴蘭(フウラン)

肥料 無肥料でもかまいません。春植え替えてから半月ほどしてから、油粕を2粒程鉢のへりの水苔の中へ埋るか、ハイポネックスを規定の倍ぐらいに薄めて時々潅水の代わりに与えます。梅雨入り以降は与えません。与え過ぎは根腐れや徒長させみにくい長生蘭にしてしまいます。
植え方 上質の水苔。9cmと6cmの素焼鉢、サラン製の網を用意します。6cmの素焼鉢は空洞植えにするための道具として使用します。サラン製の網は鉢底からナメクジの入るのを防ぐため用います。
植え方は(1)〜(4)の図を参考にして下さい。植え替え後潅水をし、1週間は半日影に置き、徐々に朝夕の日に当てるようにします。
その他の管理 野生のセッコクは樹木や岩に自生し、養分は主に空中より吸収しているため根の過湿は禁物です。高温多湿の夏を越すと表面の水苔が腐り、そのため成長が悪くなりますので9月に入ったら表面の水苔を替えてやります。殖やし方は株分けによります。

【植え方】用意する物:6cmと9cmの素焼鉢、水苔、サラン製の網

水苔は水を充分に吸わせ、ごみを取り除き手できつく絞りほぐしておきます。

(1)6cmの素焼鉢を逆さにします。
(2)逆さにした鉢一面に水苔を巻きつける。

(3)水苔を2〜3重に巻きつけた上に根をまたぐように広げ、その上に水苔をうすく巻きます。
(4)逆さにした鉢を抜き空洞を壊さないように気をつけてサラン製の網を鉢底に置いた9cmの素焼鉢に入れる。
表面に水苔を巻き、形を整えます。鉢から上げる高さは鉢の半径ぐらいにします。