漆器の扱い方は「自然に」です。
基本的に漆器も木の器ですから、強い衝撃を与えればヒビが入ったり割れたりしますし、漆の塗膜も手荒に扱えば傷ついたり欠けたりします。気の使い方は陶磁器やガラス食器等と変わりません。自然に使ってかまわないのです。ただ漆はより自然に近いままの素材ですから、
「漆器特有の苦手なこと」
「美しい艶をより長く楽しむために気を付けた方が良いこと」
がありますので幾つかあげてみたいと思います。
■実は、漆器が一番傷付くのは使っている時よりも、使い終わってからなのです。
◆ 食べ終わったあと陶器や磁器と重ねない
◆「洗い桶」「水切り籠」は陶磁器と別にする
この二つを守って頂くだけで、漆器の寿命は格段に延びます。
■洗い方は、使い終わったら水を張っておいて(すぐ洗える場合はいいです)、普通
のスポンジ等の柔らかい物を使いお使いの中性洗剤等で洗います。
強酸・アルカリ・漂白剤等は、うるしは侵されませんが艶を保つために避けて下さい。
クレンザーも細かい傷の原因になるので避けて下さい。
■漆は紫外線が苦手です。直射日光の当たるところに放置するのは避けて下さい。
水切り籠が朝日に当たっているご家庭が結構多い様です。一日二日でどうにかなる物ではないのですが、毎日毎日何ヶ月も日に当たっていると艶が落ちてきて漆も劣化してきます。
■電子レンジは避けて下さい。漆は大丈夫なのですが、木が煮えて死んでしまいます。
■食器乾燥機は避けて下さい。
■長期間使わず戸棚等にしまっておくときは、乾燥防止のため下の方にしてください。
いかがですか? 結構大変ですか、それとも意外に簡単ですか?
面倒だなぁ・・・という印象が強かった方へ、次に漆器の良いところも書いてみましたのでぜひご覧になってみて下さい。
2000.6
漆器の良いところ
漆器に興味を持って自分で毎日使うようになってから、漆が日常雑器に向く素材なのだとつくづく実感するようになりました。その理由をいくつか書いてみようと思います。
■保温性がある
汁椀や飯椀としてはもちろんですが、パン皿として使ったときパンが冷めにくい、アイスクリームを盛ったとき溶けにくいと感じました。パン皿は食べ終わる頃でもほかほか暖かいです。
■器が熱くならない
熱い汁物や炊き立ての御飯を陶磁器によそると器が熱くなって持ちにくいことがありますが、漆器はそう言うことはありません。器を手に持ったり口に付けたりして食す日本人ならではの物なのだなぁと感じます。
■軽い
麺鉢やどんぶり等大きめの器でしかも手に持て食べる物は漆器のように軽いととても快適だと思います。大きめの皿などを何枚も重ねて運ぶときも楽です。
■洗いやすい?!
漆器は洗いにくいという印象があったのですが、油料理の後などお湯を使えば洗剤なしでもサッと汚れが落ちます。これは意外な発見でした。
■口当たりが良い
日本人は器を直接口に当てるので漆器の優しい口当たりはとても心地よいと感じました。我が家ではスプーンも漆器を使いますが、物の味にも影響しませんし熱かったり冷たかったりしませんからとても使い心地が良いです。
2002.6