2001年 農場日記
2000年 家族の日記
2002.1.1
あけましておめでとうございます。家族も一人増えて、新年がスタートしました。匠(たくみ:あかちゃん)は出産後の面影はほとんどないほどにプクプク太り、首が見えないくらいになっています。昴と自分は元旦から風邪をひき、まあにいちゃん(樋口政幸くん:うちで住み込みで働いている)は、大晦日に十日町の自宅で雪下ろしをしていて屋根から落ちて手首を骨折したりとあまり幸先の良いスタートではありませんが、なんのなんので張り切っていきますので、今年もよろしくお願いします。


2002.1.7
今年も年末から正月にかけて大雪です。とくにお正月は大雪が続き、せっかくの休日も家に閉じこもりがちになってしまいます。子どもたちは、ちょっとした晴れ間をぬって外で雪遊び。1mをはるかに超える雪にぬかりこみながらびっしょりになるまで遊びました。

萌衣名言録No.1  「マスコットって、ぶどう?」

2002.1.29
温室のなかは甘い香りでいっぱいです。(じつは毎日嗅いでいるので、もうあまり感じなくなっています)  今年は仕上がりも上々。温室に入れてから1ヶ月足らずで咲いてしまうスズランですが、温室に入れるまでが大変。畑に苗を植え付けてから3年間にわたって苗を養成しますが、もともと丈が低いのでこの間の草取りも大変です。また、掘り取りも根がからみあって絨毯のようになっていますから、また大変。ほりあげてからも、芽を分け、選別するのに、平均10人がかりで2ヶ月みっちりです。なかなか大変なんですよ。

2002.2.1
寒かった日。マイナス11.7℃まで下がりました。飯山は盆地なので、よく晴れて風のない穏やかな朝には放射冷却によってうんと冷え込みます。こんなときに外に出て息を吸い込むと、鼻の中が凍る感じがわかります。自宅の前に見える大ケヤキの木は真っ白に「木花(きばな)」を咲かせています。今年はそれでも、正月明けからは雪もうんと少なく、異常に暖かい日が続いています。生活するには楽ですが、やはり温暖化のせいなのでしょう。手放しに喜んでもいられません。

2002.2.12
温室のナルコ(斑入り鳴子百合)も花が咲きました。これから、花が散るとともに葉が硬くなっていきます。その後に出荷です。ナルコは昔からの品目ですが、最近はグリーンに対する需要も大きく、梨元農園でも、リキュウソウをはじめ、トウチクラン、キバナホウチャクソウなどの栽培をしばらく前から始めています。グリーンの良いところは、「忙しくない」ところでしょうか。1年中ユリやチューリップでは体がもちません。



2002.2.22
いよいよ春のチューリップが咲き始めました。12月の水耕栽培と異なり、こちらは土でじっくりと栽培。全体にずっしりとボリュームのあるチューリップに仕上がりました。今年の冬は晴天が多く、陽射しをたっぷりと浴びてチューリップもうれしそうです。今回も完全無農薬。木酢液、キトサン、海草抽出液などを利用し、病気にかからないよう元気に育てました。
写真は「クリスマスマーベル」。
2002.3.3
チューリップですが、咲き始めたと思ったらもう大忙し。日曜日は従業員がお休みなので、家族総動員。萌衣もお手伝いに来ています。匠は例によってひいばあちゃん子守り。スズランの注文も今週はたくさん入っているし、とっても忙しいっす。
2002.3.19
毎年恒例のカサブランカの利雪作業。まだ3.5メートルも残るなべくら高原のユリ畑で、もみ殻を雪の上にまき、風で吹き飛ばされないように寒冷紗で押さえます。もみ殻の断熱効果はとてもすぐれたもので、これで7月の中旬ころまで雪が残ります。
暖かい日が続き、とうとう3月も終わりに近づきました。東京の桜の開花日は観測史上もっとも早いとのこと。温室のチューリップやスズランも暑さのせいで大忙しです。

2002.3.25
萌衣の卒園式の日。早いものでもう保育園も終わりです。これまで萌衣を見ていただいた御礼にと、保育園にはたくさんのチューリップを卒園式に使っていただきました。
春休みになったら、新車のホンダ・モビリオで藤沢のおばあちゃんのところにおでかけします。ワクワクの萌衣と昴でした。

2002.5.1
昨年11月に生まれた匠も大きくなり、食卓に仲間入りです。まだ離乳食を嫌がるので、みんながご飯を食べるのをうらやましそうに見ているだけです。目の前に何か置いてあるとかき回すので、テーブルの匠の周囲は手の届く範囲、扇状にきれいに片付けられています。
もう5月。近所の菜の花の丘はとても有名になり、たくさんの観光客がやってきます。一時期、なんだか初夏を思わせる暑さでしたが、ここのところ春らしい陽気が続いており、まさに春爛漫です。



2002.5.18
我が家のアイドルです(もちろん小さい方です)。
一昨日からお母さんと、お母さんの実家に行っており、その寂しいことといったらありません。早く帰って来ないかなあ、と言いながら、毎日快眠できるのもいいなあと思っているのでありました。
さて、そろそろ初夏と言ってよいのでしょうか。これからアルケミラを先頭に、さまざまな夏の宿根草が咲き始めます。花屋さんの定番はバラや菊やカーネーション、百合だったりするのですが、これらは周年栽培の技術が古くから確立されているので、1年中求めることができます。それに対して、これから梨元農園で咲き出すバラエティー豊かな宿根草たちは、いずれもその季節にしか見られないもの。季節をつよく感じさせてくれる、ナチュラルな草花や花木のほうが、最近はとても魅力的に感じます。「季節の花束」をホームページ上で今後ご提案していく予定です。ギフトに、ご自宅用に、どうぞご利用ください。

最近、家族の写真ばかりでしたね。次は花でいきます。

2002.5.28
温室の中のヒペリカムが採花を迎えています。品種は「ピンキーフレア」。もうそろそろ古い品種の仲間入りですね。最近は、よりやわらかいピンクのもの、オレンジ、緑色などさまざまな品種が続々と登場しています。実物はさいきん人気ですので、アレンジに、花束に、より需要が高まっていくでしょうね。
新しい品種についてもぼちぼちホームページ上でご紹介していく予定です。

2002.7.25
福井県敦賀市の伯父の家に家族で海水浴に。去年はお母さんのお腹に匠がいたので来れず、2年ぶりです。海もきれいで、サザエの壷焼きもなんとも言えず美味でした。ゆっくり遊べたのはいいのですが、家に帰ったらカサブランカが咲き始めていました。暖冬だったとはいえ、早過ぎ。あれよあれよという間に、もうお盆商戦。ホームページも、農場日記もずいぶんさぼってしまいました。
匠は夏向きのぐりぐり坊主になりました。

2002.8.8
ブルガリアからの留学生、ヨギ君(本名はうんと難しいらしい)が一週間ホームステイしました。分子生物学を専攻するため、日本の大学に入る準備をしているとのことです。子供の遊び相手になったり、朝は5時に起きて農作業を手伝ってくれたりと、本当に暑い盛りにがんばってくれました。一度、ブルガリアのヨーグルトスープを作って振舞ってくれました。昨年は、同時期にインドネシアから、それ以前にはカンボジア、韓国、アメリカ、ドイツetcと色々な国の人たちがホームステイしています。なにかお役に立っていればいいのですが....。

2002.8.14
お盆休みで時間があるので、いつになくハイピッチの更新です。写真はヒペリカムの最新品種。再来年から市場に流通します。8品種に及ぶ大量品種更新です。
オランダには何社かヒペリカムを精力的に育種している会社がありますが、「黒」など色のバラエティーもどんどん増してきました。葉焼けにつよく、また大敵であるさび病にも強い品種群が登場してきており、栽培も少しはラクになってきそうです。市場出荷段階に入ってからご紹介していきます。ほかにも色々な最新品目・品種のトライアル(試験栽培)が梨元農園ではおこなわれているんですよ。


2002.9.8
9月7,8日と村の秋祭りでした。茂も2週間は毎晩太鼓の練習でした。仕事も忙しい時期で朝も早いのでだいぶ疲れています。
お祭りということで、前にホームステイしたインドネシアのヒカム君も遊びに来ました。いまは東京工業大学の学生です。萌衣も今年から小学生なので、行列の灯篭持ちをしましたが、眠くて眠くて家に帰るなりバッタリです。

2002.9.15
左の写真は何だかわかりますか?お花屋さんによく通う方ならご存知でしょうね。シンフォリカルポスで、品種は「Marleen」です。白い品種のホワイトヘッジやホワイトパールなどが一般的ですが、最近では緑や桃色など、いろいろな品種が出ています。枝もより直立してボリュームがあり、商品性の高いものが増えてきました。梨元農園でもぼちぼち栽培を増やしていく予定です。

2002.10.10
温室内の百合「ソルボンヌ」、赤ピンクの花を咲かせます。同じ温室のなかにある「シンプロン(スーパーカサブランカ)」と同様10月後半から咲き始めます。オリエンタル系の百合も現在では数百種類もあるのですが、やはり栽培しやすさと使いやすさと球根の入手のしやすさで、定番となってしまうのは数品種しかないんですね。12月にはこれに加え、シベリア、マルコポーロの4品種を出荷予定です。しっかりボリュームのある草姿に育っています。ギフトにどうぞご利用ください。

2002.10.12
Baccharis「Magical silver」
フワフワの綿毛のような花を咲かせます。かなりボリュームの出る花木です。枝も多くとれますので、けっこう使いでがありますね。オランダ、BoskoopにあるKolster社の品種です。この会社では、シンフォリカルポス、実バラ、ヒペリカムはじめ、多くの花木類を育種しており、いま注目の会社です。梨元農園でもかなりの品種が栽培用に導入されているほか、多くの品種がテスト用に毎年送られてきています。この会社には去年、今年と2年続けてお邪魔しましたが、社長はブルース・ウィリスにそっくりです。

2002.10.29
早くも周りの山々は雪を被りました。寒かった日、8年半飼っていたアン(犬です)が死にました。乳がんで、ほんとうにあっという間でした。小さい頃から見ていただけにせつないものでした。ほとんど放し飼いだったので作業所や温室に来ては甘えていたものです。先週はお母さんが大事にしていたサクラとプル(ボタンインコ)が脱走してしまったので、いま家にペットはいなくなってしまいました。でも、大きくて世話の焼けるペットのようなものが3つもいますが...。

2002.11.17
匠は1歳の誕生日を目前にして、もうよちよちと歩いています。急成長です。りんごとバナナが大好きです。いまも右手にりんごをつかんでいます。口に詰め込めるだけ詰め込んでしまうので、放っておけません。食いしんぼです。誰に似たんでしょうか。
しばらく雪の寒い日が続いてやきもきしました。まだ、山に仕事が残っているのに、40cmの積雪?! どうしよう? と思っていましたが、また暖かい日が戻ってきて一安心。12月には百合やチューリップが咲き始めて、きっとまたあわただしくなるんでしょうね。「クリスマス」「年の瀬」という言葉が聞こえてきそうな今日この頃ですが、皆さんにとって今年はどんな年でしたか?