フィンランド食べある記
                                                                                                                                  森元秀幸
 

直行便Finn Airの機内食の話しは外せません.なぜならそこで提供されるwineがとってもおいしいからです.白はbourgognecorton-sharemagneでしたか,旅客機の中で出されるwineのコンテストでグランプリを得たということでした.赤もまた良いというのが家人の評でした.我が家だけで往復4本くらいは飲んだかもしれない.Finn Airattendantsはよく教育されていて非常に良くサービスをしてくれました.いつでも笑顔をたやさずに,いろいろやってくれました.よっぽどのときでもいやな顔ひとつでやってくれました.機内食はそんなに特別おいしいというものではないのですが,よく吟味されたものでした.

 

ヘルシンキのエスパナーディ通りからシリア・ラインの発着する港までブラブラと歩くと,いろいろな屋台がみられます.アイスクリーム,イチゴやサヤインゲンは屋台売りとしてはpopularなもののようでした.ECの協力状態そのままにイタリア産のイチゴというのが目を引きました.イチゴは特にめずらしいということもないのですが,サヤインゲンは中の実を生のまま食べて,皮はその辺に捨てるという大胆な食べかたをします.公衆道徳の発達した西欧としてはめずらしいことですが,これだけは特別目をつむるという感じでした.ただし,町並みのきちんとしたところでやっている人はいません.市場近くのカモメと人の喧騒の場所がその舞台です.市場ではいろいろなものが売っていました.魚,肉,パン,野菜,フルーツなどの食べ物や衣類から観光土産物まで並んでいます.乗船待ちの人,バスで乗り付けてくる団体,ヘルシンキの中心から歩いてくる人,お昼を簡単に済ませようというビジネスマンなどでごったがえしていました.

港近くでは中華レストランに入りました.ご飯を食べたかったので,海老チャーハンを中心に餃子,春巻き,牛肉の牡蠣油炒め,コーンスープを注文しました.最初は中華丼のようなものを頼もうとして聞いてみたのですが,想像できないらしくて埒があきません.しかたがないので飲茶のイメージで決めました.ヘルシンキではあまり日本食は一般的でないのか,日本的なご飯というものにお目にかかれませんでした.というのは,ご飯といえば炊いたご飯ではなくてsteamed riceなのです.どちらかというと中国風のご飯の炊き方とにているでしょうか.ともかく日本のご飯に近い「お米料理」が食べたかったのです.最初に点心類が運ばれました.実に丁寧に調理されたものでした.後のものが期待できる味でした.チャーハンには新鮮で美味な海老がたくさん入っていました.炒め加減も最適でした.最後の牛肉の牡蠣油炒めも,材料の良さを感じさせる食感と腕の良さを思わせる味の切れがありました.スープも素材の良さを引き立てるような素朴な味付けでした.久々のご飯の食事だったので家族のものは大喜びでした.

 

ヘルシンキの日本食レストランはsteamed riceの印象が強くて今一つでした.現地の人の好みといえばそれまでであるが,ご飯がわれわれ日本人にはなかなか口に合わない.しかし,それ以外は地の利を生かした食材と,日本人の板前さんによる調理はなかなか美味なものでした.日本料理の範疇からはやや外れているとはいえ北欧風の日本料理としては上質なものでした.

 

ロバニエミの町では大学でのpresentationが終わった日に,友人三人でイタリア料理の店に入りました.ピッアのばけもののようなbigなものとパンピッアそして食べそこねたパスタ,待望のビールとワインを頼みました.夕方7時頃に店に入って,今日のpresentationの話や数学の話,諸々の噂話をしました.もう日本でもだいぶ一般的になっているサラダバーがあって,サラダとパンは食事のorderをすれば自由に取ることができるというsystemでした.イタリアで食べるような鮮烈な印象ではないが,確かにイタリア料理と言えるものでした.違うワインのおかわりをして楽しく飲んだり食べたりしていると時間を忘れてしまいました.外はまだまだ十分に明るいのですが,時計を見るともう深夜の12時過ぎでした.日本のレストランと違ってゆっくりと楽しめるというのが良いところだと思いました.また人々もゆったりと時間を過ごしているようでした.

 

Rovaniemiでは大学の食堂をよく利用しました.Sessiontutorialsに毎日参加すると,自動的に大学で食事を取るようになります.街から離れているので大学食堂が一番便利なのでした.あらかじめもらってあるticketsbreakfastlunchcoffeedinnerの4種類のものがありました.交渉してbreakfastdinnerの券をlunchの券と変えてもらいました.それを家族6人で大学に行ったときに使いました.そのときの昼食は,サケのステーキに野菜のマリネ,スープ,ポテト,パンそしてデザートにアプリコットのプディング,ブルーベリーのゼリーとコーヒー でした.新鮮なサケを筆頭にどれも丁寧に作られたおいしいものでしたが,いかんせん量が多すぎました.大食漢ぞろいの我が家のものもさすがに食べあぐねました.子供たちは周りにいる外人に話し掛けられてびっくりしていました.その後子供たちの間では外人のまねをする英語遊びをよくやっていました.この食堂では大勢の人と知り合いになりました.食事のとき,お茶のとき隣り合わせになると直ぐに紹介しあって,知人となります.日本ではなかなかありえないことです.Princeton 大学や Columbia大学等の先生といろいろな話ができたというのは収穫でした.先端の進んでいく方向というか,問題とのstanceが分かったような気がしました.

 

ZaferというチョコレートがFinlandでは著名です.200年くらいの歴史を持っていてなかなか特徴的なものを食べさせます.レストランを兼ねた直営店がHelsinkiにありました.帰国の前日に立ち寄りました.まず,チョコレートケーキとコーヒー,紅茶をいただきました.コーヒもケーキも実に美味と言えるものでした.カフェテラスがあって,そこで街行く人々を眺めながら,もしくは人々に眺められながら飲む大き目のカップのコーヒーは異国情緒に満ちたものでした.

コーヒーの消費量世界一(どういう意味かはあまり明確ではありませんが)というだけあって,なかなかの味でした.ホテルのルームサービスにも置いてあるこのメーカーのチョコレートは,よく吟味された材料を時間をかけて丁寧に練り合わせたことがうかがえるなめらかさと,甘さと苦みがよくかみ合った伝統の味をもっていました.本当においしいと思ったので,チョコレートを大量におみやげとして買い込みました.

HelsinkiのではSokos Vaakuna Hotel の地階にあるスーパーマーケットで食料を買い込んできて,ホテルの部屋や公園で食べました.どんなに物価の高いと言われる国に行っても,いつも思うことは日本の生活基本品の高価さです.日本の暮らし辛さは在日の外国人には有名ですが,改めてそれが実感できます.Los AngelsFarmer's Marketへ行って抱えきれないほどのオレンジを2$(この時1$ 120円位でした)で買ったときのうれしさ,それを食べてうまかったという感激は今でも忘れられません.北欧は物価が高いことでは有名ですので,そんなに特別な話はありませんが,Rein Deer salmon等のフレークの入ったbaked potato 量り売りで売っていました.Salmon入りを2回買いました.実にうまいものでした.そんな複雑な味付けをしているわけではありませんが,素材のよさを上手に閉じ込めたさっぱりとした誠実な味わいでした.今回はホテルなので買いませんでしたが,肉や魚,野菜など新鮮でおいしそうでした.Twining Londonと入っていない珍しい紅茶がありました.Mint Green Tea などはちょっと名前に驚きますが,飲んでみると………やはり名前どうりのものでした.いくつかお土産に買い込みました.

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