産卵と孵化

親魚の選び方

生まれる魚の体型はメス親に似ると言われています。背幅が有り、太みのあるものを選びます。腹掛かりも大切で、腹の遠いものは避けたほうが良いでしょう。そして健康で「仔出しの良いメス親」を選ぶ事です。
メス親候補は、別飼いしたいものです。太りすぎは禁物、脂肪で産道が詰まり、うまく産めません。産んだとしても産卵に時間がかかってしまい無精卵になり易いのです。
メス親の体調が悪いと受精率が低く、たとえ孵化しても「立って来ません」親魚候補は、普段から餌を控えめにして健康第一で飼育をする事が重要。大事な親魚候補は秋の大会に出品すのを控えたほうが良いでしょう。

(立つ:孵化したばかりの稚魚は藻や池の縁にいて動きません。この間稚魚は「さいのう」から栄養を摂っていますが、2−3日すると 餌を捜して泳ぎ出して来ます。初めて泳ぎ出す事を「立つ」と言います。)

仔出しの良い親:卵を数多く産むと言う意味では有りません。優秀な子が出る確率の高い親です。魚体に傷が有ったり尾が変形していても、外傷であれば問題ありません。仔出しの良い親はその魚自体、必ずしも見栄えがするとは限りません。

尾型、尾味はオスからと言われ、特に尾肩・尾型の良い、味のある魚を使います。頭の良いものを選ぶ事。オスはどうしても腹の付きが良くないのが普通です。あまり気にする事は有りません。系統的に判断すれば良いでしょう。良い仔を引くにはオスが大切です。

頭が良い、太身がある、腹がかりが良いなど、しっかりとした特徴のある親を選びます。
長手のメスに丸手のオスを使って中間の魚を求めるのは無理。長手は長手同士で合わせて、生まれた中から短いものを選んで行くほうが堅実です。

メス親は3歳以上のものを使い、「明け2歳」は良くないと言われます。理由は「明け2歳」はまだ未成熟で、産んだ卵も小さく育ちにくい。又黒子のうちはいいが秋になると狂って来る。と言われていますが果たして そうなのであろうか?
たしかに2歳引きの卵は、小さいが3歳の親に負けない大きい卵を産むものも有ります。卵の大きさは系統によるところが大きい様です。
卵が小さいと孵化してくる稚魚も小さい事に成ります。餌付けの時からミジンコを与える場合は、あまり小さいと難しいと思います。最近はブラインシュリンプを使うように成り、小さな卵から孵化してきた魚でも元気な魚であれば4ー5日で、追いついてしまいます。
秋になると狂う、と言うのは根拠が有りません。皆さんはどう考えますか?系統が良く、元気な魚であれば試し引きの意味も含めて、産卵させて見ては如何でしょうか。
「明け2歳」は3歳物に比べ約1週間、産卵時期が早くなります。
オス親は、明け2歳でもかまいません。体が小さい分、精子の量は少ないが、追いが良く高い受精率が期待できます。
(ここで言う「餌付け」は、孵化した稚魚に初めて餌を与える事、孵化から2-3日後)

産卵時期

金魚が産卵する時期は、各地で気候が異なり産卵時期が違って来ます、目安は桜のソメイヨシノが開花して、1週間から10日後ぐらいです。
しかしまだこの時期は気候が定まらないので、突然寒波がきて冷え込む事が有ります。せっかく孵化した魚がうまく育たない事が有るので、採卵は更に10日くらい遅らせたほうが良いでしょう。この頃に成ると稚魚の餌になるミジンコもぼちぼち取れるように成ります。この時期の魚が、秋になって最も良い結果を出してくれると言われます。