2001年10/12

黒姫山半周・氷沢川越え・笹ヶ峰から杉の沢経由黒姫コース

別名 サロモンXアドベンチャーコース

 

黒姫MTB協会の仲間・・・通称金ちゃんレポート

 

 

はじまりはじまりーーー

 

朝7時に目覚ましの音で目が覚める・・・

眠たい・・・

夜遅くまでパソコンをやっていた為だろうか、なかなか

ぐっすりと寝れなかった

きっと今日のツーリングで気が高ぶっていたのだろう

 

午前8時、朝飯もそこそこに集合場所のホテルに向かう

黒姫山はくっきりと見えているもののどんよりとした雲

が空を覆っている・・・

雨が心配だな・・・と思いつつホテルに到着!

 

既にげんちゃんがホテルにいた・・・

早ぇ〜〜〜

げんちゃんは夜勤明けで2時間ぐらいしか寝ずに黒姫に

来たという・・・

何という体力だろうか・・・

若いっていいな〜とちょっとうらやましく感じる今日このごろ

 

徐々にメンバーが集まってくる・・・

やじさん、そして高力さんに同行のお客さん2名・・・

あれっ?会長は?何、一緒に走らないって〜〜!?

 

やじさんは愛車プジョーで登場!

無事車は修理できたようだ

お客さん2名は男性女性1名づつだが明らかに装備が

素人ではない

太股あたりの筋肉もアスリートのようだ

聞けば何でもXアドベンチャーにチームを組んで出場している

というツワモノだと判明!

ま・まずい・・・

女性も参加すると聞いていてどこかホッとしていたのに!

絶対自分が一番体力が無い・・・

 

そして9時30分を過ぎてスタート!

げんちゃん、やじさん、お客さん2名はホテルから、

高力さんと私は体力の温存を考えて御巣鷹林道入り口

までのキツイ登り坂をホテルのバスで移動!!

佐藤さんアリガトウ!!(^o^)v

 

いよいよXアドベンチャーツーリングのスタートです

黒姫山は朝見た時よりも明らかに雨模様・・・

ツーリングの行く末を暗示しているようです

先頭は高力さん!唯一のコース熟知者です

そしてお客さん2名とげんちゃんやじさん最後は

私の編成ででスタートしました

 

しばらくはひたすら登り坂!と聞いていたのですが

10分も走ったらいきなりなりあごが上がっちゃいました

何だろう?とっても走りにくい

路面の石が大きく路面に水が流れた跡があって道は走り難く

上手くタイヤからの力が路面に伝わっていないのだろうか?

なんだか変です・・・

こんなところを走るXアドベンチャーってスゴイ!

 

と思っていたら雨がポツポツと降りはじめた・・・

おいおいもう降ってくるんかい

と思った瞬間「バキッ!」

何なに?何が起こったの?バイクが前に進まない!

チェーンがダラ〜〜ンとぶら下がってる

走行開始15分でチェーンが切れちゃった・・・

え〜〜〜〜なんで〜〜〜〜

この夏取り替えたばっかなのに(T_T)

これからのツーリングを暗示しているようだ・・・

 

げんちゃんいわく

「だってチェーンにオイルをくれてないじゃん」・・・

このまま下ってホテルに引き返そうかな〜

(つづく)

 

 

 

チェ〜ンが切れた〜!!

あっチェーン切り工具持って来てないや(T_T)

富士見パノラマでスペアチューブと携帯ポンプ

が必要なのが身にしみて以来アーレンキーとチューブ

ポンプはツーリングに欠かしていなかったのに・・・

 

と、げんちゃんが「オレ持ってるよ!」と一言

おおぉ〜〜げんちゃんが大黒様に見えたぞ〜

げんちゃんがさっさとチェーンをつないでいく

チェーンが直って安心した気持ちが半分と

「え〜直っちゃうの?」とここから引き返したい

気持ちが複雑に交じり合う私・・・

 

チェーンも直り再スタート!!

先頭集団はマシントラブルに気づかず走っていたので

ちょっと離れて前方で待っています

急いで追いつくと何やらやぶに入ってきのこを探しています

道路際に「ならたけ」(だったかな?)を発見!!大漁です!!

やじさんが持っている袋を取り出しみんなできのこ狩りです

私はバイクから一歩も動けないので参加せず・・・

こりゃ明日も採れるぞ〜♪

 

きのこ狩りも終えやっとスタートです

ここまで走る以外で既に随分時間を取っちゃいました

道路は相変わらず石がごろごろ、路面は凸凹で走りにくい

私は息を切らせながらどん尻で登っていきます

どんどん遅れる私・・・

げんちゃんが隣で何やら言っているようでうがなんだか

分かりません・・・

 

10分ぐらい走ったでしょうか?

女性のバイクが止まっています

女性のバイクはホテルレンタルのアバランチェです

チェーンが外れたのかな?と思い、みんな立ち止まります

よく見るとディレイーラーがチェーンに巻き付いています

「あっマズイな〜!」げんちゃんが叫びます

 

原因はディレーラーの破損でした

XTグレードは台座がアルミのためよく壊れます

取り替えるしか修理方法はありません

が、スペアのディレーラーは持て来てないし・・・

普通ならここから先のツーリングは無理でしょう

「やった〜ここから引き返せる!」と内心ほっとする私

 

と、思ったときです

やじさんが「オレのバイクのディレーラーと交換しよう!」

でもやじさんは?

どうやらやじさんはディレーラーなしの状態で変速せず

この先を登るつもりです

絶句する私・・・・

 

マシンを修理しているときも息が上がっている私は

腹も減ってきました

げんちゃんから「10秒チャージ」のウイダーインゼリーを

もらって燃料補給!!

お腹にちょっと溜まったらなんだか元気が出てきました

おっこりゃいいや今度から持参しよう

 

やじ&げんちゃんがバイクを直している時間を利用して

少しでも先行しようと1人でスタートしました

雨はだんだん強くなっている気がします

(つづく)

 

休み休みながらもちょっとづつ一人で登る私

まだ他のメンバーは登ってきません

目の前に右に降りる道が出てきました

んっどっちだろう?

高力さん「しばらく登る」と言ってたのでまだ真っ直ぐかな

・・・と真っ直ぐ登っていきます

 

しばらく走ってもまだ、他のメンバーの声もしません

え〜こんなに離れたかな?

・・・ひょっとして道を間違えた?

数分待ったけど来ないので心配になって折角登った道を戻る

さっきの分岐でしばしメンバーを待つ

めっちゃ心細い私

みんなこの右の道を降りちゃったのかな?

 

おっ道路の先の方で声がする・・・

高力サンだ!ほっとする私

やっぱり1人で山の中にいると心細いね〜

やじ&げんちゃんはまだ後ろでバイクをいじっているようで

まだ姿が見えない

彼らに少しでもリードを取ろうとまたまたバイクを

こぎ始める

 

少し登ったあたりでついに雨も強くなり木の下で雨宿り

おいおい本降りじゃないか〜!

カンベンシテヨ・・・グスン・・・

体も冷えてきたので協会ジャンバーを2枚重ねにして

防寒しよっと

 

しばらくするとやじ&げんちゃん合流!

やじさんはこわれたディレイラーをつけて変速なしで

登ってきた・・・バケモンじゃないか?!

遅れた理由はやはり壊れたディレーラーではチェーンの

テンションが足らなくこぐと外れてしまいそれを応急処置

していたようだ・・・

なんとかんるもんだな・・・と2人の技術に感心する私

 

するとげんちゃんが

「会長に電話してバイクが壊れたのでサポートカーの出動を

要請しておきました」と一言!

何サポートカー!やった〜これで戻れる!!げんちゃん最高!

と喜んだのもつかの間

「笹ケ峰で待っててくれるそうです」と死刑宣告(ガ〜〜ン)

げんちゃんと会長はサディストじゃなかろうか・・・

 

ん、待てよ・・・

「そう言えばぶんちゃんが11時に黒姫に到着と言っていたな」

「2人して1BOXで笹ケ峰に来るんじゃない?」と私

「え〜まじっすか、ぶんちゃんも来るんすか?、まじっすか?」

「あのあぶないオヤジと2人じゃまずいじゃないっすか」

「早く行かなきゃ!!」と急にいそぎ始めるげんちゃん・・・

こころなしかげんちゃんの耳のあたりが赤い

 

雨も止んで再び戻ることもなく前に進んでこぎ始める

既に時計は11時をまっわている

(つづく)

もうまじでヘトヘトの私・・・

「ま・・・まだ登りがつづくの〜〜〜?」

「う〜〜んあとそうだな・・・あ〜いってこ〜いって

2つぐらいカーブを曲がればとりあえずきつい上りは終るよ」

と高力さん

「ぬわに〜とりあえずだって・・・、きっとまだまだだな・・・」

と心の中でぶつぶつ不満をもらす私

 

「登りはもうすぐ終り」と私には気休めにもならない高力さんの声

にふたたびこぎ始めるペダルに力がはいらない

もうすでに巨人軍の上原投手状態です

汗はボトボト落ちへろへろになりながらこいでます

まじで太股&ふくらはぎがつりそうです・・・

景色なんか見ている余裕も無く私の視線はバイクの2メートル前

の路面をにらみ付けています

 

コーナーを3つぐらい抜けたでしょうか・・・

右側が谷になっている見晴らしの良いポイントに出ました!!

「おお〜すっげ〜」「わぁ〜きれい」と歓喜の声が!!

360度山肌に赤や黄に染まった紅葉の木々が見えます

紅葉の木々も雨にぬれてめっちゃ綺麗です!!

黒姫山の北側に抜けた為でしょうか雨もやんでいます

景色に感動する間もなく地べたに座り込む私・・・

 

黒姫高原にもこんなところがあったんだな〜

私の知っている黒姫高原の森とは全く違う景色です

ここまで来て良かった〜と思えたささやかな瞬間です

これからつづくアクシデントをつゆ知らず・・・

 

げんちゃんやじさんも異語同音に「すごいところ」と言ってます

「絶対このコースはみんなに紹介しようよ」

「こんな楽しいコースほかっておくのはもったいないよ」

とヒルクライマー2名はコースを絶賛しています

へろへろの私は今回会長が出撃しなかった理由が身にしみて

「今度は軽トラックか原付で来よう」とすでに深く心に刻んでいました

 

しばし景色を眺める楽しむメンバー

元気なメンバーのかたわらでナントカ息を整える私・・・

12時近くなりマジお腹が減ってきました

「昼飯どうする?」

「もう少し先に氷沢川があってその橋の下で雨を避けて

食事が出来るよ」

「どのくらい?」

「下ったりちょっと登ったり1時間くらいかな?」

「じゃあそこまで頑張って行こうか?!」

「そうしよう!そうしよう!」とみんなの声・・・

 

思考回路もショートし話す元気すらない私は

「え〜〜〜まだ飯が食えないの・・・(T_T)

と心の中で叫びながら持ってきたボトルの水をお腹にためて

下り始めるのでした

(つづく)

やっと気持ち良く下り始めました♪

待望の下り坂です

それなりにスピードも出せるコースに入り、

ペダルをこぐ力を入れる必要も無くなり

「ふぅ〜〜〜やっと楽できる・・・」と

常に落としていた視線を上に向けてやっと周りの景色をみる余裕も

生まれてきた時には先頭の高力さんはカッ飛んで既に姿が見えません

 

「折角あれだけ苦労して登ってきたんだからもっとゆっくり降りようよ〜」

とまた心のつぶやぎが・・・

高力さんは委細かまわずカッ飛んでます

当然声を出しても聞こえるはずも無い

「う〜〜んあのオヤジは・・・嫌なことでもあったのかな?」

とブツブツ・・・

スタンディングフォームをとる力も残っていない私はサドルに腰掛け

のんびりサイクリングで気持ち良く下っています

 

そのうち上り坂に差し掛かり

「・・・・またこぐの〜しょうがいな〜」とペダルに力を入れます

ぐっとペダルに力を入れた瞬間

「ピキッ♯」

ん、ま・・まずい・・・・

右足の太股からの危険信号がショートしている思考回路を駆け抜けます

ちょっと・・・ちょっとまった〜

どうしよう、停車して足を着くときっと足がつるよな・・・

みんな先に行ってるし・・・どうしよう・・・

あせる私・・・

 

とりあえずギヤを軽くしてトルクをかけないようにペダルをこいでみよう

それでだめならしょうがない・・・

おそるおそるフロントギヤを軽くする私

「ガチャッ」

こぎは軽くなったけど前には進まない

足がつることを考えればしょうがないか・・・

右足からの危険信号は続いているもののなんとかなりそうだ

ふう〜なんとかだましながら走っていこう・・・

 

30分ぐらい走っただろうか休憩です

あれっ山肌から水が流れ出ている

高力さんが「この水はとても美味しいよ」と説明

ボトルの水も空に近いので水をもらおうとバイクをまたいで降りようとした

瞬間またまた「ピキッ♯、ピキッ♯」

今度は左右両足から危険信号を通り越して警報が!!

誰も気づいてない!

なにげに気づかれないようにしばしバイクによりかかり立ち止まる私・・・

警報が危険信号に変わるのをまって屈伸運動!!

マジでやばいっす!

水をボトルに汲んでお腹に水を溜めて急いでスタートです!!

お腹は水でイッパイです

もう早く氷沢川に着きたいよ〜

 

また30分ぐらい下ったでしょうか・・・

雨が降ったり止んだりする中を氷沢川に無事到着!!

やった〜昼飯が食える!!

バイクを道路脇に投げ捨て橋の下に直行

私は足がつりそうなので変な歩き方をしています

足がつらないように慎重に岩の上に腰掛け橋の下で弁当を広げます

「ふ〜やっと飯だ・・・」おにぎりをガブッ!

にぎりめしの美味いこと!!

やっぱ日本人はおにぎりだな・・・

と思考回路がショートしている私は変なことを言ってます

 

おにぎりを3つ持っていったのですが、高力さんが足らないと

思ったのか心配して1つくれました

う〜〜ん高力さんありがとう!!

お腹に食べ物を流し込み落ち着きを取り戻した私は

2つめのおにぎりを口にしながら周りを見渡ししばらくして

高力さんのお客さんが食べていないことに気づきました

どうやら昼ご飯を持ってこなかったようです

あわてて残っているおにぎりを渡します

結局高力さんからもらったおにぎりとわたしのおにぎりを1つづつ

渡してなんとか全員が昼飯を食べることができました

 

結果私はおにぎり2つ・・・

疲れ過ぎてあまり食べることは出来なかったのですが

「う〜〜んこれからはおにぎりを多めにもってこよう」

と心に決めました

(つづく)

 

食事も無事?終わり雨も小降りになりました

両足は相変わらず危険信号を発信しています

「無事笹ケ峰につけるかな・・・」不安が脳裏をよぎります

そんな不安を小脇に抱えてスタートです

道は凸凹も随分へって走りやすくはなってきたきがします

「笹ケ峰に近づいているのかな?」

昼飯を食って心に余裕が出てきたのでしょうか・・・

道中ではあけび、こくわの実、山ぶどうなど山の贈り物を食べて

秋を満喫!!

やっとツーリングらしくなってきたかな?

 

先頭高力さんが止まります

「笹ケ峰にはこっちだよ」と看板が出ています

いままで走ってきた林道とは明らかに違うけもの道のような道です

ハイキング用に切り開いた道かな?

「乗れる人は乗ってもイイヨ」と高力さんは乗りながら進んでいます

目の前は急な上り坂路面は滑りそう・・・

「まあ安全に歩いていこう」といつになく慎重な私・・・

歩いていても両足はつりそうです

 

少し上に登ったらわりとなだらかになりました

これなら大丈夫?と乗って前に進みます

ぶながきれいな林にでました

どうやら原生林のようです

「う〜んここもいいところだな〜〜〜」と思いながら走っていると

道路が粘土質の登り坂でタイヤが滑りはじまめした

 

まずい・・・

足に負担がかかるとつってしまう〜〜〜

と恐る恐るMTBから降りて押し始める私・・・

と次の瞬間・・・

 

「あっ!!」

「足が・・・・」

高力さんが止まって叫んでいます

なんと健脚高力さんの足がつったようです!!

滑る路面で無理にペダルをこいで一気につってしまったようです

地面に腰を下ろして足を伸ばしています

げんちゃんが「足を曲げたり伸ばしたりしましょうか?」と聞くと

「ん・今は無理・・・」とかなり痛そうです

 

それでもさすが高力さん

2〜3分じっとしていたら足は復活したようです

その間わたしもここぞとばかりに屈指などしながら足のダメージを

抜こうと心がけたのですが・・・

筋肉の質が違うのかな〜危険信号は収まりません

やっぱ霜降り肉より赤みのすじ肉のほうが疲れが抜けやすい?

 

そんな中「メンバーの中で1番早く足がつらなくてよかった〜」

と内心ホッとする私

これで足がつっても大丈夫!と変な安心感が涌いてきました(^o^)v

高力さんアリガトウ!

きっとこんな事を思っていたこの後の災いを呼んだんだろうな〜

 

ちづるさんが落ちて名付けた「ちづる岩」につづき

高力さんが足のつった坂を「こうりき坂」と名づけてその坂を後にしました

(つづく)

 

こうりき坂を後にしたメンバーは笹ケ峰を目指してけもの道のような

森の中のコースを走っています

杉の木など密集していて走りにくいこともあり先頭高力さんも

ペースはあがりません

「ラッキー♪ゆっくりはしれるぞ・・・」と私・・・

落ち葉などでできた腐葉土の上はふわふわしていて気持ちいいです

 

そのうち、ちっちゃな川に出ました

なにやら看板に書いてあります

なんでも笹ケ峰の熊と黒姫の熊がここで出会って子供を授かった

とかでこの川の水を飲むと子宝に恵まれるとか・・・

「ふ〜ん、そんな言い伝えのある水なんだ・・・」

と水を口にする私

「子宝の水なら彼女もできるかも・・・」と水を飲むやじ&げんちゃん

そんなに万能の水かな〜〜〜

ふとげんちゃんと自分のお腹を見て

「自分達が子宝に恵まれたらどうしよう・・・」

 

つづいて稲荷神社がありました

「神道神社」と書いてあった(と思う)

小さい社の横には大きな巨木が2本!!

一本は樹齢1400年の「神彦」もう一本は樹齢700年の「道姫」

だと高力さんの説明がありました

さすがに1400年も生きていると幹の周りは大人4人が手を

つないでも足らないぐらいです

 

道彦の木肌に顔をあてるととてもあったかかった・・・

なんだか訪れた人にパワーを与えてくれてるようでした

「こうりきさんの手よりあったかい・・・」

とげんちゃんが意味深な発言・・・

 

道姫の木肌は冷たかった・・・

「やっぱり女性は冷たいんだな・・・」

とまたまた意味深な発言送り返すげんちゃん

何か変なきのこでも盗み食いしたのだろうか・・・

 

足元にはどんぐりがいっぱい落ちている

道彦が落としているのだろう

「この木どんぐりの木なんだ・・・」とげんちゃん

「・・・・」一同沈黙

げんちゃんは今まで

「どんぐりってどんぐりの木でできるんでしょ?!」

と思っていたらしい

「どんぐりはならの木にできるだよ」と一同爆笑(^_^;)

 

どうやらげんちゃんツーリングの最中に頭のネジを2〜3本

落としてきたようです

大丈夫かな?

 

ネクタリンを自転車パーツと間違える輩はいるは

どんぐりの木があると信じていた者はいるは・・・

黒姫MTB協会って変な人の集まり?

(つづく)神彦、道姫に別れを告げ

「あと1時間も走れば笹ケ峰だよ」という高力さんの声に

ペダルをこぐ力も自然とはいります

森の中を抜け、林道を走り徐々に笹ケ峰に近づいています

するとちょっとバイクでは乗っておりれないな・・・

という個所に出ました

 

足元は雨にぬれてツルツル、急な下り坂です

まるで日光のいろは坂のように幾重にもカーブが続いている

ようです

「え〜ここを降りるの?」と思いながら

「しょうがないな・・・」とてくてくと降りていきます

健脚高力さんはここでも健在!!

あれよあれよと言う間に降りていきます

 

道幅は狭く押しているバイクも満足にコントロールできません

足元はつるつるタイヤずるずる・・・

何度バイクをほかりかけたことでしょう

こんなところをさっさと降りてしまう高力さんはサルの

生まれ変わりだろうな〜と思う私

 

やっとバイクに乗れるところまで降りてきました

コース幅は狭いもののなんとか走れそうです

ふぅ〜・・・と一息ついてバイクにまたがりスタードします

若干の凸凹があるものの下り坂でラクチンです

私の前にはげんちゃんそしてやじさんが走ってます

 

コースがちょっと別れています

右側のコースはちょっと下り、左はちょっと上りです

10mぐらい先で再び一緒になっています

みんな右側を下っていきます

右側の方が路面が掘れてすべりそう・・・

何で左の路面の良さそうな方を走らないのかな?

と思ったのが災いの始まりです

 

みんなが右を走っているのに1人だけ左のコースを走ってます

2mくらい下をげんちゃんややじさんが走ってます

一番高いところに来た瞬間

・・・マ、マズイ!・・・

結構その先の下り坂がきつくなってます

こりゃのったまま下れるかな?

と思った瞬間!!

 

グラッ・・・・

体が右側を走っているげんちゃんの方に向かって傾きます

うぇ!こりゃいかん・・・

と慌ててハンドルを切りながら体勢を立て直す私

ズルッ!ズルズル!

今度はタイヤが右に向かって滑り始めました

 

「うわ〜〜〜」と声をあげる私・・・

眼下ではげんちゃんが「やばい!」と慌てて前の方に逃げていきます

その前を走っているやじさんも慌てて走ります

徐々に私に近づく地面!!

目の前は90度横になって景色が流れます

その瞬間はまるでスローモーションのようです

右側の道に落ちたもののなんとか一瞬もちこたえたかの様に

思えましたが結局バイクもろとも転倒!!

 

しばしぼ〜ぜんとする私

思考回路が完全にショートしちゃった・・・

いてててて・・・

気が付くと左足がクランクと地面にはさまっちゃった(T_T)

ふくらはぎのあたりを強打したようです

でも切り傷やおおきな怪我はなく済みました

神彦が守ってくれたのでしょうか?

アリガトウ!神彦!!

こんな時ちづるちゃんがいたら・・・

とちづるちゃんの有難味が身にしみた瞬間でした

 

バイクも泥まみれになりながらも故障はなく走れます

間もなく笹ケ峰・・・・もうアクシデントはないかな?

と思いつつ慎重に走り出す私

(つづく)

 

時間が経つにつれて体の節々が痛み始めました

疲れている上での転倒って効ききますね〜

「もうちょっとで笹ケ峰に出るんだから・・・」

と自分に言い聞かせながら転倒の痛みをこらえながら走っています

 

森の先の方が明るくなってきました

「えっ、ウソ・・・」

森の中を抜けると眼下に乙見湖ダムが見えました!!

「やった〜着いた〜!!」

なんだか周りの景色がとても綺麗に見えます

森を抜けたとはいえ私たちがいるところは

ダムから30mぐらい上の高台です

目の前には階段があってバイクをしょって降りなければいけません

私はもう足がパンク寸前で

「バイクをしょってこの階段をおりるの?無理だよ〜」

と一人ヘタヘタと座り込んじゃいました(^_^;)

 

ダムの向こう側に乙見湖食堂が見えます

「会長もう帰っちゃったかな?」

「結構遅くなったから帰っちゃったかもネ・・・」

「じゃあぶんちゃんも帰っちゃった?」

「お〜〜〜い!会長〜〜〜〜」

とおっきな声で叫ぶ高力さん

「お〜い!」「やっほ〜!」と思い思いに叫ぶみんな

乙見湖食堂にお客さんがいたら迷惑だろうな〜

 

「叫んでもいい??」

と何故か周りを気にするげんちゃん

「いいよ・・・」

みんなげんちゃんがなんて叫ぶのか興味津々です

大きく息を吸って・・・

「・・・・・・ふうやっぱりやめた・・・」

ガクッ・・・(一同)

 

一般の人が「ヤッホー」とか「オーイ」と叫ぶところで

何故かげんちゃんは

「おにぎり〜〜〜〜」と叫びたくなるとか・・・

どうやら恥ずかしくなってやめたようです

 

「この景色を写真に撮ろう」とういことでげんちゃんが

カメラマンで記念撮影です

みんながバイクをしょって階段を降りるシーンや

乙見湖をバックにみんなで記念撮影しています

みんな元気に写真を撮りながら降りていきます

げんちゃんはというとバイクは一番上においてカメラマンに

専念しています

「おいおいまた上までバイクを取りに登って来るの?」

と私は呆れ返っています

 

みんながダムまで10mぐらいのところまで降りたところで

「マズイ・・・置いていかれる」とあせる私・・・

げんちゃんのバイクはまだ一番上です

げんちゃんバイクをそのままに下り始める私・・・

「しょうがないよね・・・2台持てないもん」

と心のなかで言い訳をしながら重たい足を引きずっております

階段1弾1段がとても遠くに感じます

 

なんとかみんなに追いつきました

みんな元気にまだ写真を撮ってます

なんという体力だろうか・・・

げんちゃんがバイクを取りに行ったときにはみんなは

一番下まで降りていました

元気に降りてくるげんちゃん・・・

「やっぱ一番元気なのはげんちゃんだな」

と感心する私

 

ダムの上を走り始めるとダムの対岸から2台の見慣れた

バイクがやってきます

「あっ会長だ!もうひとりはぶんちゃんだ!!」

会長とぶんちゃんがさわやかに走ってきます

ヘロヘロの私・・・

会長の「お疲れ〜遅かったね〜」の言葉が

「きんちゃん行かなきゃよかったのに・・・

一緒に車でここまで来れば楽だったよ〜」

と聞こえたのは私だけ?

 

なにはともあれ無事?乙見湖食堂まで到着しました

ここから会長のサポートカーに乗って帰ろっかな〜?

(つづく)

 

乙見湖食堂で1ケ100円の笹団子を買って、

会長が持ってきた味噌パンや煎餅などお菓子を

口にしてちょっと元気回復です

しかし会長はビックカツなんて駄菓子をどこで

買ってきたんだろう?

故障したバイクも会長がホテルから運んできた

アバランチェと交換してさあ出発!!

ここからぶんちゃんも合流です

 

「きんちゃんバイク変えてみる?」とげんちゃん

「バイクを返ると乗り心地も違うし気分転換になるよ」

と説明してくれます

それじゃあということでげんちゃんと交換します

フレームサイズは大きくて16〜8インチぐらいでしょうか

ハンドルまで遠く感じます

やっぱり随分違うんだなと感心する私

 

げんちゃんのバイクにまたがりペダルをこぎます

「えっ、軽い・・・」

なんと愛車XCRとは全然違うこぎはじめです

車重が随分違うのは分かっていたのですが、疲れた体には

はっきりとその差を感じてしまいます

やっぱりバイクは軽いのが1番だな・・・

と軽量バイクがもう一台作るぞ〜〜と心に決める私

 

げんちゃんのゲーリーフィッシャーを借りて

ここまで来たらあとは下るだけ!!と思っていた

私の目の前に上り坂が・・・・

「え〜マジ・・・」

「笹ケ峰牧場までもう少し上りがあるよ・・・」と高力さん

「この間はここで足がつったんだよな〜」と

またまた駄目押しの言葉・・・

「目の前のこの坂だけだよね・・・」と不安げに聞く私

「ん、上ったり平らになったり上ったり3回くらいかな?」

どっひゃ〜下りがないじゃん!マジっすか〜

 

そんなやり取りを横目にスタートするやじさんとげんちゃん

ヒルクライマーの血が上り坂を目の前に騒ぐようです

続々とスタートするメンバー

ぶんちゃんもスタートしました

会長の「乗ってく?」と言葉にグラッときつつも

ぶんちゃんにいいとこを見せようと上り始める私・・・

素直に車に乗っておけば良かったとあとで後悔したのは

言うまでもありません

 

上り始めてすぐに後悔しました

「なんじゃこれ〜〜〜〜」

さっきまで走っていた林道と異なり舗装路で走りやすい

はずなんですが、全然上れません・・・

上れないというよりこいでもこいでもまだまだ終わりが

見えてこない〜〜〜(T_T)

よくTVでやっている競輪選手練習用の登坂路のようです

い、いったいいつまで上るの〜〜〜〜

 

会長の車が後ろから迫ります

会長がニコニコしながら運転しています

「だから乗ってく?って聞いたのに・・・」

といわんばかりに・・・

チクショ〜失敗した〜車に乗りて〜

そんな後悔をしている私を察してか会長が車の窓から

「ほらほら頑張れ〜」と冷たく声を掛けます

やっぱ会長はサドだな・・・と悟る私

(つづく)

 

ぜ〜ぜ〜、は〜は〜・・・

上り坂はまだまだ終わりません

げんちゃんが心配して戻ってきます

ぜ〜ぜ〜は〜は〜

おいおいいつまで続くんだこの坂は?

 

げんちゃんが

「腰でこぐようにすると楽だよ」とアドバイスをくれます

「腰でこぐ?」初めて聞く表現に「???」

腰を入れてこぐって事かな?

ぬわんとなくわかったようなわからないような・・・

 

ぜ〜ぜ〜は〜は〜

もうだめ・・・休憩!

バイクを止めて息を整えます

ふう〜ふう〜・・・

他のメンバーは黙々と上ります

やじさん、高力さんは既に視界から消えています

なんちゅうやつらでしょう

再びこぎ始めるも何度となく休憩を取る私・・・

もう勘弁して〜と泣きがはいっちゃいます

 

やっと坂の一番上でみんなに追いつきました

既にみんなは息を整え出発の準備も完了?!

おいおいちょっと待って〜

トップチューブにまたがりながらも一歩も進めない私

会長がデジカメを取り出し写真を撮りはじめます

ナイス時間稼ぎ!!

でも動けんっちゅうの!!

 

それでもはいつくばりながらなんとか1枚写真撮影に参加!

もう目一杯です・・・ヘロヘロです

転倒して痛めた左のふくらはぎも痛みます

両足はすでに限界を超えてバラバラになりそうです

 

「さあ下るよ〜」と高力さん

その言葉に何も反応出来ずにこぎ始める私

しかし下りに入ってから風はとても気持ちいい〜

「やっぱりこれだよ!これ!」

と気分よく走っている私を置き去りにするように

高力さんのペースが上がっていきます

そのあと視界から高力さんが消えるのに時間がかからなかった

のは言うまでもありません

 

しばらく走ってみんなが止まっています

「笹ケ峰牧場」の入り口です

「ここでドイツトウヒがとれるよ」と高力さん

そういえばげんちゃんがツーリングの前に

「リースに使うでっかいマツボックリがほしい」と

言っていたのを思い出しました

乙見湖食堂でも1個100円で売ってたようです

「いつでもこの中の森でとれるんだよ」という言葉に

さすがのげんちゃんも

「今日はいいよ・・・」とぼそり

やっぱり疲れているのだろうか・・・

 

会長は明日のきのこツーリングできのこが採れない

のを心配して今日笹ケ峰できのこを採っていくつもりのようだ

またしばらく気持ちの良い坂を下り止まる高力さん

「会長!この先がきのこがとれるよ」と高力さん

「えっ山菜とり入山禁止ってかいてあるじゃん」と会長

「入っちゃいけないということはここにあるってことじゃん」と高力さん

「そうか・・・じゃあ探してくる」と納得する会長

身支度を整えやぶの中に消えていきました

(つづく)

 

ケ峰牧場」から曲がりくねった坂道を延々と下ります

本当に気持ち良くて足の疲れを忘れるくらいです

時々すれ違う対向車に気を付けながら下っていきます

後ろから抜いて行く車に対してげんちゃんが右手を伸ばします

「???なんで手を伸ばすの?」

「手を伸ばすと車がそれを避けて大きくよけてくれるので

事故防止になる」と説明してくれました

ナルホド・・・と感心する私

単に車に嫌がらせで手を伸ばしていたんじゃないんだ・・・

さすがげんちゃん!!

 

そのうち黒姫高原の向かいの杉の原のゲレンデに出ました

げんちゃんがゲレンデの草むらの中を気持ち良さそうに下り

遊んでいます

杉の原からは野尻湖も斑尾山も綺麗に見えます

「うわ〜綺麗!」「すっげ〜」と声が上がります

雨は止んでいますが雲は空を覆っていて所々に覗く青空が

対照的で一層綺麗に見えます

野尻湖の水面はとてもおだやかで雲の隙間から斑尾山に向かって

一筋の光がスポットライトのように当たっています

 

「あっ虹だ・・・」

まるで野尻湖からまっすぐにそびえ立つように虹が見えます

時間が経つにつれて虹は上に伸びていきます

しばしその神秘的な景色にを言葉をなくし眺めています

10分ぐらいいたったかな・・・

その景色になごりを惜しみつつスタートしました

 

バイクはどんどん下っていきます

夕方4時近くなって日も暮れ始め気温も下がり出しました

下りでこぐ必要もあまりなく体もどんどん体温を奪われます

足も冷えてコチコチの冷凍マグロのようになってます

杉の原の民宿街を抜け、関川を越えれば長野県信濃町!

あとはホテルまで上り坂です

関川の手前で冷凍マグロのような足に痛みを感じ

「これ以上上るのは無理だな〜」

と会長サポートカーに回収される私

残念・・・

今度は完走できるような体力を付けねば・・・

とその場は思う私

でも何にもやらないんだよね〜これが(^_^;)

 

みんなはどんどん上っています

その横をサポートカーで移動する会長と私

もうすぐゴールだよ・・・

 

ホテル前の急坂の上り口で高力さんたちと別れを告げ

ホテルまで頑張って上るげんちゃん、やじさん、ぶんちゃん

私と会長は一足早くホテルに移動

10分もしないうちに続々とホテルに到着するみんな

最後の心臓破りの坂も上ってくるとはすごいやつらだ

へとへとなのは私だけ?

みんなまだ大丈夫のようだ

「若いってイイナ〜〜〜〜」