歌番号

1500 

作者

大伴坂上郎女(おおともんのさかのうえのいらつめ) 

 

     しげみ    ひめゆり

万葉歌

夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ 

原文

夏野之 繁見丹開有 姫由理乃 不所知恋者 苦物曽 

解釈 

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の代表歌。この歌何度詠んでも味がある。夏の野の鬱蒼とした野原のなかで、姫百合(野百合)がその雑草に負けないくらい、情熱的に咲いている。たぶんあなたは知らないだろうが、わたしはそのくらいあなたのことを思っている。片思いの歌だが、夏の野に咲く姫百合を自分にたとえているところが、清楚で内に秘めた情熱を感じさせる。青春のワンシーンのような哀切が脳裏をかすめる。98/04/10