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歌番号

 304

作者

 柿本人麻呂 

 

オオキミ  トホ ミカド    カヨ  シマト ミ    カミヨ オ

万葉歌

大君の 遠の朝廷と あり通ふ 島門を見れば 神代し思ほゆ

原文

大王之 遠乃朝廷跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所念

 大君と遠く離れた所から、島と島とを縫うように往来すると、古代神話のことが思い起こされる。人麻呂の指摘した、神話(国生みの神話)とは、具体的に何を指すか分からないが、多分、神武天皇の東夷伝説なのだろう。近畿地方から瀬戸内海にかけては神話のふるさとなのかもしれない。01/02/26