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『柑橘系の簡潔な朝の叙述』 1. 太陽のひとしぶきが僕の額に夏を刻印する夜明け 2. 僕はパジャマの袖を不器用にたくしあげながらテーブルに付く 3. 風のブランコに押されてレースのカーテンが膨らみ高まってゆくキッチンで 4. 君が力いっぱい、柑橘系の耳たぶを赤らめたまま 5. 誇り高く張りつめた果肉をスクゥイ−ズする、時 6. 僕たちはゆっくりと皮膚呼吸を繰り返し朝のシステムを立ち上げてゆく、そして 7. 僕という名のナイフは熱を帯びたひとつのホーリィなビートに寄り添おうとする 8. 甘皮を噛むようなかゆみともどかしさ爪を濡らす果汁の予感に撃たれ震えながら 9.「僕は硝子のまま鉄を打つハンマーになる」、と 10. 小さく約束を口にする。 |
『恐竜ハピネス』 1 僕の海で、恐竜の化石がとれたんだ まち中みんな大騒ぎさ、新聞にTVも、やって来て まるでサーカスみたい、イベント広場、あっと言う間に出来たのさ 遊園地気分のこども連れ、見下ろす僕らは空に近く 葬儀屋のKと僕たちは、海の見える丘公園に仲間を集めた 竜の石が神様に召されますようにコンサートを開いたのさ 僕たちの公園は、海の見える丘じゃなかった 暗くうっそうと草ぼうぼう、首くくりの木なんてあって でも僕らは仲間と、市長と社長とおばさんたちをたきつけて 草刈りとペンキの魔法で、海の見える丘に変えたんだ 葬儀屋のKと僕たちは、海の見える丘公園に仲間を集めた 竜の石が神様に召されますようにコンサートを開いたのさ *恐竜、ハピネス、恐竜、サニィ・ディ 海の見える丘公園に 首長竜が浮いている 2 僕の海で、恐竜の化石が次々と見つかる まち中みんな大あわてさ、学者にTVがやって来て まるで遺跡みたい、まちに外国人、あっと言う間に増えたのさ 探検隊気取りのこどもたち、見下ろす僕らは雲に近く 葬儀屋のKと僕たちは、海の見える丘公園に仲間を集めた 竜の石が神様に召されますようにコンサートを開いたのさ 海の見える、丘には首長竜が浮かんでいる 青い海と雲の向こう、僕たちの火葬場の煙 親父も兄貴も、あの煙に乗って、いっちまってそれからの僕は お袋と君とこのまちを、ささえて歌っている 葬儀屋のKと僕たちは、このまちで煙になろうって決めた 僕もいつか、Kの火葬場で焼いてもらうんだって笑う そう、例えばこんな、最高の日に 今日は死ぬのにもってこいの日さ *恐竜、ハピネス、恐竜、サニィ・ディ 海の見える丘公園に 首長竜が浮いている *恐竜、ハピネス、恐竜、サニィ・ディ 海の見える丘公園で 神様に召されますように そう、例えばこんな、最高の日に 今日は死ぬのにもってこいの日さ |
『恐竜ハピネス』 | |
【初出 】 | 「げぱーなニフティ・サーブ詩のフォーラム詩と通信の1stStep
」FPOEM 第一回歌詞コンテスト一位 入賞 |
【Thanks to】 | 作中”今日は死ぬのにもってこいの日さ”というフレーズは、以下の著作へのオマージュです。
ナンシー・ウッド著 フランク・ハウエル画金関寿夫訳 『今日は死ぬのにもってこいの日』(めるくまーる) |
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経典をもとめて インドの聖地にたどりついた。 インド三千年の歴史の中で 仏法の流れの 源流こそが ナーランダ寺院ではないかと思い 到着したとき 心の原点にたどりついた思いでした。 法 師 |
嫌詩系(イヤシケイ)詩 奥主 栄
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(作者敬称略)