2023北海道ツーリング

昨年に引き続き今年も北海道行きを企んでいたのですが、色々なことが重なってなかなか計画が出来ずに5月を迎えてしまい、日程が決まったのは出発の1週間程前。
とりあえず何時でもOKとの意向を示されていた江口さんにその旨を伝えると、平松さんと共に参加されるとのこと。
と言うことで、今年はソロツーリングのつもりでいた私にとっては心強い味方です。
それが旅の後半でつくづく同行者の有難味を実感した出来事が起こりました。
因みにこの時期の新日本海フェリーは当日でも空席があり、予約無しでも乗船することが出来るみたいです。


6/10

フェリーの出航は12:00AMと、かつての10:30AMより大幅に遅くなり、家を出る時間もそれなりに余裕が出来たのですが、やはり楽しみ事の前夜は興奮して熟睡出来ず、結局5:00には出発していました。

糸魚川から米山迄は北陸道を使い、柏崎からはいつものR352日本海夕陽ラインを北上します。
時間には余裕があるので何となく惹かれるいつもの滝などを見物しながらゆっくりとしたツーリングを愉しみます。
天領の里では流石に土曜日だけあって、モーターサイクルが沢山集まっていました。


ゆっくり走ったにもかかわらず10時過ぎにはフェリー乗り場到着、既に到着していたお二人の出迎えを受け、乗船手続きを済ませた後軽くブリーフィング。

いつも感じるのですが、乗船迄のワクワクしたこの時間は、出入り一週間のツーリングの中でも重要な部分を占めていて、たわいの無い会話や、他のライダー達の立ち居振る舞いを見ているだけでも気分は高揚して来ます。


船室は全て個室になってしまったので、三人が会話できるのはラウンジか食堂になり、かつてのように大部屋で会話に花が咲くことは無くなって少々寂しい感じになったものの、デッキでゆったりとした時間を過ごせるのも又船旅の良さです。


念の為に撮っておいた出発前夜のオドメーター、これが帰宅時にどんな数字に変わっているのかも楽しみの一つ。

グリルで少々贅沢な夕食を頂きベッドに入ります。

今日の走行距離224Km

6/11


4:10には下船準備に入ります。
モーターサイクル専用スペースは2/3程埋まっていました。


4:50下船、江口さんはサンダーバード、平松さんはRC45。
記念撮影の後いつものルートを北上します。


R231厚田でいつものようにコンビニ界最強と勝手に思っているセイコーマートで朝食。
この後道道11→28を新十津川方面に向かうべく内陸に入ってから間も無く、海沿いの好天とは一転して路面はウエットに変わり、楽しみにしていた最初のワインディングはひたすら我慢の走り。
余程引き返そうとは思ったものの、その内止むだろうとの淡い期待も虚しく、次第に強くなる雨の中を取り敢えずR451の分岐迄走ることにしました。

内陸部の方角は雨雲に覆われていたので、左折して海側に逃げます。
程なくして雨は止み青空が現れてきました。雨のワインディングより晴れの直線の方が気分が宜しいのは歳の成せる業か?(・・;

浜益以北のR239を走るのは殆ど20年以上振りで、奇岩を観乍らのツーリングを期待していたら、絶景だった部分の殆どはトンネルに置き換えられていました。
それでもトンネルの切れ目に在った白銀の滝を見物がてら小休止。

留萌で給油の後小平町で右折し道道126ー742を小平ダムからR239の合流に向けて走ります。

小平ダムに掛かる橋の上で暫く休憩。ここの景色も見応えがあります。

路面にウエットパッチはあるものの、天気は快方に向かっていて走行に問題は無く、快走が出来ます。
この道には「萌える天北オロロンルート」の別名がついている様で、全く仰る通りで快走に次ぐ快走。
R239に合流右折後はいつもの様に霧立峠ー朱鞠内湖ー美深ー天塩とR40部分を除きこれまた快走路、そしていつもの様に道道106を稚内に向けて走ります。

サロベツ原野PAでトイレ休憩。
長時間ひたすらバイクに跨っていたいと言うビョーキには最適な環境を提供してくれる北海道には感謝しか無い訳ですが、オトンルイ始め環境利権のシンボル的存在の風車乱立にはうんざりするばかり。
CO2削減温暖化防止の大義の下に始まった風車や太陽光パネルの無節操な設置が、今や如何に景観を損ない環境を損なっているのか、これらを見る度に再エネ賦課金が何処に流れているのかを考えてしまいます。

・・・・ってな厭な気分を吹き飛ばすにはお誂えの道道106を〇゛走。お腹が空いて来たので稚内市街で食堂を物色していた所、偶然入ったむ蔵食堂が大正解!

メニューを見るまでも無く、隣の席で食べていた方と同じものを注文。

これで¥1400!、今晩の夕食が食べられるか心配になるレベルのボリューム。


久々に凄い昼食をいただいた後、いつもの様に宗谷岬に向かいます。


宗谷岬から道道889で宗谷丘陵を南下します。
舗装された直後は広大な丘陵地帯を縫って走るこの道の衝撃的な快走感に感動したものですが、美しかった丘陵には今や風車が林立していて異様な光景が広がっています。


続いて向かったのは牧草地が広がるエサヌカ線。
今日の殆どを占めていたワインディングロードとは対照的な直線が続く平野部も、又北海道ツーリングの魅力。

浜頓別で給油を予定していたGSがお休みだったので、すっからかんになったタンクを抱えて一同ボーゼン。
地元の方に開いていそうなGSを教えて頂き事無きを得たのですが、まさに救世主と言った心境。公称18L入りのタンクに17L入ってしまう経験は初めて(・_・;

タンクが満タンになっただけで嬉しさがこみ上げると言うか幸福感に満たされると言うか、幸せの定義は難しいものだと思った次第。
ガス欠に見舞われそうな重苦しい気分から一転して、まさにルンルン気分でR275を内陸方面に向かいます。
中頓別から道道120ー歌登ー美深のトロッコ王国で左折し、道道49ー60ー49と繋ぎR238出て今日の宿日出岬に向けて快走します。

無事初日を走り終え生ビールで乾杯。

今日の走行距離 718Km


6/12


8時20分には出発、一旦雄武まで引き返しガソリンを給油後、昨日走った道道49ー60を戻り、下川町に向かいます。
途中に出来たサンルダムに掛かる橋の上からの眺めは絶景・・・・とは言え、水没林が醸し出す魅力の背景にあるモロモロを考えると複雑な心境になるのも又事実。
この景色の前では、ハッキリ言って外国人旅行客でごった返す「青い池」は完全に霞んでしまう。

下川町で給油後道道101を南下し岩尾内湖から道道61で滝上を目指します。
下川町からはR239を使って西興部から滝上に向かうルートが最短ですが、そうしないところが変質者の特徴(・_・;


滝上の道の駅で休憩後、今日一番の?楽しみである遠軽の回転寿司「トリトン」に向かいます。

かつて頻繁に通行止めになっていた道道137は、今年も快晴に恵まれ超快適に走ることが出来ました。
但し十分注意していないとシカが飛び出す恐れがあります。

このルートでは今回2回鹿が飛び出してきましたが、狐も頻繁に出てくるので、道幅と路肩の状況自車速度の関係をしっかり把握していないと、避け切れない事態が発生すると思われます。

トリトンでは相変わらずの美味しいお寿司を頂き、一路サロマ湖から能取岬を目指します。

いつ来ても心に沁みる景色。
後ろ髪を引かれつつ能取岬を後にし、網走から女満別に向かいます。


R39メルヘンの丘付近。
北海道らしい景色と言えば美瑛だったり帯広平野だったり凄い風景が沢山ある中で、此処はその昔北海道に抱いていたイメージそのもの。

道の駅で小休止した後、美幌から道道995を藻琴山に向かいます。

この道は以前「秘密の農道」と呼んでいたもので、路肩の雑草や灌木が大きく成長して、かつてに比べとても狭く感じる様になってしまいましたが、現在でも道内5本の指に入る極上のワインディングであることに変わりはありません。

快走する江口サンダーバード。


藻琴山展望駐車場。
今日は殆ど快晴の空の下爽快なツーリングが出来、北海道を堪能しています。
実際メーンイベントは昨日と今日に集約されていて、この二日間が好天なら北海道ツーリングは大成功で、後は降られても問題無いと言う心境。

藻琴峠を下り、摩周湖第三展望台に向かいます。

今回は珍しく「霧の摩周湖」で何も見えなかったのですが、大事なのは此処までのワインディングなので全く問題無し(^_^;。

弟子屈方面に向けて山を下りR391の交差点にあるホクレンGSで給油後、今日の宿である昨年もお世話になった「きらの宿すばる」に向かいます。

すばるはナビゲーションが無いと殆ど絶望的な位分かり難い場所にあるので、技術の進歩には大いに助けられています。
労せずして辿り着いたすばるの食事は絶品です。

前菜のカルパッチョ。

心地良い温泉に浸かった後は敢え無く爆睡。

今日の走行距離 400Km位?


6/13


きらの宿すばる前にて。

今日は雨の予報なので、予め雨対策をして出発。
阿寒湖横断道路は幸いドライだったのでワインディングは十分楽しめ、昨年すばるのオーナーに案内された頂上付近の展望台にも立ち寄ります。

晴れていれば糠平湖ー然別湖ーナイタイ高原を周る予定でしたが、阿寒湖を過ぎた辺り足寄に向かう頃には完全にウエットになって来たので、潔く諦め、まっすぐ今日の宿旭岳温泉のヌタプカウシペに向かいます。


足寄でトイレ休憩。

R274から新得をパスし、最短距離で狩勝峠に合流する道道を走ります。
この頃になると雨脚が強くなり、気分は淡々と移動するだけのモードに切り替わります。
R38南富良野の道の駅で休憩し、富良野で昼食にすべく食事処を物色したのですが、殆ど休みか時間外でありつけず、結局R237四季彩の丘付近にあった食堂で食べることに。
観光客向け?だけに一応食事は出来たレベル(・_・;。

気を取り直して降ったり止んだりを繰り返すR237を美瑛に向けて出発。
美瑛を過ぎ、北美瑛から道道213に入るべく走っていた所、後続が来ないことに気付き路肩で暫く待っていたのですが、なかなか来ないのでUターンして美瑛方面に戻ると、江口さんと平松さんがこれまた路肩に停車しています。
何があったのだろう?と二人の所に行くと、私のナンバーステーが落下し、平松さんが拾ってくれたとのこと。

エ゛ッエ゛ッーーーーマヂッスカ〜〜〜!(・_・;状態。
落ちたナンバーが付いたアルミ製フェンダーベースを見ると、取り付け部分が疲労で折れていました。
この後ヌタプカウシペまではナンバー無しで走ることに。


何とかヌタプに辿り着いたのは良いものの、フェンダーレスどころかナンバープレートも無いモーターサイクルの泥跳ねが、如何に凄まじいかをしみじみ実感した次第。

宿にはドリル位置いてあるだろうと期待していたのですが、奥さまが出してくれたのは千枚通しと木ネジ!ドリルは無いそうです。

応急措置の作業に入る前に、ヌタプカウシペのオーナーで、我々が2016年にお世話になったすぐ後に他界されたナッパさんの祭壇にお参りをします。
ヌタプに訪れたのは7年振りですが、こんなに期間が空いてしまったのは残された奥様の心境を察するに余りあったからです。
初めてヌタプを訪れた時から彼の魅力に嵌ってしまい、何度もお世話になっていたのですが、ナッパさんの遺影の前で、彼と交わした会話の数々、二度とあの時間は持てないと分かっていても、ひたすら残念無念と思うばかり。


リヤシート横に後付けしたフェンダーに平松さんが木ネジで穴を開けてくれ、それに携帯していたタイラップでナンバープレートを吊り下げます。


お陰様で何とかなりましたが、このままだとブラブラだし泥跳ねも酷いままなので、ヌタプの奥様から頂いたクリアファイルをエクステンションに使い、荷造りテープで張り付けたりナンバープレートをフェンダーに固定したりと、リヤ周りは哀れな姿になってしまいましたが、取り敢えずは応急処置完了。


奥さま手作りの夕食はまさに家庭料理そのもので、質素だけれど美味しいものばかり。

食事の後はナッパさん手造りの露天風呂で彼を偲びつつ、一人の男が築き上げた理想郷を味わいます。

今日の走行距離 :不明 ナンバープレート脱落騒動で動揺してしまった為、記録無し。以後帰宅迄同様。


6/14


ナッパさんの愛車ランクルは再塗装(レストア?)された様でピカピカ。
山菜取りに大活躍していたランクルはヌタプに全くお似合いです。


元気で強くなられた奥さまを拝見して一安心、無理せずに頑張ってください。

雨模様の中、本来なら道東を目指すべきところ、今回も積丹半島の岩内を目指します。理由は唯一つ、明日神恵内にある勝栄鮨で「おまかせ」を食べる為。

途中定番の美瑛に寄り、後は富良野ーR452ー桂沢湖ー夕張ー夕張ICー恵庭ICー道道117ーR453ー札幌とひたすら走ります。

来る度に思うのですが、この広大な丘陵地帯を開墾してきた先人の偉業には只々敬服するばかり。それは帯広平野しかり


シューパロ湖はダムが嵩上げされたせいか、以前とは比較にならない位大きなダム湖に成長していて、それに伴い水没林も増加し、景色は魅力的ですが、動植物に対するダムの破壊力をまざまざと見せつけられる光景でもあります。


今日もなかなか昼飯にありつけず、北海道に来て丸亀製麺のうどんを食べることになろうとは夢にも想像していませんでした。
ところが、生まれて初めて食べた丸亀製麺の美味しさにビックリした次第。

お腹を満たした後は降ったり止んだりを繰り返す中、定山渓から道道1で朝里方面に向かい、そのままR393で赤井川ー道道36で余市と繋ぎます。
幸い天気は快方に向かい、青空迄出て来ました。

R229を古平まで、其処から今日唯一の峠らしい峠道、道道998の当丸峠。
前を行く平松RC45の奏でるうっとりするようなV4サウンドに混じり、トライアンフ独特の弾ける様なミュージックを聴き乍ら、今日最後のワインディングランを愉しみます。

岩内側は殆どがスノーシェードで覆われてしまいましたが、時々土木工事の芸術的造形美に目を奪われ、日本の技術力の高さに改めて感心する次第。

宿は岩内温泉にある「おかえりなさい」。
夕食は質量共に十分過ぎる内容で大満足。北海道では稀に見るコスパの高い宿です。

特別珍しい食材や調理方法では無いものの、とても美味しく頂きました。

いつもの様に布団に入ったら爆睡。

今日の走行距離も不明

6/15

いよいよ北海道最後の日になりました。

何処にも看板が掲げられていない不思議な宿「おかえりなさい」は、私達モーターサイクリストにとってはお誂えの宿かも知れません。
未だ8時前だと言うのに、朝から汗ばむ程の陽気の中、ニセコパノラマラインに向かって走り出します。


パノラマラインは路面状態が良いので安心して走れます。


一旦R5に出て昨年と同じパーキングで羊蹄山をバックに記念撮影。
この後裏パノラマラインと呼ばれているR5から岩内に続く道に向かいます。


裏パノラマ


ニセコの裾野を等高線に沿って造られている様な、アップダウンの少ないワインディング道路は、見通しが良くパノラマライン以上に路面状態が良いのでとても走り易い。


ニセコを反時計回りに一周して今回の”食のメーンイベントで”である神恵内の勝栄鮨に向かいますが、時間が早過ぎるので泊村のニシン御殿を見学して時間を潰することにしました。
北海道ツーリングでこんなことをするのは夕張炭鉱見学以来2度目。
サラッと見てお終いにしようと思っていた所、館主が超親切且つ事細かく説明してくれるものだから、11時には店に着いていたい我々はソワソワと半分うわの空で有難く(^_^;聞いていました。

未だ説明し切れていないと仰る館主を振り切りお店に向かうと、11時前だと言うのに既に先客が6〜7組位居て、我々が鮨にありつけたのは11時40分頃。

ひたすら待ちます。


ネタの大きさも美味しさも半端ない、待った甲斐があり過ぎる ”おまかせ”。
本当は9カンの ”特上” でも大満足なのですが、ついつい欲張って12カン(^_^;。
向かいにある海産物を扱う菅原商店のご主人の話だと、勝栄寿司の美味しさの秘密は包丁の入れ方使い方だと仰っていました。

満腹になった我々は昨日と同じ当丸峠を越え、R5を最短距離で小樽に向かいます。

イオンモールでお土産を送った後フェリーターミナルに並びます。

苫小牧東から乗っていた頃は、出航時間が7時頃と言うこともあり、北海道最終日も400Km近く走ることは珍しく無かったのですが、今日は200Kmにも満たなかったと思います。
この快晴が三日目だったら・・・・などと、我儘な感想を抱きつつ乗船し北海道を後にします。

船内のレストランはシステムが一新し、コスパが納得出来るレベルになっていたのには少々驚きました。
往路でグリルを使ったのは、今までのレストランはコスパがあまりにも悪かったからで、これなら次回から安心して利用できます。
そんな訳で江口平松両氏と今回のツーリングを振り返りながら、愉しい時間を過ごすことが出来ました。

今日の走行距離:不明

6/16

フェリーは9時過ぎには新潟港に接岸し、愉しかった北海道ツーリングが終わりました。
新潟市内在住の両氏とは「来年も北海道」を約束し、フェリー乗り場で別れ、初日に走った日本海夕陽ラインを南下します。
米山ICで北陸道に乗り上越ICで降りた後、今回のツーリングの締めである海鮮を食べるべく ”きときと寿司” に向かいます。
”勝栄鮨” を知った後では流石に物足りないものの、それでも山国に住む私にとっては十分なクオリティーです。


今回のツーリングが終わるのを惜しむようにゆっくりのんびり走っても、3時前には帰宅してしまいました。

今日の走行距離222Km。
出発時のオドメータを控えていたので、辛うじて総走行距離だけは分かりました(^_^;。

総走行距離   :2572Km
ガソリン消費量 :114.3L
平均燃費    :22.5Km/L


コロナで三年間途絶えていた北海道ツーリングを去年再開して最初に感じたのは、道北の路面状態の悪化・・・特にうねりが酷くなっていて、場所によっては危険なレベルだったこと。
しかしそれでも北海ツーリングの魅力が低下する訳では無く、来年も訪れたいと思う気持ちがいささかも揺らがないのは不思議。

今回のツーリングは、私のナンバー落下や江口さんのETC落下の件があったりで、トラブル無しと言う訳ではありませんでしたが、無事故で終わったのが何よりでした。
皆さん有難う御座いました。