北海道ツーリング2022 

毎年欠かさず年に1〜2回続けていた北海道ツーリングは、2018年を最後に3年間中断していました。
今までは何が何でも一週間の休みを作って北に向かっていたのですが、19年はその時間が取れず、そして翌年はコロナ禍が発生、翌々年もそれが続き、今回はまるまる3年振りの北海道ツーリングとなります。

コロナ禍は未だ収まる気配を見せていませんが、3年待っている内に年齢は73歳になってしまい、いくら何でもこれ以上待っているとまともにモーターサイクルを楽しめなくなる可能性が高まるので、ワクチン3回接種の効能を信じて敢行することにしました。

一緒に走ってくれる仲間は私を含め丁度20年前の時と同じ9名の大所帯。


参加メンバー紹介

クマさん(尾熊洋一):GPレースに復帰し250cc/500ccのWタイトル奪取に続くホンダ黄金時代を築いたHRC総帥(BMW F650)
キヨさん(清原明彦):言わずと知れたミスターカワサキ(Ninjya1000SX)
平忠彦さん;ヤマハと言えば平、平と言えばヤマハ(ハスクバーナー ノーデン)
江口さん:RC30クラブ(トライアンフ サンダーバード)
平松さん:RC30クラブ(ホンダ RC45)
金井さん:会社員(BMW GS)
金井さん奥様:(カワサキ Z1000)
早見さん;ホンダツーワン社主(ホンダ VFR800)
丸山:(BMW RnineT)

クマさん、キヨさん、早見さんは20年前も参加していました。
全員気心の知れた友人で、平さんが参加してくれたことで久々に大人のツーリングクラブの復活です。

6/4

ほんの一週間前には雨予報で心配されたお天気も、出入りを含めどうやらツーリング期間中は大丈夫そうです。
フェリー乗船前日にいらっしゃったキヨさん平さん金井さんご夫妻と5時40分頃新潟港に向けて出発。

(アルピーヌ前)
いつもの様にR148を糸魚川に向けて北上し糸魚川ICから米山ICまで北陸道、その後はお気に入りの日本海夕陽ライン(R352)を新潟港に向けて走ります。

小樽行きのフェリーは数年前に新造され、高速化された為か以前に比べ1時間30分も出航時間が遅くなり、退屈な高速道路を使わなくても、時間に追われる事無く爽快な海岸線のツーリングが満喫出来ます。
小樽港到着は以前と同様早朝の4時30分なので、北海道上陸初日は効率の良いツーリングが出来ます。

フェリーターミナル近くのGSで給油を済ませて乗り場に到着すると、既に江口さん平松さんが先頭付近に並んでおり、わざわざ見送りに来てくれた江口さんの友人2名の方から差し入れを頂きました。

(新日本海フェリー新潟ターミナル)
乗船の手続き等、夫々が行動しているので、9名ともなるとなかなか全員の集合写真が撮れません。

11時頃に乗船が始まり、ビュッフェで昼食の後各自個室で休憩。
今回の夕食はグリルで洋食のフルコースを頂きます。宿もそうですがかつて若かりし頃の様に、ツーリング費用を抑え気味にしていたのとは随分違っています。

左からクマさん、早見さん、平さん、キヨさん


左から金井(奥様)、金井さん、平松さん、江口さん、私

美味しい食事と歓談の後は再び個室に戻り、翌朝3時30分迄爆睡。

今日の走行距離 222Km

6/5

北海道初日のルートは小樽⇒石狩R232⇒R231⇒厚田⇒道道28⇒R451⇒新十津川⇒沼田⇒ホロピリ湖⇒達布⇒小平ダム⇒(萌える天北オロロンルート)⇒霧立峠R239⇒R275朱鞠内湖⇒美深町R40⇒音威子府⇒R275⇒浜頓別⇒猿払エサヌカ線⇒R238⇒道道1077稚内猿払線⇒道道889宗谷丘陵⇒宗谷周氷河道路⇒宗谷岬⇒道道889⇒R238⇒稚内⇒道道106オロロンライン⇒サロベツ原野⇒R40⇒中川町ポンピラアクアリズイング泊。

4時30分、フェリーは定刻小樽港に接岸。

雨の心配は無さそうですが寒いのでレインウエアを着て出発。


走り出すと冷気が肌に沁みてきます。

かつてそうだった様に、最初の休憩は朝食兼ねて厚田のセイコーマート。
何と言っても北海道ではコンビニ界最強だと思っています。
今回も期待を裏切らないコストパフォーマンス!と言いたい所ですが、正直な話あまりに寒過ぎて味わうどころではありませんでした(^_^;。

たっぷり休憩した後は、いよいよ此処からワインディング三昧。途中給油の為に街中を通過するものの、美深町迄の80%位は快適なコーナーが続いています。

先頭は早見さん、続いてキヨさん。朝日の直撃を受けながらもジーさん達はモーターサイクルライディングを愉しんでいます。


道民の森青山中央方面に左折

新十津川で左折し北竜町ひまわりの里で休憩した後、給油の為に秩父別方面に右折。


給油を済ませた後は道道867を達布に向けて快走します。

達布からの道道126⇒742は ”萌える天北オロロンルート” (^_^; の別名通り、年甲斐も無く萌えるし燃えるしで、やっぱり北海道はイイワーとなります。
しかし問題が無い訳ではありません、まるまる3年のブランクの間、路面状態は酷く悪化していてサスペンションが頻繁に底突きする有様。それに止まらずサスペンションストロークの短いRnineTは時々ジャンプするので、着地した時の衝撃でハンドルが振られ、左手の甲をしたたか打って青あざが出来る始末。ステアリングダンパが付いている割には??な感じ。

本当に路面状態は悪いですが、ペースもペースなので文句は言えません。
続く霧立峠や朱鞠内湖のワインディングを堪能している内に浜頓別を過ぎ、エサヌカ線に突入。


時刻は12時30分を過ぎていたので、昼食は道の駅猿払で摂ることにしました。

此処の直線区間は日本海オロロンラインより遥かに長く、これまでのバンピーな路面と違い殆ど平滑なので、生憎の霧雨模様でしたが色々試すことが出来ました。


宗谷岬に続く道


快走道路です。


丘陵は熊笹?に覆われていて背の高い樹木は無く、異国の地を走っている気分です。
但し風力発電機が林立しているのと、送電線が趣を損なっているのは残念なところ。
方々に出来ている、明らかに自然破壊でしかないと思われるソーラー発電施設に比べればまだマシなのかもしれませんが、こうした施設を目にする度に、内燃機関をこよなく愛する私としては、多様性を謳いながら内燃機関だけを悪者扱いする風潮が悲しいのと同時に、SD〇sのうさん臭さを感じてしまいます。
エンジン、モーター、ハイブリッド、水素等選択肢は残して置いて欲しいものです。

・・・・・ってなことをチラッと考えている内に宗谷岬到着。気温は3℃でした。

左から平松さん、江口さん、クマさん、私、平さん。なかなか全員の集合写真が撮れません。


宗谷岬を後にし、日本海オロロンラインを南下して一路本日の宿中川町のポンピラアクアリズイングを目指します。


ポンピラアクアリズイングでの夕食。此処で漸く全員の集合写真が撮れました。
左からキヨさん。クマさん、金井さん、私、平さん、金井奥様、早見さん、江口さん、平松さん。

アベレージが高過ぎるので、最初の頃はもう少しペースを落として欲しいと思って真剣だったのですが、その内に何だかその状況が無性に可笑しくなって、思いっ切り笑いがこみあげて来たのには我ながらビックリしてしまいました。
多分平均年齢は軽く70歳を超えているだろうジーさん達が一体何しているんだろう?という意味でだったと思われますが、とにかく涙が出る程大笑いしながら走っていたと言う訳です。

北海道は純粋に走る為だけに来ている様なものなので、景色どころでは無いのは最初から分かっているのですが、それにしても先頭引きの速いこと!。兎に角初日は全員無事だったことが何よりでした。

今日の走行距離 579Km

6/6

今日のルート
中川⇒D541⇒D583⇒D785知駒峠⇒R275中頓別⇒D120歌登⇒仁宇布⇒D49⇒D60下川町⇒D101⇒D61岩尾内ダム⇒滝上町⇒D137遠軽⇒R333端野⇒R39美幌⇒R243⇒D995⇒D102藻琴峠⇒R391⇒きらの宿すばる泊。


北海道最北端方面へのツーリングともなれば、道内5日間の内初日と二日目に美味しい部分が集中しているので、寒かったとは言え昨日と今日が好天に恵まれたのは本当にラッキーです。

昨日同様今日も長距離走行になるので、朝食をそそくさと済ませ8時頃には出発。
此処に来てどうしても走っておかなければならない知駒峠に向けて、一旦目的地とは反対方向に北上します。
今日も気温は一桁台で晴れているのにカッパ着用。ほどなくして知駒峠の入口に到着、速い方々に先に行ってもらいます。

知駒峠、前を走るのはRC45を駆る平松さん。
良いペースで峠を楽しんだ後は、フィトンチッドが充満している?道道120、道道49、道道60をひたすら走り続け、どっぷりと浸かった森林浴から抜け出ると、いきなり青空が広がります。
珊瑠川に出来たダム湖に掛かる橋の上でしばし休憩。

一日の交通量が数十台?の道道に、これ程の橋が必要なのか否かは分かりませんが、水没林が枯れて林立する景色は一見の価値があります。


延々と林の中を走り続けて来たので解放感もひとしお。


下流方面


上流方面
珊瑠川はサクラマス産卵河川としては日本有数らしく、その生態系に悪影響を及ぼすダム建設には反対の声もあった様ですが、事情を知らない私にしてみれば、やはり湖って言うのは自然であれ人工であれ、それぞれ魅力的ではあります。

下川町で給油後、道道101、道道61と繋ぎ、岩尾内ダム経由で滝上に向かいます。
十数年前のツーリングマップルには、”交通量皆無”とのキャプションが付いていた道道61は、途中工事関係者や山菜採りと思しき車が停まっているだけで、今回も全くその通りでした。
兎に角中川町を出発してからと言うもの、追い付く車は皆無、対向車にも数台というゴキゲンなルートです。

滝上の道の駅で休憩した後、道道137で今日の昼食場所遠軽の回転寿司”トリトン”を目指します。
このルートは3ステージに分れていて、殆ど同じ感じなのに夫々微妙に趣が異なるので、全く飽きずに走り続けられます。

第一ステージ
前方を行くのは金井(奥様)さん。タイヤ(リヤ)は端っこ迄満遍なく使っています(汗)


第二ステージ
前方は御年80歳のクマさん。
これまで何十回もご一緒させて頂いていますが、テストライダーだったり鈴鹿耐久レースを戦ったりと、昔取った杵柄とは言え、今まで見たことの無いキレッキレの走りを披露してくれたクマさん。能ある鷹は爪を隠していたんですね(^_^;。


第三ステージ
先頭に見えるのは金井さん金井奥様クマさん。キヨさん江口さん早見さん達〇゛カみたいに速い方々はもう少し先を走っています。

トリトンは期待に違わず美味しかったのですが、平さんはホタテが気に入った様で、ナント5皿も食べていました。5皿と言えば10カンですよ10カン!!(^_^;。

満腹でフーフー言いながらモーターサイクルに跨ろうとすると、脚がシートカウルに掠って愕然とします。今までこんなことは無かったのに・・・・・。
気を取り直してR333を美幌に向かうと、やはりこの辺りの都市部を繋ぐ道路は流石に交通量が一気に増え、信号待ちや渋滞も発生します。
追い越しもままならないので交通の流れに乗って美幌到着。

美幌からは知駒峠同様今日のハイライトでもある道道995を藻琴峠に向けて快走します。

先頭はクマさん続いて平さん。

この道は二十数年前、クマさんと2台で藻琴山方面から美幌に抜けるべくショートカットのつもりで走ったのが最初で、当時は延々フラットダートが続いていました。
その様子から近々舗装されるだろうと予想した通り、2年後に訪れた時には、まるでモーターサイクリストの為にあつらえてくれたかの様な道路になっていてビックリするやら嬉しいやら。
緩やかなアップダウンを繰り返し、適度に回り込んだコーナーが連続する道は、数多ある北海道のワインディングの中でも別格だと思っていて、あまりの愉しさ故、実際この道を一往復半することも度々ありました。

しかし現在は道路脇の樹木も成長して見通しが悪くなり、加えて道幅も雑草の浸食で狭く感じる様になったので、かつて ”秘密の農道” と呼んでいた頃とは少し違っていました。
それでもなお、未だにこの道は第一級の快走路と呼ぶに相応しいと思っています。

道道102に合流すると、一気に藻琴峠に向けて駆け上がります。途中ガスっていて屈斜路湖や摩周湖は観れないのでは?と思ったのも束の間、峠を越えるとスカッとした青空が広がっていました。



屈斜路湖が一望出来る藻琴山のパーキング。
こうしてみると私は勿論皆さんジーさんですね〜(^_^;。しかし気分だけは18歳から進化無しな感じ。


摩周湖第三展望台に駆け上がるクマさん、平さん。


摩周湖は例によって物凄い色をしていました。この湖だけは初めて訪れた時以来全く変わっていない感じです。
何度来ても息を?む景色に圧倒された後は、弟子屈に下り、今日の宿 ”きらの宿すばる” を目指します。
R331からのアプローチが超難しいので、前回利用した時と同様、迷ってしまって行方不明になった仲間を待つこと小一時間(^_^;、漸く全員無事にチェックインすることが出来ました。

オーナーシェフの地元素材を駆使した創作コース料理はどれも絶品!、今回も期待を裏切りませんでした。


特に美味しかったのはコレ↓

料理名は聞いたものの覚えておりません(汗)。

そんな訳で昨日に続き、今日も長丁場にも関わらず、全員無事走り終えたことに感謝。


今日の走行距離 489Km

6/7

昨日までの二日間で、純粋に走りを愉しむセクションはほぼ終了したので、今日は有名所を観光しつつ帯広に向かう計画です。

きらの宿すばるのテラスで。
前列中央の方は宿のオーナーで、これから我々をW650で阿寒湖まで案内してくれます。

出発早々行方不明者が発生(^_^;。道が難解なのに加え、台数が多い(オーナー含め10台)ので致し方無い所ですが、こういう場合に活躍するのが携帯電話、今回のツーリングでは随分お世話になりました。

阿寒横断道路を登り切ると、先導していたオーナーがパーキングに入ります。

此処は雄阿寒岳と雌阿寒岳が一望出来る絶好の場所でした。左からすばるのオーナー/クマさん/キヨさん/金井さん/平さん。

これまで三十数年訪れていながら、いつも素通りしていたパーキングです。と言うのも、此処までのワインディング走行で調子が出て来た勢いを途切らせることには抵抗があるので、例え眺望が良さそうなパーキングがあったとしても、此処で停まるなんてことはこれっぽちも考えたことは無かったからです。
やはり地元を熟知したオーナーが一緒だと、宿を出発した直後の快走路やこの景色も新発見で、やはり新鮮な感動を覚えます。有難うございました。

阿寒湖ではいつもの場所で記念写真を撮り、直ぐに立ち去ろうと思っていた所、近所の店の人が出て来て「其処は進入禁止になった」と言うので、入口に引き返して停めたら、今度は「其処は私道だからダメ」だと言う。
本通りのインターロックがそのまま続いているので、私道なのか公道なのかは区別は付かない訳で、私が知らなかったばかりに全員に不愉快な思いをさせてしまったこと反省しきり。
ちなみに我々以外他の観光客は本通りを含め皆無で、「出入りの車の邪魔になる」との理由は説得力に欠けていたこともあり、御大約二名が完全にブチ切れてしまい、写真も撮らずに阿寒湖を後にしました。この状況を世間一般に「アカ〜〜〜ン」と言います(^_^;。

R240を南下し次の目的地釧路湿原を目指します。単調な走りを強いられる国道を淡々と走り、R274との交差点をを左折し、道道666から道道243方面に左折すると、突然路肩から丹頂鶴の親子連れ三羽が現れました。

丹頂が見られるのは雪の季節だけだとばかり思い込んでいたので、この状況を俄かに理解するのは困難で、ひたすらビックリするばかり。
それまでが単調な走りだったのでビデオは回していなかったのですが、丹頂出現で単調な気分は吹っ飛び、急遽スイッチオンにすると幸運にもギリギリで撮影することが出来ました。


雄の鶴は果敢にモーターサイクルを威嚇してきました。
この一件で阿寒湖でのイヤな気分は一掃されたのは言うまでもありません(^_^)。
そう言えば此処は鶴居村の近くなので、普段から鶴が居ても決しておかしくは無いのでしょうね。

興奮冷めやらぬまま、釧路湿原を一望出来る展望台に向かいます。

早見さんと。

この展望台はいつも素通りしていたのですが、今回初めて登ってみました(有料)。
観光ポスターに使われている写真の様な釧路川が見られると期待して登ったのですが、見えたのは湿原と言うより只の草原だったのでハッキリ言って失望。
以前この東側にあるシラルトロ湖近辺の展望台に登ったことがあり、そちらの方が釧路川や湿原の雄大な趣を味わうことが出来ると思われます。

道道53から道道666⇒222と繋ぎ、阿寒ICから道東自動車道に乗り本別ICまでワープします。本当はR274を走りたかったのですが、昼食の時間が近付いていたので仕方無く。

本別で食堂を物色するもなかなか見つからず、そのままナイタイ高原に向かいます。

広大な牧場の中に延びるレストハウスまでのアプローチ道路は、北海道広しと言えど別格の爽快感を味わえます。


前を行くのはキヨさんに続き江口さん。

牧場内約7Km全部は勿論、特にパーキング直前にある5つののコーナーはどれも味わい深く、気持ちの良いコーナリングが楽しめると言う点では、設計時点で此処を訪れるだろうモーターサイクリストやドライバーのことを考慮に入れていたと思える程。


前方はレストハウス(ナイタイテラス)。
以前は頑丈そうなログハウスでしたが2015年に強風で倒壊し(一体どんな風が吹いたんだ?@_@);現在のおしゃれな建物に変わっています。プレハブ営業の時も来ているので、ジンギスカン鍋を始めとした地域性のあるメニューから一転して、完全にアーバンテラス風に変貌したシステムには少々戸惑ってしまいました。
所謂今流行中のテラスですが、眺望が素晴らしいのは言うまでも無く、男子トイレに至っては草原に向かって立ち〇ョンしている様な解放感!、一度は味わっておくべきです(^_^;。


まるで絵画の中に入った様な気分、牧場は勿論十勝平野を一望出来る立地。


早見さんと。


景色も設備も大満足でしたが、昼食のメニューは?。ハンバーガーを食した後は今日の宿、帯広市内にある北海道ホテルを目指します。


歴史を感じさせる ”北海道ホテル” 到着。


地元で焼き上げられたレンガを使ったチャペルに続くアプローチ一つとっても、重厚で創業者の拘りを感じてしまいます。

ところで、今日は早見さんが大活躍してくれた日でした。
キヨさんは大丈夫と言うものの、昨日から心配していたニンジャのリヤタイヤが完全に終わっていて、このままだと後数百キロ走ればパンク必至という状態。
百戦錬磨のバイクショップのオヤジ早見さんがキヨさんを説得し、夕食までにタイヤ交換をすることになり、早速早見さんが帯広市内の目ぼしいバイクショップをあたった所、全て「タイヤの在庫無し」との返事。

電話しまくる早見さん。

明日はキヨさんを見捨てるしかないのか?(^_^;と覚悟を決めかけていた矢先、早見さんのバイクショップのネットワークから在庫を持っているお店が見つかり、キヨさんは勿論ニンジャで、早見さんはタクシーでお店に向かい、食事の時間ギリギリに帰って来ました。
タイヤは明日の朝9時頃迄に交換を済ませておいてくれるそうで一安心です。


食事は、よく手入れの行き届いた芝生の庭を見ながら頂きました。キヨさん、平さん、金井さん。


地元の食材を使った懐石料理は老舗ホテルの面目躍如、とても美味しかったです。

今日のルートは走りを楽しめた昨日までとは一変し、所謂名勝を巡る変哲の無い道ばかりで距離も短めでしたが、鶴にも会えたし、ナイタイの景色に浸かることも出来たしで、好天に恵まれたことに加え、それなりに満足のツーリングでした。

今日の走行距離 312Km

6/8

今日は積丹半島の付け根岩内にある料理旅館 ”高島旅館” が目的地です。

北海道ホテルの朝食も「素晴らしい」の一言。


キヨさんが居ないのは一足先にバイクショップに行ったからで、この後我々もそのお店に向かいます。

ナビを頼りに向かった先の目的地にバイクショップらしき建物は見つからなかったのですが、キヨさんが手を振ってくれたので ”ん??此処??” ぐらい分からない店構え。
良く見れば確かにバイク屋さんみたいには見えるものの、怪しい雰囲気が漂っており、その怪しさに拍車を掛けたのが約束の9時になっても店主が現れないこと。

我々の様子が変に感じたのか、ご親切にも近所のおじさんが声を掛けてくれ、かくかくしかじかと事情を説明すると、ナント!!3Km程離れた店主の自宅まで案内してくれたのです。
私と江口さん2台でついて行ったのですが、そこには母親しかおらず、何処にいるか分からない息子に連絡してくれるとの事でしたが、暫く待っても連絡が付いたか否かの返事が無いので、もう一度声を掛けると「今店に向かっている」とのこと。

一体何処から向かっているのか、どの位時間が掛かるのかも母親には分からないらしく、仕方無く店の方に引き返したのですが、未だ店主は現れません。

店の前には外されたリヤタイヤがあるので、作業は終了している模様。トレッドのゴムが無くなり、カーカスが見え始めています。

待っている間にそれぞれガソリンを補給ししたりして時間を潰しますが、結局店主が現れたのは約束の時間を一時間以上経過した頃。
今日は唯一の走り所である積丹半島のトーマル峠を予定にしていたものの、時間が押してしまったので、多分ショートカットせざるを得ないと思ったら朝から残念な気分。

予定していた今日のルートは、狩勝峠⇒D1117⇒D136占冠⇒R237日高⇒R274紅葉山(夕張)⇒由仁⇒D462⇒D226⇒R337千歳⇒D117⇒R453札幌(真駒内)⇒R230⇒定山渓⇒D1朝里⇒D956⇒R293赤井川⇒R36余市⇒R229古平⇒D998神恵内⇒R229岩内⇒D840⇒高島旅館。

結局帯広を出たのは10時を遥かに過ぎていたので信号の多いR38を避け、道道75を新得まで走ります。
宿の食事が始まるのが5時半と早いので、さすがに焦っていたようで、狩勝峠に差し掛かるとアクセル開度は大きくなり、江口さんもサンダーバードらしからぬ走りでグングン登って行きます(^_^;。

前を行くのは江口+サンダーバード。


日勝峠に比べるとガラガラな狩勝峠は道幅が広く路面状態も良好なので、平取町や苫小牧方面に向かうライダーは時間に余裕があるのであれば、占冠村を経由するこのルートはお勧めです。

道道136に入ると右手にトマムスキー場が見えてきます。
25年前にクマさんと二人で宿泊したことのある高層タワーの宿泊棟が特徴的ですが、当時高級(宿泊料金が)ホテル?にあるまじき対応にクマさんがブチ切れて、「こんなホテル後2〜3年で潰れるよ」と仰った通りになったのには驚いた記憶があります。
その後持ち主が転々として現在は中国資本になっている様で、そんな場所が増えていることに北海道好きな私としては大いに不安を感じているし、危機感を抱いている道民も少なくないのでは?ってなことを考えながら通過します。

昼食はしむかっぷ道の駅でラーメンを食べたのですが、店主一人で八面六臂の大活躍(^_^;。
我々9名の他にも2〜3組の客が居て、時間が押していることもあり、この店に入ったのは間違いだったのでは?と思い始めた直後にラーメンが出て来たのにはビックリ。
店主はラーメン作りに没頭しているので、会計は客が釣銭が無い様に代金を置いて出て行く無人販売所並みのスタイル。
ラーメンは普通に美味しかったのは勿論ですが、こうした店主の 「他人を信用する」 態度は、人の弱みを狙うハイエナ企業の施設を見た後だけに、まだまだ日本も捨てたものぢゃ無いなと、ほのぼのとした気分にさせてくれました。

時間に余裕が無くなってきているので、北海道に走り目的でツーリングに来ている以上、使う意味を見出せない高速道路に仕方無く乗ります・・・・・って、本当はもっと余裕のある計画を立てておけってことですけれども(^_^;

恵庭IC迄は昨日に引き続き退屈な走行を強いられますが、目的地までの時間短縮と言う意味では有難い施設ではあります。
高速を降り、道道117からR453を札幌方面に向かい、真駒内で給油してから定山渓を通って朝里を目指します。
以前定山渓を過ぎ、定山渓ダムの手前でレーダーパトの取り締まりに遭った経験から、一応注意深く走っていたのですが、今回はさっぽろ湖第四展望台付近で取り締まりに遭遇しました。
幸いなことにお片付けの最中?でしたから、朝のタイヤの件が無ければ御用になっていた可能性はあります(^_^;。

朝里から道道956でR393にショートカットし、途中の山中牧場でソフトクリームを食すべく休憩。

以前初めて食べた時の衝撃的な美味しさがあまりにも強く印象に残っていたので、今回もそれなりに美味しかったとは言え、当時と同じなのかは不明(^_^;。


誰が声を掛けたのかは不明ですが、お店に来ていた近所の女性ライダー3名とジーさん達は話が盛り上がっていました。
女性であれ男性であれ、若い方々がモーターサイクルに乗る姿を見ると、とっても嬉しいし微笑ましい気分になります。

当初の計画はこの後余市からトーマル峠経由で岩内の予定でしたが、全く時間的余裕が無いので、赤井川から道道1022でR5にショートカットします。
共和町でR276方面に直進し、今日の宿 ”高島旅館” に無事到着。

時刻は既に5時半を過ぎていたので、夕食開始は6時半に変更。


先ず手始めにこの状態から始まった夕食。


取材等で北海道は何度も走っている平さんから、今回のコース設定に関しても食事にしても、その都度お褒めの言葉を頂いたのはとても嬉しかったのですが、さすがに此処の夕食はやり過ぎではないか?と思われたみたいでした。

何はともあれ今日も無事で過ごせたことに感謝です。

今日の走行距離 367Km


6/9

いよいよ北海道最後の一日になってしまいました。

夕食同様美味しい朝食を頂いて宿を後にします。

今日は小樽5時出航のフェリーに乗るだけなので、旅館でマッタリ過ごすのも良し、小樽で観光&で買い物するも良し、走りを満喫するも良し、4時迄にフェリー乗り場集合と言うことで皆さんの希望を伺ったところ、クマさんキヨさんは旅館でマッタリを選択、我々はパノラマラインと裏パノラマラインを反時計回りに走り、神恵内から昨日走れなかったトーマル峠に向かうことにしました。


きょうも快晴、北海道最後の走りを楽しむにはおあつらえのコースとコンディションです。
絶景の中に身を置いてライディングを楽しんでいると、つくづくモーターサイクリストで良かった!!と思えてきます。


道道58ニセコアンヌプリ登山口にて。

北海道基準とすれば少し幅狭な道を下り切るとR5に出ます(?知安町)。
其処を左折し裏パノラマ(D604)を目指しますが、その前に羊蹄山を背景に写真を撮ろうとポイントを物色していた最中、入った広場がスピード取り締まりのサイン会場だったのには少々驚き。

結局羊蹄山には雲が掛かっていて山容は観れなかったものの、記念写真だけは撮っておきました。

ご丁寧に山の形に雲が掛かっています。


反対側。
幸い我々が休憩している間、サイン会場に入ってくる車はありませんでした。

裏パノラマに入るとペースはそれなりに上がります(^_^;

早見さんは一寸したうねりがあればパニアケースが接地しそうな勢い( ^ω^)・・・。
もっとも早見さんに限らず全員が同じ様な感じ。


年代物のトライアンフを目一杯使い切って走る江口さん。

平さんは元GPライダーだけに公道では大人の走り、金井さんは常に奥さまを気遣いながら走っています。
そして平松さんは終始しんがりを務めてくれているので、全く安心してライディングを楽しむことが出来ます。

ニセコ山塊を一周した後、昼食はウニの名所?神恵内でウニ丼を食べようとの事で意見が一致、頭の中にウニがてんこ盛りのどんぶりが浮かんでは消えを数回繰り返している内に神恵内到着。

以前6月に来た時、この辺りにはウニ丼の幟旗が沢山はためいていて、ウニ丼祭り?みたいな賑わいがあったのですが、今回は人気が無いので??と思って、道端を急ぐ風も無く歩いている老夫婦(自分も老人だった!(^_^;)に声を掛け、「この辺にウニ丼屋さんありませんか?」と尋ねた所、「ウニ丼があるかどうかは分からないけれど其処のお寿司屋さんが美味しいから私達は札幌から食べに来た」と仰っていました。

更に、「同じクオリティーの寿司を札幌で食べたら万円単位」だとも仰っていたので、我々もそのお店に入ることにし、ウニ丼の有無を尋ねると、ウニは6/20からとのことで、少し消沈し乍らそのお店では最高額の「おまかせ(12カン)」を注文しました。

これで3千数百円!何と言っても先ずはネタのデカさにビックリです。美味しいのは勿論寿司職人の包丁さばきが凄いからだとは思いますが、結構乱暴な取り扱いをしても、ネタとシャリが一体化して?がれないのにも凄腕が感じられます。

最初に衝撃を受けたネタのデカさについては、中でも一際存在感を誇るホタテを食べようとした時、寿司って言うのは大抵一口でパクリと食べるのが普通だと思いますが、このホタテは口に入れたらそれだけで口の中がいっぱいになり、決して大袈裟でなく一瞬噛む動作が困難だったこと。
兎に角こんなデカいホタテを見たのは後にも先にも今回が初めてだったので、食べている途中から ”特上握り寿司” の9カンにしておけば良かったと反省しきり。


4輪F1ドライバーのルイスハミルトンも来店していた様で、2輪GPライダーの平忠彦氏とツーショット。

満腹になったお腹をタンクに乗せ、いよいよ北海道最後のワインディング ”トーマル峠” に向かいます。
本当は古平方面から神恵内に向けて走るのがベストだと思っていたのですが、逆方向も結果的には楽しく走れました。

余市ではニッカウヰスキーの前で記念撮影。

左から平松さん平さん金井ご夫妻。まだまだ寒そうです。

余市からは道道36で昨日走った赤井川を経由しR393で小樽を目指します。
途中にある冷水トンネルは迂回して、年寄りの冷や水よろしくわざわざ冷水峠を走ります。たった5個のコーナーしかありませんが、それでも変哲の無いトンネルを直進するより遥かにマシ。


そもそも小樽迄はR5を使うのが常識ですが、その距離の倍以上も迂回するのは、モーターサイクルライディングの醍醐味であるワインディング走行が楽しめるからと言う単純な理由から。

赤井川の道の駅でソフトクリーム休憩。

ん〜〜〜〜、昨日のお店で食べたのよりこちらの方が美味しいカモ?・・・・味覚は人夫々ですから決め付けはしません(^_^;。

この後毛無山のコーナーを下り、イオンモールでお土産を送りフェリー乗り場に向かいます。
数年前SRXでのソロツーリングの際も同じルートを走ったのですが、今回も年寄りの ”冷水峠” から ”毛無山” と言う、自分にはおあつらえの道が道内最後の走り修めになりました。


無事走り終えてホッとしている?走り屋3名。


私も同じ。

総勢9台ものモーターサイクルで、数泊に亘るツーリングともなると、殆ど計画通りには運ばないのが普通ですが、道内1958Km一日平均約400Kmを、ほぼ当初の計画通り走り切れたのは、給油からトイレ休憩、宿泊のチェックイン/アウト、その他全てがスムーズに運んだからで、勿論参加者全員が ”分かっている” モーターサイクリスト故。

船上のキヨさん金井さんクマさん。

御年80歳のクマさんは、当初走行距離が長過ぎるのでショートカットして宿に直行するかもしれないと仰っていたのですが、そんなことは全く無く、全行程走り切ったのには感服致しました。
キヨさんと言えば20年前、10年前とちっとも変わらない ”キヨさん走り” で健在振りを見せてくれましたし、金井さんは、奥様が十分過ぎる程のスキルとそれに伴う速さを持ち合わせているとは言え、奥様のペースが速くなり過ぎない様、気遣って走っていた姿には頭が下がりました。
いつもなら、スロットルを頻繁にストッパーに当てる様な走り方をしているのですが、今回私には絶対真似の出来ない(^_^;抑制の効いた走りに終始したのは、余程奥様のことを大切に思っているからなのでしょう。

新造船は快適なのですが、船室が個室になったことで、全員が集合して歓談が出来難い環境になってしまったことに加え、コロナウイルスの感染防止対策も重なって、船内でのコミュニケーションが低下したのは残念です。

兎に角皆さま大変お疲れ様でした。

今日の走行距離 212Km


6/10

船は定刻の9時15分新潟港接岸。
此処でいよいよ解散です。クマさんは埼玉へ、早見さんは茨城へ、江口さん平松さんは新潟市内なので今日から仕事復帰。
キヨさん平さん金井さんご夫妻は今日もアルピーヌ泊で明日ご自宅へお帰りです。

名残を惜しみつつお別れした後は、初日と同じ日本海夕陽ラインを戻ります。
此処まで99%ドライ路面でしたが、とうとう寺泊の前後ほんの少しの区間だけ降られてしまいました。
道内では寒さ対策で着用したものの、最後の最後で再びレインウエアを着ることになってしまいましたが、今回は道内5日間好天が続いた珍しいツーリングとなりました。
北海道上陸数日前迄の天気予報で、全日程雨を覚悟していたと身とすれば、正にラッキーとしか言い様がありません。

アルピーヌ到着後遅い昼食を ”そば処まえだ” さんで、夕食は居酒屋 ”喜八” で頂きました。

喜八にて。
平さんの隣の女性は平さんが来店していることを聞きつけて乱入して来た家内の友人。中学生からの大ファンで、出産の特頑張れるからと、平忠彦グッズの一つバスタオルを持って行った程。感激のあまり泣きそうになっていました(^_^;。

道内での話題は勿論、キヨさん平さん現役時代の話で盛り上がったのは言うまでもありませんが、私を除くと皆さん出入り9日間もの長期間ツーリングになった訳で、改めてビックリした次第。

今日の走行距離 221Km

全走行距離 2402Km
給油量    100.1L
平均燃費  23.99Km/L


9/11

長かったツーリングの仲間達といよいよお別れの時がやってきました。

9日日間、愉しい時間を有難うございました!!

又機会があれば是非ご一緒させて下さい、その時を今から楽しみにしております。有難うございました。


参加者

平松さん


平さん。


金井さん


江口さん


キヨさん


早見さん


クマさん と 金井(奥様)さん