2007 北海道夏至ツーリング
06/16〜06/23

参加者の紹介:
ナベさん:  ガラスメーカーにお勤め(CBR1100XX)
イトーさん: ドクター減りメカニック  (元マー珍CBX)
丸山2さん: 敵対関係にある近所の同業者(F650)
私:                      (R1100S)

道内の走行ルート

1日目6/17
小樽(4:40出発)⇒石狩R232⇒手塩町⇒サロベツ原野(オロロンライン)⇒稚内R238⇒宗谷丘陵⇒宗谷岬⇒猿払村⇒#138⇒豊富#121⇒ #84⇒上問寒⇒中問寒⇒知駒峠⇒中頓別⇒#120⇒歌登町⇒#49⇒名寄市⇒霧立峠⇒朱鞠内湖⇒R239苫前町⇒R232羽幌町 吉里吉里泊。

2日目6/18
羽幌町(9時出発)⇒R239⇒霧立峠⇒R275朱鞠内湖⇒風連町⇒#61岩尾内湖⇒滝上町⇒R273浮島⇒R333北見峠⇒白滝⇒Uターン⇒北見峠⇒愛別町⇒旭川⇒美瑛⇒旭岳温泉 ロッジヌタプカウシペ泊。

3日目6/19
旭岳温泉⇒富良野⇒麓郷⇒R38狩勝峠⇒鹿追⇒ナイタイ高原⇒R241上士幌⇒#88置戸町⇒R242留辺蘂町⇒#103計呂地⇒R238佐呂間 船長の家泊。

4日目6/20
佐呂間⇒R238網走⇒藻琴(渡辺さんと別行動)⇒網走⇒美幌⇒秘密の農道⇒#102藻琴山⇒R391斜里⇒R334ウトロ⇒⇒知床峠⇒羅臼⇒#87セセキ温泉⇒相泊⇒Uターン⇒標津町⇒中標津町⇒開陽台⇒#150裏摩周⇒清里町R391⇒川湯温泉⇒藻琴山⇒秘密の農道⇒美幌峠⇒津別峠 ホテルフォレスター泊

5日目6/21
津別峠(8時40分時出発)⇒美幌峠⇒秘密の農道⇒藻琴山⇒摩周湖⇒弟子屈⇒阿寒湖⇒R240津別町⇒#51陸別⇒R242置戸町⇒Uターン⇒足寄⇒R241芽登⇒R273糠平⇒#85然別湖⇒鹿追⇒池田町 某ペンション。

5日目6/22

池田町(9時出発)#73⇒帯広六花亭⇒#75新得⇒R33⇒狩勝峠⇒かなやま湖⇒R237富良野⇒夕張⇒#74穂別町⇒鵡川町⇒苫小牧東港 新日本海フェリー乗場。



6月16日
毎度のことながら、楽しい行事を控えていると前夜は興奮して眠れない、今年も睡眠は不十分。
3:00AM起床、3:40AM出発。

昨年はのっけから雨の心配をしながらの旅立ちだったのだが、今年はその心配は皆無。
例によって糸魚川からはR8、柏崎からはお気に入りの海岸線を北上し新潟港に向かう。
今年はナビを付けており、その威力は柏崎の市内を楽々ショートカットするところから発揮された。今まで如何に遠回りしていたことか、それも二十数回(・・;。

走り慣れた道でも、残りの距離と到着予想時刻が表示されていると安心して走れる。結局7:50にはターミナル近くのGSに到着してしまった。
例年フェリーに乗る前に寄っている感じの良いGS(シェ留)では給油の後、ここでMCを綺麗にしてゆっくり身支度を整え、フェリーターミナルに向かうのだが、今年もそのつもりでMCを乗り入れると、いつもとは雰囲気が違っていた。
「朝っぱらから来るんじゃネーヨ」というふてぶてしい店員の態度に「ムッ」としながらも、給油の後休憩させて欲しいと言うと、「うちは8時からだから」と拒否されてしまった。後5分もないのにこの応対。それじゃ給油したのは何なの?。

近くのコンビニで購入した朝食を食べながらフェリーターミナルでナベさんと丸山2さんを待っていると、程なくしてナベさんが現れた。
開口一番「シェ留で不愉快な対応を受けた」とのこと。私と同じ段取りだったらしい。バカは相手にせず次回から使わなければいいだけのことだ。

諸手続きや雑談等の、乗船までの一連の諸々はいつもワクワクするひと時だ。
そうこうしている内に丸山2さんが到着して、20日から参加予定のイトーさんを除き、今回のツーリングメンバー3人が揃った。簡単に自己紹介。


左からナベ、丸山2

2等船室はなんと我々3人で貸切!。船の中では昨今の観光事情について活発な意見交換が行われた(笑)。
そうこうしている内に睡眠不足も手伝って眠りに落ちる。

今日の走行距離:225Km

6月17日
小樽港入港のアナウンスで目覚めると、船窓から外の様子を窺う。
久々に雨の心配のない小樽だ。思わずデッキに出て朝日を背に一枚。

朝日に迎えられての小樽入港は多分10年以上振りだと思う。例年より1日多い北海道ツーリングは何だか幸先がよさそうだゾッ。

晴れていると言うだけで気分は上々、テキパキと下船の準備を整えて上陸に備える。
フェリーのスロープを降りてくると、見慣れたMCとライダーが目に入った。北海道に飛ばされたイトーさんと元まー珍ではないかっ。イトーさんとは20日からの約束だったから、4時30分と言う早朝にもかかわらず、思い掛けないお出迎えを受けてなんだか「ジンッ」とする。

Photo by Mr.イトー


銭函駅横のコンビニで軽く朝食タイム。右端がイトーさん。

日曜で会社はお休みだからと思ったら、今日は出勤日なのだが、会社に間に合う時間までお付き合いしてくれるそうだ。
結局小樽から約90Km走った浜益まで付き合って頂き、20日津別での再会を約束して別れた。6発の怪音快音を轟かせて去っていく元まー珍はかっこE−。会社には余裕で間に合ったみたいだ。

此処からは3人で北上する。今までの様に内陸に入らないから、道々106の入り口手塩には9時を少しまわった位で、あっけ無いほど短時間で到着してしまった。

オロロンラインではこの時期定番のカンゾウやスカシユリやハマナスはまだ咲いておらず、少々がっかりだったが、晴れた日でも目にすることが稀な日本海に浮かぶ利尻山が見られたことと、邪魔なガードレール等が無く、緑と青のコントラストが絶妙な海岸線を堪能出来たから、何度も来ているとは言え、やはり此処でしか味わえない気分に久々にどっぷりと浸ることが出来た。


こういう景色と赤いMCはとても似合うような気がするのは気のセー(^^)?


オロロンラインとナベCBRXX。軽くふわわKm/h以上で通過していった。「以上」の部分はとても書けません(・・;

稚内のフェリー乗り場2階の食堂で友人お薦めの「カニ弁当」を購入し、途中のコンビニでお茶を仕入れてから宗谷丘陵に向かう。

カニ弁当(980円位だった)大満足!

それを宗谷丘陵の高台で食す・・・・・なかなかオツな時間です。

マッタリとした昼食摂った後は、お決まりの最北端で記念撮影の行事を済ませ、猿払村から#138を内陸部に向かう。
丸山2さんは吉里吉里に直行するということで、いったん最北端で別れる。ところが豊富大規模草地牧場付近の#121で早くも再会(^^;。僕らは進路を左にとり、知駒峠に向かう。

峠の頂上には見慣れたMCが停まっており、もしや?と思ったら案の定フジワラさんだった。
彼のお薦めでこの峠に来てみたのだが、フジワラご夫妻は今回タンデムではなく、奥様も新車のマジェスティーで来ていた。

知駒峠パーキング

路面状態も景色も見通しもコーナーの曲率も車の少なさ(皆無か?)も全て極上の峠道だった。
中頓別で今日二度目の給油を済ませ、#120を南下する。
峠道をドキドキしながら走るのも良いが、この辺の道はいつ走ってもリラックスできて、MCの爽快さを「コレデモカッ」って位楽しめる。

美深からR275をいつもとは逆に朱鞠内湖→霧立峠→苫前と快走する。大袈裟に言えば、この区間は約100Kmに及ぶワインディングが連続するから、MCで来たからには絶対に押さえておくべきルートだ。初日のエピローグに相応しい道を堪能して、今日の宿泊地である羽幌町の吉里吉里に到着したのは5時30分。此処もフジワラさんお薦めの宿で、入り口では張本人が出迎えてくれた(^^)。

ちょこっと入っただけで何となくいい感じの中庭にMCを停めると、後の段取りは全てフジワラさんによって執り行われた(^^)。助かります。
どんな宿でも始めて訪れる時には多かれ少なかれある種の緊張感を伴うのだが、それとは無縁のリラックスした気分でチェックインすることができた。勿論これもオーナーと言うよりフジワラさんの気配りがあったからだろう(^^)。

丸山2は既に到着していて近所の温泉施設に乱入しているらしい。我々もオーナーが運転するルノーで、その”ほっとはぼろ”に送って貰う。しょっぱい温泉に浸かっていると、今日一日の疲れが綺麗さっぱり落ちていく。

再び迎えに来て頂き、フジワラ夫妻と我々3人とトライクの方の6名で夕食が始まった。
リーズナブルな宿泊料金だけに決して高価な食材を使っている訳ではないが、どれも美味しいだけでなく、もてなしの気持ちがその味に込められているのが良く分かる。
今迄は機能的な面でハズレが少ないという理由で比較的大きめな宿を選んでいたのだが、ウエルカムな雰囲気と言う点ではやはり小規模の宿に分がある。

吉里吉里の夕食 フジワラ氏と

10時頃までダイニングでリラックスした時間と会話を楽しんだ後は部屋に戻ってあっけなく爆睡。

今日の走行距離:728Km

6月18日

4時半頃目覚めると空は怪しい雰囲気になっている。予報では全日程雨の確率が20%以下だったから降ってくることは無いと思っていたら、朝食の頃には雷を伴った雨になってしまった。「オイオイ話が違うじゃん」といった所。

雨じゃ予定ルートを走れる訳ではないから、諦めてゆっくり朝食を頂く。ところが食事が済む頃にはすっかり雨雲は過ぎ去って青空が顔を出したではないか。普段の行いが善いとこれだもんね〜(^^)。ところがこの雷雨は後に起こる事態を暗示していたのだった(・・;


1981年から撮り貯められているという吉里吉里のライダーズ年鑑は有名だが、我々もその末席を汚すべく写真に納まった。

この年鑑はモーターサイクルの変遷を検証する上で、ライダーにとってだけではなく、それ自体が時代の空気を固定していると言う点でとても貴重な資料になり得る。
きちんとファイルされた仕事振りからはオーナーの性格を推量することが出来るし、ページをめくる度に漂ってくるそれぞれの時代の空気は、それを感じる為にだけでも吉里吉里を訪れる価値はあると思う。

今日は旭岳のロープウエイ乗り場にある宿”ロッジヌタプカウシペ”に集合ということで自由行動。
丸山2さんとは此処で帰りのフェリーまで暫くのお別れ、道中の無事を祈る。未だウエットパッチが残っているR232を、三々五々それぞれのお気に入りルートに向けて出発して行った。

今日は士別→滝上→白滝→留辺蘂→足寄→鹿追→狩勝峠→富良野→美瑛と、大雪山系を大きく時計回りで旭日岳温泉に向かう予定。

9時20分出発。予定通り昨日も走ったR239→R275のワインディングを楽しんでから、朱鞠内湖から風連町に下り#101を岩尾内湖→#61を滝上町に向かう。
この#61はツーリングマップルのコメントに「交通量皆無のワインディングロード」とあるが、いくらなんでも「交通量皆無」ってのは言い過ぎだろう(^^)。ただし岩尾内湖から滝上町までの約50Kmで対向車は3台だけだったから、あながち大袈裟とも言えない。

清浄なフィトンチッド?を浴び、路面状態の良い上紋峠付近のワインディングを楽しんで、言い様の無い幸福感に包まれた頃、滝上町に到着。
此処は最近必ず通過する町になっていて、その目的は芝桜が見事だからだ。
見頃はとうに過ぎているとは思っていたが、オロロンラインの開花が遅れていたこともあり、「もしかして?」との期待はやはりハズレだった。

いつものGSホクレンで給油を済ませ、R273を浮島峠に向かう。
浮島から白滝までは旭川紋別自動車道が無料開放されているが、勿論そんな道は走らない。当然R333の北見峠を越えて白滝に向かうのだ。
久し振りに走る北見峠のワインディングは、純粋にコーナリングを楽しめると言う意味では最高に楽しい。快晴の空の下を心行くまで味わい尽くし、白滝側に下り切った辺りで時刻を確認すると既に12:30の表示。

一旦MCを停めて地図を確認すると、北海道とは言え、当初の予定ルートではとても宿に迷惑の掛からない時間帯に辿り着くとは思えなかったので予定を変更することにした。勿論層雲峡→士幌コースでも右回りルートでは無理だろう。
Uターンして今日は旭川の旭山動物園見学、続いて美瑛の丘満喫コースというバス団体旅行定番仕様?(^^;に急遽変更した。

この極上のワインディングを往復楽しめると思えば予定のルートを辿れない位ドーってことはないし、たまにはマッタリとした観光もEーかな?と本気で思ってしまった。ついに焼きが回ったか?(^^;。

再び上り始めてコーナー3〜4っつ目位をまさに絶好調で立ち上がり掛けた時、リヤ周りからいきなり「コンッコンッゴンッゴンッゴンッ」という様な異様な音が発生した・・・・・「ん!?

次の瞬間、リヤタイヤがフロントタイヤを追い越すのではないか?と思うような暴挙に出たのだ。
勿論スロットルは戻し、クラッチもレバーが曲るほどの馬鹿力で握りしめているにもかかわらずだ。「何するんじゃ〜」なんて抗議する余裕なんかこれっぽっちも無い。
尻を左右に振るR1100Sの上で頭に浮かんだのは「何が起こったのか?」では無く、「上陸たったの2日目で終りか?(T_T)」だった。


停止するまで、多分2〜3秒、尻振りだって2〜3回程度の短時間だったと思うが、とにかく転倒だけは免れた\(∩∩/。いまだにどうして無事だったのかは分からない。

案の定後輪がロックしているから停止した位置から移動することは出来ない。仕方なく車線の上でセンタースタンドを掛け(タイヤがこれっぽっちも動かないので力任せ)原因を探ることにした。
車が来たとしても左コーナーが終わって20m程度は離れている場所だから、ブラインドであっても多分発見が遅れて衝突されることは無いだろうと勝手に解釈する。

それでも衝突が心配で、ドキドキしながらトラブルシューティングに掛かる。
何処が壊れたのかさっぱり分からないが、激しく動揺しながらも尋常なトラブルでは無いことだけは既に理解している。
エンジンは停止するまで動いていたから多分大丈夫として、ギヤボックスか?ファイナルギヤケースか?あるいはドライブシャフトか?。

クラッチを握りエンジンをかける。吹けも良いし異音も無し。
何速かに入ったままの状態でクラッチを繋ごうとしても後輪が回らないからエンストしそうになる。幸いギアは1〜6速まで問題無く行き来出来る。
ニュートラルを出し、クラッチを繋ぐとエンジンは正常に回り続けるから、常時噛み合いのギヤボックスは壊れていないような気がする。

エンジンを停め、後ろにまわってファイナルギヤケース周辺を観察する。外観からは異常は見られないのに、タイヤは接着剤でガッチリ固定されたかの様にピクリとも動かない。ファイナルドライブのギヤが欠けてそれが何処かに噛み込んだのか?。

諦めてBMOJのレスキューを呼ぼうと思った時、リヤブレーキのフローティングベースに何だかバリみたいなものがあるのを発見。あまりに小さいのでうっかり見落とす所だった。
「ナンだ?このバリは」と、隙間から覗き込むと、ブレーキディスクの取り付けボルトが抜けてフローティングベースに食い込んでいる!。

原因が分かると安堵で思わず座り込んでしまった。残り5日間のツーリングは諦めて無意識のうちに帰る算段に取り掛かっていたからだ。

段取りは分かっている。キャリパを外し、ホイルを外し、ディスクボルトを締め、元通りにするだけの簡単な作業だ。
早速修理に取り掛かる。ンガッ・・・・今度はキャリパが外れない。
キャリパとファイナルギヤケースの隙間にプラグレンチを突っ込んでコジルものの全く動かないのだ。動かなくて当然なのだが、その時は冷静さを欠いていたからいやな汗が噴出す。

直ぐにホイルのボルトを緩めれば良いことに気付くものの、やはり異常事態が発生した時の自分の心理状態は、あまりほめられたものでは無いことが理解できたと同時に、漸く写真を撮る余裕も出来た。



ボルトによって削られたフローティングベース。まるでフライス盤で加工されたような輝き(^^;



緩んで頭を出した沈頭ボルト。むしれたアルミが食い込んでいる。



R333北見峠付近で店を広げるの図。

万一ディスクのボルトが緩んだ時の為にと、車載ツールの下にはT40のトルックスレンチを積んでいたのだが、9年目にしてその万一の時が訪れた訳だ。
抜けたボルトは勿論、他の4本もことごとく緩んでいた。抜けなかったのはロックタイトの効果だろう。

手早く且つ慎重に修理を済ませたつもりだが、フローティングベースのバリを削り落とすのに時間が掛かってしまった。マイナスドライバをタガネの代わりにして、ホイルレンチで叩くのは厄介だった。

修理を終え、MCが元通りに機能することを確認した後、異音が発生した殆どその瞬間にロックした原因を考えたみた。
異常な音は普通だと徐々に大きくなって、大抵大事に至る前には対処出来るからだ。

フローティングベースを観察すると、最初にボルトが接触したのは上側からというのが分かった(写真)。多分、徐々に緩んで抜けてきていたボルトがフローティングベースに接触した途端、急激に緩む方向に回されたと見るのが妥当だろう。原因が分かるとなんだか安心する。

ロックタイトはまだその機能を完全に失っている訳ではないから、時々チェックしていれば大丈夫だろう。キチンと組み直すのは帰ってからにすることにした。

それにしてもこのボルトの強度には驚く。たった8mmなのに頭に傷が付いたとは言え、びくともしない頑丈さには呆れる。常識的にはこんな状態になればもぎ取れて再使用は不可能だろうに。それにファイナルギヤケース側のキャリパ取り付け部分も同様に頑丈で、クラックらしきものは確認出来なかった。

トラブルが発生してから修理完了まで丁度30分を要したが、その間幸いにも一台の車も通過しなかった。皆新しく出来た旭川紋別自動車道を使っているのだろう、交通量の多い道だったら自分の命が危なかったところだ。

再び荷物を載せ、忘れ物の有無を確認して走り出すと、R1100Sは何事も無かったかのように快調に峠を下った。
R273の途中から旭川紋別自動車道に乗り、愛別で降りる。旭山動物園に向かう為だ。ナビの指示どうりに進むだけで動物園には北見峠から一時間程で到着した。

平日だと言うのに有料の臨時駐車場が出来、大勢の係員が車を捌いている。MCは無料駐車場に案内されたのだが、あまりの人の多さに見学は断念して美瑛に向かった。ここは日を改めて見に来ることにしよう。

途中旭川空港の近くでボルトの様子をチェックする。ホイルを外さないとレンチであたる訳にはいかないから、目視とドライバで叩いて緩みの有無を確認する。多分大丈夫(^^)。

雲の形が子供の頃の夏を想い出させ、ジンとするひと時。

それにしても・・・・ディスクを交換してから35000Km近く走っているのに、何故今頃になって緩んだのかは謎。勿論ロックタイト243を使用している。

考えられるのは今使っているパッドで以前に一度、最近では四国ツーリングの時も含め、4度ベーパーロックを起こしていることと何らかの関係があるのかもしれない。

9万キロの間に他のパッドではそんなことは一度も無かったから、ベーパーロックはこのパッドに特徴的な現象なのだろうか?。
熱がロックタイトに影響したか?・・・・んなことはないか、・・・・ブレーキは元来運動エネルギを熱に換えて大気に逃がす仕掛けだから熱くなって当然なのだ。ん〜分からないな〜と悩んでいるうちに美瑛に到着した。

美瑛のセブンスターの木の丘は今度こそ完全に終わっていた。

この地を初めて訪れてから、再訪する度に感動が薄れていくのは、次第にこの景色にマヒしてしまったからでは無いような気がする。
此処には赤いバスの向こうに見えるセブンスターの木と名付けられた一本のカシワの木があるだけだった。
遠目から見る丘と、そこに立つ一本の木だけで、北海道を実感出来た時の感動はもうここには存在しない。他人様の都合に口を挟むのは大きなお世話なのだが、関係者の愚かさは哀れにさえ思える。
土産屋や駐車場を作るのなら、傍目には適当な場所は他にいくらでもあるように思えるし、少なくとももっとずっと下だろう。

バスは当然エンジンを掛けっ放しでガラガラとうるさいし、これに似た光景は此処に限らず日本全国共通なのだろうし、自分の住む白馬村だって例外では無い。なんだか絶望に近い感情が頭をもたげはじめた。

オレはいったい何を観に来たのだろうと、ふと我に返って丘の探検に取り掛かることにした。手当たり次第走り回っていると美しく静かな場所は他にいくらでもあった。


美瑛


広大な丘を開拓し、自然と共存している人間の仕業には改めて尊敬の念を抱く。この風景は、勿論人工的なものではあるが、人間が自然に関わってこそはじめて醸し出せる美しさだけに尚更感動するのだ。

北美瑛から旭日岳温泉に向かう途中、偶然にもナベさんと合流した。此処からは一緒に走る。
ヌタプカウシペへのアプローチには巨大なロックフィル式ダムがあった。用途は不明だが、そのお陰か道路は綺麗に整備されていて走り易い。快適なワインディングがロッジの手前まで続いていて、昨日に引き続きまたしても一日の締めくくりとしては最高のシチュエーションだった。


ロッジヌタプカウシペ。今日もフジワラさんお薦めの宿だ。


お出迎えは昨日に引き続きフジワラさん。

ここの凄さはとても文章には表せない。コダワリとはバランスを欠くものだとしても度を越している(・・;。
オーナーの自然への畏敬の念が、殆ど情念とも言うべき精神性を伴ってロッジ全体を構成している。とは言っても、それによって醸し出される圧倒的なホスピタリティーは、具体的な形で表現されているから誰にでも理解出来る筈だ。

例えば、客室のドア一枚だけでも絶句してしまう程の説得力を持って迫ってくるし、露天風呂に至っては感動という言葉さえ薄っぺらに思える程だ。もうなにも言うまい、ただただ驚くばかりだ。

宿屋のことについては、充分知リ尽くしたような顔をして60年近くも生きてきたのに、なんて自分は無知だったのかと、愕然とする思いに打ちのめされたのだった。

夕食は山菜を中心にした質素なものだが、その山菜だって此処に住む動物達と自然からの恵みを分かち合っていると言うオーナーの姿勢だから、何処かの強欲バ○゙ーのように、見つけたら最後根こそぎ採って行くようなマネはしない。あくまで次回の収穫が安定的に行えるだけの「必要量」に限られるのだ。

そうして大切に保護され、丁寧に収穫されたギョウジャニンニクの醤油漬けは、たったそれだけでご飯数杯はおかわり出来ると言う高脂血症患者にとっては恐ろしいシロモノだった。

腕はフジワラさん対面は奥様とナベさん。鵡川(オーナーの出身地)のシシャモと根曲り竹。


殆ど丸太で出来た重厚なベッドの中で、「今日は大変な一日だったなー」とか「あれがコーナリング中だったらシャレにならなかったなー」などと考えてしまった。幸運を神に感謝しながら、フクロウになったような気分で眠りに落ちた。



今日の走行距離: 442Km

6月19日

6時半頃目覚める。睡眠はたっぷりだし、何しろ昨夜の温泉は能書きの文字通り疲労を回復してくれたから、朝食の前に旭日岳ロープウエイの乗り場まで行って見ようと言う気にさせる。
清々しい空気と快晴の空の下、旭日岳はクッキリとその姿を見せてくれた。

旭日岳ロープウエイの乗り場

宿に帰り、中○製の原材料不明&イカガワしい添加物テンコモリの朝食バイキングを有難がる激安ツアーの○○達には、多分その意味も価値も理解できないだろう朝食頂き、山菜取りに向かうオーナーを見送ってから出発する。名残惜しいな〜。


客の出発を待たず、「んじゃバイバイ」と、根曲り竹を採りに行くオーナー(右)と半分以上従業員にされちゃった客(左)。両人ともいい味出してるね〜(^^)。

今日は本当に久し振りにカニを食べに行くのだ\(^^)/。
面白いワインディングを下り、出来たばかりだと教わった忠別ダムの脇を快走し、美瑛に向かう。
しかし、この広大な水面の下には、つい最近まで多くの動物や直物が生息していた訳で、彼らを追い出し息の根を止めてまで、大規模に自然を破壊するに見合うメリットとは何かを、こういうインフラに遭遇する度に考え込んでしまうのだ。同じような結果を得たいならもっと他に方法は無かったものか?と。

上富良野からは富良野の市街地を迂回するべく麓郷方面に進路をとり、思いがけず快適なワインディングを楽しんでR38に出る。

麓郷付近のナベさんとR1100S

「北海道にしては暑いな〜」などと、贅沢な不平をかこちながら、快晴の空の下を狩勝峠方面に向けて快調に駆け上がる。但し、この辺りの道はあまりにも快適過ぎて、なんだか危険な罠の匂いがプンプンしているから注意深く走る。ナベさんはさぞかし退屈だったことだろう。

久々に快晴の狩勝峠から十勝平野を展望して観光気分に浸る(^^;。
新得で左折し、鹿追からナイタイ高原に向かうと、レストランまでのアプローチは以前と変わらず「愉快、爽快、ラグナセ快?^^」ってなもんで、やっぱり来て良かったと思うのだ。

ドライでさえあれば、景色も道も楽しめるナイタイ高原。

レストランでは可も無く不可も無い昼食を摂ってから一路サロマ湖に進路をとる。
芽登から#88を北上して置戸町に通じるこの道は、一昨年SRXで南下した時に通っており、北海道基準に照らしてもその交通量の少なさは、のんびりした森林浴気分を味わいながら走るには向いていると思ったから、今回のツーリングではは最初から此処を走ることにしていた。

のんびりとは言っても、約60Kmの区間には適度なワインディングが散在するから勿論走りだって楽しめる。あっという間に置戸に到着。
留辺蘂から#103でそのままサロマに向かうのも芸が無いので、ナベさんと相談の上若佐の交差点を左折し、武勇峠を越えて計呂地からサロマ湖沿いに船長の家に向かうことにした。

考えてみれば、このサロマ湖沿いのR238はもう随分走っていないことに気付く。変哲の無い国道でも、20年位前家内と一緒に走った頃を想い出してセンチ麺樽な気分になる。


途中のキムアネップ岬に寄ってから船長の家に到着。


宿の前の駐車場で気になっていたリヤタイヤを観察すると、随分減りが早い様な気がする。

家を出る前には残溝3.1mmだったから、充分北海道を周ってこられると思っていたのだが、この分だと北海道ツーリングで丁度使い切ってから新品に交換すると言う目論みはハズレそうな気がしてきたゾッ、段路負D221ツーリング用タイヤ(・・;。


ビフォー


アフター
夜の帳もおりて、すっかり出来上がったナベさん。幸せなひと時です。

左のナベは生きたままの毛蟹を入れてジワジワ蒸し殺すと言う、なんとも単純且つ残酷な調理方法で、これには・・・・・・!となってしまったが、食べた後のタラバの味のなんと淡白なことか。やはり毛蟹は美味しかった。

食べ切れないからと、隣の席のご夫婦からカニシャブを頂いたりした(勿論自分の分は処理済み^^)ものだから、下手に動こうものならカニが逆流してきそうな危ない雰囲気。

対面の一角で盛り上がっているグループを除き、あまりの静けさに宿泊客は数組だけかと思って振り向くと、平日にもかかわらず、食堂はザッと見渡す限り100人位で満杯だった(大汗)。

食事だけでほかの事は黙らせる説得力も、これはこれで凄いぞ!”船長の家”。
初めて訪れた時の素朴さも良いが、今風?に増築された客室部分は当時と比べて快適度が向上し、我慢を強いられないという意味では歓迎できる。

部屋に戻り布団を敷き横になると、タイヤのことが少し心配だったが、大量のカニ攻撃に加えてビール630mLの乱入もあり、覚醒系には既に深刻なダメージを受けていたから、あえなく撃沈してしまった。


今日の走行距離: 417Km


6月20日
目覚めると空は怪しく曇っている。昨日気になっていたタイヤを調べているうちにポツリと雨粒が落ちてきた。しかし今日向かう南東の空は辛うじて明るいから、降られたとしてもたいしたことは無いだろう。

朝食は普通の宿だったら、「これがイワユル正しい夕食ジャン」と言った所。それもかなりのボリュームと美味しさだから朝から驚かされる。

今日は網走から斜里を通り標津に抜けて知床半島を反時計回りに周って津別峠に向かう予定だ。
宿を出て直ぐの場所にある能取岬は、アプローチの一部がダートなのでトレッドが薄くなっていることを考慮して、今回は断腸の思いで(^^)割愛することにした。

網走の町を過ぎる辺りで薄々は感付いていたリヤタイヤの、細かな凸凹に弾かれるような「ビリビリ」とした感触がドーモ大きくなって来たような気がしたから、藻琴駅前で停車して調べてみることにした。


出発時点でウエアインジケータは、辛うじてとは言うもののそれでも溝の中に納まっていたのだが、サロマ湖を出発して未だ50Kmも走っていないのに、トレッドは「ナンジャコリャー」と言った景色を見せていた。

ウエアインジケータが露出した位では当然ツーリングを続けるつもりだったのだが、トレッドコンパウンドが終わり、下地の茶色っぽいゴムが露出してしまったのではそんな訳にはいかない。
ここ数日の様子では、まるで二次曲線的な減り方をしたことになるから、このままで後1500Km以上走れるとはとても思えないし、何より危険過ぎる。

ツーリング向けという事で、耐摩耗性が高く作られていると思って選んだタイヤなのに、それが1500Kmで3mm近くも減ったんじゃサギに遭ったみたいなもんだ。おちおちロングツーリングには出掛けられなくなる。そう思うと余計な出費を強いられることもあってなんだか腹立たしい。

ナベさんには予定通りのルートを走って頂き、自分はタイヤ交換の為に別行動をとることにした。
網走に向けてUターン。ナベさんと別れ、タイヤの延命を図らなくても良いと思った途端、いきなりスロットルワークが活気付く(^^;自分のゲンキンさにはホトホト呆れてしまうな〜(汗)。

時刻は9時をまわった位だから、バイク屋さんはまだ開いていないだろうし、それなら網走で探すよりいっそのこと北見の方が確実に見つかるだろうと、急遽北見に行くことにした。

美幌で北見方面に右折すると、右手に”ナショナル自転車”の看板も眩しい”サイクルセンター大嶋”が目に入った。

眩しいのは看板が新しいという理由だけでは無く、思いがけず容易にバイク屋さんが見つかったことで、暗雲立ち込めそうな先行きに光が射した気がしたからだ。

早速「150から170で60/17、何でも良いですからタイヤありませんか?出来れば中古!!」
中古を希望したのは新品を購入する持ち合わせも無いし、何より出掛ける前に行きつけのバイク屋さんにBSのBT021を注文してあるからだ。

誠実そうな店主は「んー〜ッ」と唸ってから地下に降りていくと、しばらくしてタイヤを3本抱えて上がってきた。2本は160の願ってもないサイズなのだが、明らかに中古で山は3〜4分と言ったところ。後1500Kmはもつかも知れないが、今晩からの乱入者のことを考慮すると心許ない。

後の1本は10Km程度使ったと言う新品状態の170サイズ。左側が酷く傷付いているのはオーバーサイズでチェーンに接触した為らしい。溝はたっぷり6mm位はある段路負D208ハイグリップ系のタイヤで、これを頂くことにした。
交換工賃も含め諭吉一枚と消費税分のワンコインで済んだのは不幸中の幸いか?あるいは3〜4分山を半額が正解だったかはいまだに分からない(^^;

BMWも沢山扱っていると言う店主の仕事振りは、これぞプロ!!と言う手際の良さで、それこそあっという間に交換完了。但し、ブレーキキャリパに付いた疵に気付いたものの、「見ないことにしちゃおう」というプロの良心が成せる動揺は見逃さなかったゾ(^^)。

ハイグリップタイヤの使用上の注意を受け、秘密の農道に向けて慎重に走り出す。
言われるまでも無くセンター以外は全くの新品だから、慣らしの作業は馴染みの無いハイグリップ系だけにけっこう緊張する。店主には「温まらないと滑る滑る」と散々脅されているからなおさらだ。

秘密の農道も残念ながら慣らしで終わった。この位ならもう大丈夫だろうと触ってみると、タイヤの温度もツーリング用に比べると高いような気がする。そして既にこの時点で減りの早さがハンパでないことを知る。

例によって#102で藻琴山に登り、R391の野上峠の回り込んだコーナーで思い切って寝かし込んでみたら、なんだかハイグリップタイヤの様な気がしてきたゾ・・・・・・ホンマカイナ^^。

斜里からはR244を左回りし羅臼側から知床峠に上るルートは諦め、素直にR334でウトロ⇒知床峠⇒羅臼と進むことにした。そうすれば本来のコースを辿るナベさんと合流出来る可能性がある。

案の定羅臼側に下り始めたところでナベCBRXXとすれ違う。そのまま下りて左折し、知床半島の相泊まで行くことにした。そこがどうなっているのか知りたい野次馬根性が行き止まりまでMCを走らせた。
始めて訪れる行き止まりはやっぱ行き止まりだった(^^;。


此処が行き止まりのアイドマリ
手前の有名なセセキ温泉は今は入れないらしい。でも道中は何となく趣があって来て良かったと思わせてくれた。

踵を返して、さっき通過した有名なヒカリ苔を観にいくことにした。大きな岩の隙間に生えているそれはとても神秘的且つ見事なものだった。


黄緑色の光を放っている様は神秘的。

次第に雲行きが怪しくなってきたので、デフォルトとも言うべきルートを、それこそ駆け足で周って宿に向かうことにした。
標津町の手前で一寸した事があったものの、中標津町⇒開陽台⇒裏摩周、清里町から川湯温泉に向かう途中で本格的に降り始めた為にレインウエアを着た位で、雨でもすこぶる順調。これもタイヤが新しくなったことで、コジらないと寝ないトホホなハンドリングから、一転して素直な挙動を取り戻したからだ。

秘密の農道ではマタマタナベさんと再会、今度は一緒にホテルに向かった。美幌峠⇒津別峠と最後のワインディングを楽しみ、フォレスターに到着したのは5時30分。玄関のポーチには既にイトーまー珍CBXが到着していた。

タイヤは「マルケジーニのホイル付き中古を1樋口一葉で買った(イトー談)」←不愉快(T_T)。
新品に近いD207が装着されていたから、タイヤのみタイ米諭吉一枚はたいて買った人の立場はドーなるの?と言う深刻な問題は先送りするとして、D208の選択は正解だったことになる。


再会を祝して大宴会に突入!!?^^。

3日連続で超個性的な宿泊が続いたから、こういうバランスの取れた宿はなんだかホッとする。
いつものようにナベさんとの楽しい会話に加えて、イトーさんの乱入は当然ながら楽しさが倍増する。よくもマー話題が尽きないことだコト(^^)
今日はタイヤ交換以外にもいろいろあったから(^^;、なんだか一日がやけに長く感じていたが、やはり楽しい時間はサクサク過ぎて、あっという間に寝る時間になってしまった。

今日の走行距離: 542Km


6月21日

6時起床。朝っぱらから贅沢にも露天風呂に浸かり、朝食までの時間をマッタリと過ごす。
上陸して以来、気の済むまで走って食べて寝て、また気の済むまで走って・・・・・を繰り返している訳だけれど、どんな美味しい料理より景色より、つくづくMCに跨っていられることが幸せに思える。

ツーリングという行為は走ること以外にも様々な要素で構成されている訳で、通常はその ”以外の要素” とのバランスを考慮するのだが、北海道に限っては何度来ても著しくバランスを欠いていると思う。
しかし自分はそれで良いと思っている。バイク乗りが ”以外の要素” に重心をシフトする時は、多分MCと疎遠になるか、あるいはMCが ”以外の要素” の為の小道具に成り下がる時のような気がするからだ。

「ひたすら走る」ただそれだけで充分なのだが、それを安全に続ける為にも、心身共に疲れを癒す場所としての宿は重要な位置づけになる。
張本人である宿屋のオヤジがエラソーに述べるのはとても僭越なのだが、その意味では今朝までの宿はそれぞれ個性豊かで充分過ぎる内容だったと思う。こう書きながら、はたしてアルピーヌはどうなのか?と考えた時、実は物凄く凹んでしまうのだ(^^;、原因はヌタプカウシペが凄すぎたからに他ならない(T_T)。



ホテルを8時40分に出発、再び津別峠を越えて美幌峠から秘密の農道に向かう。
今日は池田町まで行くだけだから、津別峠を降りたら弟子屈に直行すれば良いのに、選りによって屈斜路湖を時計回りに周るのは、昨日ウエットできちんと走れなかった秘密の農道と、藻琴山のワインディング、それと摩周湖第三展望台への登りを愉しむ為に他ならない。
忘れちゃいけないのは・・・・・誰も忘れていませんが?(^^;・・・・今日からイトーさんが加わったから尚更ワインディングは欠かせないのだ。

スティディーナベも今日は本気モードで3台のシンクロナイズドツーリングが始まった。
宿を出発してから川湯温泉のGSで給油するまでは、書いちゃいけない位の短時間だった。原因は当然元マー珍と本気モードのCBRXX。

満腹のR1100Sはいつもそうなのだが、極端にマッタリとした動きになって、元マー珍に煽られながら摩周湖第三展望台へ駆け上がるにはお尻がムズムズする。
でもタイヤを新品に換えていたお陰で、自分のライディング以外には不安なく愉しめたが、今度はフロントが逝きかけている(;;)。

弟子屈からは阿寒横断道路を阿寒湖に向けて走る。
ワインディングをタップリ楽しんだ後だから、うっかり調子に乗ってそのままの勢いで行ったら猫のエサになるのが落ちなので、直線部分はさっきまでのクールダウンと言うか、直ぐに始まる絶好のワインディングに備えてコンセントレーションを高めると言うか、とにかく法定速度付近で流す。

双岳台の手前から始まる回り込んだコーナーが連続する阿寒横断道路は、シーズン前で観光バスや車も殆ど走っていないから、MCを寝かしている時間が「これでもかっ」って位長く楽しめて、やっぱ最高に気持ちいい。

観光地巡りをしている訳じゃないから、阿寒湖は当然スルーしてR240を津別方面に向かい、道の駅相生で今日初の休憩を摂る。気温は30℃を超えているんじゃないかと思う位暑くなってきた。春秋用のジャケットだから停止していると汗が噴出す。
北海道は夏至近辺しか知らないが、20年位前は寒かった記憶しかないから、ここ数年随分暑い日が多くなったと思う。

本岐で#51に入り陸別を目指す。この道も交通量が少なく快適に走れるから、美幌方面から足寄に向かうにはとても便利。
陸別の道の駅オーロラタウンは、一昨年まではふるさと銀河線の本物の鉄道の駅だった。

駅舎。この道の駅にはレストランは無く、近所のコンビニでサンドイッチを買ってきて昼食にする。軽めにしたのは今日宿泊する某ペンションのオーナーからその旨のアドバイスをされたから。

10年位前、まだ銀河線が再生の夢を乗せて走っていた頃、この二階に併設されているホテル部分に一度泊ったことがあったから、廃線になってもまだホテル部門が存続していたことが、懐かしさとともになんだか無性に嬉しかった。

以前R242を走った時、廃墟にしか見えなかった小利別の町が、本当はどうなっているのか確認してみたかったこともあって、北上南下を繰り返した挙句、再び置戸に向けて北上を始める。この国道もやはり交通量は皆無に近い、快適を通り越して薄気味悪くなる位だ。

小利別に差し掛かると進行方向の空は怪しい暗雲に覆われている。ぐずぐずしていると置戸から再び南下する#88に入る前に降られそうな気がして、肝心の小利別はパスしてペースを上げる。
置戸まで後僅かの池北峠付近で、ついに前方の黒さを増した雲の中で稲妻が走り始めた。雨だけならそのまま突入するのだが、相談の上ここは潔く引き返すことにした。

おかげで一度はパスした小利別の街を見学することが出来た。

小利別駅
ふるさと銀河線として再生を目指した時に新築されたのだろう、モダンな建築の駅舎と、今はその存在理由を失った線路とのコントラストが、旅情と言うにはあまりにも物悲しく映る。
自分の住む白馬村だって同じ道を辿る可能性は少なくないと思うと、とってもブルーになるのだ。

かつて市街地だったと思われる駅周辺の廃屋を見る限り、うち捨てられ忘れられた廃墟だとばかり思っていた小利別にも、まだ此処に暮らす人が残っていたのには驚いたが、雨粒も落ちてきたので、心の中で「ガンバレ!」と叫んでそこを後にした。

雷雲から逃げるように南下し、陸別から足寄に向かう。南下に伴い空は明るさを増して足寄では再び暑い位になった。
芽登からは#468を西北方向に進むものの、やはり北東方向からは雨が近付いてきて、ついにパラパラと当たり始めた(・・;。
しかし西の空は明るいからペースさえ上げればしのげるだろうと、ついついスロットル開度が大きくなる。

目論みは的中して濡れずに糠平に辿りつくことが出来た。然別湖に向かうべく、北海道には珍しいタイトなワインディングが連続する#85に入ると、それまで辛うじてドライだった路面がウエットに変わった。前方の空には雨雲の塊が見えるから、雨が止んだ直後を走っていることになる。

その黒い塊に「どうか追いつきませんように」と祈る気持ちで走っていると、湖畔の一番タイトな部分に差し掛かった辺りで、ついに雨雲の下に突入してしまった。
幸い木の枝がトンネル状になっていたから、レインウエアを着るには都合が良いので停止すると、ナベさんが「この先にホテル街があって休憩場所もあったと思う」ということで、もう少し走ることにする。と、停止した場所からはカーブ一つ曲った先に糠平温泉のホテル街があった。笑えた。

庇になる場所を物色したが適当な場所が見当たらないので、トンネルの入り口にMCを突っ込み、時刻もまだ3時半だし、池田まではそう急ぐ旅でもないから少し休憩することにした。

そうこうしているうちに雨雲は先に行ってくれたらしく雨は止んでしまった。うっとおしいレインウエアを着なくて済みそうだから「ナダンカついてるね〜^^」。

此処から某ペンションまでは完全にナビに頼る。
出発すると再び雨雲に追いついたり先に行かせたりしながら、なんとかレインウエアを着ないで宿に辿りつくことが出来た。もっとも用心深いナベさんは途中で着たけど(^^)。

実は今回の旅で一番期待していたのがこの某ペンション。
着くなり「ここ宿ですか?!」←ファーストインプレッション。

いやな予感は的中した。
派手な化粧と場違いな衣装(飲み屋だったらOK^^)のおばさんは、客が用事でも長電話を止めないし、通された和室?には薄汚いカーペットが敷かれているし、寝具類は悲惨だし(案の定ダニに食われた)、風呂は家庭用の24時間風呂だし、食堂には外来の食堂も産直屋もやっているというだけあって、ダンボールが無造作に置かれているし、宿泊料は前金だし、オーナーは「じゃりん」という旅の雑誌だかネットだかの人気投票で「うちが一番」だか「六番」だかになったってことを自慢し続けているし、「私らプロのシェフは」が口癖のオーナが作った?(笑)らしいカニの料理がこれだ・・・・し、
ワンッツッスリッ(^^;


3人でこれだけ。ネットの写真とは大違い。
ピースサインもなんだか悲しげ。アレンジした私がワルウございました「ゴメンなさい」。

勿論カニはカニだからそれなりに旨かったしお腹も満たされたが、こういうのは普通料理とは呼ばない。海沿いによくある露天のカニ店レベルか?。

何か訊く度に長々とウンチクをたれる自称オーナシェフ(笑)にも参ってしまうから、我々は勿論、他に宿泊していたもう一組のカップルも、多分「じゃりん」の内容にだまされて期待に胸を膨らませて来たのか知らないが、ガイドブックと現実との齟齬に直面して?どんどん無口になっていった。

こういう時はさっさと寝るに限る。
ちなみに、この ”一応宿泊設備もあるカニ屋” は今回の旅の中で最高額だった(泣)。
酷評するのは、黙っていれば我慢もするものの、宿屋の心も知らずに(そんなことは目が節穴で無い限り分かる)、宿と料理人について語るからで、決して同業では無いと思ったからだ。

ネットの”じゃりん”の書き込みを鵜呑みに参考にして、且つ勝手に想像を膨らませて予約した訳だから、判断が「アマ〜〜イッ」のだが、本当にああいう書き込みには参るね。なんだか終盤にきて盛下がってしまいま〜す(^^;


今日の走行距離: 469Km

6月22日
昨夜は宿について自分のことは棚に上げて、ひょうたくれ気取りになってしまったことを深く反省。人それぞれ嗜好は違うから自分の基準で決め付けるべきではありませんでしたね。

戒めの為に信州元善光寺の「つもりちがい十ヶ条」を思い出して本当に反省。
一部抜粋:
高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位
深いつもりで浅いのが知識
浅いつもりで深いのが欲望
厚いつもりで薄いのが人情
薄いつもりで厚いのが面の皮


っていうのがあって、笑えるけど笑えないと言うシロモノ(^^)反省反省。

今日はとうとう北海道最後の日になってしまった。気を取り直して食堂に行くと、朝食の準備は整っていた。但し小学生の女の子でも、もっとマシな料理は作るだろう?とてもじゃないがシェフともあろうお方が料理したとは思えない・・・・・・イカンイカン・・・・人それぞれ嗜好が違うってこと忘れてました(^^)。

今日は苫小牧までだから急ぐことは無いにしても、マッタリと時間をつぶす気分にもならないから、六花亭の開店時間に合わせて出発は9時前にした。
準備をしていると、まー珍のタイヤがやけに減っていることに気付く。

ゲッ!フォレスターで見た時はまだバッチリ溝はあった筈だぞ!あれからたったの469Kmしか走っていないのに凄すぎません?。乗ってる人が悪すぎ?。減りが早過ぎると思ったD221が全然マシに思えてしまった。でも驚くのはまだ早かったのだ(^^;。

そして自分のD208はと言えば、これまた同じ様な勢いで減っていたが、とりあえず溝はたっぷりある。それもその筈、交換してからまだ860Kmしか走っていないからだ・・・・・でも精々後1500Km位か・・・・っつーことは2500Kmでおしまい?。
「!!スゲータイヤだこと〜〜」と呆れケーりながら帯広の六花亭に向けて出発した。

六花亭までは当然ナビに頼る。お店で定番のバターサンドを注文/発送の手続き済ませた後は、またまたナビに頼って新得方面に向かって裏街道をひた走る。

お陰でR38を通っていたんじゃ金輪際出会えなかっただろう清々しくて、まるで風景画の中に迷いこんだかと錯覚しそうな景色の中を、モーターサイクルに乗れる喜びを噛みしめて走る。
屈足のホクレンSSでは、昨年貰えなかったチャリティーキャンペーンの地図をフルセット(3部)頂けたし、なんだか今日はついている気がする。

南富良野からはかなやま湖の脇を通ってR237から富良野に向かった。
富良野には丁度12時に到着したから、昼食は昨年ラーメンを食べて感激した店で今年も食べることにした。

残念ながら場所をすっかり忘れているから、記憶力と方向感覚の鋭いナベさんに先導して貰うことにする。さすがに「走る記憶力」と言われているナベさんだけに、その店は一発で見つかった(^^)。


昨年は雨で「ホーホーの態」だったから、店の名前も覚えていなかった。この店は鎌ちゃんと言う。


味噌ラーメン普通盛500円。昨年の表面張力総動員に比べると、多少安定感を増した感じ?(^^)。


この雑然とした凄い景色を前に汗だくで完食。スープだけは残そうと思ったのだが、このアリサマ。


さすがのイトーさんもこんな感じ。
:イトーさんの名誉の為に解説しておくと、昼間から酒飲んでる訳ではありません。このお店のカウンターの景色を構成している重要なアイテムの一つです。


作ったお姉さん。こういう人をプロの料理人と呼ぶんだよ⇒某ペンションのシェフさん。

大満足でお店を後にすると、ナベさんが「本屋さんがある!」と教えてくれた。20日発売のMCマガジン ”風まかせ” を買いたいとリクエストしていたのを覚えていてくれたのだ。
本屋さんにははたして ”風まかせ” は置いてあった。本当は3冊位買いたかったのだが、嵩張るので1冊をレジに持っていくと、ナント!ナベさんまで一冊持ってきた。なんて良い人なんだろう、マジで感激する。
チラッと見ただけでもカッコ良過ぎ←バーカ^^;の写真があった。これで船の中は退屈しないぞ!!。

ナベさんは今回苫小牧西港から大洗行きのフェリーに乗るので、あまりゆっくりはしていられない。本をバッグに突っ込むとそそくさと出発する。
R452は久々のドライ路面だから、快適なワインディングを心置きなく楽しんで、夕張に向かう。


夕張駅に併設されているホテル マウントレースイ


石炭の歴史館駐車場

夕張のモロモロについては、各種メディアで散々取り上げられていて知名度は抜群の筈、さぞかし我々のような(自分だけか?^^;)物見遊山で訪れる人も含め、それなりに賑わっていると思ったのだが、ホテル前も、だだっ広い石炭の歴史館の駐車場にも、我々以外に観光客らしき人影は無かった。

昨年も思ったのだけれど、本気で観光に活路を見出そうと覚悟したのなら、例えば旭山動物園との違いは何か、そしてそれは何故夕張でなければならないのかの強い説得力を持たない限り、素人目にも此処の再生は難しいと思った。
この光景は単に他人の事としてではなく、自分の住む地域にとっても、早晩やってくるだろう問題を具体的に提示されている気がしたのだった。

時刻も3時になり、大洗行きフェリーの出航時刻が5時半位だったからゆっくりはしていられない。ナベさんとは名残惜しくもここでお別れの挨拶、お付き合い有難うございました。
結局夕張からは高速を使って丁度良い時間にフェリー乗り場に到着出来たと言っていた。


ナベさんとは紅葉山の交差点まで一緒だったのだが、イトーさんと鵡川に向かうべく左折した直後にネズミ捕りをやっていた。
この行為が交通安全に果たす役割が大きいと本気で考えているのなら、関係各位は椅子にふんぞり返ってニヤニヤしているのではなく、姿勢を正してキチンとやって欲しいと小市民は思うのでありました。

ネズミ捕りをやるだけあって、R274は交通量が多い。鵡川に向かって南下する#74は一転貸切状態。ここまで来ると道は空いているが、北海道の風情は既に殆ど失っている。それは徐々に現実に戻っていくと言う意味では反って好都合でもある。

鵡川の道の駅で休憩した後苫小牧東港に向かう。イトーさんはナント!フェリー乗り場までお付き合いしてくれた。

苫小牧東港フェリー乗り場。Sのフロントタイヤがチビていると指摘している図。


これがそのD221のフロントタイヤ6980Kmの様子。フロントも耐摩耗性は低い。
本当はリヤもこの位までは使えるつもりだったのだが、結局5800Kmで交換を余儀なくされた。
ちょっと長めのツーリング2回ももたないようでは、ハンドリングの悪化はそれよりもっと早く訪れる訳で、MCでの旅を安心して楽しみ難い(タイヤが気になる)と言う意味では、このD221に「ツーリング」というコピー文句は不適切だと思った。


オイルクーラ道内六日間の様子。コアが詰まって冷却効率はかなり落ちている筈だ。

結局イトーさんは船に乗るまでお付き合いしてくれた。

20年目にしてはじめて帰りの乗船シーンを見た。写真は勿論イトーさん。

本当に最後の最後までお付き合い有難うございました。

久し振りに一人での船旅、早速 ”風まかせ” を取り出して読書に没頭する。
使われているツーショットは想像を遥かに上回るもので、本屋さんでチラッと見た時同様、思わず「カッコE〜ッ」←バーカッ(^^;って口走ってしまったほどだ。野口さんはじめ関係者に心底感謝した。ちゃんとした走りの写真が無かっただけに良い記念になります。

”風まかせ”No.6 2007年夏号(カスタムピープル8月号増刊)

12ページに及ぶ野口氏の記事は、自分が関係していることを差し引いても読み応えがあって楽しめたが、他の記事も58歳の(!汗)自分には興味を持って読み進められる内容ばかりだった。

他のバイク雑誌にありがちな、実は当のご本人が転倒しまくっているにも関わらず、スキー雑誌に匹敵する意味不明なライテクの話が無いことや、記事の信憑性(ほんの一部除く^^)や、何より広告の少なさが大人の為の良質なバイクマガジンを感じさせて、18時間の船旅は結局読んで食って寝て読むを繰り返しているうちに終わった。


今日の走行距離: 363Km



6月23日
数日前までは雨の予報だったのに新潟は快晴。今年はいろいろあった代わりにお天気には恵まれた。
3時40分頃下船し、例によって日本海夕陽ラインを南下する。
土曜日だけにいつもにくらべて交通量が多いけど、もう急ぐ旅でも無いし流れに乗ってゆっくり走る。
7時30分無事に帰宅出来た。



今日の走行距離: 224Km


総走行距離: 3410Km
ガソリン消費量: 172.2L

感想:

今回のツーリングでは、北海道に行き始めた頃のように、民間の宿に宿泊した(一泊除く)のだが、走ることそのものは例年の通り充分楽しめたものの、自分は今まで宿についていったい何を見、何を聞き、何を教わってきたのか?・・・・殆ど何も知らなかったんじゃないのか?と、愕然とする思いにさせられたことがいまだに生々しく残っている。とてもじゃないが真似は出来ないにしても、それをどう生かしていくかはこれからの課題。

マシンに関しては、大丈夫だと思っている場所でも、時々ボルトナット類の締まり具合を当たってみることが大切だと思ったし、ツールは出来る限り充実しているのが好ましいことも実感した。

   
ビフォー                  アフター    
光の具合もあるけど一見しただけで減りの早さが分かる。

北海道で交換したD208は結局1400Km使って、あんなに深かった溝が残り2.5mmになっていた。
常識的にはまだ充分使える状態だが、交換してから3.5mm位減っているから1mmあたり400Km。と言うことはウエアインジケータが出るまで後700Km位。ん〜・・・・・寿命は2000Km強って勘定ですか!!?・・・・・・結局帰宅直後にフロントと共に交換した。

そこでイトーさんの登場。
北海道から帰って数日後、イトーさんから口直しに(^^)道東二泊三日のツーリングに行って来たとのメールを頂き、当然交換したと思っていたD207はナントそのまま使ったと言うではないか!。
その結果3日でこんな風になってしまったらしいこれじゃ何てタイヤか分からないぢゃないか(・・;

ここまで使えるのなら自分のD221は交換しなくても良かったかもしれない・・・・・ジョーダン。

毒多ー減りのメカニックがこんなことしてたんじゃ、そのうち自分がお世話になっちゃったなんてシャレになりませんゼッ・・・・イトーさん!(^^;
と言うことで「驚くのは早かった」とはこのことでした。

前半だけ一緒だった丸山2さんは、その後知人を訪ねたり彼なりの北海道を楽しんで、青切符のお土産と共に同じ22日小樽発10:30のフェリーで無事帰宅したとの連絡があった。

敵対関係にある同業者の丸山2さん。ヘソ出して寝てる姿はふてぶてしいが実際も太い(^^)。

本業は勿論宿屋、しかし彼の打つ蕎麦は、ご近所では蕎麦専門店もカスム「掛け値無しの絶品」だと言われている。”言われている”と言うのは、私が蕎麦が苦手で美味い不味いが分からないというのと、何より食べ物としてはベラボーに高いと思っているので食べる気にならないからだ。
そば打ちに関しては多分名人なのだろうが、往きのフェリーの中で美味さの秘密は何かを尋ねたら、「一番高い粉使ってるから」と明快。絶対それだけじゃない筈なのに、多くを語らない所がシブイ!。

その粉は、最近良く道を尋ねられる女性モグラ推奨の店の軽く2倍はするそうだ。量二倍値段半分ならしめて4倍もお得って勘定か。
但し気まぐれだから知床のセセキ温泉、あるいは今年も訪れようとしたものの、予想を遥かに上回るタイヤの激減りで見学を断念した糠平湖の ”タウシュベツ川橋梁” 並みの頻度でしか食べられないのが難点。

同じ地区で敵対関係にある宿屋の名を明かすのは自殺行為なのだが紹介してしまおう(^^;
 ”リゾートイン静観” 
時々営業中の看板が出ているから食べられるとラッキーかも。
食べ物屋等、雑誌やテレビで有名人の語る情報を鵜呑みにするとガッカリする場合が多いが、丸山2さんの打つ蕎麦はたぶん大丈夫だろう。


モーターサイクルを通じ、春先から良い人達と関わりあって生きて行けることの喜びと幸せをつくづく感じていて、北海道も特別思い出深いツーリングになりました。

おわり