一人旅

家族や友達、気の合う仲間との旅行は楽しいですが、時には一人で自由気ままに旅をするのも良いものです。

私も一人でMC(モーターサイクル)に乗って出掛けることがあり、以前一人旅は奇異な目で見られることが多かったように思います。ましてや女性だったらなおさらです。
最近はそれ程ではないというものの、やはり地方の宿ではていよく断られることもありました。

一人旅の時は大抵気の向くままですから、凡そのルートや目的地は決めていても、宿の予約はしないで出掛けることがあります。一日で何処まで走れるか分らないですからね。
そんなツーリングで何度かいやな思いをしたことがありました。

九州からの帰り道、日本海側の一般道を走っていた時に出雲辺りで雨が降り出し、10月の下旬でしたのでとても寒く近所で宿をとろうと思ったのですが、折角来たのだから有名な皆生温泉に泊まってみようと走り続け、寒さに震えなが温泉地にたどり着きました。
一軒目の宿では空室の有無を尋ねるまもなく「満室です!」と断られてしまい、とても満室には見えなかった二軒目も三件目も同様でした。四軒目の宿では「部屋はあるけど食事無しで5万円だけどいいの?」というような言われ方をされました。10年以上前のことです。
皆生温泉の宿泊料金の相場がどれ程か知りませんし、又全ての宿が同様かどうかも分りませんが、私の思い違いであったにしても、応対した人の表情や言葉遣いからは、「雨に濡れて薄汚い(確かに)バイク乗りの泊まれるとこじゃないんだよ」と言われたようで、とても惨めな気持になったことがあります。その日は温泉を諦め、国道沿いのビジネスホテルに宿泊しました。

MCでのツーリングは走行中の緊張状態をはじめとして割と過酷なので、宿だけは快適でゆっくり休める所に宿泊したいと思っていますが、北海道阿寒湖に宿を取ろうとした時も大型観光ホテルで皆生温泉と同様の経験をしました。
その時は民宿に泊まり、5000円と安かったのですが、これも又安かろう悪かろうの典型で、折角の休日、それも一年間待ち続けた北海道ツーリングの貴重な一夜が無駄になったようで、やりきれない気分になったことがあります。

MCに乗っているからと云って貧乏旅行をしている訳でもないし、かと言って贅沢な宿泊を求めているわけでも無いのに、なかなか適当な宿にめぐり合えず、いきおい必要充分な設備を備えていて、しかも手ごろな料金の都市部のホテルを利用することが多かったのですが、最近は随分 ”わかっている” 宿が増えて困ることも少なくなりました。

アルピーヌはけっして安いとは云えませんが、何かを我慢するということは無いと思います。