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CBR250RR


一時話題になったCR110のレプリカに”ドリーム50”というMCがあった。単純比較は出来ないにしても、そのドリームが5.6PS/10500rpmに対してCBRは45PS/15000rpm。
50CC当り9PSもの出力を発生し、レブリミット19000rpm。時に20000rpmを超えてもびくともしないエンジンは只々凄いとしか言い様がない。
勿論他社でも同スペックのMCがあるものの、超高回転域では不安のあるチェーンによるカムシャフト駆動だったりして、バルブタイミングの正確さと信頼性は確実にCBRにアドバンテージがあると思う。

メーター読みとはいえ、180Km/hを確実にマークする性能は45psがカタログスペックだけでは無いということを証明している。
大型車とほぼ同数のパーツを使いながら価格を抑えなければならない小排気量車の宿命か、良く出来ているとはいっても、それなりの仕上がり。
但し押さえるべきツボを心得ているため、サスペンションをはじめ、走行性能に影響する部分に妥協は無い。それが250でも安っぽさを感じない充実したライディングを演出してくれるのだと思う。

超高回転のエキゾーストノートは自分では官能的な咆哮で大満足なのだが、友人に云わせると「ミンミンゼミが鳴いているみたい」とのことなので、きっと「ミーンミーン」といった音なのだろう。

走り出してすぐ6速にシフトアップしても、30Km/h以上になれば、後はまるでオートマチック車の様に走れる。
スムーズさを確保する為の低回転域での穏やかで必要充分ななトルクと、それからは想像出来ないパワーバンドの力量感とピックアップの良さは、「250ccってやっぱり侮れないなー」と思わせるものがある。
どうやってこの絶妙なチューニングが出来たのかは知る由もないが、ここまでにするのは技術者の大変な苦労があったと思う。

かつてカウル付きのMCなど夢のまた夢だったのに、安価で高性能でカウル付きのMCが手軽に入手出来る様になったと思ったら、時代はネイキッドだって!。
数年前までは巷に溢れていた4スト250レプリカバイクは今どうしているのだろう。

妙な癖が無く、自分の意思にリニアに反応するきわめてニュートラルなハンドリングは、RC30のサスセッティングに行き詰まった時など、原点に立ち戻れるリファレンスMCとしての役目もこなしてくれている。


2003/11/28
タイヤ交換後1100Km走った。
軽量非力なMCなのでタイヤの磨耗は少ないと思っていたが、やはりハイグリップタイヤだけあって磨耗は早い。
フロントは殆ど磨耗が見られないものの、リヤは0.7mm減っていた。
残溝は新品時が4.3mm、現在は3.6mm。
この分だと5000Km使えるかどうか微妙なところ。

ハイパワーMC用のタイヤはCBRにはオーバークオリティーだから、本来の性能は味わえない筈で、むしろ指定タイヤの方が優れていると思うが、これはこれでハンドリングも接地感も良好で安心して走れた。

2003/11/13
タイヤ交換してきた。
パイロットスポーツ前110/70/17 後ろ150/60/17

BT92はラウンド形状が緩く、乗用車のタイヤに近い扁平な形をしていたが、パイロットスポーツは適正リム幅よりワンサイズ大きい(リヤ)こともあり、トレッドがサイドまで回りこんだMCタイヤらしい形状をしている。これを普通の道で使い切るとしたら転倒するしかないだろう(^^)
 
磨り減ってスリップサインが出たBT92


パイロットスポーツ後

BT92に比べ、前後で5割も高価なタイヤの印象はどんなものか?期待に胸を膨らませてバイク屋さんを後にし、早速ワインディングに入ってみた。

新品であること、既に暗くなっていたこと、小雨で路面がウエットだったこと、気温が1〜3℃だったこともあって普通には走れなかったが、やはり

一万円分高いタイヤを履いている気がした。←ジョーダン(^^)

BT92が減っていたことを考慮しても明らかに直進性は向上している。多少リヤから先に曲がり始めるような気がするものの、ハンドリングは素直なままで、ワンサイズ大きいタイヤのネガティブな部分は感じられない。

暗い山道を70Km程度走っただけでは何とも言えないが、ハイパワー重量車の様なトラクションを掛けられないので、このタイヤの持つ本来の性能は出せないと思う。つまり猫に小判という訳だ。
これで140サイズがあったら、又はリムがあと0.5インチ広かったら印象は違ったものになったかもしれない。

CBRの距離計は約5%甘かったから、サイズが大きくなったことで改善されると思う。

2003/11/12
ボアス・トロークたったの48.5×33.8mm。
これが19000rpmも回せる要因の一つかもしれない。

購入以来10年以上経つが、最近になってじっくり乗る様になり、改めて凄いMCだと思った。
大排気量のMCに慣れてしまっていると、一番気になるのが立ち上がりでのパワー不足。こればかりはどうしようもないが、他に不満は無いどころか、返って高性能エンジンを操る愉しみの方が大きいような気がする。

CVキャブとはいっても全閉からラフにスロットルを開けると、強制開閉式のキャブの様にぐずつくので、ある程度回転の上昇に合わせて開けていかなければならないあたりが逆に面白い。

かと言ってスロットルの開閉に必要以上に神経を遣うかといえばそんなことは無く、4速全開でも3000rpmを下回る回転域から19000rpmまではきれいに回り切る。
この時まばらに存在するトルクの谷に気付かされるが、新車の時がどうだったかは覚えていないので、キャブのセッティングか掃除不足なのか、これが本来の性格なのかはもはや解らない。
いずれにしても不具合と感じる程のものでは無いことは確か。

3年前に交換したタイヤBT92も、ここ数日峠を走って遊んでいたらサイドのスリップサインが出てしまったので、ミスマッチとは思うがRC30同様、前後パイロットスポーツを入れることにした。
フロントは同サイズがあるものの、リヤは150/60(標準は140/60)しかないので、どうなるか楽しみ。

これまで使ったタイヤは全てセンターが先に減って交換したのだが、BT92はサイドが先に減ってしまった。
乗り方は他のMCと変わらないし、前回交換してから5000Kmしか使っていないので、センターの耐摩耗性が高いというより、むしろサイドの耐摩耗性が低い(グリップの良いコンパウンド使っている)のかもしれない。

雪がいつ来てもおかしくない季節になったので、タイヤ交換をしたところで春までおあずけになりそうだ。

春になって又キャブのオーバーホールは面倒なので、フロートチャンバーのドレーンからGASを抜くのを忘れないようにしなければ。

2003/11/02
先月乗ろうとした所、又キャブからオーバーフローが発生しており、そのままにしておいたのだが、他のMCがタイヤ交換や故障で乗れるMCがCBRだけになったこともあって、再び徹底的に掃除をした。

排気量が小さいので各ジェット類の穴が小さく、すぐ詰まってしまうとはいえ、バラしたフロートチャンバー内のジェット類には、青サビと共に不可解な塩状の結晶が付着していた。
ガソリンがレギュラーだったからか、ハ イオクを入れているRC30はこういうことが無いので、CBRにもハイオクを 入れた。

以前にも書いたように、キャブの掃除の際はジェットホルダーのサイドに開いた穴は徹底的にチェックする。スロージェットも同様だが、こちらはジェットの穴が極端に狭いので、本来の大きさかどうかの判別がつきにくいので慎重に掃除する。

ちょっとした手入れで絶好調を取り戻すと、乗るだけでなくいじる楽しみも味わえる。


CBR250RRの燃費とキャブレターの関係について

このMCの燃費は通常の使い方であれば25Km/L〜30Km/Lは走る。これが調子に大幅な変化が無いのに20Km/Lを下回るようなら、先ずキャブレターを疑ってみる。
マフラーエンドに付着するススの量は完調ならわずかな筈。量が多いと感じたらガスが濃い訳だし、余程何かのドジをしない限りフロートレベルが高くなることは考えられない。

オーバーフローだとエンジンは掛からなくなるので、殆どの場合ジェットニードルホルダーに開いているガソリンをエマルジョン化させる為のエアーを送る小さな穴の詰まりが原因であることが多い。

キャブの分解時にはエアーやガソリン通路の清掃は当然としても、ジェットニードルホルダーは見落とされがちなので必ずチェックする。
排気量が小さい上にキャブが4個もあるわけで、それぞれのパーツがとても小さく、大排気量MCより頻繁なキャブメインテナンスが必要だと思う。

キャブオーバーホール
2003/04/13


このMCは基本的にキャブのメインテナンス以外不要なほど良く出来ている。
今回は約1年間乗らなかったのでお決まりのオーバーフローが発生しており、それを掃除した。

手順は
シートを外す
サイドカウルを外す(左右)
フューエルコックレバーを外す
タンクを外す(燃料パイプとバキュームチューブも)
エアークリーナーボックスを外す
インシュレーターバンドのネジを思い切り緩める
アイドルアジャスターを車体から外す
キャブを持って前後にこじって引っこ抜く(エンジン暖機後だと外しやすい)
ポートやブリーザーホースをティッシュ等で塞ぐ
チョークケーブルを外す
車体に厚手のウエスを敷いてキャブを乗せる
アクセルワイヤーを外す

けっこう面倒くさいがこれでキャブアッシーが車体から外れる。




フロートチャンバーの分解。
ここからは簡単
各チャンバーのビス3本を抜き取りカバーを外す。
キャブ1個につき

フロートピン
フロート
フロートバルブ
メインジェット
ジェットホルダー
スロージェット

を外し、それぞれをアンモニア系のキャブクリーナーで掃除してエアーを吹く。
ボディー本体の各通路にもキャブクリーナーを注入してエアーで吹く。

特にメインジェットホルダーとスロージェットの横に空いた穴は注意深く掃除して詰まりの無い様にする。
これが僅かでも詰まっていると調子にはあまり影響ないものの、燃費が悪くなる。
メインジェットは左右(1と4番)が#105、真ん中2個(2と3番)が#103なので間違わないようにする。
後は元通りに組むだけ。


ジェット類はバッチリ青錆が出ていたのでカップに入れたクリーナー液に浸して掃除した。数分でピカピカになった。

掃除を終えたCBRは再び新車当時の絶好調を取り戻した。メデタシメデタシ

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