2004東北ツーリング 昨年ホサカ氏(ZRX1200)と計画していた八甲田周と早坂高原周辺へのツーリングは天候に恵まれず、急遽ルート変更しており今回は昨年の計画の履行ツーリング。 今年はホサカ氏の友人よだだよ氏(ドカモンスター)も加わり3人での旅となった。 8月のシーズン真っ只中にまさかツーリングの誘いがあって出かけられるなんて、かつて忙しかった頃は想像もしていなかっただけに、嬉しいやら不安になるやら(^^; 8月1日 土曜日泊のお客様をお見送りした後、仕事が片付いたのは10時半と案外早かった。こんなことならホサカ氏(アルピーヌ経由)にもっと早めに来ていてもらえばよかったのだが、出発の約束は1時だったので随分時間をもてあましてしまった。 ホサカ氏が現れたのは12時少し前、山梨から既に200Km以上走って来たホサカ氏の休憩の後、今晩宿泊予定の秋田に向けて走り出す。 糸魚川まではホサカ氏が先導、氏は時々ぬわわKm/h超というハイペースで引っ張ってくれるから、一般道ではせいぜい80Km/h程度しか出さない私は実に新鮮で快適な気分に浸れた。 そんなことで普段は1時間は掛かる糸魚川まで40分足らずで到着。 北陸道もホサカ氏に先導してもらう。 高速道路ではごく稀にふわわKm/h以上出すことがあっても、せいぜい120Km/hでしか巡航出来ない(精神的に)私は、ホサカ氏のアベレージの速さには驚いてしまった。 「高速道路では120Km/hが限界」と泣きを入れていたこともあり、最初の頃はぬあわKm/h程度で走ってくれていたが、次第にペースが上がり、ついに時々ぬゆわKm/hに達したりするようになった。 これと似た経験はキヨさんの仕切りでクマさん平さん達との四国ツーリングで一度あったのだが、その時は常軌を逸した速度だったし、MCもカウル無しで大変な思いをしたから、恐かったこと以外正直よく覚えていない。 考えてみればホサカ氏と一緒に高速道路を走るのは初めてだったから、高速とは本来こういう風に使うものなのか?と妙に納得したし感動もした。そんなペースで走ったこともあり、新潟には2時間程で着いてしまった。 天気が快晴なのは良いのだが、いかんせん暑い。真夏のツーリングはしたことが無いので、ジャケットは春秋用、しかも脊椎パッドを背負っているので風を受けていても汗が噴出す。 特に上越市の暑さといったらまるで巨大ドライヤーの中に突入したのではないかと思うほどの熱さだった。 気温表示が36度の所が涼しく感じた位だから50度近くはあったのではないかと思う。 新潟からは瀬波温泉や笹川流れを通る海岸線を走ったのだが、いつもは閑散としていて人気も車も少なく快適な道なのに、今回は夏休み、それも日曜ということを忘れていたからこの選択は大失敗だった。 交通量の多さと路上駐車で思うように走れないのだ。しかもビキニのネーチャンが目に入り、「注意力が散漫になった」とはホサカ氏の弁(^^)。 山形県と秋田県の境にある鳥海山に登る頃には太陽が西に沈みかかり、鳥海ブルーラインから観る夕日は、雲の隙間からではあっても日本海に反射してとても美しかった。 鳥海ブルーライン 渋滞に遭遇したにもかかわらず、明るいうちに鳥海ブルーラインの快適ワインディングを楽しめたのは、ホサカ氏の一般道高速を問わず、ハイペースの先導があったからだ。勿論安全マージンはたっぷり取っているのは言うまでもない。 秋田市内のビジネスホテルに到着したのは8時を少し回った位だったか?長時間のナイトランを覚悟していたから、予想外に早く到着出来てホッとした。ソロだったら後2時間は掛かっていただろう、ホサカZRX恐るべし(^^) 東京から東北道を直行したよだだよ氏も丁度到着したばかりだった。これで今回のメンバーが揃った。 本日の走行距離(補正値): 519Km 8月2日 秋田からR285、105、7、454、102、394、103、八甲田山右回り、奥入瀬、富士見台、十和田湖、 発荷峠、樹海ライン、小坂町、東北道、盛岡、早坂高原、岩泉、宮古。 朝食無しで6時10分出発。 R285は民家が点在するものの、気持ち良くコーナーリングを楽むこともできて予想に反し快適な道だった。 田代町でR7に合流すると朝のラッシュが始まっており、渋滞にはまってノロノロ走るより朝食を摂ることにした。 コンビニで弁当を購入するも、外は暑くてたまらない。物置小屋の日陰に避難して立食パーティー・・・・オヤジ3人じゃなんか哀愁漂うね〜(笑)。 渋滞は大館まで続いたが、幸い道幅が広いので怒涛のすり抜け敢行。 大鰐温泉手前でR454に入り、後はワインディング三昧。道も空いていて標高が高くなるにつれ気温も下がって超快適なツーリングになった。 特に奥入瀬バイパスは路面状態の良い曲がりこんだ高速コーナーが多く、外輪山に上り切る辺りから見える八甲田山の眺めはなかなかのもの。大鰐温泉から樹海ラインを下って小坂町までの間約150Kmは、とことんワインディングを楽しめた。 東北道に乗り、盛岡手前の滝沢ICで降りる。R455に出る県道の入り口が分からず、多少迷ったものの無事R455に合流。 いよいよ今回のツーリングのハイライト早坂高原に向けてスロットルを開ける。 先導のホサカ氏もよだだよ氏も快調にコーナーをクリアして行く。安全マージンをたっぷり取っているのは当然としても、スカッとした歯切れの良いライディングだ。 先頭ホサカ氏、続いてよだだよ氏 あまりにも快適で、途中にある岩洞湖で休憩も取らずに走り続けた。この湖は人造湖にもかかわらず、湖畔の緑と湖面の濃紺のコントラストが素晴らしかった。 早坂高原で漸く休憩。水分を補給して再び走り出す。それにしてもR455の道の良さ、景色の良さ、車の少なさはドーヨ(^^)。 八甲田周辺といい、この付近に住んでいるライダーは幸せ者だ。 調子に乗って走っていたら突然リヤブレーキがスカスカになってアセッタ。 ブレーキが逝かれたかと思ったが、これが噂に聞くベーパーロックか?、停止してキャリパーに手を近づけると凄い熱気で触るなんてとても出来ない。暫くリヤブレーキを使わずに走っていたら回復したので一安心。 下りコーナーでリヤブレーキをバンバン使っていたから、気温の高さも加わってベーパーロックを起こしたのだろう。考えてみれば6年間一度もフルード交換していなかったから劣化もあったと思う。 以後用心してリヤブレーキはなるべく使わないようにしたのだが、これが使えないとコーナーリング速度が極端に落ちる。如何にいい加減な走り方をしていたか思い知らされた。 R45に出て今日の宿泊地宮古に向かう。この国道も快適なワインディングなのだが、残念ながら交通量が多く、しかもハミ禁なので思うようには走れない。でも今日はホサカ氏先導ということもあり、ハイペースのワインディング三昧だったから、宿までのクールダウンには丁度良い。 時間もまだたっぷりあるので浄土が浜を見学することにした。 駐車場から浜に下りるにはけっこう距離があって、革製のライディングパンツが汗で張り付いて歩き難いしお尻にアセモが出来ているみたいで痒い(^^)。帰りの登りを考えたら行くのがためらわれる。 せっかく来たのだからと遊歩道(階段)を降りて行くと確かに素晴らしい景色が展開していた。 浄土とは大袈裟かもしれないが(見たことはありませんガッ^^;)、白い岩肌や澄んだ水を観ながら遊歩道をゆっくり歩いていると、先程までワインディングで景気良く分泌していたアドレナリンがスーと退いていくのが分かる??。気分が穏やかになると云うか、とにかく良い景色には違いない。 浄土ケ浜 岩は不思議なことにウミネコ?の糞で汚れていなかった。鳥達もここが「仏様のいる清らかな理想の世界」ということを知っているのだろうか。 暫く景色を堪能した後、オヤジ3人組は駐車場に引き返した。 長い階段はへばりついた革パンツが脚の動きを邪魔して、余計に汗が噴出す。炎天下既に500Km以上走っていてバテ気味だったから、この登りはきつかった。 「早く宿に着いて生ビール飲みたい!!!」というホサカ氏の気持ちが、アルコールがあまり得意でない私にも痛いほど分かる。 宿は以前リストラされた友人の癒し旅行で利用したことのある「国民休暇村宮古」。 MCはガレージに入れられたし、係りの方の対応も、食事も、お部屋も文句無し、快適に旅の疲れを取ることが出来た。 今日一日の出来事や楽しい話で盛り上がったのは言うまでも無いが、強烈な睡魔に襲われ、あえなく爆睡。お陰でよだだよ氏の豪快なイビキも子守唄程度だったと思う。 よだだよ氏には「明け方丸山さんのイビキもなかなかのもの」と言われてしまった。申し訳ない(^^; 本日の走行距離: 526Km 8月3日 今日も快晴。朝食後遠野に向けて走り出す。宮古市内は朝の通勤時間帯でそれなりに混雑していたがそれも束の間だった。 R106は30年ほど前の多感な時期(^^)に一度盛岡まで走ったことがあり、全線未舗装の狭い道で峠越えなどは筆舌に尽くし難い悪路だったし、立川を出発してからR6、R45を北上し、ひたすら走っていたのに盛岡に到着したのは3日目の夕方だったのを思い出した。 旧R106の痕跡は所々に見受けられたが、今走っているR106は全く別物の快適な道に生まれ変わっていた。 若い頃の想い出を辿るような妙に感傷的な気分に浸っていたら、ホサカ氏に置いて行かれそうになる。相変わらずすごいペースを保っているから、R340との分岐点川井村まではそれこそアッと言う間だった。 左折して遠野に向かうR340も超快適な道路だったのだが、向田でタイマグラ(日本で一番最後に電気が通った村)に向かうべく右折すると一転して最悪の状態になった。 舗装こそされているものの、狭くて曲がりくねった見通しの悪い道は、対向車が現れてもすれ違いは困難だろうと思わせる位のものだったし、友人からタイマグラから荒川高原を通って遠野に抜ける林道が如何に快適な道かを聞かされていても、ここを走っている限り状況は益々悪化しているように思われ、このルートを提案した私としては途中何度も退き返そうかと思った。 ホサカ氏はともかくとして、ドカのよだだよ氏の心中は察するに余りある。もし私がRC30で連れて来られたら「ジョーダンジャネーヨッ・・・プンプン」となるところだろう。 漸くタイマグラに到着し一息入れると、よだだよ氏は無口になっている。「マズイッ」(汗) タイマグラ: 林道との交差点で殆ど絶望的?な気分のホサカ/よだだよ両氏。 左折すると若いネーチャンじゃないけれど、「ウッソー!」と思わず口走ってしまいそうな超快適風光明媚なワインディングが始まった。 さっきまでとの落差が激しすぎる。路面状態申し分無しなのは良いのだが、走行車両が皆無なので、逆に埃っぽいのでは?とグリップが心配になるほどだ。 疑い深い私は、こんな山奥にこんな良い道がそうそう続くとは思えず、「そのうちきっと悪路が始まるんだろうな」などと考えながら走っていたら、ついに遠野まで続いてしまった。雰囲気的には西伊豆スカイラインと言ったところだろうか。 荒川高原の林道・・・・ドーヨッ(^^)・・・・って林も無いのにリンドウだってか??? 頂上付近は牧草地が広がっていて、牛も多数放牧されていた。 よだだよ氏(右)の上は早池峰神社。天空の城のような雰囲気があって、今度訪れた時には登ってみたいと思わせた。 ちなみに全線で出合った車は1台のみ。 爽やかに澄んで涼しい風を体一杯浴びた高原を下ると、下界はやはり真夏のうだるような暑さだった。 コンビニでガラガラとエンジンを掛けっぱなしの車から放出される気持ちの悪い熱気を浴びながら水分を補給する。これでも日なたよりマシだ。 ツーリングが始まってから一体何本何リットルの緑茶を飲んだことだろう、体の水分がすっかり入れ替わって血液が緑色になったのでは?と思うほどだ。 遠野からのR107はこれまた絶好調、ホサカ氏の先導ペースは益々上がるばかり。 北上ICで東北道に乗った時点で今回の東北ツーリング終わったも同然。後は自宅を目指すだけだ。これから私より200Kmは余計に走らないと帰宅出来ないホサカ氏は、高速道でも相変わらずハイペースを保っている。 初日の新潟までで多少高速走行に慣れていたとは云え、昨日の小坂ICから盛岡まではやはり120Km/h程度でしか巡航出来ず、ホサカ氏を待たせてしまったから、今回はしっかりついて行くことにした。ホサカ氏、よだだよ氏、私の順番でふおわ〜ふゆわKm/hを保ってひたすら南下する。 猛暑の中の高速走行では、例え冷却性の面で有利なボクサーツインであっても空冷エンジンだけに冷却は厳しいと思うのに、空冷Vツインのドカのリヤバンクは一体ドーなってしまうのか心配になる。 冷やすと言うより、温めているのでは?と思ってしまうほどの熱気の中、よだだよ氏はそんなことは全く気にする様子も無く前走車を軽快にパスして行く。自分のことより「ドカ、ドーカ壊れないでくれ(^^)」と祈る気持ちだ。 白石あたりでR1100Sは7万キロを越えた。別にドーってことはないのだが、一つの節目を迎えたような気分で、気持ちもさらにフッキレた気がした。 偶然なのかもしれないが、4万キロの時も6万キロの時も節目は東北を走っていた時に迎えた。今回は1ヶ月早い。 郡山JCでよだだよ氏と別れ、磐越道に乗る。相変わらず暑いがホサカ氏のペースは変らない。 磐梯山SAで水分を補給して会津坂下ICを目指す。ここからは見通しの良い直線で走行車両も少ない。昨年はここでふふえKm/hまで出してマシンの好調を確認したのだが、今回は「フッキレ(^^)」ていたことと、一度はホサカ氏に先行したいとの思いもあって最高速度にチャレンジしてみることにした。 全開をカマすとやはりふふえKm/hまでは何の問題も無く達したし、その後もパワーピークを越えて多少加速が鈍ったものの、Sでは未体験ゾーンのふうわKm/hに達した。 まだまだ伸びそうな気配だったが、タコメーターは既に8300RPMのレッドゾーンを指している。これ以上回すと三度バルブサージングを経験することになりそうなので止めた。 35℃以上はあろうかと思われる熱気の中、7万キロを超えた空冷MCが6速でレッドゾーンまできっちり回り切るとは思っていなかっただけに、少なからず感動を覚えた。 オイルは空冷ビックボアのエンジンには全く似つかわしくない5W30のサラサラだったから、いくらモービル1の化学合成油とは云っても、この猛暑の中を全開で走るとなると油膜切れが心配だった。しかし料金所でのアイドリングは安定していたし、メカノイズにも怪しげな音は混じっていなかった。 ホサカ氏によると、今回参加出来なかったオダギリ氏のR850Rはかなり賑やかだそうで、それに比べ私のSはとても静かだと言っていたから一安心。 会津坂下からは走り慣れたR252で十日町に抜け、R117を飯山までホサカ氏に先導してもらう。 ここのコンビニで楽しくも過酷だったツーリングの労をねぎらい、ホサカ氏と別れた後は凝りもせず暗くなった山道を自宅に向かったのだ。 到着は8時を少しまわっていた・・・・・がッ・・・・宮古を9時頃出発したと思うから、到着は11時過ぎになると覚悟していたのに、予想よりかなり早かった。 暑さもあって休憩はたっぷり摂ったから、ロスタイムは4時間以上あったと思うのに、764Kmを約12時間で走ったことになる。 アベレージ63Km/hはホサカ氏の先導なくしてはあり得なかったと思うと、改めて氏のペースの速さに驚かされた 諮らずも過ぎし日の想い出を辿る旅となったのと同時に、新たな想い出にめぐり合えた奥の細道激走ツーリング、55歳の夏・・・・だってか〜(^^) ホサカさんよだだよさんお誘い有難うございました。とても楽しい3日間でした!! 本日の走行距離: 764Km 全走行距離:1809Km 燃料消費量:90.9L 平均燃費 :19.9Km/L 高速道路の全開を含むハイペース区間での燃費は225Km走って13.9Lだったから、約16Km/Lと予想に反して良好だった。 |