X線の生い立ち

1895年に、ウイルヘルム・コンラッド・レントゲン博士(1845〜1923年)によって発見され、1995年は、X線発見100年の記念の年にあたります。
レントゲン博士は、1845年3月27日ドイツのレンネップに生まれました。
24歳で物理学を専攻し、49歳頃から陰極線の実験を始めました。そして1895年に実験中に色々な物をつきぬける不思議な光線を見つけ、正体がわからないという意味で、この光線をX線と名づけました。
1901年には、物理の分野で最も重要な発見をしたとしてはじめてのノ−ベル物理学賞を受賞しました。博士の受賞の言葉に「このX線の発見が認められたことは、全人類に役立つ科学の活動に大きな励みとなるでしょう」とあります
博士の言葉どうりにまさに現在X線は、医学界をはじめ様々な分野で有効利用されています。
X線発見当初、多くの学者は彼の発見をたたえレントゲン線と呼びました。
すなわち、レントゲン線といえばX線のことでありますが、放射線業務の領域では、誤解のもととなるのでレントゲンとはいわずに正式にはX線といいます。


放射線の種類と性質

間接電離放射線

X線

制動X線、特性X線など、原子核外の現象に伴ってでる

間接電離放射線

γ線

原子核のエネルギ−状態の変化に伴って出る

間接電離放射線

中性子線

原子炉、加速器、RI等を利用してつくられる

直接電離放射線

β−線

原子核から放出される電子

直接電離放射線

β+線

原子核から放出される陽電子

直接電離放射線

電子線

加速器でつくられる

直接電離放射線

α線

原子核から放出されるヘリウム原子核

直接電離放射線

陽子線

加速器でつくられる

直接電離放射線

重陽子線

加速器でつくられる

直接電離放射線

重イオンや
中間子線

加速器でつくられる


性質

  1. 透過作用(種類によって透過力は大いに異なる)
  1. 蛍光作用(ある物質にあたると蛍光を発生させる)
  1. 写真作用(写真フィルムを感光させる)
  1. 電離作用(物質を透過するさい、原子や分子にエネルギ−を与え原子や分子から電子を分離させる)

放射線と放射能

放射線と放射能の関係を電灯と光線の関係にたとえてみると、放射線は電灯からの光線に相当し、放射能は電灯がもっている光線を出す能力、性質ということになります。
つまり放射能は放射線を出す能力、性質ということになります。