-病気と飲料水の話です-
pure water
 ナイジェリア旅行でまず気になるのは病気かもしれません。旅行前には黄熱病の予防接種を受けなくてはなりません。これがないとビザが取得できません。1回の注射は4000円ほどしますが、10年有効ですのでもとは十分にとれるでしょう。コレラのチェックについては緩和されているようですが、予防接種証明書のイエローカードを一応もっていれば問題はありません。
 これらは手続き上の問題にすぎないと思われがちですが、コワーイ病気はいっぱいあります。しばしばコレラの流行も報道されています。まずは自分で自分を守るのが基本的な姿勢といえましょう。わたしは月に1度発熱していました。そういうとき中範囲に効く抗生物質のタリピッドにはずいぶんとお世話になりました。
 長期滞在する場合には、マラリアも覚悟しなければなりません。蚊帳は必需品です。高くてももっていきましょう。わたしはこれまでナイジェリア製のマラリア薬を予防に飲んできました。それでも発作はでました。一番の予防は刺されないことです。
 10年前に比べると雨期でも蚊がずいぶん少なくなったと思われます。頭上に蚊柱がたたなくなったのは大きな改善といえるでしょう。

 ☆ただし最近わたしは、マラリアなどの感染症で有名な国内の病院で(ナイジェリアで豊富な)クロロキンやファンシダール系の薬剤を飲んでいると死んじゃうよとはっきり警告されました。またマダガスカル・コートジボワール・セネガルなぞのフランス語圏をよくご存知の方もクロロキンやファンシダールにはおそろしいほど否定的です。すすめられたのはメフロキンやアーテスネートという薬剤ですが、北ナイジェリアでは手に入らないと思ってください。メフロキンは国内の赤玉薬局で予約すれば購入可能だということです。わたし自身は購入経験はありません。マラリアについては情報は豊富ですので、サーチエンジン等で探してみてください。繰り返しになりますが、コワイ病気はいっぱいあります。亡くなった方も身近におります。注意をしすぎることはないかと思われます。



 マラリア以外で90年代に入って問題になったのはチフス(タイポイド)です。わたしも知人を亡くしましたし、重篤な状態になり、半年以上療養を余儀なくされた友人もいます。80年代には存在しなかった袋詰めの飲料水ピュア・ウォータの登場はこの辺りの事情をものがたっていると思われます。一袋5ナイラぐらいですが、ジモティも飲み水には非常に注意深く、昼時になるとピュア・ウォータを片手に食事をしている人々を見かけます。シロウトにとってはチフスも初期にはマラリアなどと区別がつきません。数ヶ月の短期の滞在の場合には抗生剤で症状をおさえながら帰国後に治療を受ける選択もあるかと思われますが、飲料水に注意したほうが無難です。カノは水が悪いことで有名ですから気をつけましょう。ソッコトは水道がひかれており、ナイジェリア国内でもかなり安心できる水だと言われています。沈殿物があって視覚的にも味覚的にもエグイですが、トラブルはありません。



 市販のピュア・ウォータが安全かというと必ずしもそうではありません。これまでピュア・ウォータ自体が病気や死亡事故の原因となっており、政府は袋詰めピュア・ウォータを禁止し、ボトル詰めへと次第に変更していく方針のようです(わたしは今のところトラブルはありません)。短期の滞在で安全を優先させるのならばペットボトルのミネラルウォーターを選ぶか、いったん煮沸した水を飲むべきでしょう。とはいえ現地のミネラルウォーターですら危ないという指摘もあります(わたし個人の経験では現在までミネラルウォーターのトラブルもまったくありません)。また電気のあるところなら湯沸かし用ヒーターを使えます。120円ほどで手に入りますので便利です。浄水剤は簡単に手に入りますが、万能ではありません。とにかくどこまで安全かの自己基準をつくることが大切でありましょう。ジモティが飲まない水は絶対に飲まないことです。慣れるにしたがって自己基準をゆるめていけばいいのですから。その頃にはどの病院へいったらいいかという知識もそなえていることでしょう。200年ほど前からヨーロッパ人は、すばらしいアメリカに対して病気が多く、住民も荒々しいアフリカ・イメージをつくってきましたが、少なくとも病気に関してはそうかなと思うことがときどきありますね。


AIDSに注意を呼びかけるステッカー









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