galerie / 生活、工芸、アートなどの企画展を開催

記憶のモンプチ
 
中西なちお|トラネコボンボン

2017,3.10 fri. -3.20 mon.
春分

会期中
open 11:00~18:00
close tuesday + 3/8 wed. 3/9 thu. 3/22 wed.



*作家在廊 10 金・11 土



         
   

3.11の地震が起きた時 わたしは東京に居ました。

テレビのない生活で 夜まで地震の被害の大きさを知りませんでした。

夜になってインタ―ネットで原子力発電所の屋根が吹き飛んだ映像を見て

メルトダウンした、と判断した夫と避難しました。

避難先から友人の安否を確認し避難を受け入れたり援助することを始めました。

毎日避難できない人々の不安や悲しみのことと放射能汚染のことを考えて

なにができるのか自問自答の日々、でも体も心もショックで固まっていました。

そんな中、友人の一人は「避難しない ここに居て、することがある。」と

すぐに行動をしていました。

友人は音楽家なのですが すぐにライブを配信しました。

映像で見た友人は震災から2週間もたたない間に痩せ細っていました。

友人の演奏は、まるで先の見えない真っ暗な道を照らす光でした。

降り注ぐ慈愛の雨のように 固まった体とゆれる心にしみ込む音でした。

ここに居て演奏しているから安心して、みんなができることをしていこう。」

 と言っているようでした。


私はこの震災のショックで生まれて初めて、人はすべて縁がつながっていて

遠く離れたあったこともない誰かの悲しみも、私に関係ないことではない、

ということを知りました。

誰かの苦しみは私の片割れであると思いました。


私には何ができるんだろうと思いながら骨身を削って活動を続ける友人に

物資を届けようか聞いたら「何もいらない、毎日一枚、動物の絵を描いて欲しい」

と言われました。


あの時みんなに本当に必要だったのはごはんや乾電池だけではありませんでした。

みんな不安で眠れず 情報に翻弄され 心身が疲弊していました。


毎日一枚の絵は本の中から挿絵を選ぶように書いています。

悲しみに少しでも優しい時間を贈りたいと思いながら

不安な気持ちにすこしの勇気がでるように毎日の一枚に託しています。

それは私の祈りのかたちです。」

 





これは震災後に始めた「記憶のモンプチ」の

最初の展覧会のために書いた文章です。

それから6年、毎日一枚、動物の絵を描き続けています。

絵には、どうでもいいような雑記を添えて。


日々の絵は上手でもなんでもない、

ほんとうに走り書きみたいな絵です。


紙もボロの紙が多いです。包装紙や、お菓子の箱、

雑誌の1ページの空きスペースだったり。

そんな落書きのような動物の絵、


一枚を描くことすら面倒だと思う日もあります。

毎日同じことを続けることが苦手で、

今までなにひとつ続いたことはありませんでした。


震災の後、友人に「動物の絵を毎日一枚送ってね。」

と言われて、描こうと決めた日に、

心の中で友人と、神様に約束をしました。

「毎日一枚、動物の絵を描くので、

みんなが楽しく暮らせますように。」


私は原子力発電所は無くなってほしいし、

放射能汚染の影響で、しんどい思いをする人たちが


すこしでも楽に暮らせるようになればいいと思います。

あの日起こったことの後始末はこの先もずっと長く続きます。

毎日、心を強く持って祈り続けることは私にはとても難しいです。


今の私にできることは忘れないでずっと続けること。

そう思って毎日一枚動物の絵を描いています。


                     中西なちお
         

記憶のモンプチ


それは、中西なちおという一人の女性が、

茶色いトラ猫の衣を纏い繰り広げる、

愉快で素敵なたったひとつの世界。

この世界の管理猫である茶色いトラ猫は、

お友達を励ますため、あの日を覚えているため、

たくさんの動物たちと毎日奮闘している。


この3月、7回目の春を迎える記憶のモンプチ。

6年間続くこの物語を、どうぞみなさまご覧下さいませ。

そして、トラ猫に込めた一人の女性のささやかな祈りを、

この私たちの世界にも広げることができますよう。

トラ猫共々願いつつ、みなさまのお越しを

こころよりお待ち申し上げております。



 今展では、2016年3月から2017年3月までの

 一年間の原画を中心に、

 2011年3月からの6年間の原画を展示販売致します。

 他出品 絵本、お弁当箱、ポスター、カード
         
    中西なちお|トラネコボンボン 

  2007年よりトラネコボンボン主宰 OBO Mansion キッチン+イラスト担当
  料理本「トラネコボンボンのお弁当」「トラネコボンボンのおもてなし」出版
  絵本「あるところの猫」「猫とサーカス」など4冊の絵本を出版
  全国 美味しいものと絵を携え跳び回っている

  2008年より夏至の夏至の日の食事会を開催
  2014年夏至にて絵本「猫とサーカス」出版記念展を開催
   
         
*会期中、shopのものも併せてご覧頂けます。

*カードのご利用は出来ません。
 宜しくお願い致します。
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