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little signal
上田亜矢子


2010,10.28 thu. → 11.8 mon.
         (定休日●毎週火曜日)



 どこもかしこも真っ白だった。床も、棚も、工具も、服も、皆、白い粉を被っていた。石を削る作業を日々繰り返し、作品が生まれ落ちる毎、白い粉は深く積もっていく。
 道程は長い。塊から切り出し、削り、彫り、磨き、それこそ粉まみれになりながら形を掴んでいく。工具もタフでクールだ。
 でも、なぜか、包みから取り出される完成したものたちは、柔らかく滑らかで、愛嬌のある表情を、いつも見せてくれる。

 ケケパドゴケ       
 ループスパイの果肉  
 バフィーニの標本    

 生まれたての、新しいこの植物たちには、ひとつひとつ相応しい名前が付けられていく。 胞子、粒子、結晶、触覚、藻、果肉。空想の顕微鏡を覗くと、古代のミクロの標本が目覚める。名前を持った石の植物たちは、ひそひそと、おしゃべりを始める。
 小さなシグナル。
 私達は、それを聞き逃さないよう、じっとこの植物たちの声を聞こうとするだけだ。






 夏至に合わせ、小さな小さな作品も作って下さいました。手に取りやすい、とても愛らしいサイズです。
 また、黒、緑、赤などの色石を使った作品「いろの収集」も、今回誕生致しました。

 彫刻というと、構える方が多いかと思いますが、上田さんの作られるものは、どこか人懐こく、控えめで、つい触れてみたくなるような作品です。ぜひ、多くの方にご覧頂き、楽しんで頂きたいと思っております。
 小さな空想の図鑑を。











      植物からの
      小さなシグナル
      記号
      目配せ
      それをそっと
      肌色の石に閉じ込める
      それらの
      標本は
      また
      信号を
      送り始める

 上田亜矢子

 1993− 彫刻家小畠廣志に師事
       彫刻を学び色々な素材と出会う中、
       石による彫刻制作、発表を始める
 1999  彫刻家上田快と共に「Kai Studio」設立
      
トラバーチン大理石を使用した作品制作を開始
 2002  「赤い石 白い石」展(六本木)
      開店準備の為上京した折り、この展示会に出会い、
      水盤に魅せられる
 2006,6 「夏草」展(長野 夏至)
       多草小石、草舟石など小作品を作り始める
 2007,1 香を愉しむ(銀座 無境)
     6 心に眠る図鑑(目黒 Galley KLAMER)
 2010,4 ボッテガ・ヴェネタのミラノサローネ(世界最大の
       家具見本市)におけるホームコレクション新作発表
       の場で、日本の職人(アルチザン)が紹介される
       その代表11人の中に選抜される
       ミラノから世界に向け発信された
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