galerie/企画展 
向こう側の光
こちら側の闇
郡司慶子


 2010,9.16thu. → 9.27mon.

           (会期中 火曜日定休)


 光を内包しているもの、といつも思う。自身は輝くことは無いけれど、蓋を開くと、光がすっと射すような。


 慶子さんの彫りと描く仕事には、自分はどこか暗い場所にいて、きらきらとした光の粒子を、目を開き、ずっと探り続けている、そんな印象があります。
 人がまだ住む前の森、生き物だけが目覚めている時間、植物の深い匂い、それらの息遣いにじっと耳を澄まし、慎重に匂いを嗅ぎ、もう少し、もう少し、と深く入っていく。その、ひとつひとつ、一個一個の対話が、一遍の歌のように、形になっていくのだと感じます。
 
 掌に包みこまれる小さな蓋物。
 彫りのものは、陽刻と呼ばれる、モチーフが浮き出るように彫り出した、東洋の香りのするもの。草木や花弁、鹿などが、柔らかな釉薬の下に覗いています。
 染付けと掻き落しのものは、深いトルコブルーの小箱。繊細な絵柄で、イスラムの鮮やかなタイルを思わせます。鳥が鳴き、木が天を仰ぎ、愛らしい模様です。

 今回、鉄絵の新しくチャレンジされた器も並びました。こちらはダイナミックにおおらかに。乾いた質感は、どこか南米の明るさを連想させる楽しい器です。

 まるで違うようで、不思議と違和感のない二つの顔。両方があって、自分らしい、と慶子さんは話されます。
 
 小さないれものと香りのものを中心に。
 掌の中の小さな宇宙を感じて頂けたらと思っております。



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 小さないれもの
 香合
 小さな花挿し
 ポットとカップ
 壺
 ブローチ

 鉄釉の器

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 16日(木)、18日(土)、19日(日)郡司慶子さん、在廊します。
 皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております。
   歩いていくと
   ざわざわ ざわざわと
   そこはまだ暗い
   生き物の息遣いと
   植物の呼吸の匂い
   もう少しだけ奥へ
   もう少しだけ深く
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