皆神山は、長野市南東部松代町にあり、標高659mです。また、直径 1kmあまりの
おわんを伏せたような不思議な形をしており、山岳信仰の対象ともなり、さらにピラ
ミッド伝説もうわさされる山でもあります。
 山頂には長野市の天然記念物に指定されているクロサンショウウオが生息していま
す。北側の山麓には湧水が多く、名水として有名な泉もあります。
 皆神山は火山です。といっても火山灰を噴出したり、溶岩流を流したりするような
火山ではなく、粘り気が強く流れにくいマグマがゆっくり地表に上がってきて、冷え
固まって出来たものです。このような火山を溶岩ドーム(溶岩円頂丘)と呼んでいま
す。山頂部の中央部は凹み、ピークが二つあります。これは、まっすぐ山頂に上がっ
てきた溶岩が両側に移動したためにできたものです。普通、このような溶岩は、上が
ってきてからゆっくり横に広がるので、山体の中はたまねぎ状になっていることが多
いのです。皆神山の溶岩は流れにくいため、溶岩の流れたあとが縞模様として岩石に
残っています。西麓の石切り場にある大きな転石にそれが見られます。
 また、北側斜面やその他数本の深い谷が見られる以外、全体的にのっぺりとした山
です。皆神山は、比較的若い火山なので侵食があまり進んでいないのです。
 皆神山が出来たのは今から35万年前とされています。この頃は、松代などが位置す
る長野盆地の東側では、東側の山が隆起し、盆地側では堆積が進んでいました。この
平野部に皆神山は誕生したのです。近くのボーリング調査からは、 皆神山溶岩が150
m程の厚さがあることが確認されていて、その下に湖にたまった堆積物が見つかりま
した。これは、皆神山が出来たときはこの辺は静かに水のたまる環境だったことがわ
かります。皆神山ができてからも長野盆地の東側の山は隆起しつづけました。そして
その山々からは、土砂がたくさん流れてきて、皆神山の足元を埋めたのです。

                    渡辺 佳美(総合地質コンサルタント)
おまんじゅうのような山
          ――皆神山

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