私のケース作り・シャーシ作り・・・時間と根性のある人向き
オーディオクラフトメインのページに書いたように、ラインアンプなどのケース、メインアンプ等のシャーシはすべてハンドメイドだ。
もちろん市販のケースを使用すればそれなりの見栄えのするものができる。AKI−USBDACは製作したものの内で唯一、市販
ケース(タカチのHEN110420S)を使っているが、見栄えはいいと実感できる。
AKI−USBDAC
しかし、購入となるとかなり高額だ。数万円はするものも。これがひとつ引っかかる。もう一つ引っかかる点がある。それは、メ
ーカーによって大きさ・仕様が決まってしまうことだ。これだと自由さが無い。そうなると「なきゃ、作る!!!」の精神だ。 幸い、
ズク (長野県の北信地域の方言:努力を惜しまないこと、積極的に行動すること) と時間はある!!
こうして、メインアンプなどは木枠+天板、ラインアンプなどはアルミ板+L型アングルを使って手作りのシャーシやケースとなっ
ている。今回、最近製作したTTCラインアンプのケースを例に私のこのケース作りに焦点を絞って紹介します。
【 仮 組 】
仮組 仮組を解体してボルトナット類を回収
・・・けっこうの数のボルト・・それだけ穴開けの数が!! 根性!!
まず、必要な大きなにアルミ板をカットして直方体ですので正面・側面・背面を中心に6面のアルミ板をL型アング
ルを使って組み立てていきます。天板と底板は後でビス留めです。
この時は仮止めですのでボルトナット類だけ、ワッシャー等は使いません。また、正確な寸法で作るためにアルミ
板はカット材を多く使います。こうすることで直角や大きさからの誤差から逃れることができます。ただ、カット材で
すのでその大きさは限定されてしまいますが、仕方ありません。が、いろいろなサイズのカット材が販売されてい
ますのでその制約はさほどきついものではないと思います。
できるだけ、パーツを取り付ける穴もこのときまでに開けておくといいと思います。
【参考】
カット材はリンクのコーナーにもあるように『エスエス無線』さんからの購入しています。通販もしてくれますので便利です。今年の21th真空管
オーディオフェアでもお邪魔しましたが、いわゆるお弁当型のシャーシが品薄になっている理由が、メーカーの生産中止であることを知りまし
た。ここでもまた時代の波を感じました。
このとき、気を付けた方がいいことはLアングルを取り付けるためのボルトの取り付け位置です。3Dなので気を
付けないと同じ位置に穴開けをしてしまい、ボルトが止めれなくなることがあります。人間の感覚って不思議なも
のでどうしても同じ位置に取り付けがちになるんですね。
仮組を解体してパーツとなる板材を箱などに入れて無くさないようします。このとき、小さなLアングル材などは特に
気を付けた方がいいと思います。また、Lアングル材はどこの部分に使うのかをわかるように重なって見えなくなる
部分に記入しておくといいです。
【 磨 き 】
半分をヤスリがけ・・・この後もう半分をヤスリがけしていきます
実は、当初はアルミ材には保護膜が張られていたのでそのまま鏡面のまま使うか、あるいは紙ヤスリを使ってヘアー
ライン面としてケースとしていました。鏡面だと後で透明スプレーをかけたときにあまりきれいになりません。 また、ヘ
アーラインをきれいに作ることは結構難しいものです。それでも他に手が無くてそのままでケースとしていました。
ところがあるとき、ちょっとした曲げを作ってしまい、それを強制するために傷を付けてしまいました。その傷を無くす、
また平面をつくるという意味で仕上げサンダーでヤスリがけをしてみました。そしたら、なんと結構きれいな「梨地」面
ができたのです。これに透明スプレーをかけても結構きれい仕上がりますので、とても気に入りました。それ以来、天
板シャーシでもケースでも仕上げはこのサンダーで梨地仕上げとしています。
コツは仕上げサンダーの振動方向がランダムになる(直線状の往復運動ではない)動きででヤスリがけをすることです。
ただ、直線状の往復運動の方がいいかもしれないということもあり、それぞれの主観で決めてもらうことになります。ち
なみに、私は#240のヤスリでこのヤスリがけをしています。
【 洗 浄 】
ヤスリがけをしたままですと、細かな削りカスがついていますので、洗浄します。最初は台所用のクレンザーで洗浄して
いたのですが、これだと傷をつけることがあり、今は台所用洗剤だけで洗浄です。泡の力で細かな削りカスを落とすと
いったイメージです。
【 乾 燥 ・ 塗 装 】
軽く水洗いをしてから乾燥させます。乾燥したところで透明のラッカースプレーを一吹き。これで表面につやができ、きれ
いに梨地が浮かび上がりますし、腐食にも強くなります。
スプレーがけ 完成した部材
【 完 成 】
完成した部材をボルトナット類で止めながらケースを完成させていきます。本組なの座金やスプリングワッシャーを使って
きちんと止めていきます。必要なら多少の修正もあります。
天板と底板はビス留めをするので、工具を使ってタップを切っておきます。
ねじ切りのための工具
側面にはたくさんのビス頭が見えますので、側面には平ビスを使って頭を平らになるようにして側板で飾りを取り付けます。
こうすることでちょっと高級感もあります。
完成したTTCラインアンプ
・・・・この後透明シートに印刷したレタリング文字を張って完成です