パイオニア20cmウーハー

 PW-20B エッジ修復

QWT_F200Aの制作がほぼ終わって、最終段階の吸音材の調整の段階までこぎ着けて、本来ならフォステクスのF200Aを
入れて調整すべきなのだが、現物がない。購入するにも1本40000円以上、年金生活の身ではおいそれとは購入もで
きない。少しずつ蓄えて購入するしかない。かといって、最初の計画からしていろいろ当たってみたが、F200Aに変わるユ
ニットも探せないでいる。

しかし、気の短い私は、何とか音出ししてみたいと思う。そんな折、思い出したのがパイオニア20cmウーハーPW−20B
の存在だ。ただ、こいつ、もう何十年の代物でエッジはぼろぼろ、コーン紙もエッジ部分がぼろぼろになっている。それでも、
音出ししてみるとちゃんと音が出ている。ロクハン主義の私にとって唯一8インチSPなのだ。これを修復して何とか音出しし
てみたいと思ってエッジの張り替えを試みることにした。


しかし、ここへきて思い出す2、3年前の苦い思い出がある。それはFF125Eのエッジ修復の失敗だった。
実は、エッジがぼろぼろだったFF125をみていて、何とかならんかと思っていたが、偶然目にした「ファンテック」というHPを
見ていると、エッジの張り替えも簡単にできるように思ってしまった。そこで、通販で接着剤・エッジなど一通りの必需品を手
に入れた。

         
    ファンテックさんから購入した接着剤等           市販の接着剤も使用     厚手の家庭用アルミカップ・・・センターキャップに使用  

                       
  隙間充填材・・・半裁して使用             半裁してボードに接着                今回のPW-20B用
                                  ・・・エッジカーブの形を作る          ・・・アクリル板を使って木工用ボンドで接着

早速やってみると、初めての悲しさ、何とも悲惨な外見の代物ができあがった。恥を忍んでもとてもお見せする代物ではない。

                      
                     ファンテックさんの通販にはちゃんと張り替え例のチラシが添付

ちなみに、ファンテックさんの名誉のために、これは当方の技術未熟のせいであり、ファンテックの品物は十分それなりの
クオリティがあることは間違いないことを報告しておきたい。

そして、これでも結構音は出ていたのではあるが、あまりの見苦しさにエッジの張り替えという難題からは足を洗っていた。
が、以上のようなわけで、再度意を決してエッジの張り替えという作業に挑むことにした。



まず、PW-20Bに必要な接着剤は以前購入しておいたもので間に合いそうだ。また、コーン紙の修復に必要な薬剤も購入
品で間に合いそうだ。あと、必要なものはエッジだけだと確認できたところで、久しぶりにファンテックさんのHPをのぞいて
みた。ちょうど使えそうなエッジも見つかった。(以前より品揃えは充実していた感じがする) が、たった1枚のエッジのた
めに通販はちときつい。そこでエッジの自作から始めようと試みた。

さいわい、先のFF125のエッジの張り替えからエッジの自作のノウハウは多少なりともある、要は少し力を込めて制作すれ
ば何とかなるだろうという読みだ。
早速、不織紙を使って作ってみた。ウーハーだからエッジは堅くなければならないと、不織紙を3重にしてファンテックさん
から購入したボンド(これは、普通の木工用ボンドと違って硬化しても堅くならないタイプだ)で、固めて制作。できたところ
で早速PW-20Bに取り付けてQWT_F200Aにセットして音出し。なんと、低音が全く出ない!!
そう、ウーハーなのだから振動を抑えてはいけないのだ、つまり、エッジは柔らかくなくてはいけないのだ。
ここでめげることはなかった、何事もやってみないとわからないのだ。早速2回目のエッジの制作開始。

1回目の制作から、いくつかのノウハウを得たので、いくつか新たに工夫してトライすることにした。

  ○エッジの貼り付け部分は、平面性と接着の堅さが必要だろうと木工用ボンドで固める
  ○エッジの形を整えるために、エッジの内側と外側の貼り付けは片側ずつ行い、片方が硬化してからもう片方を
    接着すると、きれいな形でエッジを作れる
  ○エッジの堅さを考えて、ファンテックさんのボンドを水で薄めて塗布するが、2回までとする
     ・・・これでも堅くなったので1回の一発勝負がいいのかもしれない

          
          まず、PW-20Bのコーン紙の整形                コーン紙にあわせてエッジの制作・・・素材は布

以上の経験から制作してPW-20Bの張り替えをした結果が、以下の写真です。 まだまだ、見栄えは完全ではないのですが、
一応、形にはなっています。

                


これで、改めて音だししてみました。エッジが堅いせいかウーハーというよりフルレンジといった音が出てきました。ただ、この
仮付けのQWT_F200Aですが、狙い通りの低域のみが背後の解放部から出ています。狙い通りの音になっていることを確認で
きました。



吸音材の入れ方や側板の最終的な固定はなど、ツメは、やはりF200Aを装着してからでないと最終的な判断はできませんの
で、今は仮止めのPW-20Bで音を出しています。

しばらく、音出しをして気づいたことは、やはり能率の良さのせいでしょうか8インチの音の厚みには感心しているところです。
今まで聴いていたロクハンの音とはちょっと違う感じです。友人のいう8インチの音がいいというのも納得した思いです。


最初の失敗からすれば、満足しなければいけないのでしょうが、それでもまだまだ技術的には未熟であることは否めません。
さらに、工夫していきたいと思っています。それにつけても、いろいろと細かなところまで技術的な解説までしていただける、ファ
ンテックさんには、感謝したいと思います。ファンテックさんのこうしたことがなければここまではこれなかったと、改めて思います。